この記事で分かること

令和3年度(前期)2級管工事施工管理技士「第一次検定」の問題No.1〜10を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.1〜6は必須問題です。正答は公式の正答肢で確認済みです。

問1

分野:空調設備(室内空気環境)重要度 ★★☆

次の指標のうち、室内空気環境と関係のないものはどれか。

(1)浮遊物質量(SS)
(2)予想平均申告(PMV)
(3)揮発性有機化合物(VOCs)濃度
(4)気流
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正解

(1)が正解
📘 浮遊物質量(SS)とは?

浮遊物質量(SS)は、水の中に浮かんでいる細かい固形物の量を表す、水質(水の汚れ)の指標です。単位はmg/Lで、下水や排水の汚れ具合を測るのに使います。

つまりSSは「水」の話であって、「室内の空気」とは関係ありません。空気環境の指標はPMV・VOCs・気流・二酸化炭素などです。だからSSが「関係のないもの」です。

⭕(1)浮遊物質量(SS)

これが正解(関係のないもの)。浮遊物質量(SS)は水の汚れ(水質)を示す指標で、水中に浮かぶ固形物の量です。室内空気環境とは関係ありません。

❌(2)予想平均申告(PMV)

関係あり。予想平均申告(PMV)は、暑さ・寒さの快適さ(温熱環境)を示す指標です。

❌(3)揮発性有機化合物(VOCs)濃度

関係あり。VOCs(揮発性有機化合物)濃度は、シックハウスに関わる空気の汚れの指標です。

❌(4)気流

関係あり。気流(空気の流れ)は、室内の快適さを左右する空気環境の要素です。

問2

分野:空調設備(室内空気環境)重要度 ★★☆

室内空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)石綿は、天然の繊維状の鉱物で、その粉じんを吸入すると、中皮腫などの重篤な健康障害を引き起こすおそれがある。
(2)空気齢とは、室内のある地点における空気の新鮮さの度合いを示すもので、空気齢が大きいほど、その地点での換気効率がよく空気は新鮮である。
(3)臭気は、空気汚染を示す指標の一つであり、臭気強度や臭気指数で表す。
(4)二酸化炭素は無色無臭の気体で、建築物環境衛生管理基準では、室内における許容濃度は0.1%以下とされている。
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正解

(2)が誤り
📘 空気齢とは?

空気齢は、その場所の空気が、外から入ってきてからどれくらい時間が経ったかを表す値です。人の「年齢」と同じで、値が大きいほど古い空気ということになります。

つまり、空気齢が小さいほど新鮮でよく換気されており、大きいほど古くて換気が悪いことを示します。「空気齢が大きいほど新鮮」は逆なので誤りです。

⭕(1)石綿は、天然の繊維状の鉱物で、その粉じんを吸入すると、中皮腫などの重篤な健康障害を引き起こすおそれがある。

正しい。石綿(アスベスト)は繊維状の鉱物で、粉じんを吸うと中皮腫などの重い健康障害の恐れがあります。

❌(2)空気齢とは、室内のある地点における空気の新鮮さの度合いを示すもので、空気齢が大きいほど、その地点での換気効率がよく空気は新鮮である。

これが誤り。空気齢が大きいほど、その空気は入ってから時間が経っていて「古い(新鮮でない)」ことを表します。空気齢が小さいほど新鮮なので、「大きいほど新鮮」は逆で誤りです。

⭕(3)臭気は、空気汚染を示す指標の一つであり、臭気強度や臭気指数で表す。

正しい。臭気は空気汚染の指標の一つで、臭気強度や臭気指数で表します。

⭕(4)二酸化炭素は無色無臭の気体で、建築物環境衛生管理基準では、室内における許容濃度は0.1%以下とされている。

正しい。二酸化炭素は無色無臭で、管理基準では室内の許容濃度が0.1%(1,000ppm)以下とされています。

問3

分野:空調設備(流体)重要度 ★★☆

流体に関する用語の組合せのうち、関係のないものはどれか。

(1)粘性係数 ―― 摩擦応力
(2)パスカルの原理 ―― 水圧
(3)体積弾性係数 ―― 圧縮率
(4)レイノルズ数 ―― 表面張力
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正解

(4)が正解
📘 レイノルズ数とは?

