結論からいうと、「キャビテーション」は、ポンプの中などで水の圧力が局所的に下がり、水が低い温度でも沸騰して気泡(あわ)が発生し、それが高い圧力の部分で一気につぶれて衝撃を起こす現象です。この衝撃が、騒音・振動・性能低下、そして金属の羽根を削る壊食(かいしょく)を引き起こします。なぜ水が沸くのか、どう防ぐのかを図解で解説します。

キャビテーションってなに?

水は、圧力が下がると低い温度でも沸騰します。ポンプの吸込み側など、圧力が下がりやすい場所で水がその圧力での沸点(飽和蒸気圧)より低くなると、水の中に小さな気泡(あわ)ができます。

この気泡が、ポンプの中の圧力が高い部分まで進むと、今度はつぶれて(崩壊して)強い衝撃を出します。これがキャビテーションです。

📘 キャビテーション(空洞現象)とは?

液体の圧力が局所的に下がって飽和蒸気圧以下になり、気泡が発生・崩壊する現象。崩壊時の衝撃で、騒音・振動・性能低下・壊食(金属が削られる)が起こります。

ポンプ・配管・弁・水車などで問題になります。

たとえ話:高い山では水が低い温度で沸く

💡 富士山の頂上でお湯を沸かすと…

高い山の上では気圧が低いため、水は100℃より低い温度で沸騰します。これは「温度を上げたから沸く」のではなく、「圧力が下がったから沸く」という現象です。

ポンプの吸込み側でも同じことが起きていて、圧力が下がりすぎると、常温の水でも沸いて気泡ができてしまうのです。

圧力が下がると気泡が発生→高圧部でつぶれて衝撃圧力が低い(吸込み側)気泡(あわ)が発生圧力が高い部分!つぶれて衝撃→金属を削る→ 騒音・振動・性能低下・羽根車の壊食(かいしょく)
低圧部で気泡が発生し、高圧部でつぶれて衝撃に。これが繰り返されると羽根車が削られていきます。

なぜ問題なの? ポンプが壊れる

🔧 現場での使いどころ:吸込み条件(NPSH)を確保する

キャビテーションが起きると、気泡がつぶれる衝撃で羽根車(インペラ)の表面が少しずつ削られていきます(壊食)

さらにガラガラという騒音・振動が出て、ポンプの性能(吐出量・揚程)も低下します。放置すれば故障につながるため、設計では吸込み側で圧力が下がりすぎないように気をつけます。

この「吸込みの余裕」を表すのがNPSH(有効吸込みヘッド)で、「ポンプが必要とするNPSH」を上回る吸込み条件を確保するのが鉄則です。

📘 NPSH(有効吸込みヘッド)とは?

ポンプの吸込み側で、キャビテーションを起こさずに使える圧力の余裕を表す値。装置側で用意できるNPSH(有効)が、ポンプが必要とするNPSH(必要)を上回るように設計すれば、キャビテーションを防げます。

対策(圧力を下げすぎない工夫)

  • 吸込み揚程を小さくする…ポンプをできるだけ水面に近く(低く)設置する。
  • 吸込み管の抵抗を減らす…管を太く・短く、曲がりや弁を減らす。
  • 過大な流量を避ける…流量を出しすぎると吸込み側の圧力が下がりやすい。
  • 水温を上げすぎない…温度が高いほど沸きやすく(飽和蒸気圧が高く)なる。
  • 必要NPSHに余裕をもつ…機器選定で吸込み条件を確認する。

試験でのポイント

  • 定義:圧力低下で飽和蒸気圧以下になり、気泡が発生・崩壊する現象。
  • 現象(被害):壊食(かいしょく)・騒音・振動・性能低下。
  • 起きやすい場所:ポンプの吸込み側など圧力が下がる部分。
  • 対策:吸込み揚程を小さく・吸込み抵抗を減らす・NPSHを確保。

キャビテーション・NPSHはポンプ分野の頻出テーマです。過去問で原因と対策を確認しましょう。

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✅ この記事のまとめ

  • キャビテーション=圧力低下で気泡が発生し、高圧部でつぶれて衝撃を起こす現象
  • 水は圧力が下がると低温でも沸く(高い山で水が沸きやすいのと同じ)。
  • 被害は壊食(金属が削られる)・騒音・振動・性能低下
  • 起きやすいのはポンプの吸込み側(圧力が下がる場所)。
  • 対策は吸込み揚程を小さく・抵抗を減らす・NPSHを確保

よくある質問(FAQ)

Q. なぜ常温の水なのに沸くの?

A. 圧力が下がると沸点も下がるためです。ポンプ吸込み側で圧力が飽和蒸気圧以下になると、常温でも気泡ができます。

Q. キャビテーションが起きるとどんな音がする?

A. 砂利や小石をかむような「ガラガラ」「ジャリジャリ」という騒音と振動が出ます。

Q. 壊食(かいしょく)ってなに?

A. 気泡がつぶれる衝撃で、金属の表面が少しずつ削られていく現象です。羽根車などが傷みます。

Q. 一番の対策は?

A. ポンプを水面に近く設置するなどして、吸込み側の圧力が下がりすぎないようにし、必要NPSHに余裕をもたせることです。

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