この記事で分かること
令和2年度(後期)2級管工事施工管理技士「学科試験」の問題No.1〜10を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.1〜6は必須問題です。正答は公式の正答肢で確認済みです。
問1
分野:空調設備(環境)重要度 ★★☆
公共用水域の水質汚濁に係る環境基準において、生活環境の保全に関する環境基準に基準値が定められていないものはどれか。
(1)塩化物イオン濃度
(2)水素イオン濃度(pH)
(3)生物化学的酸素要求量(BOD)
(4)浮遊物質量(SS)
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📘 生活環境の保全に関する環境基準とは?
公共用水域(川・湖・海)の水質の環境基準には、人の健康を守る「健康項目」と、生活環境を守る「生活環境項目」があります。生活環境項目は、川や湖の水の汚れ具合を示すものです。
生活環境項目にはpH(水素イオン濃度)・BOD・COD・SS(浮遊物質量)・DO(溶存酸素)・大腸菌群数などがあります。塩化物イオン濃度は含まれていないので、「定められていないもの」です。
⭕(1)塩化物イオン濃度
これが正解(定められていないもの)。塩化物イオン濃度は、生活環境の保全に関する環境基準の項目には含まれていません。
❌(2)水素イオン濃度(pH)
定められている。水素イオン濃度(pH)は、生活環境項目の基準値の一つです。
❌(3)生物化学的酸素要求量(BOD)
定められている。BOD(生物化学的酸素要求量)は、生活環境項目の基準値の一つです。
❌(4)浮遊物質量(SS)
定められている。SS(浮遊物質量)は、生活環境項目の基準値の一つです。
問2
分野:空調設備(空気環境)重要度 ★★☆
空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)浮遊粉じん量は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。
(2)二酸化炭素の濃度は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。
(3)居室の必要換気量は、一般的に、一酸化炭素濃度の許容値に基づき算出する。
(4)ホルムアルデヒドの室内濃度が高くなると、眼や呼吸器系を刺激し、アレルギーを引き起こすおそれがある。
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📘 必要換気量は何で計算する?
必要換気量は、室内の空気を清潔に保つために、外から取り入れる新鮮な空気の量です。この計算の基準に使うのが、人の呼吸で増える二酸化炭素(CO₂)の濃度です。
室内のCO₂濃度が許容値(0.1%=1,000ppm)を超えないように必要換気量を決めます。「一酸化炭素(CO)濃度に基づく」は誤りで、正しくは二酸化炭素(CO₂)です。
⭕(1)浮遊粉じん量は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。
正しい。浮遊粉じん量は、室内空気の汚れ具合を示す指標の一つです。
⭕(2)二酸化炭素の濃度は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。
正しい。二酸化炭素(CO₂)の濃度は、室内空気の汚染度を示す代表的な指標です。
❌(3)居室の必要換気量は、一般的に、一酸化炭素濃度の許容値に基づき算出する。
これが誤り。居室の必要換気量は、一般的に「二酸化炭素(CO₂)」濃度の許容値に基づいて計算します。「一酸化炭素濃度」ではないので誤りです。
⭕(4)ホルムアルデヒドの室内濃度が高くなると、眼や呼吸器系を刺激し、アレルギーを引き起こすおそれがある。
正しい。ホルムアルデヒドの濃度が高いと、眼や呼吸器を刺激し、アレルギーの原因になります。
問3
分野:空調設備(流体)重要度 ★★☆
流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)流体が直管路を満流で流れる場合、圧力損失の大きさは、平均流速と関係しない。
(2)ウォーターハンマーによる圧力波の伝わる速度は、管の内径や肉厚と関係している。
(3)毛管現象は、液柱に作用する重力と表面張力の鉛直成分とのつり合いによるものである。
(4)ピトー管は、流速の測定に用いられる。
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📘 圧力損失と流速の関係とは?
