この記事で分かること

令和5年度(前期)2級管工事施工管理技士「第一次検定」の問題No.1〜10を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.1〜6は必須問題、No.7〜23は選択問題です。正答は公式の正答肢で確認済みです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 全国建設研修センターが公表しているものです。本記事はそれを引用したうえで、解説・図解・覚え方を独自に加えています。
出典:令和5年度前期 2級管工事施工管理技術検定(第一次検定)

問1

分野:一般基礎(環境工学)重要度 ★★☆

次の指標のうち、空気環境と関係のないものはどれか。

(1)平均放射温度
(2)予想平均申告(PMV)
(3)浮遊物質(SS)
(4)不快指数
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正解
(3)が正解

用語浮遊物質(SS)とは?

浮遊物質(SS)は、水の中にただよう細かい固体で、水のにごり具合=水質を示す指標です。

空気の環境を表す指標(平均放射温度・PMV・不快指数など)とは別ものです。空気の汚れを示すのは浮遊粉じん(SPM)で、SSと混同しないようにしましょう。

⭕(1)平均放射温度

関係があります。平均放射温度(MRT)は、まわりの壁などから受ける放射熱(離れた物から電磁波で伝わる熱)を表す、温熱環境(暑さ寒さに関わる室内の環境)の指標です。

⭕(2)予想平均申告(PMV)

関係があります。予想平均申告(PMV)は、暑さ寒さの快適さを表す温熱環境の指標として使われます。

❌(3)浮遊物質(SS)

これが関係ありません。浮遊物質(SS)は水のにごり(水質)の指標で、空気環境とは関係ありません。

⭕(4)不快指数

関係があります。不快指数は、気温と湿度から蒸し暑さを表す温熱環境の指標です。

問2

分野:一般基礎(環境工学)重要度 ★★☆

水に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)1気圧のもとで水の密度は、0℃のときに最大となる。
(2)1気圧のとき、水に対する空気の溶解度は、温度の上昇とともに減少する。
(3)1気圧のもとで1kgの水の温度を1℃上昇させるために必要な熱量は、約4.2kJである。
(4)1気圧のとき、沸点は約100℃であるが、気圧が下がると沸点も下がる。
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正解
(1)が誤り

用語水の密度が最大になる温度とは?

一般的な物質は冷やすほど縮んで密度が大きくなりますが、水は4℃で密度が最大になり、それより冷えると逆に少し膨らみます。

そのため氷(0℃)は水より密度が小さく、水に浮きます。「水の密度が最大は4℃」と覚えましょう。「0℃で最大」は誤りです。

❌(1)1気圧のもとで水の密度は、0℃のときに最大となる。

これが誤り。水の密度が最大になるのは4℃のときです。「0℃のとき」ではないので誤りです(そのため氷は水に浮きます)。

⭕(2)1気圧のとき、水に対する空気の溶解度は、温度の上昇とともに減少する。

正しい。水に溶ける空気の量(溶解度)は、水温が上がるほど減ります。

⭕(3)1気圧のもとで1kgの水の温度を1℃上昇させるために必要な熱量は、約4.2kJである。

正しい。1kgの水を1℃上げるのに必要な熱量は約4.2kJです(これを水の比熱といい、物の温まりにくさの目安になります)。

⭕(4)1気圧のとき、沸点は約100℃であるが、気圧が下がると沸点も下がる。

正しい。1気圧での沸点は約100℃ですが、気圧が下がると沸点も下がります(高い山でお湯が低温で沸くのと同じ)。

問3

分野:一般基礎(流体工学)重要度 ★★☆

流体に関する用語の組合せのうち、関係のないものはどれか。

(1)粘性係数 ── 摩擦応力
(2)パスカルの原理 ── 圧力
(3)ベンチュリー管 ── 流量計測
(4)ダルシー・ワイスバッハの式 ── 表面張力
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正解
(4)が正解

用語ダルシー・ワイスバッハの式とは?

