この記事で分かること
令和元年度(後期)2級管工事施工管理技士「学科試験」の問題No.1〜10を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.1〜6は必須問題です。正答は公式の正答肢で確認済みです。
問1
分野:空調設備(湿り空気)重要度 ★★☆
湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)飽和湿り空気の相対湿度は100%である。
(2)絶対湿度は、湿り空気中に含まれる乾き空気kgに対する水蒸気の質量で表す。
(3)空気中に含むことのできる水蒸気量は、温度が高くなるほど少なくなる。
(4)飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
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📘 温度と含める水蒸気量とは?
空気が含める水蒸気の量には上限(飽和量)があり、これは温度によって変わります。あたたかい空気ほど、たくさんの水蒸気を含めます。
だから、温度が高くなるほど含める水蒸気量は多くなります。冷えると含みきれず水滴(結露)になります。「温度が高くなるほど少なくなる」は逆で誤りです。
⭕(1)飽和湿り空気の相対湿度は100%である。
正しい。飽和湿り空気(これ以上水蒸気を含めない状態)の相対湿度は100%です。
⭕(2)絶対湿度は、湿り空気中に含まれる乾き空気kgに対する水蒸気の質量で表す。
正しい。絶対湿度は、乾き空気1kgあたりに含まれる水蒸気の質量(kg)で表します。
❌(3)空気中に含むことのできる水蒸気量は、温度が高くなるほど少なくなる。
これが誤り。空気は温度が高いほどたくさんの水蒸気を含めます。「温度が高くなるほど少なくなる」は逆で誤りです。
⭕(4)飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
正しい。飽和状態では蒸発による冷却が起きないので、乾球温度と湿球温度が等しくなります。
問2
分野:空調設備(水と環境)重要度 ★★☆
水と環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)気圧における空気の水に対する溶解度は、温度の上昇とともに減少する。
(2)濁度は水の濁りの程度を示し、色度は水の着色の程度を示す度数である。
(3)DOは、水中に溶けている酸素の量である。
(4)CODは、水中に含まれる浮遊物質の量で、水の汚濁度を判断する指標である。
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📘 CODとSSとは?
COD(化学的酸素要求量)は、水中の有機物などの汚れを化学的に酸化するのに必要な酸素の量です。値が大きいほど水が汚れています。BODと並ぶ汚濁の指標です。
一方、SS(浮遊物質量)は、水中に浮かんでいる固形物の量です。CODは「酸素要求量」、SSは「浮遊物の量」で別のものです。「CODは浮遊物質の量」は誤りです。
⭕(1)気圧における空気の水に対する溶解度は、温度の上昇とともに減少する。
正しい。空気(気体)の水への溶解度は、温度が上がると減少します。
⭕(2)濁度は水の濁りの程度を示し、色度は水の着色の程度を示す度数である。
正しい。濁度は水の濁りの程度、色度は水の着色の程度を示します。
⭕(3)DOは、水中に溶けている酸素の量である。
正しい。DO(溶存酸素)は、水中に溶けている酸素の量です。
❌(4)CODは、水中に含まれる浮遊物質の量で、水の汚濁度を判断する指標である。
これが誤り。COD(化学的酸素要求量)は、水中の有機物などを酸化するのに必要な酸素の量で、汚れの指標です。「浮遊物質の量」はSS(浮遊物質量)のことなので、誤りです。
問3
分野:空調設備(流体)重要度 ★★☆
流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)流体の粘性の影響は、流体に接する壁面近くでは無視できる。
(2)水中における水の圧力は、静止した水面からの深さに比例して高くなる。
(3)圧力計が示すゲージ圧は、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力である。
(4)ベルヌーイの定理は、流線上にエネルギー保存の法則を適用したものである。
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📘 粘性と壁面(境界層)とは?
粘性は流体のねばりけです。管や物の壁面のすぐ近くでは、流体が壁に引っぱられて流れが遅くなり、壁面では流速がゼロになります。この流速が変化する薄い層を境界層といいます。
つまり、粘性の影響は壁面近くで大きく、流れの中心ほど小さくなります。「壁面近くでは無視できる」は逆なので誤りです。
❌(1)流体の粘性の影響は、流体に接する壁面近くでは無視できる。
これが誤り。粘性(ねばり)の影響は、壁面近くでこそ大きくなります。壁面では流れが遅くなり(流速ゼロ)、境界層ができます。「壁面近くでは無視できる」は逆で誤りです。
⭕(2)水中における水の圧力は、静止した水面からの深さに比例して高くなる。
正しい。水中の圧力は、水面からの深さに比例して高くなります(深いほど高い)。
⭕(3)圧力計が示すゲージ圧は、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力である。
正しい。ゲージ圧は、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力です。
⭕(4)ベルヌーイの定理は、流線上にエネルギー保存の法則を適用したものである。
正しい。ベルヌーイの定理は、流線上でエネルギー保存の法則を適用したものです。
問4
分野:空調設備(熱)重要度 ★★☆
熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)体積を一定に保ったまま気体を冷却すると、圧力は低くなる。
(2)0℃の水が0℃の氷に変化するときに失う熱は、顕熱である。
(3)国際単位系(SI)では、熱量の単位としてジュール[J]を用いる。
(4)熱と仕事はともにエネルギーの一種であり、これらは相互に変換することができる。
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📘 顕熱と潜熱とは?
