この記事でわかること

令和2年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 A①〜⑩」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、地球環境・結露・水質・流体・熱・湿り空気・音などです。

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問1

分野:地球環境重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)事務所用途の建築物の二酸化炭素排出量をライフサイクルでみると、一般的に、設計・建設段階、運用段階、改修段階、解体段階のうち、設計・建設段階が全体の過半を占めている。
(2)代替フロンであるHFCは、オゾン層を破壊しないが、地球の温暖化に影響を与える程度を示す地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素より大きい。
(3)酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んで酸性となった雨のことで、湖沼や森林の生態系へ悪影響を与えるほか、建築構造物にも被害を与える。
(4)ZEBとは、大幅な省エネルギー化の実現と再生可能エネルギーの導入により、室内環境の質を維持しつつ年間一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物のことである。
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正解
(1)が誤り
❌(1)事務所用途の建築物の二酸化炭素排出量をライフサイクルでみると、一般的に、設計・建設段階、運用段階、改修段階、解体段階のうち、設計・建設段階が全体の過半を占めている。

設計・建設段階が全体の過半」という部分が誤りです。事務所ビルは何十年も使い続けるので、エアコンや照明を動かし続ける「運用段階」で出るCO₂がいちばん多くなります。

建てるときに一度だけ出るCO₂より、毎日少しずつ出るCO₂のほうが、長い年月で積み重なって大きくなる、とイメージすると分かりやすいです。

ライフサイクルCO₂(LCCO₂)とは?

「Life Cycle CO₂(ライフサイクル・シーオーツー)」の略です。建物が生まれてから取り壊されるまでの一生(建設→運用→改修→解体)の全部で出るCO₂を合計したものです。事務所ビルでは、長く使う運用段階が大部分を占めます。

⭕(2)代替フロンであるHFCは、オゾン層を破壊しないが、地球の温暖化に影響を与える程度を示す地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素より大きい。

正しい記述です。HFCには「①オゾン層は壊さない」「②でも温暖化はさせる」という2つの性質があります。

HFCは「Hydro fluoro carbon(ハイドロフルオロカーボン)」の略で、昔のフロン(オゾン層を壊した物質)の代わりに作られた「代替フロン」です。オゾン層は守れるようになりましたが、こんどは温暖化させる力が強いという弱点があります。

地球温暖化係数(GWP)とは?

GWPは「Global Warming Potential(地球温暖化係数)」の略です。CO₂が温暖化させる力を「1」としたとき、ほかのガスが何倍温暖化させるかを表した数字です。HFCはこの数字がとても大きく、少しの量でも温暖化への影響が大きいガスです。

⭕(3)酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んで酸性となった雨のことで、湖沼や森林の生態系へ悪影響を与えるほか、建築構造物にも被害を与える。

正しい記述です。酸性雨は、工場や車から出る煙(硫黄酸化物・窒素酸化物)が空の水分に溶けて、酸っぱい性質になった雨のことです。

森や湖の生き物を弱らせるだけでなく、コンクリートや金属を少しずつ溶かして、建物まで傷めます。

硫黄酸化物・窒素酸化物(SOx・NOx)とは?

石油や石炭などを燃やすと出るガスです。これが雨に溶け込むと、酸性雨のもとになります。

⭕(4)ZEBとは、大幅な省エネルギー化の実現と再生可能エネルギーの導入により、室内環境の質を維持しつつ年間一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物のことである。

正しい記述です。ZEBは「使うエネルギーをとことん減らし、足りない分は自分で作る」ことで、1年間で使うエネルギーを実質ゼロに近づけた建物です。

「実質ゼロ」とは、太陽光発電などで“作ったエネルギー”と“使ったエネルギー”を差し引きしてゼロ、という意味で、まったく使わないわけではありません。

ZEB(ゼブ)とは?

「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略です。徹底した省エネと、太陽光発電などの再生可能エネルギーを組み合わせて、1年間で使うエネルギーの収支をゼロに近づけた建物をいいます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。
建築物のCO₂排出は、長く使い続ける運用段階が大半を占めます。

問2

分野:結露重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)室内側より屋外側の面積が大きくなる建物出隅部分は、他の部分に比べ室内側の表面温度が低下するため、表面結露を生じやすい。
(2)窓ガラス表面の結露対策として、カーテンを掛け、窓ガラスを露出させないことが有効である。
(3)繊維系断熱材を施した外壁における内部結露を防止するため、断熱材の室内側に防湿層を設ける。
(4)外壁を構成する仕上げ材の内部空隙における水蒸気分圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすると、内部結露を防止することができる。
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正解
(2)が誤り
⭕(1)室内側より屋外側の面積が大きくなる建物出隅部分は、他の部分に比べ室内側の表面温度が低下するため、表面結露を生じやすい。

正しい記述です。出隅(でずみ)は、壁が外に出っぱった角のことです。外気に触れる面積が広いぶん、室内側の表面温度が下がりやすい場所になります。

冷えた面には空気中の水分がつきやすいので、出隅はほかの部分より表面結露ができやすいのです。

出隅(でずみ)とは?