ダルシー・ワイスバッハの式は、配管の中を流体が流れるときに、管の摩擦でどれだけ圧力が失われるか(摩擦損失)を計算する式です。

管の長さや太さ、流速、摩擦係数から求めます。水滴が丸くなるような「表面張力」とは無関係で、組合せが間違っています。

⭕(1)粘性係数 ── 摩擦応力

関係があります。粘性係数は流体の粘りを表し、流れの摩擦応力(摩擦の力)に関わります。

⭕(2)パスカルの原理 ── 圧力

関係があります。パスカルの原理は、閉じ込めた流体に加えた圧力が全体に等しく伝わるという圧力の法則です。

⭕(3)ベンチュリー管 ── 流量計測

関係があります。ベンチュリー管は、絞りの前後の圧力差から流量を計測する器具として使われます。

❌(4)ダルシー・ワイスバッハの式 ── 表面張力

これが関係ありません。ダルシー・ワイスバッハの式は、管の中を流れるときの摩擦による圧力損失を求める式です。「表面張力」とは関係がないので誤りです。

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問4

分野:一般基礎(熱)重要度 ★★☆

熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)気体を断熱圧縮すると温度は上がる。
(2)温度変化を伴わず、相変化するときに必要な熱は顕熱である。
(3)相変化には、融解、凝固、気化、液化、昇華等がある。
(4)熱伝導率は、一般的に、気体は小さく、金属は大きい。
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正解
(2)が誤り

用語顕熱と潜熱とは?

顕熱は、温度を上げ下げする熱です(お湯の温度を上げるなど)。温度計に「顕(あらわ)れる」ので、顕熱と呼びます。

潜熱は、温度は変わらず、状態を変える(相変化する)ときの熱です(氷が溶ける、水が蒸発するなど)。温度に現れず「潜(ひそ)む」ので、潜熱と呼びます。つまり、相変化のときの熱は潜熱のほうです。

⭕(1)気体を断熱圧縮すると温度は上がる。

正しい。気体を熱を逃がさずに圧縮(断熱圧縮)すると、温度が上がります(自転車の空気入れが熱くなるのと同じ)。

❌(2)温度変化を伴わず、相変化するときに必要な熱は顕熱である。

これが誤り。温度が変わらず、状態が変わる(相変化する)ときの熱は潜熱です。「顕熱」は温度を変える熱なので、逆で誤りです。

⭕(3)相変化には、融解、凝固、気化、液化、昇華等がある。

正しい。相変化には、融解・凝固・気化・液化・昇華などがあります。

⭕(4)熱伝導率は、一般的に、気体は小さく、金属は大きい。

正しい。熱伝導率は、気体では小さく(熱を伝えにくい)、金属では大きい(よく伝える)のが一般的です。

問5

分野:一般基礎(電気設備)重要度 ★☆☆

電気設備に関する機器又は方式と特徴の組合せのうち、適当でないものはどれか。

(1)全電圧始動方式 ── 始動時のトルクを制御できる
(2)3Eリレー ── 回路の反相を保護できる
(3)進相コンデンサ ── 回路の力率を改善できる
(4)スターデルタ始動方式 ── 始動時の電流を抑制できる
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正解
(1)が誤り

用語全電圧始動方式とは?

全電圧始動方式(直入れ始動)は、モーターにいきなり全部の電圧をかけて回し始める、最も単純な始動方法です。

そのぶん始動時に大きな電流が流れ、トルク(モーターが回ろうとする力)や電流を制御できません。始動電流を抑えたいときはスターデルタ始動方式などを使います。

❌(1)全電圧始動方式 ── 始動時のトルクを制御できる

これが誤り。全電圧始動方式(直入れ始動)は、モーターにいきなり全電圧をかける方式で、始動時のトルクや電流を制御できません。「制御できる」は誤りです。

⭕(2)3Eリレー ── 回路の反相を保護できる

正しい。3Eリレーは、過負荷・欠相(電源の線の一部が切れた状態)・反相(逆相:電源のつなぎ順が逆になった状態)からモーターを保護する装置です。

⭕(3)進相コンデンサ ── 回路の力率を改善できる

正しい。進相コンデンサは、回路の力率(送った電気のうち実際に仕事に使われる割合)を改善し、電気を効率よく使えるようにします。

⭕(4)スターデルタ始動方式 ── 始動時の電流を抑制できる

正しい。スターデルタ始動方式は、始動時の大きな電流を抑えられます。

問6

分野:一般基礎(建築構造)重要度 ★★☆

鉄筋コンクリート造の建築物の鉄筋に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)鉄筋相互のあきの最小寸法は、鉄筋の強度によって決まる。
(2)帯筋は、柱のせん断力に対する補強筋である。
(3)鉄筋の折曲げ加工は、鋼材の品質が劣化しないよう常温で行う。
(4)鉄筋の継手は、1か所に集中させず相互にずらして設ける。
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正解
(1)が誤り

用語鉄筋のあきとは?

