この記事で分かること
令和6年度(後期)2級管工事施工管理技士「第一次検定」の問題No.1〜10を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.1〜6は必須問題、No.7〜23は選択問題です。正答は公式の正答肢で確認済みです。
この記事の問題はどこから?
問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 全国建設研修センターが公表しているものです。本記事はそれを引用したうえで、解説・図解・覚え方を独自に加えています。
出典:令和6年度後期 2級管工事施工管理技術検定(第一次検定)
問1
分野:一般基礎(環境工学)重要度 ★★☆
空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)室内空気の汚染度を示す指標の一つには、浮遊物質(SS)がある。
(2)空気齢とは、外気が室内に導入されてからある地点に到達するまでの平均時間をいう。
(3)大気中における二酸化炭素濃度は、季節変動を繰り返しながら経年的に増加傾向にある。
(4)一酸化炭素は、無色無臭であるが、人体に有害である。
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用語浮遊物質(SS)と浮遊粉じんとは?
浮遊物質(SS)は、水の中にただよう細かい固体で、水の濁り具合=水質を示す指標です。
一方、空気の汚れを示すのは浮遊粉じん(SPM)です。「SSは水、粉じんは空気」と分けて覚えると、この引っかけに強くなります。
❌(1)室内空気の汚染度を示す指標の一つには、浮遊物質(SS)がある。
これが誤り。浮遊物質(SS)は水の濁り(水質)を示す指標です。室内空気の汚れを示すのは浮遊粉じん(SPM)であり、SSは空気の指標ではないので誤りです。
⭕(2)空気齢とは、外気が室内に導入されてからある地点に到達するまでの平均時間をいう。
正しい。空気齢は、外気が入ってからその場所に届くまでの平均時間で、小さいほど新鮮な空気が届いていることを示します。
⭕(3)大気中における二酸化炭素濃度は、季節変動を繰り返しながら経年的に増加傾向にある。
正しい。大気中の二酸化炭素濃度は、季節で上下しながら、年ごとには増え続けています。
⭕(4)一酸化炭素は、無色無臭であるが、人体に有害である。
正しい。一酸化炭素は色もにおいもありませんが、少量でも人体に有害な危険な気体です。
問2
分野:一般基礎(流体工学)重要度 ★★☆
水平管中の流体について、全圧、静圧及び動圧の関係を表す式として、適当なものはどれか。ただし、Pt:全圧(Pa)、Ps:静圧(Pa)、ρ:流体の密度(kg/m³)、v:流速(m/s)とする。
(1)Pt = Ps + ρv
(2)Ps = Pt + ρv
(3)Pt = Ps + ρv²/2
(4)Ps = Pt + ρv²/2
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用語全圧・静圧・動圧とは?
流れる流体の圧力は、全圧=静圧+動圧で表されます。静圧は流体が壁を押す圧力、動圧は流れの勢い(運動エネルギー)による圧力です。
動圧は速さvの2乗に比例し、½ρv²で計算します。「全圧はいちばん大きい」「動圧は速さの2乗×½」と覚えるのがコツです。
❌(1)Pt = Ps + ρv
誤り。動圧は速度の2乗に比例し、½を掛けます。ρv(2乗も½もない)では動圧の式になっていません。
❌(2)Ps = Pt + ρv
誤り。全圧(Pt)がいちばん大きく、Ps=Pt+…とすると静圧が全圧より大きくなってしまい、関係が逆です。
⭕(3)Pt = Ps + ρv²/2
これが正しい。全圧=静圧+動圧で、動圧は½ρv²です。したがって Pt = Ps + ρv²/2 となります。
❌(4)Ps = Pt + ρv²/2
誤り。動圧の式(½ρv²)は合っていますが、Ps=Pt+… では静圧が全圧より大きくなり、関係が逆です。
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問3
分野:一般基礎(熱・相変化)重要度 ★★☆
固体、液体及び気体の相変化に関する下図で、A及びBに当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
(1)凝固 ── 昇華
(2)凝固 ── 膨張
(3)融解 ── 昇華
(4)融解 ── 膨張
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用語融解・昇華などの相変化とは?