レイノルズ数は、流れが規則正しい「層流」か、乱れた「乱流」かを見分けるための数字です。慣性力(勢い)と粘性力(ねばり)の比で決まります。

一方、表面張力は水面が縮まろうとする力で、まったく別の性質です。レイノルズ数と表面張力は無関係なので、この組合せが「関係のないもの」です。

❌(1)粘性係数 ―― 摩擦応力

関係あり。粘性係数は、流れのときの摩擦応力(ねばりによる抵抗)に関係します。

❌(2)パスカルの原理 ―― 水圧

関係あり。パスカルの原理は、密閉した流体に加えた圧力の伝わり方(水圧)の話です。

❌(3)体積弾性係数 ―― 圧縮率

関係あり。体積弾性係数は、圧力による体積の縮みやすさ(圧縮率)と関係します。

⭕(4)レイノルズ数 ―― 表面張力

これが正解(関係のないもの)。レイノルズ数は流れが層流か乱流かを判断する値(慣性力と粘性力の比)で、表面張力とは関係がありません。

問4

分野:空調設備(伝熱)重要度 ★★☆

伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)固体壁における熱通過とは、固体壁を挟んだ流体の間の伝熱をいう。
(2)固体壁における熱伝達とは、固体壁表面とこれに接する流体との間で熱が移動する現象をいう。
(3)気体は、一般的に、液体や固体と比較して熱伝導率が大きい。
(4)自然対流とは、流体内のある部分が温められ上昇し、周囲の低温の流体がこれに代わって流入する熱移動現象等をいう。
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正解

(3)が誤り
📘 熱伝導率の大小とは?

熱伝導率は、その物質がどれだけ熱を伝えやすいかを表す値です。大きいほど熱をよく伝えます。金属は大きく、空気(気体)は小さいです。

一般に固体>液体>気体の順で熱伝導率が小さくなります。気体(空気)は熱を伝えにくいので断熱材の中身にも使われます。「気体は液体や固体より熱伝導率が大きい」は逆なので誤りです。

⭕(1)固体壁における熱通過とは、固体壁を挟んだ流体の間の伝熱をいう。

正しい。熱通過は、壁をはさんだ流体(例:室内空気と室外空気)の間で、壁を通して熱が伝わることです。

⭕(2)固体壁における熱伝達とは、固体壁表面とこれに接する流体との間で熱が移動する現象をいう。

正しい。熱伝達は、壁の表面とそれに接する流体との間で熱が移動する現象です。

❌(3)気体は、一般的に、液体や固体と比較して熱伝導率が大きい。

これが誤り。気体の熱伝導率は、液体や固体と比べて小さいです。空気は熱を伝えにくく断熱に使われるほどで、「大きい」は逆で誤りです。

⭕(4)自然対流とは、流体内のある部分が温められ上昇し、周囲の低温の流体がこれに代わって流入する熱移動現象等をいう。

正しい。自然対流は、温まった流体が上昇し、代わりに冷たい流体が流れ込む熱移動です。

問5

分野:電気設備重要度 ★★☆

一般用電気工作物において、電気工事士法上、電気工事士資格を有しない者でも従事することができるものはどれか。

(1)電線管に電線を収める作業
(2)電線管とボックスを接続する作業
(3)露出型コンセントを取り換える作業
(4)接地極を地面に埋設する作業
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正解

(3)が正解
📘 軽微な工事とは?

電気工事は原則として電気工事士でないとできませんが、感電の危険が小さい一部の作業は「軽微な工事」として資格がなくてもできます。

例えば、露出型のコンセントや点滅器(スイッチ)の取換えなどです。一方、電線管に電線を通す・管をつなぐ・接地極を埋めるなどは資格が必要です。だから「露出型コンセントの取換え」が資格不要です。

❌(1)電線管に電線を収める作業

資格が必要。電線管に電線を収める作業は、電気工事士でないとできません。

❌(2)電線管とボックスを接続する作業

資格が必要。電線管とボックスを接続する作業は、電気工事士でないとできません。

⭕(3)露出型コンセントを取り換える作業

これが正解(資格不要)。露出型コンセント(や点滅器)の取換えは、感電の危険が小さい「軽微な工事」にあたり、電気工事士でなくても行えます。

❌(4)接地極を地面に埋設する作業

資格が必要。接地極を地面に埋設する作業は、電気工事士でないとできません。

問6

分野:建築重要度 ★★☆

鉄筋コンクリート造の建築物の鉄筋に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ジャンカ、コールドジョイントは、鉄筋の腐食の原因になりやすい。
(2)コンクリートの引張り強度は小さく、鉄筋の引張り強度は大きい。
(3)あばら筋は、梁のせん断破壊を防止する補強筋である。
(4)鉄筋のかぶり厚さは、外壁、柱、梁及び基礎で同じ厚さとしなければならない。
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正解

(4)が誤り
📘 かぶり厚さとは?