鉄筋の「あき」は、隣り合う鉄筋どうしのすき間です。ここにコンクリート(砂利入り)がしっかり回り込む必要があります。

そのため、あきの最小寸法は鉄筋の太さ(径)や、コンクリートの砂利の最大寸法をもとに決めます。鉄筋の強度で決まるのではありません。

❌(1)鉄筋相互のあきの最小寸法は、鉄筋の強度によって決まる。

これが誤り。鉄筋どうしのあき(すき間)の最小寸法は、鉄筋の径(太さ)や粗骨材(砂利)の最大寸法で決まります。「鉄筋の強度」で決まるのではないので誤りです。

⭕(2)帯筋は、柱のせん断力に対する補強筋である。

正しい。帯筋(フープ)は、柱がせん断力(部材をずらして切るように働く力)で壊れないように補強する筋です。

⭕(3)鉄筋の折曲げ加工は、鋼材の品質が劣化しないよう常温で行う。

正しい。鉄筋の折曲げ加工は、熱で品質が落ちないよう常温(冷間)で行います。

⭕(4)鉄筋の継手は、1か所に集中させず相互にずらして設ける。

正しい。鉄筋の継手は、1か所に集中すると弱くなるので、相互にずらして設けます。

問7

分野:空調設備(湿り空気線図)重要度 ★★★

下図に示す冷房時の湿り空気線図に関する記述のうち、適当でないものはどれか。ただし、空気調和方式は定風量単一ダクト方式とする。

冷房時の湿り空気線図(①〜⑤の状態点)
(1)⑤から②は、顕熱比の状態線上を移動する。
(2)空気調和機コイル出口空気の状態点は、④である。
(3)②から③は、室内での状態変化である。
(4)コイルの冷却負荷は、③と④の比エンタルピー差から求められる。
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正解
(3)が誤り

用語冷房時の湿り空気線図の読み方とは?

冷房では、外気(①)と還気(②・部屋から空調機へ戻ってくる空気)が混ざって混合空気(③)になり、冷却コイルで冷やされて④になります。④は送風機で少し温まり⑤(給気)となって室内へ送られます。

⑤→②が室内で熱・湿気を受け取る変化(室内負荷線)です。②→③は還気に外気が混ざる混合の変化で、室内での変化ではありません。ここが引っかけです。

⭕(1)⑤から②は、顕熱比の状態線上を移動する。

正しい。⑤(給気)から②(室内)への変化は、室内の熱と湿気を受け取る室内負荷線(顕熱比の状態線)上を移動します。顕熱比とは、室内で受け取る熱のうち顕熱が占める割合のことです。

⭕(2)空気調和機コイル出口空気の状態点は、④である。

正しい。④は、冷却コイルで冷やされ水分も取り除かれた空気で、コイル出口の状態点です。

❌(3)②から③は、室内での状態変化である。

これが誤り。②から③は、還気(②)に外気が混ざる混合の変化です。室内での状態変化は⑤から②なので、「②から③が室内での状態変化」は誤りです。

⭕(4)コイルの冷却負荷は、③と④の比エンタルピー差から求められる。

正しい。コイルの冷却負荷は、コイル入口(③)と出口(④)の比エンタルピー(空気が持っている熱の量)の差から求められます。

湿り空気線図の読み方|4つの変化を線図でたどる【管工事施工管理技士】👉 この分野をもっとくわしく湿り空気線図の読み方|4つの変化を線図でたどる【管工事施工管理技士】

問8

分野:空調設備(空調方式)重要度 ★★☆

定風量単一ダクト方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)各室ごとの温度制御が容易である。
(2)送風量を一定にして送風温度を変化させる。
(3)空気調和機は、一般的に、機械室に設置されているため維持管理が容易である。
(4)送風量が多いため、室内の清浄度を保ちやすい。
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正解
(1)が誤り

用語定風量単一ダクト方式とは?