圧力損失は、流体が管を流れるときに、摩擦で失われる圧力(エネルギー)です。この損失は、流れの速さ(平均流速)が速いほど大きくなります。
くわしくは、圧力損失は平均流速の「2乗」に比例して増えます。だから流速と大いに関係します。「平均流速と関係しない」は誤りです。
❌(1)流体が直管路を満流で流れる場合、圧力損失の大きさは、平均流速と関係しない。
これが誤り。直管を満流で流れる場合、圧力損失は平均流速(の2乗)に関係して大きくなります。速く流れるほど損失が大きいので、「平均流速と関係しない」は誤りです。
⭕(2)ウォーターハンマーによる圧力波の伝わる速度は、管の内径や肉厚と関係している。
正しい。ウォーターハンマーの圧力波が伝わる速度は、管の内径や肉厚(管の固さ)と関係します。
⭕(3)毛管現象は、液柱に作用する重力と表面張力の鉛直成分とのつり合いによるものである。
正しい。毛管現象は、液柱にはたらく重力と表面張力の鉛直成分のつり合いで起こります。
⭕(4)ピトー管は、流速の測定に用いられる。
正しい。ピトー管は、流れの速さ(流速)の測定に用いられます。
問4
分野:空調設備(熱)重要度 ★★☆
熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)熱容量の大きい物質は、温まりにくく冷えにくい。
(2)熱伝導とは、物質の内部において、温度の高い方から低い方に熱エネルギーが移動する現象をいう。
(3)熱放射による熱エネルギーの移動には、熱エネルギーを伝達する媒体が必要である。
(4)固体、液体及び気体のような状態を相といい、相が変化することを相変化という。
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📘 熱放射(放射伝熱)とは?
熱の伝わり方には、伝導・対流・放射の3つがあります。熱放射(放射伝熱)は、熱が電磁波(赤外線など)となって直接飛んでいく伝わり方です。
電磁波は空間そのものを進むので、間に物質(媒体)がなくても、真空中でも伝わります。太陽の熱が宇宙を越えて地球に届くのがその例です。だから「媒体が必要」は誤りです。
⭕(1)熱容量の大きい物質は、温まりにくく冷えにくい。
正しい。熱容量の大きい物質は、たくさんの熱をためられるので、温まりにくく冷えにくいです。
⭕(2)熱伝導とは、物質の内部において、温度の高い方から低い方に熱エネルギーが移動する現象をいう。
正しい。熱伝導は、物質の内部で温度の高い方から低い方へ熱が伝わる現象です。
❌(3)熱放射による熱エネルギーの移動には、熱エネルギーを伝達する媒体が必要である。
これが誤り。熱放射(放射伝熱)は、電磁波で熱が伝わるので媒体(間の物質)は不要です。真空でも伝わります(太陽の熱が宇宙空間を越えて届くのと同じ)。「媒体が必要」は誤りです。
⭕(4)固体、液体及び気体のような状態を相といい、相が変化することを相変化という。
正しい。固体・液体・気体の状態を相といい、その状態が変わることを相変化といいます。
問5
分野:電気設備重要度 ★★☆
電気設備における保護装置等と主な目的の組合せのうち、適当でないものはどれか。
(1)接地工事 ―― 感電防止
(2)配線用遮断器 ―― 短絡保護
(3)漏電遮断器 ―― 地絡保護
(4)サーマルリレー ―― 力率改善
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📘 サーマルリレーとは?
サーマルリレーは、モーターに電流が流れすぎた(過負荷)ときに、熱を感じて回路を切り、モーターの焼損を防ぐ保護機器です。
「力率改善」は電気を効率よく使うための調整で、進相コンデンサが担います。サーマルリレーとは無関係なので、この組合せが誤りです。
❌(1)接地工事 ―― 感電防止
正しい組合せ。接地工事(アース)は、漏電時の感電を防ぎます。
❌(2)配線用遮断器 ―― 短絡保護
正しい組合せ。配線用遮断器は、短絡(ショート)や過電流から回路を守ります。
❌(3)漏電遮断器 ―― 地絡保護
正しい組合せ。漏電遮断器は、漏電(地絡)を検知して回路を切ります。
⭕(4)サーマルリレー ―― 力率改善
これが誤り(適当でない組合せ)。サーマルリレーは過負荷(電流の流れすぎ)からモーターを守る機器です。「力率改善」は進相コンデンサの役目なので、組合せが誤りです。
問6
分野:建築重要度 ★★☆
鉄筋コンクリート造の建築物の施工に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)夏期の打込み後のコンクリートは、急激な乾燥を防ぐために散水による湿潤養生を行う。
(2)型枠の存置期間は、セメントの種類や平均気温によって変わる。
(3)スランプ値が小さいほど、コンクリートの流動性が高くなる。
(4)水セメント比が大きくなると、コンクリートの圧縮強度が小さくなる。
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📘 スランプ値とは?