顕熱は、物の温度を上げ下げするのに使われる熱で、温度計で変化がわかります。潜熱は、氷→水、水→水蒸気のようにすがた(相)が変わるときに使われ、温度は変わらない熱です。
0℃の水が0℃の氷になるのは温度が変わらない相変化なので、出入りする熱は「潜熱」です。「顕熱」は誤りです。
⭕(1)体積を一定に保ったまま気体を冷却すると、圧力は低くなる。
正しい。体積一定で気体を冷やすと、分子の動きが弱まり圧力は下がります。
❌(2)0℃の水が0℃の氷に変化するときに失う熱は、顕熱である。
これが誤り。0℃の水が0℃の氷に変わるのは相変化で、温度は変わりません。このとき出入りする熱は潜熱です。「顕熱」は誤りです。
⭕(3)国際単位系(SI)では、熱量の単位としてジュール[J]を用いる。
正しい。SI(国際単位系)では、熱量の単位にジュール[J]を用います。
⭕(4)熱と仕事はともにエネルギーの一種であり、これらは相互に変換することができる。
正しい。熱と仕事はどちらもエネルギーの一種で、相互に変換できます。
問5
分野:電気設備重要度 ★★☆
電気設備の制御機器に関する「文字記号」と「用語」の組合せとして、適当でないものはどれか。
(1)F ―― ヒューズ
(2)ELCB ―― 漏電遮断器
(3)SC ―― 過負荷欠相継電器
(4)MCCB ―― 配線用遮断器
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📘 SC(進相コンデンサ)とは?
SCは、電気の記号で進相コンデンサ(Static Capacitor)を表します。進相コンデンサは、電気を効率よく使うための力率改善に用いられます。
「過負荷欠相継電器」はモーターの保護をする別の機器です。SCとは別物なので、「SC=過負荷欠相継電器」は組合せが誤りです。
⭕(3)SC ―― 過負荷欠相継電器
これが誤り(適当でない組合せ)。SCは進相コンデンサ(Static Capacitor)を表す記号です。「過負荷欠相継電器」ではないので誤りです。
問6
分野:建築重要度 ★★☆
鉄筋コンクリート造の建築物の鉄筋に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)ジャンカ、コールドジョイントは、鉄筋の腐食の原因になりやすい。
(2)鉄筋のかぶり厚さは、外壁、柱、梁及び基礎で同じ厚さとしなければならない。
(3)あばら筋は、梁のせん断破壊を防止する補強筋である。
(4)コンクリートの引張強度は小さく、鉄筋の引張強度は大きい。
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📘 かぶり厚さとは?
かぶり厚さは、鉄筋の表面からコンクリート表面までのコンクリートの厚みで、鉄筋をさびや火から守る大切な寸法です。
このかぶり厚さは、部位によって必要な値が違います。土に接する基礎は厚く、屋内・屋外や壁・柱・梁でも変わります。「すべて同じ厚さ」は誤りです。
⭕(1)ジャンカ、コールドジョイントは、鉄筋の腐食の原因になりやすい。
正しい。ジャンカ(豆板)やコールドジョイント(打継ぎ不良)はすき間ができ、鉄筋が腐食しやすくなります。
❌(2)鉄筋のかぶり厚さは、外壁、柱、梁及び基礎で同じ厚さとしなければならない。
これが誤り。鉄筋のかぶり厚さは、部位によって必要な厚さが異なります(土に接する基礎は厚く、屋内外でも違う)。「外壁・柱・梁・基礎で同じ厚さ」は誤りです。
⭕(3)あばら筋は、梁のせん断破壊を防止する補強筋である。
正しい。あばら筋(スターラップ)は、梁のせん断破壊を防ぐための補強筋です。
⭕(4)コンクリートの引張強度は小さく、鉄筋の引張強度は大きい。
正しい。コンクリートは引張りに弱く、鉄筋は引張りに強いので、両者を組み合わせて使います。
問7
分野:空調設備(省エネ計画)重要度 ★★☆
空気調和設備の計画に関する記述のうち、省エネルギーの観点から、適当でないものはどれか。
(1)成績係数が高い機器を採用する。
(2)予冷・予熱時に外気を取り入れないように制御する。
(3)ユニット形空気調和機に全熱交換器を組み込む。
(4)湿度制御のため、冷房に冷却減湿・再熱方式を採用する。
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📘 冷却減湿・再熱方式とは?