定風量単一ダクト方式は、機械室の空調機から一定量の空気を1本のダクト系統で各室へ送り、送る空気の温度を変えて室温を調節する方式です。

まとめて制御するので維持管理はしやすいものの、部屋ごとの好みに合わせた温度制御は苦手です。個別制御したい場合は変風量(VAV)方式などを採用します。

❌(1)各室ごとの温度制御が容易である。

これが誤り。定風量単一ダクト方式は、1系統でまとめて空気を送るので、各室ごとの細かい温度制御は苦手です。「容易である」は誤りです。

⭕(2)送風量を一定にして送風温度を変化させる。

正しい。定風量単一ダクト方式は、送風量を一定にして、送る空気の温度を変えて調節します。

⭕(3)空気調和機は、一般的に、機械室に設置されているため維持管理が容易である。

正しい。空調機を機械室にまとめて置くので、点検・整備(維持管理)がしやすくなります。

⭕(4)送風量が多いため、室内の清浄度を保ちやすい。

正しい。送風量が多いので、室内の空気がよく入れ替わり清浄度を保ちやすいです。

問9

分野:空調設備(熱負荷)重要度 ★★☆

冷房負荷計算に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)OA機器による熱負荷は、顕熱のみである。
(2)ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみとする。
(3)人体による熱負荷は、顕熱と潜熱である。
(4)一般的に、10時、12時、14時及び16時における熱負荷を計算する。
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正解
(2)が誤り

用語ガラス面の熱負荷とは?

窓ガラスから室内に入る熱(熱負荷)には、2種類あります。1つは日射による負荷(太陽の光が入る熱)です。

もう1つは通過熱負荷で、外が暑いとガラスを通して伝わってくる熱を指します(内外温度差による)。両方を考えるので、「日射のみ」は誤りです。

⭕(1)OA機器による熱負荷は、顕熱のみである。

正しい。OA機器(パソコンなど)は熱を出すだけで湿気は出さないので、その熱負荷は顕熱のみです。

❌(2)ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみとする。

これが誤り。ガラス面からの熱負荷には、日射による負荷だけでなく、内外の温度差による通過熱負荷もあります。「日射のみ」は誤りです。

⭕(3)人体による熱負荷は、顕熱と潜熱である。

正しい。人体は熱(顕熱)と汗などの湿気(潜熱)を出すので、顕熱と潜熱の両方があります。

⭕(4)一般的に、10時、12時、14時及び16時における熱負荷を計算する。

正しい。冷房負荷は、日射が強い時間帯を中心に、一般に10時・12時・14時・16時などで計算します。

問10

分野:空調設備(空気清浄装置)重要度 ★★☆

空気清浄装置に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ろ過式のろ材は、難燃性又は不燃性のものとする。
(2)性能は、定格風量における圧力損失、汚染除去率、汚染除去容量等で示す。
(3)ろ過式のろ材は、吸湿性が高いものとする。
(4)静電式は、高電圧を使い粉じんを帯電させて捕集する。
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正解
(3)が誤り

用語ろ材の吸湿性とは?

ろ材(フィルターの材料)は、空気中のほこりをこし取る部分です。ここが湿気を吸ってしまうと、目詰まりしやすくなり性能が落ちます。

そのため、ろ材は吸湿性の低い(水分を吸いにくい)ものを選びます。「吸湿性が高いものとする」は逆で、間違いです。

⭕(1)ろ過式のろ材は、難燃性又は不燃性のものとする。

正しい。ろ材は火災時に燃え広がらないよう、難燃性か不燃性のものを使います。

⭕(2)性能は、定格風量における圧力損失、汚染除去率、汚染除去容量等で示す。

正しい。空気清浄装置の性能を表す項目は、圧力損失・汚染除去率・汚染除去容量などです。

❌(3)ろ過式のろ材は、吸湿性が高いものとする。

これが誤り。ろ材は、湿気を吸うと性能が落ちるので吸湿性の低い(少ない)ものを使います。「吸湿性が高いものとする」は逆で誤りです。

⭕(4)静電式は、高電圧を使い粉じんを帯電させて捕集する。

正しい。静電式(電気集じん器)は、高い電圧で粉じんを帯電させて集めます。

講座は必要? 第二次検定はどう対策する?

2級管工事の第二次検定は、令和6年度から「経験記述」が出題されていません(令和7年度の公式試験問題で確認しました)。いま必要なのは工事経歴の作文ではなく、書いた答案を見てもらうことです。二次の添削が付く講座を、いちばん安い順に4社比べました。お金をかけるべきところと、かけなくていいところもはっきり書いています。

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