物質は温度や圧力で固体・液体・気体に姿を変えます。固体→液体を融解、液体→固体を凝固、液体→気体を蒸発、気体→液体を凝縮といいます。
固体が液体を経ずに直接気体になる(またはその逆)変化を昇華といいます。ドライアイスが液体にならずに気体になるのが昇華の例です。
⭕(1)凝固 ── 昇華
これが正しい。図の矢印Aは液体から固体へ向かう(矢印の先が固体)ので「凝固」です。Bは固体から気体へ向かう(先が気体)ので「昇華」です。矢印の向きと名前が一致します。
❌(2)凝固 ── 膨張
誤り。A(凝固)は正しいですが、Bの「膨張」は相変化の名前ではありません。固体→気体は「昇華」です。
❌(3)融解 ── 昇華
誤り。B(昇華)は正しいですが、Aは「融解」ではありません。図の矢印Aは液体→固体(先が固体)なので「凝固」です。融解は逆(固体→液体)の変化です。
❌(4)融解 ── 膨張
誤り。A・Bともに誤りです。Aは液体→固体の「凝固」、Bは固体→気体の「昇華」で、「膨張」は相変化の名前ではありません。
問4
分野:一般基礎(湿り空気)重要度 ★★☆
湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)湿り空気を加熱すると、その絶対湿度は下がる。
(2)絶対湿度は、湿り空気中の乾き空気1kgに対する水蒸気の質量で示す。
(3)飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
(4)飽和湿り空気の相対湿度は100%である。
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用語絶対湿度と相対湿度とは?
絶対湿度は、乾き空気1kgに実際に含まれる水蒸気の重さです。空気を加熱・冷却しても、水を加えたり除いたりしなければ変わりません。
相対湿度は、その温度で含める最大量に対する割合(%)です。加熱すると含める最大量が増えるので、水蒸気量が同じでも相対湿度は下がります。
❌(1)湿り空気を加熱すると、その絶対湿度は下がる。
これが誤り。空気を加熱しても、含まれる水蒸気の量(絶対湿度)は変わりません。加熱で下がるのは相対湿度です。
⭕(2)絶対湿度は、湿り空気中の乾き空気1kgに対する水蒸気の質量で示す。
正しい。絶対湿度は、乾き空気1kgに対して何kgの水蒸気が含まれるかで表します。
⭕(3)飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
正しい。飽和した(これ以上水蒸気を含めない)空気では、乾球温度(一般的な温度計の温度)と湿球温度(水で湿らせた布を巻いた温度計の温度)が等しくなります。
⭕(4)飽和湿り空気の相対湿度は100%である。
正しい。飽和湿り空気は水蒸気で満杯の状態なので、相対湿度は100%です。
👉 この分野をもっとくわしく湿り空気線図の読み方|4つの変化を線図でたどる【管工事施工管理技士】
問5
分野:一般基礎(電気設備)重要度 ★☆☆
電気設備における、合成樹脂製可とう電線管(PF管)を金属管と比較した場合の長所として、適当でないものはどれか。
(1)曲げやすい。
(2)錆びない。
(3)熱に強い。
(4)非磁性体である。
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用語PF管とは?