冷却減湿・再熱方式は、空気をいったん冷やして水分を取り(減湿)、そのあと再び温めて(再熱)ちょうどよい温度・湿度にする方式です。湿度を細かく調整できます。
しかし、冷やすのにも温め直すのにもエネルギーを使うため、むだが多く省エネには反します。だから「省エネの観点から適当でない」のはこの方式です。
⭕(1)成績係数が高い機器を採用する。
正しい(省エネ)。成績係数(COP)が高い機器は、少ない電気で多くの冷暖房ができ省エネです。
⭕(2)予冷・予熱時に外気を取り入れないように制御する。
正しい(省エネ)。予冷・予熱時に外気を止めると、余分な熱の出入りを抑えられ省エネになります。
⭕(3)ユニット形空気調和機に全熱交換器を組み込む。
正しい(省エネ)。全熱交換器は、捨てる排気の熱を回収して省エネになります。
❌(4)湿度制御のため、冷房に冷却減湿・再熱方式を採用する。
これが誤り(省エネに反する)。冷却減湿・再熱方式は、一度冷やした空気をまた温め直すため、冷やすエネルギーと温めるエネルギーの両方を使い、むだが大きく省エネに反します。
問8
分野:空調設備(湿り空気線図)重要度 ★★★
下図に示す冷房時の湿り空気線図のc点に対応する空気調和システム図中の位置として、適当なものはどれか。
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📘 冷房時の空気の流れと線図とは?
冷房では、暑い外気(a・①)と室内からの還気(居室b・④)が混ざって混合空気(c)になり、コイル(②)で冷やされて冷たい給気(d)になり、送風機(③)で室内へ送られます。
c点は、コイルに入る前の混合空気なので、システム図のコイル位置(②)に対応します。「c=混合空気=②」と読み取ります。
❌(1)①
誤り。①は外気(OA)の取入れ位置で、線図では最も高温多湿のa点に対応します。
⭕(2)②
これが正しい。c点は外気と還気が混ざった混合空気で、コイル(②)に入る空気に対応します。
❌(3)③
誤り。③は送風機(コイルで冷やされた後)の位置で、線図ではd点に対応します。
❌(4)④
誤り。④は居室(室内)で、線図ではb点に対応します。
問9
分野:空調設備(熱負荷)重要度 ★★☆
冷房時の熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)窓ガラス面からの熱負荷を算定するときは、ブラインドの有無を考慮する。
(2)人体や事務機器からの熱負荷を室内負荷として考慮する。
(3)潜熱負荷に対する顕熱負荷の割合を顕熱比(SHF)という。
(4)OA機器による熱負荷は、顕熱のみである。
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📘 顕熱比(SHF)とは?
顕熱比(SHF)は、冷房負荷のうち温度に関わる顕熱がどれくらいの割合かを表す数字です。式はSHF=顕熱負荷 ÷ 全熱負荷(顕熱+潜熱)です。
つまり「全熱に対する顕熱の割合」です。「潜熱負荷に対する顕熱負荷の割合」ではないので、この説明は誤りです。
⭕(1)窓ガラス面からの熱負荷を算定するときは、ブラインドの有無を考慮する。
正しい。窓ガラス面の熱負荷は、日射をさえぎるブラインドの有無で変わるので考慮します。
⭕(2)人体や事務機器からの熱負荷を室内負荷として考慮する。
正しい。人体や事務機器が出す熱は、室内負荷として計算に入れます。
❌(3)潜熱負荷に対する顕熱負荷の割合を顕熱比(SHF)という。
これが誤り。顕熱比(SHF)は、「全熱負荷(顕熱+潜熱)」に対する「顕熱負荷」の割合です。「潜熱負荷に対する顕熱負荷の割合」ではないので誤りです。
⭕(4)OA機器による熱負荷は、顕熱のみである。
正しい。OA機器(パソコンなど)は水分を出さないので、その熱負荷は顕熱のみです。
問10
分野:空調設備(結露)重要度 ★★★
居室の温湿度が下図に示す空気線図上にあるとき、窓ガラス表面に結露を生ずる可能性が最も高いものはどれか。ただし、窓ガラスの居室側表面温度は10℃とする。
(1)居室の温湿度が22℃DB、50%RHのとき。
(2)居室の温湿度が19℃DB、52%RHのとき。
(3)居室の温湿度が18℃DB、55%RHのとき。
(4)居室の温湿度が16℃DB、60%RHのとき。
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📘 露点温度と結露とは?
露点温度は、空気を冷やしていったとき、水滴(露)ができ始める温度です。空気に含まれる水分が多い(温度が高く湿度も高い)ほど、露点は高くなります。
窓ガラスの表面温度(ここでは10℃)が、室内空気の露点温度より低いと、窓の表面で空気が冷やされて結露します。だから露点が最も高い(22℃・50%=約11℃)ものが、いちばん結露しやすいのです。
⭕(1)居室の温湿度が22℃DB、50%RHのとき。
これが正しい。22℃・50%の空気の露点温度は約11℃で、窓表面10℃より高いため、窓で冷やされると水滴(結露)ができます。4つの中で露点が最も高く、結露しやすいです。
❌(2)居室の温湿度が19℃DB、52%RHのとき。
露点は約9〜10℃で、窓表面10℃をほぼ超えず、(1)より結露しにくいです。
❌(3)居室の温湿度が18℃DB、55%RHのとき。
露点は約9℃で、窓表面10℃を下回るので結露しにくいです。
❌(4)居室の温湿度が16℃DB、60%RHのとき。
露点は約8℃で、窓表面10℃を下回るので結露しにくいです。
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