かぶり厚さは、鉄筋の表面からコンクリート表面までのコンクリートの厚みです。鉄筋をさびや火から守る大切な寸法です。

このかぶり厚さは、部位によって必要な値が違います。土に接する基礎は厚く、屋内・屋外や壁・柱・梁でも変わります。「すべて同じ厚さ」は誤りです。

⭕(1)ジャンカ、コールドジョイントは、鉄筋の腐食の原因になりやすい。

正しい。ジャンカ(豆板)やコールドジョイント(打継ぎ不良)はすき間ができ、鉄筋が腐食しやすくなります。

⭕(2)コンクリートの引張り強度は小さく、鉄筋の引張り強度は大きい。

正しい。コンクリートは引張りに弱く、鉄筋は引張りに強いので、両者を組み合わせて使います。

⭕(3)あばら筋は、梁のせん断破壊を防止する補強筋である。

正しい。あばら筋(スターラップ)は、梁のせん断破壊を防ぐための補強筋です。

❌(4)鉄筋のかぶり厚さは、外壁、柱、梁及び基礎で同じ厚さとしなければならない。

これが誤り。鉄筋のかぶり厚さは、部位によって必要な厚さが異なります(土に接する基礎は厚く、屋内外でも違う)。「外壁・柱・梁・基礎で同じ厚さ」は誤りです。

問7

分野:空調設備(省エネ計画)重要度 ★★☆

空気調和設備の計画に関する記述のうち、省エネルギーの観点から、適当でないものはどれか。

(1)湿度制御のため、冷房に冷却減湿・再熱方式を採用する。
(2)予冷・予熱時に外気を取り入れないように制御する。
(3)ユニット形空気調和機に全熱交換器を組み込む。
(4)成績係数が高い機器を採用する。
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正解

(1)が誤り
📘 冷却減湿・再熱方式とは?

冷却減湿・再熱方式は、空気をいったん冷やして水分を取り(減湿)、そのあと再び温めて(再熱)ちょうどよい温度・湿度にする方式です。湿度を細かく調整できます。

しかし、冷やすのにも温め直すのにもエネルギーを使うため、むだが多く省エネには反します。だから「省エネの観点から適当でない」のはこの方式です。

❌(1)湿度制御のため、冷房に冷却減湿・再熱方式を採用する。

これが誤り(省エネに反する)。冷却減湿・再熱方式は、一度冷やした空気をまた温め直すため、冷やすエネルギーと温めるエネルギーの両方を使い、無駄が大きく省エネに反します。

⭕(2)予冷・予熱時に外気を取り入れないように制御する。

正しい(省エネ)。予冷・予熱時に外気を止めると、余分な熱の出入りを抑えられ省エネになります。

⭕(3)ユニット形空気調和機に全熱交換器を組み込む。

正しい(省エネ)。全熱交換器は、捨てる排気の熱を回収して省エネになります。

⭕(4)成績係数が高い機器を採用する。

正しい(省エネ)。成績係数(COP)が高い機器は、少ない電気で多くの冷暖房ができ省エネです。

問8

分野:空調設備(湿り空気線図)重要度 ★★★

下図に示す暖房時の湿り空気線図に関する記述のうち、適当でないものはどれか。ただし、空気調和方式は定風量単一ダクト方式、加湿方式は水噴霧加湿とする。

令和3年前期 問8 暖房時の湿り空気線図
(1)吹出し温度差は①と⑤の乾球温度差である。
(2)コイルの加熱負荷は、③と④の比エンタルピー差から求める。
(3)加湿量は、④と⑤の相対湿度差から求める。
(4)コイルの加熱温度差は、③と④の乾球温度差である。
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正解