壁と壁が外向きに出っぱって作る角のことです。逆に、内向きにへこんだ角は「入隅(いりずみ)」といいます。

❌(2)窓ガラス表面の結露対策として、カーテンを掛け、窓ガラスを露出させないことが有効である。

カーテンを掛け…有効」という部分が誤りです。カーテンで窓をおおうと、窓とカーテンのあいだに冷たい空気がこもります。

すると窓ガラスの温度がさらに下がってしまい、かえって結露しやすくなります。良かれと思ってやると逆効果、という引っかけです。

⭕(3)繊維系断熱材を施した外壁における内部結露を防止するため、断熱材の室内側に防湿層を設ける。

正しい記述です。防湿層を断熱材の「室内側」に置くと、室内の湿った空気が壁の中へしみ込むのを、入口でせき止められます。

壁の中に湿気が入らなければ、内部で結露することもありません。

内部結露とは?

壁の中(断熱材の内部など)の、見えないところで起きる結露です。表面の結露とちがって気づきにくく、木材を腐らせる原因になります。

⭕(4)外壁を構成する仕上げ材の内部空隙における水蒸気分圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすると、内部結露を防止することができる。

正しい記述です。空気は冷えるほど水分を抱えきれなくなり、限界(飽和水蒸気圧)を超えると水になります。

壁の中の水蒸気の圧力を、その場所の限界より低く保てば、水蒸気は水にならず、内部結露を防げます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。
カーテンで窓を覆うと窓ぎわに冷気がこもり、かえって結露しやすくなります。

問3

分野:水質重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ヒ素、六価クロム化合物等の重金属は毒性が強く、水質汚濁防止法に基づく有害物質として排出基準が定められている。
(2)BODは、河川等の水質汚濁の指標として用いられ、主に水中に含まれる有機物が酸化剤で化学的に酸化したときに消費する酸素量をいう。
(3)ノルマルヘキサン抽出物質含有量は、油脂類による水質汚濁の指標として用いられ、ヘキサンで抽出される油分等の物質量をいう。
(4)TOCは、水の汚染度を判断する指標として用いられ、水中に存在する有機物中の炭素量をいう。
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正解
(2)が誤り
⭕(1)ヒ素、六価クロム化合物等の重金属は毒性が強く、水質汚濁防止法に基づく有害物質として排出基準が定められている。

正しい記述です。ヒ素や六価クロムなどの重金属は毒性が強いため、水質汚濁防止法という法律で「これ以上は流してはいけない」という排出基準が決められています。

❌(2)BODは、河川等の水質汚濁の指標として用いられ、主に水中に含まれる有機物が酸化剤で化学的に酸化したときに消費する酸素量をいう。

酸化剤で化学的に酸化したとき」という部分が誤りです。これは別の指標であるCOD(化学的酸素要求量)の説明になっています。

BODは、薬品ではなく「微生物」が有機物(汚れ)を分解するときに使う酸素の量のことです。よく似た2つの指標を取り違えさせる引っかけですね。

BOD(生物化学的酸素要求量)とは?

BODは「Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)」の略です。水中の微生物が有機物(汚れ)を分解するときに使う酸素の量で、値が大きいほど水が汚れていることを表します。

COD(化学的酸素要求量)とは?

CODは「Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)」の略です。微生物のかわりに薬品(酸化剤)を使って有機物を酸化させたときに消費する酸素の量で、BODと同じく水の汚れの目安になります。

⭕(3)ノルマルヘキサン抽出物質含有量は、油脂類による水質汚濁の指標として用いられ、ヘキサンで抽出される油分等の物質量をいう。

正しい記述です。ノルマルヘキサンという薬品で抽出できる油分の量を測る指標で、油による水の汚れの目安になります。

⭕(4)TOCは、水の汚染度を判断する指標として用いられ、水中に存在する有機物中の炭素量をいう。

正しい記述です。TOCは、水中の有機物(汚れ)にふくまれる「炭素の量」を直接はかる指標です。炭素が多いほど、有機物が多い=汚れている、とわかります。

TOC(全有機炭素)とは?