スランプ値は、固まる前のコンクリートのやわらかさ(流動性)を表す値です。専用の容器から抜いたときに、どれだけ崩れて下がるか(cm)で測ります。
スランプ値が大きいほどやわらかく流動性が高い(よく流れる)、小さいほど硬いことを意味します。だから「スランプ値が小さいほど流動性が高くなる」は逆で誤りです。
⭕(1)夏期の打込み後のコンクリートは、急激な乾燥を防ぐために散水による湿潤養生を行う。
正しい。夏期は乾きやすいので、散水して湿らせる湿潤養生を行い、急激な乾燥を防ぎます。
⭕(2)型枠の存置期間は、セメントの種類や平均気温によって変わる。
正しい。型枠を外すまでの期間(存置期間)は、セメントの種類や平均気温によって変わります。
❌(3)スランプ値が小さいほど、コンクリートの流動性が高くなる。
これが誤り。スランプ値は、コンクリートのやわらかさ(流動性)を表します。スランプ値が大きいほど流動性が高いので、「小さいほど流動性が高くなる」は逆で誤りです。
⭕(4)水セメント比が大きくなると、コンクリートの圧縮強度が小さくなる。
正しい。水セメント比が大きい(水が多い)と、コンクリートの圧縮強度は小さくなります。
問7
分野:空調設備(空調方式)重要度 ★★☆
空気調和方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)変風量単一ダクト方式は、VAVユニットの発生騒音に注意が必要である。
(2)ファンコイルユニット・ダクト併用方式を事務所ビルに採用する場合、一般的に、ファンコイルユニットで外気負荷を含む熱負荷全体を処理する。
(3)定風量単一ダクト方式は、変風量単一ダクト方式に比べて、室内の良好な気流分布を確保しやすい。
(4)変風量単一ダクト方式は、給気温度を一定にして各室の送風量を変化させることで室温を制御する。
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📘 ファンコイル・ダクト併用方式とは?
この方式は、ファンコイルユニット(各室・窓ぎわに置く小型機)とダクト(中央の空調機)を組み合わせます。役割を分担するのが特長です。
外の空気を取り入れる負荷(外気負荷)はダクト側で処理し、窓からの熱など室内の負荷はファンコイルが受け持ちます。「ファンコイルで外気負荷を含む全体を処理する」は役割分担に反し誤りです。
⭕(1)変風量単一ダクト方式は、VAVユニットの発生騒音に注意が必要である。
正しい。変風量(VAV)方式は、風量を絞ったときのVAVユニットの発生騒音に注意が必要です。
❌(2)ファンコイルユニット・ダクト併用方式を事務所ビルに採用する場合、一般的に、ファンコイルユニットで外気負荷を含む熱負荷全体を処理する。
これが誤り。ファンコイル・ダクト併用方式では、外気負荷はダクト(中央の空調機)側で処理し、ファンコイルユニットは主に室内(窓ぎわ)の負荷を処理します。「ファンコイルで外気負荷を含む全体を処理」は誤りです。
⭕(3)定風量単一ダクト方式は、変風量単一ダクト方式に比べて、室内の良好な気流分布を確保しやすい。
正しい。定風量(CAV)方式は風量が一定なので、変風量方式より室内の気流分布が安定します。
⭕(4)変風量単一ダクト方式は、給気温度を一定にして各室の送風量を変化させることで室温を制御する。
正しい。変風量方式は、給気温度を一定にして送風量を変え、室温を制御します。
問8
分野:空調設備(湿り空気線図)重要度 ★★★
暖房時の湿り空気線図のA点に対応する空気調和システム図上の位置として、適当なものはどれか。
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📘 暖房時の空気の流れと線図とは?
