結論からいうと、「防火ダンパー(FD)」は、空調・換気のダクトが防火区画の壁や床を貫通する部分に取り付け、火災時に自動で閉じてダクトを伝う炎・煙の拡大(延焼)を防ぐ装置です。一定の温度になると温度ヒューズが溶けて、バネで羽根(ダンパー)が閉じる仕組みです。「防火戸のダクト版」とイメージするとわかりやすいです。なぜ必要か、仕組みと種類を図解で解説します。

防火ダンパーってなに?

建物には、火災の広がりを抑えるために防火区画(防火壁・防火床)が設けられています。ところが、空調や換気のダクトは壁を貫通して建物中をつないでいるため、そのままだとダクトが炎・煙・熱の通り道になり、区画を越えて延焼してしまいます。

そこで、ダクトが防火区画を貫く部分に防火ダンパーを付け、火災時に自動で閉じて通り道をふさぎます。

📘 防火ダンパー(FD)とは?

Fire Damper の略。ダクトの防火区画貫通部に設け、火災時に温度ヒューズの溶融で羽根が自動閉鎖し、炎・熱のダクト内拡大を防ぐ装置。

煙感知器と連動して閉じるタイプ(防煙防火=SFD)や、排煙用(高温対応)もあります。

たとえ話:火を感じたら自動で「通せんぼ」

💡 防火戸のダクト版

廊下にある防火戸は、火災時に自動で閉まって炎の広がりを止めますよね。防火ダンパーは、そのダクト版

ダクトという「空気の通り道」に付いた自動の関所で、火を感じるとパタンと閉じて通せんぼします。

火災を感じると羽根が閉じ、ダクトを通る延焼を止める防火壁羽根(ダンパー)が閉じる火災熱で温度ヒューズが溶ける向こう側へ延焼しない
熱で温度ヒューズが溶けると、バネの力で羽根が閉じてダクトをふさぎ、向こう側への延焼を止めます。

仕組み:温度ヒューズで自動閉鎖

🔧 現場での使いどころ:停電でも確実に閉じる仕掛け

防火ダンパーの羽根は、ふだん温度ヒューズ(ヒューズ可溶片)で開いた状態に留められています。火災で一定温度に達すると、このヒューズが溶けて外れ、バネの力で羽根が一気に閉じます

電気を使わず温度だけで作動するので、停電時でも確実に閉じるのが大事なポイントです。溶ける温度は用途で決まっていて、一般空調用は約72℃排煙ダクト用は約280℃(高温の煙が通るため)が代表的です。

種類 溶融温度の目安・特徴
FD(防火ダンパー) 一般空調用。温度ヒューズ約72℃で閉鎖。
SFD(防煙防火ダンパー) 煙感知器と連動して閉じる。防煙も兼ねる。
排煙用ダンパー 高温の煙に対応。作動温度約280℃

⚠️ 点検口を忘れずに

防火ダンパーは定期的な点検・復帰が必要なため、近くに点検口を設けて、ヒューズや羽根の状態を確認できるようにします。

試験でのポイント

  • 設置位置:ダクトが防火区画(壁・床)を貫通する部分。
  • 作動:温度ヒューズの溶融で羽根が自動閉鎖(電気不要・停電でも作動)。
  • 溶融温度:一般空調用 約72℃/排煙用 約280℃。
  • 付帯:点検・復帰のための点検口を設ける。煙感知連動はSFD。

防火ダンパー・防火区画貫通は防災設備の頻出テーマです。過去問で温度や設置位置を確認しましょう。

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✅ この記事のまとめ

  • 防火ダンパー=ダクトの防火区画貫通部で、火災時に自動で閉じて延焼を防ぐ装置
  • ダクトは壁を貫いて建物をつなぐため、放置すると炎・煙の通り道になる。
  • 仕組みは温度ヒューズが溶けて羽根が閉じる(電気不要・停電でも作動)。
  • 溶融温度は一般72℃/排煙280℃が目安。
  • 点検・復帰のため点検口を設ける。煙連動はSFD。

よくある質問(FAQ)

Q. 停電したら防火ダンパーは働かないの?

A. 働きます。温度ヒューズが熱で溶けてバネで閉じる仕組みなので、電気がなくても火災の熱だけで作動します。

Q. なぜ排煙用は280℃なの?

A. 排煙ダクトには高温の煙が通るため、通常の煙では閉じず、本当に必要な高温になったときに作動するよう高めに設定されています。

Q. 防火ダンパーと防火戸の違いは?

A. 役割は同じ(延焼防止)ですが、防火戸は人や物の通る開口部に、防火ダンパーはダクト(空気の通り道)に設けます。

Q. 一度閉じたら戻せる?

A. 点検口から手動で復帰させます。溶けた温度ヒューズは交換が必要です。定期点検が欠かせません。

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