PF管(合成樹脂製可とう電線管)は、電線を通して保護する柔らかいプラスチックの管です。曲げやすく、錆びず、磁気の影響を受けにくいのが長所です。
ただし樹脂製なので熱には弱いのが弱点です。金属管は熱や機械的な力に強いので、場所によって使い分けます。
⭕(1)曲げやすい。
正しい。PF管は樹脂製で柔らかいので、金属管より曲げやすいのが長所です。
⭕(2)錆びない。
正しい。樹脂製なので錆びず、金属管にはない長所となっています。
❌(3)熱に強い。
これが誤り。PF管は樹脂製なので熱には弱く、熱に強いのは金属管の方です。「熱に強い」は長所ではなく誤りです。
⭕(4)非磁性体である。
正しい。PF管は磁石にくっつかない非磁性体で、金属管のような磁気の影響を受けにくい長所があります。
問6
分野:一般基礎(建築・材料)重要度 ★★☆
コンクリートに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)コンクリートは、スランプの値が小さいほど流動性は高くなる。
(2)コンクリートは、アルカリ性のため、コンクリート中の鉄筋はさびにくい。
(3)コンクリートに破壊以下の一定の応力をかけ続けることで、時間の増加とともにひずみが増大する現象をクリープという。
(4)コンクリートの圧縮強度は、引張強度より大きい。
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用語スランプとは?
スランプは、固まる前のコンクリートの柔らかさ(流動性)を表す値で、試験でコンクリートがどれだけ崩れ落ちたか(cm)で測ります。
スランプが大きいほど柔らかく流れやすいコンクリートです。柔らかいほど施工しやすい反面、強度や耐久性に不利になることもあります。
❌(1)コンクリートは、スランプの値が小さいほど流動性は高くなる。
これが誤り。スランプの値は「柔らかさ」を表し、値が大きいほど流動性が高く(柔らかく)なります。「小さいほど流動性が高い」は逆で誤りです。
⭕(2)コンクリートは、アルカリ性のため、コンクリート中の鉄筋はさびにくい。
正しい。コンクリートはアルカリ性なので、中の鉄筋は錆から守られます(鉄筋の表面に、錆を防ぐ薄い膜=不動態被膜ができるため)。
⭕(3)コンクリートに破壊以下の一定の応力をかけ続けることで、時間の増加とともにひずみが増大する現象をクリープという。
正しい。一定の力をかけ続けると時間とともにひずみ(変形)が増える現象をクリープといいます。
⭕(4)コンクリートの圧縮強度は、引張強度より大きい。
正しい。コンクリートは圧縮に強く引張に弱いので、圧縮強度は引張強度よりずっと大きいのが特徴です。
問7
分野:空調設備(省エネ計画)重要度 ★★☆
空気調和設備の計画に関する記述のうち、省エネルギーの観点から、適当でないものはどれか。
(1)外気の取入れに全熱交換器を採用する。
(2)高効率の機器を採用する。
(3)熱源機器を複数台に分割する。
(4)暖房時に外気導入量を多くする。
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用語全熱交換器とは?
全熱交換器は、換気のときに捨てる空気(排気)の熱と湿気を、取り入れる新しい空気(外気)に移す装置です。
夏は涼しさを、冬は暖かさを回収できるので、外気を入れても冷暖房の負担が小さくなり、省エネにつながります。
⭕(1)外気の取入れに全熱交換器を採用する。
正しい。全熱交換器は、捨てる排気の熱を取り入れる外気に移すので、省エネになります。
⭕(2)高効率の機器を採用する。
正しい。効率の高い機器を使えば、同じ働きを少ないエネルギーでできるので省エネです。
⭕(3)熱源機器を複数台に分割する。
正しい。熱源機器を複数台に分けると、負荷が小さいときに必要な台数だけ動かせて省エネになります。
❌(4)暖房時に外気導入量を多くする。
これが誤り。暖房時に冷たい外気をたくさん入れると、それを暖める分だけ暖房の負荷(エネルギー)が増え、省エネに反します。
問8
分野:空調設備(湿り空気線図)重要度 ★★★
下図に示す冷房時の湿り空気線図のc点に対応する空気調和システム図中の位置として、適当なものはどれか。
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用語冷房時の湿り空気線図の読み方とは?