(3)が誤り
📘 加湿量は絶対湿度で求める

加湿量は、空気にどれだけ水分を加えたかです。水分の量そのものを表すのは絶対湿度(空気1kgあたりの水分の重さ)なので、加湿前後の絶対湿度の差から求めます。

相対湿度(%)は温度によって変わる割合なので、水分の量を直接表しません。だから「加湿量は相対湿度差から求める」は誤りで、正しくは絶対湿度差です。

❌(1)吹出し温度差は①と⑤の乾球温度差である。

正しい。吹出し温度差(室内と吹出しの差)は、①と⑤の乾球温度の差で表せます。

❌(2)コイルの加熱負荷は、③と④の比エンタルピー差から求める。

正しい。コイルの加熱負荷は、コイル前後(③と④)の比エンタルピーの差から求めます。

⭕(3)加湿量は、④と⑤の相対湿度差から求める。

これが誤り。加湿量は、加湿前後(④と⑤)の絶対湿度の差から求めます。「相対湿度差」ではないので誤りです。

❌(4)コイルの加熱温度差は、③と④の乾球温度差である。

正しい。コイルの加熱温度差は、コイル前後(③と④)の乾球温度の差です。

問9

分野:空調設備(熱負荷)重要度 ★★☆

熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)構造体の熱通過率の値が小さいほど、通過熱負荷は小さくなる。
(2)冷房負荷計算では、OA機器から発生する顕熱及び潜熱を考慮する必要がある。
(3)二重サッシ内にブラインドを設置した場合は、室内に設置した場合より日射負荷は小さくなる。
(4)冷房負荷計算では、ダクト通過熱損失と送風機による熱負荷を考慮する必要がある。
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正解

(2)が誤り
📘 顕熱と潜熱(OA機器)とは?

顕熱は温度を上げる熱、潜熱は水分(湿気)に関わる熱です。人体は汗をかくので顕熱と潜熱の両方を出しますが、パソコンなどのOA機器は熱くなるだけで水分を出さないので、顕熱だけを出します。

だから冷房負荷計算では、OA機器は顕熱だけを考えればよく、「潜熱も考慮する」は誤りです。

⭕(1)構造体の熱通過率の値が小さいほど、通過熱負荷は小さくなる。

正しい。熱通過率が小さい(熱を通しにくい)ほど、壁などを通って出入りする熱(通過熱負荷)は小さくなります。

❌(2)冷房負荷計算では、OA機器から発生する顕熱及び潜熱を考慮する必要がある。

これが誤り。OA機器(パソコンなどの事務機器)が出すのは顕熱だけで、水分(潜熱)は出しません。だから「潜熱を考慮する必要がある」は誤りです。

⭕(3)二重サッシ内にブラインドを設置した場合は、室内に設置した場合より日射負荷は小さくなる。

正しい。二重サッシのガラスの間にブラインドを入れると、日射熱を室内に入る前に遮れるので、室内に置くより日射負荷が小さくなります。

⭕(4)冷房負荷計算では、ダクト通過熱損失と送風機による熱負荷を考慮する必要がある。

正しい。冷房負荷計算では、ダクトを通る間の熱損失や、送風機が出す熱も考慮します。

問10

分野:空調設備(空気清浄装置)重要度 ★★☆

空気清浄装置の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ろ材の特性の一つとして、粉じん保持容量が小さいことが求められる。
(2)自動巻取形は、タイマー又は前後の差圧スイッチにより自動的に巻取りが行われる。
(3)静電式は、比較的微細な粉じん用に使用される。
(4)圧力損失は、上流側と下流側の圧力差で、初期値と最終値がある。
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正解

(1)が誤り
📘 粉じん保持容量とは?

粉じん保持容量は、ろ材(フィルター)が目詰まりするまでに、どれだけのごみ(粉じん)をためられるかを表します。大きいほど長く使えます。

だから、よいろ材の条件は「粉じん保持容量が大きい」ことです。「小さいことが求められる」は逆なので誤りです。

❌(1)ろ材の特性の一つとして、粉じん保持容量が小さいことが求められる。

これが誤り。ろ材には、ごみをたくさん捕まえられる「粉じん保持容量が大きい」ことが求められます。「小さいこと」は逆で誤りです。

⭕(2)自動巻取形は、タイマー又は前後の差圧スイッチにより自動的に巻取りが行われる。

正しい。自動巻取形は、タイマーや前後の差圧スイッチの信号で、ろ材を自動的に巻き取ります。

⭕(3)静電式は、比較的微細な粉じん用に使用される。

正しい。静電式は、電気の力で細かい粉じんを集めるので、比較的微細な粉じん用に使われます。

⭕(4)圧力損失は、上流側と下流側の圧力差で、初期値と最終値がある。

正しい。圧力損失はフィルター前後の圧力差で、使い始めの初期値と交換時期の目安になる最終値があります。

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