「Total Organic Carbon」の略です。水の汚れのもとになる有機物を、ふくまれる炭素の量で直接はかる指標です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。
BODは微生物が、CODは酸化剤が有機物を分解するときの酸素量です。

問4

分野:流体重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)キャビテーションとは、流体の静圧が局部的に飽和蒸気圧より低下し、気泡が発生する現象をいう。
(2)カルマン渦とは、一様な流れの中に置いた円柱等の下流側に交互に発生する渦のことをいう。
(3)流体の粘性による摩擦応力の影響は、一般的に、物体の表面近くで顕著に現れる。
(4)粘性流体の運動に影響を及ぼす動粘性係数は、粘性係数を流体の速度で除した値である。
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正解
(4)が誤り
⭕(1)キャビテーションとは、流体の静圧が局部的に飽和蒸気圧より低下し、気泡が発生する現象をいう。

正しい記述です。流れの中で圧力が下がりすぎると、その場所で水が常温でも沸いてしまい、小さな気泡ができます。

この気泡が圧力の高いところへ流されてつぶれるとき、強い衝撃が出て、ポンプや配管を傷めます。これがキャビテーションです。

キャビテーションとは?

流れの中で圧力が局部的に下がり、水が気泡になる現象です。気泡が高圧部でつぶれるときの衝撃で、ポンプや配管が傷みます。

キャビテーションとは?ポンプで起きる原因と対策を初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしくキャビテーションとは?ポンプで起きる原因と対策を初心者にもやさしく図解
⭕(2)カルマン渦とは、一様な流れの中に置いた円柱等の下流側に交互に発生する渦のことをいう。

正しい記述です。流れの中に円柱などを置くと、その後ろに、左右交互にできる渦が並びます。これをカルマン渦といいます。

電線が風で「ヒューヒュー」と鳴るのも、この渦が原因です。

⭕(3)流体の粘性による摩擦応力の影響は、一般的に、物体の表面近くで顕著に現れる。

正しい記述です。流れと物体のあいだの「ねばり(粘性)」による摩擦は、物体の表面のすぐ近く(境界層)でとくに強く出ます。

❌(4)粘性流体の運動に影響を及ぼす動粘性係数は、粘性係数を流体の速度で除した値である。

流体の速度で除した値」という部分が誤りです。動粘性係数は、粘性係数を「密度」で割った値です。

式にすると、こうなります。

動粘性係数 = 粘性係数 ÷ 密度

「速度で割る」とすり替えた引っかけなので、割る相手は密度、と覚えておきましょう。

動粘性係数とは?

流体の「流れにくさ」を、密度まで考えに入れて表した値です。粘性係数を密度で割って求めます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。
動粘性係数=粘性係数÷密度です。

問5

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正解
(2)が正しい

正解は(2)です。

全圧は「静圧+動圧」で表されます(動圧=½×密度×流速²)。

B点の全圧=10+0.5×1.2×10²=10+60=70Pa

圧力損失=A点の全圧−B点の全圧=80−70=10Pa

よって(2)が正しくなります。

問6

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正解
(3)が誤り

関係のない組合せは(3)です。

(3)トリチェリの定理は、容器の穴から流れ出す水の速さ(v=√(2gh))に関する定理で、毛管現象とは関係ありません。

毛管現象は、細い管を液体が上っていく、表面張力による現象です。

(1)ダルシー・ワイスバッハの式=圧力損失、(2)ベンチュリー管=流量測定、(4)ウォーターハンマー=水柱分離は、いずれも正しい組合せです。

問7

分野:熱力学重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)固体や液体では、定圧比熱と定容比熱はほぼ同じ値である。
(2)気体を断熱圧縮させた場合、その温度は上昇する。
(3)結晶が等方性を有する固体の体膨張係数は、線膨張係数のほぼ3倍である。
(4)圧縮式冷凍サイクルでは、蒸発温度を低くすれば、成績係数は大きくなる。
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正解
(4)が誤り
⭕(1)固体や液体では、定圧比熱と定容比熱はほぼ同じ値である。

正しい記述です。固体や液体は、温めてもほとんど膨らみません。膨らむときの仕事(膨張仕事)がほぼゼロなので、圧力を一定にして測った比熱(定圧比熱)と、体積を一定にして測った比熱(定容比熱)が、ほぼ同じ値になります。

比熱とは?