冷房では、外気(a・高温多湿)と部屋からの還気(b)が混ざって混合空気cになり、これがコイル(②)で冷やされ、水分も取り除かれてd点(低温)になります。
線図の右上ほど高温・多湿です。a=外気(①)、c=混合空気(②コイル入口)、d=冷却後、b=室内(④)と対応づけると読み解けます。
❌(1)①
誤り。①は外気(OA)を取り入れる位置で、線図では最も高温・多湿のa点にあたります。
⭕(2)②
これが正しい。c点は外気(a)と還気(b)が混ざった混合空気で、これからコイル(②)に入って冷やされる空気です。つまり、cはコイル入口の②に対応します。
❌(3)③
誤り。③は送風機の位置で、線図ではコイルで冷やされたあとのd点付近です。
❌(4)④
誤り。④は居室(還気RA)の位置で、線図では室内の状態を表すb点にあたります。
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問9
分野:空調設備(熱負荷)重要度 ★★☆
冷房時の熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)ガラス面日射負荷は、日影の場合も考慮する。
(2)日射負荷には、顕熱と潜熱がある。
(3)照明器具による熱負荷は、顕熱のみである。
(4)人体や事務機器からの熱負荷は、室内負荷として考慮する。
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用語顕熱と潜熱とは?
顕熱は温度を上げ下げする熱、潜熱は水分(湿気)を増やす・減らすときの熱です。日射や照明の熱は温度だけを上げるので顕熱です。
人体(汗)や加湿・外気の湿気は潜熱を伴います。「日射・照明=顕熱だけ」「人や外気の湿気=潜熱あり」と区別して覚えましょう。
⭕(1)ガラス面日射負荷は、日影の場合も考慮する。
正しい。日影のときも、天空からの散乱日射(空気中のちりなどで散らされて届く日差し)などがあるため、ガラス面の日射負荷を考えに入れます。
❌(2)日射負荷には、顕熱と潜熱がある。
これが誤り。日射負荷は温度を上げるだけの顕熱のみで、湿気(潜熱)は含みません。「顕熱と潜熱がある」は誤りです。
⭕(3)照明器具による熱負荷は、顕熱のみである。
正しい。照明器具は熱を出すだけで湿気は出さないので、その負荷は顕熱のみです。
⭕(4)人体や事務機器からの熱負荷は、室内負荷として考慮する。
正しい。人体や事務機器(パソコン等)が出す熱も、室内の熱負荷として計算に入れます。
問10
分野:空調設備(エアフィルター)重要度 ★★☆
エアフィルターの種類と主な用途の組合せのうち、適当でないものはどれか。
(1)自動巻取形 ── 厨房排気
(2)粗じん用エアフィルター ── 外気用
(3)電気集じん器 ── 一般空調用
(4)活性炭フィルター ── 有害ガス除去
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用語自動巻取形エアフィルターとは?
自動巻取形フィルターは、ロール状のろ材を少しずつ巻き取って、いつもきれいな面で空気をこす方式のフィルターです。
主に外気用や一般空調の粗じん(大きめのほこり)取りに使います。油煙を多く含む厨房排気には向かず、そこにはグリスフィルターを使います。
❌(1)自動巻取形 ── 厨房排気
これが誤り。自動巻取形(ロール式)は、外気用や一般空調の粗じん取りに使います。油分の多い厨房排気には向かず、組合せが不適当です。
⭕(2)粗じん用エアフィルター ── 外気用
正しい。粗じん用フィルターは大きめのほこりを取るためのもので、外気用が主な用途です。
⭕(3)電気集じん器 ── 一般空調用
正しい。電気集じん器は細かい粉じんを電気で集めるので、一般空調用に使われます。
⭕(4)活性炭フィルター ── 有害ガス除去
正しい。活性炭フィルターはにおいや有害ガスを吸着するので、有害ガスの除去に使います。
講座は必要? 第二次検定はどう対策する?
2級管工事の第二次検定は、令和6年度から「経験記述」が出題されていません(令和7年度の公式試験問題で確認しました)。いま必要なのは工事経歴の作文ではなく、書いた答案を見てもらうことです。二次の添削が付く講座を、いちばん安い順に4社比べました。お金をかけるべきところと、かけなくていいところもはっきり書いています。
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