暖房では、室内(居室①・A点)からの還気と、冷たい外気(②・B点)が混ざって混合空気(C点)になり、加熱コイル(③)で温められてD点へ、さらに加湿器(④)で湿り気を加えられてE点(給気)になり、室内へ送られます。
A点は線図で室内の状態を示す点なので、システム図の①(居室)に対応します。「A=室内=①」と読み取ります。
⭕(1)①
これが正しい。A点は室内の状態で、システム図の①(居室)に対応します。
❌(2)②
誤り。②は外気(OA)で、線図では最も低温・低湿のB点に対応します。
❌(3)③
誤り。③は加熱コイルの出口で、線図ではD点に対応します。
❌(4)④
誤り。④は加湿器の出口(給気)で、線図ではE点に対応します。
問9
分野:空調設備(熱負荷)重要度 ★★☆
冷房時の熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)日射負荷には、顕熱と潜熱がある。
(2)外気負荷には、顕熱と潜熱がある。
(3)照明器具による熱負荷は、顕熱のみである。
(4)窓ガラス面の通過熱負荷計算では、一般的に、内外温度差を使用する。
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📘 日射負荷は顕熱のみ
顕熱は温度を上げる熱、潜熱は水分(湿気)に関わる熱です。日射(太陽の光・熱)は、当たった物や室内の温度を上げますが、水分は持ち込みません。
だから日射負荷は顕熱だけです。潜熱があるのは、湿気を持ち込む外気や、汗をかく人体などです。「日射負荷に潜熱がある」は誤りです。
❌(1)日射負荷には、顕熱と潜熱がある。
これが誤り。日射(太陽の熱)は物を温めるだけで水分(湿気)を出さないので、日射負荷は顕熱のみです。「顕熱と潜熱がある」は誤りです。
⭕(2)外気負荷には、顕熱と潜熱がある。
正しい。外気は温度も湿気も持ち込むので、外気負荷には顕熱と潜熱の両方があります。
⭕(3)照明器具による熱負荷は、顕熱のみである。
正しい。照明器具は熱くなるだけで水分を出さないので、その熱負荷は顕熱のみです。
⭕(4)窓ガラス面の通過熱負荷計算では、一般的に、内外温度差を使用する。
正しい。窓ガラス面の通過熱負荷計算では、一般的に室内外の温度差を使います。
問10
分野:空調設備(空気清浄装置)重要度 ★★☆
エアフィルターの種類と主な用途の組合せのうち、適当でないものはどれか。
(1)活性炭フィルター ―― 屋外粉じんの除去
(2)電気集じん器 ―― 屋内粉じんの除去
(3)HEPAフィルター ―― クリーンルーム用
(4)自動巻取形 ―― 一般空調用
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📘 活性炭フィルターとは?
活性炭フィルターは、たくさんの小さな穴をもつ活性炭で、においの成分やガスを吸着して取り除きます(脱臭)。粉じん(ほこり)を取るためのものではありません。
ほこり(粉じん)を取るのは、ろ過式フィルターや電気集じん器です。だから「活性炭フィルター=屋外粉じんの除去」は用途が違い誤りです。
❌(1)活性炭フィルター ―― 屋外粉じんの除去
これが誤り。活性炭フィルターは、においやガス(臭気)を吸着して取り除く(脱臭)ためのものです。「屋外粉じんの除去」ではないので誤りです。
❌(2)電気集じん器 ―― 屋内粉じんの除去
正しい組合せ。電気集じん器は、電気の力で細かい粉じんを集め、屋内粉じんの除去に使います。
❌(3)HEPAフィルター ―― クリーンルーム用
正しい組合せ。HEPAフィルターは非常に高性能で、クリーンルーム用に使われます。
⭕(4)自動巻取形 ―― 一般空調用
正しい組合せ。自動巻取形は、一般空調用に広く使われます。
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