あるものを1℃温めるのに必要な熱の量のことです。比熱が大きいほど、温まりにくく冷めにくい性質になります。

⭕(2)気体を断熱圧縮させた場合、その温度は上昇する。

正しい記述です。熱の出入りをさせずに(断熱)気体をギュッと圧縮すると、加えた力(仕事)が熱に変わって、温度が上がります。

自転車の空気入れを勢いよく押すと、先のほうが温かくなるのと同じしくみです。

⭕(3)結晶が等方性を有する固体の体膨張係数は、線膨張係数のほぼ3倍である。

正しい記述です。等方性(どの向きにも同じ性質)の固体は、縦・横・高さの3方向に同じだけ膨らみます。

そのため、体積の膨らみ具合(体膨張係数)は、長さの膨らみ具合(線膨張係数)のほぼ3倍になります。

❌(4)圧縮式冷凍サイクルでは、蒸発温度を低くすれば、成績係数は大きくなる。

成績係数は大きくなる」という部分が誤りです。蒸発温度を低くするほど、圧縮機はより強く圧縮しなければならず、使う仕事(電気)が増えます。

同じ冷やす力に対して仕事が増えるので、効率を表す成績係数は、むしろ小さくなります。

成績係数(COP)とは?

COPは「Coefficient of Performance(成績係数)」の略です。冷凍機やエアコンの効率を表す数字で、使った電気に対して何倍の熱を運べたかを示し、大きいほど省エネです。

成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしく成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。
蒸発温度を低くすると、冷凍機の成績係数は小さくなります。

問8

分野:伝熱重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)等質な固体壁内部における熱伝導による熱移動量は、その固体壁内の温度勾配に比例する。
(2)自然対流は、流体の密度の差により生じる浮力により、上昇流や下降流が起こることで生じる。
(3)物体から放出される放射熱量は、その物体の絶対温度の4乗に比例する。
(4)固体壁表面の熱伝達率の大きさは、固体壁表面に当たる気流の影響を受けない。
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正解
(4)が誤り
⭕(1)等質な固体壁内部における熱伝導による熱移動量は、その固体壁内の温度勾配に比例する。

正しい記述です。同じ材質の壁では、温度の傾き(温度勾配)が急なほど、熱伝導で伝わる熱の量も大きくなります。

内と外の温度差が大きいほど、熱がどんどん通り抜ける、とイメージすると分かりやすいです。

⭕(2)自然対流は、流体の密度の差により生じる浮力により、上昇流や下降流が起こることで生じる。

正しい記述です。温まった空気は軽くなって上がり、冷えた空気は重くなって下がります。この密度の差で生まれる流れが自然対流です。

ストーブをつけた部屋で、天井の近くから暖かくなっていくのも、この動きです。

⭕(3)物体から放出される放射熱量は、その物体の絶対温度の4乗に比例する。

正しい記述です。放射で出る熱の量は、絶対温度の4乗に比例します。

温度が少し上がるだけで放射熱は一気に増える、という強い関係です。

絶対温度とは?

−273℃を「0」とした温度の測り方で、単位はK(ケルビン)です。ふだんの℃に273をたすと求められます。

❌(4)固体壁表面の熱伝達率の大きさは、固体壁表面に当たる気流の影響を受けない。

気流の影響を受けない」という部分が誤りです。風が当たると、表面の熱はどんどん奪われていきます。

表面の熱の伝わりやすさ(熱伝達率)は、当たる風が速いほど大きくなります。扇風機の風で涼しく感じるのも、これが理由です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。
固体壁表面の熱伝達率は、当たる気流に大きく左右されます。

問9

分野:湿り空気重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)湿り空気を固体吸着減湿器(シリカゲル)で減湿する場合、湿り空気の状態変化は、一般的に、乾球温度一定の変化としてよい。
(2)湿り空気を水噴霧加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化は、近似的に湿球温度一定の変化としてよい。
(3)湿り空気を蒸気加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化における熱水分比は、水蒸気の比エンタルピーと同じ値としてよい。
(4)熱水分比とは、湿り空気の状態変化における比エンタルピーの変化量の絶対湿度の変化量に対する比をいう。
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正解
(1)が誤り
❌(1)湿り空気を固体吸着減湿器(シリカゲル)で減湿する場合、湿り空気の状態変化は、一般的に、乾球温度一定の変化としてよい。

乾球温度一定の変化」という部分が誤りです。シリカゲルが空気中の水分を吸うとき、「吸着熱」という熱が出ます。

その熱で空気の温度(乾球温度)が上がってしまうので、温度一定とはみなせません。

乾球温度とは?

ふつうの温度計ではかった、そのままの空気の温度です。これに対して、ぬらしたガーゼを巻いた温度計ではかる温度を「湿球温度」といいます。

⭕(2)湿り空気を水噴霧加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化は、近似的に湿球温度一定の変化としてよい。

正しい記述です。水を霧にして加湿すると、蒸発のときに空気の熱がうばわれて、空気の温度が下がります。

このときの状態変化は、ほぼ湿球温度が一定のまま進む、とみなせます。

⭕(3)湿り空気を蒸気加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化における熱水分比は、水蒸気の比エンタルピーと同じ値としてよい。

正しい記述です。蒸気で加湿する場合は、加える水蒸気のもつ熱量(比エンタルピー)が、そのまま熱水分比とみなせます。

⭕(4)熱水分比とは、湿り空気の状態変化における比エンタルピーの変化量の絶対湿度の変化量に対する比をいう。

正しい記述です。熱水分比は、空気の状態が変わるときの「熱量の変化」を「水分量の変化」で割った値です。加湿や除湿が、どの向きに進むかを表します。

熱水分比とは?

湿り空気の状態が変わるときの、エンタルピーの変化量を絶対湿度の変化量で割った値です。加湿・除湿の状態変化の向きを表します。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。
シリカゲルの吸着減湿では、吸着熱で乾球温度が上がります。

問10

分野:音重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)同じ音圧レベルの2つの音を合成すると、音圧レベルは約3dB大きくなる。
(2)人の可聴範囲は、周波数ではおおむね20〜20,000Hzであるが、同じ音圧レベルの音であっても3,000〜4,000Hz付近の音が最も大きく聞こえる。
(3)NC曲線で示される音圧レベルの許容値は、周波数が高いほど大きい。
(4)点音源から放射された音が球面状に一様に広がる場合、音源からの距離が2倍になると音圧レベルは約6dB低下する。
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正解
(3)が誤り
⭕(1)同じ音圧レベルの2つの音を合成すると、音圧レベルは約3dB大きくなる。

正しい記述です。同じ大きさの音を2つ重ねると、音圧レベルは約3dB大きくなります。

音の力そのものは2倍になりますが、dB(デシベル)は力をそのまま足し算しない目盛りなので、2倍=+3dBという増え方になります。

dB(デシベル)とは?

音の大きさを表す単位です。数字が大きいほど大きな音で、+3dBで音の力が約2倍、+10dBで体感の大きさが約2倍になります。

⭕(2)人の可聴範囲は、周波数ではおおむね20〜20,000Hzであるが、同じ音圧レベルの音であっても3,000〜4,000Hz付近の音が最も大きく聞こえる。

正しい記述です。人の耳が聞き取れるのは、だいたい20〜20,000Hzの範囲です。

同じ音圧レベルでも、3,000〜4,000Hzあたりの音がいちばん大きく聞こえます。人の声や警報音が聞き取りやすい高さです。

❌(3)NC曲線で示される音圧レベルの許容値は、周波数が高いほど大きい。

周波数が高いほど大きい」という部分が誤りです。NC曲線の許容値は、周波数が高い音ほど小さく(厳しく)なっています。

高い音ほど耳ざわりでうるさく感じるため、許容値をきびしく設定しているのです。

NC曲線とは?

NCは「Noise Criteria(騒音評価指標)」の略です。室内の騒音の許容レベルを周波数ごとに表した曲線で、高い周波数ほど許容値が小さく(厳しく)なっています。

⭕(4)点音源から放射された音が球面状に一様に広がる場合、音源からの距離が2倍になると音圧レベルは約6dB低下する。

正しい記述です。点音源では、音源からの距離が2倍になるごとに、音圧レベルが約6dB下がります。

音が広がって薄まるため、離れるほど急に静かになる、とイメージできます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(3)です。
NC曲線の許容値は、周波数が高いほど小さくなります。

この10問の要点(直前チェック用)

  • 問1:建築物のCO₂排出は、長く使う運用段階が大半を占める
  • 問2:カーテンで窓を覆うと、窓ぎわに冷気がこもり結露しやすい
  • 問3:BODは微生物が、CODは酸化剤が有機物を分解するときの酸素量
  • 問4:動粘性係数=粘性係数÷密度
  • 問5:全圧=静圧+動圧、圧力損失=A点全圧−B点全圧
  • 問6:トリチェリの定理は流出速度の話で、毛管現象とは無関係
  • 問7:蒸発温度を低くすると、冷凍機の成績係数は小さくなる
  • 問8:固体壁表面の熱伝達率は、当たる気流に大きく左右される
  • 問9:シリカゲルの吸着減湿では、吸着熱で乾球温度が上がる
  • 問10:NC曲線の許容値は、周波数が高いほど小さい
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