結論からいうと、「全熱交換器(ぜんねつこうかんき)」は、換気のときに、捨てる空気(排気)と取り入れる空気(給気)の間で“熱”と“湿気”を交換して、空調のムダを減らす装置です。せっかく冷暖房した空気をそのまま捨てるのはもったいない——その熱と湿気を取り戻すのが役目です。図解でやさしく解説します。

全熱交換器ってなに?

部屋を快適に保つには換気(空気の入れ替え)が必要ですが、そのまま外気を入れると、冷暖房した空気を捨てて、暑い・寒い・乾いた(湿った)外気を入れることになり、エネルギーのムダになります。

全熱交換器は、出ていく排気と入ってくる給気をすれ違わせ、排気がもっている温度(熱)と湿気を、給気のほうへ移して回収します。

このとき2つの空気は混ざらず、仕切り越しに熱と水分だけが移動します。

全熱交換器:捨てる空気の熱を、入れる空気にうつす換気のとき、捨てる空気の熱と湿気を回収して、新しく入れる空気にうつします。熱交換室内の空気(暖かい)外へ捨てる(冷えた)外の空気(冷たい)暖まって室内へ捨てる空気の熱・湿気を回収=換気しても冷暖房のムダが少ない(省エネ)
出ていく空気の熱(と湿気)を、入ってくる空気にうつして省エネする換気装置が全熱交換器です。

顕熱・潜熱とは?空調の基本を初心者にもやさしく図解👉 くわしく知りたい方はこちら顕熱・潜熱とは?空調の基本を初心者にもやさしく図解

📘 全熱交換器とは?

換気の給気と排気の間で、顕熱(温度)と潜熱(湿気)の両方を交換する装置。冷暖房した空気のエネルギーを回収するので、換気による空調の負荷(ムダ)を大きく減らせます

主に第一種換気で使われます。

「顕熱」だけの交換器と何が違う?

🔧 🤔 “全熱”の「全」ってどういう意味?

空気がもつ熱には、温度として感じる顕熱と、水蒸気の出入りにかかわる潜熱の2種類があります。顕熱交換器は温度(顕熱)だけを回収しますが、全熱交換器温度(顕熱)+湿気(潜熱)の“全部”を回収します。

これが「全熱」という名前の由来です。だから全熱交換器なら、冬の加湿や夏の除湿の手間(負荷)まで軽くできます。

顕熱交換器と全熱交換器のちがい回収するのが“熱だけ”か“熱+湿気”か。顕熱交換器温度の熱だけを回収する(湿気は移さない)全熱交換器温度+湿気の両方を回収(より省エネ)
顕熱交換器は温度だけ、全熱交換器は温度+湿気(潜熱)も交換します。

💡 たとえ:すれ違いざまに上着を渡す

部屋から出ていく人(排気)と、入ってくる人(給気)が入口ですれ違うとき、出ていく人が“ちょうどいい温かさの上着”を、入ってくる人にサッと渡すイメージです。

入ってくる人は、外の極端な暑さ寒さをやわらげた状態で部屋に入れます。これを空気の熱と湿気でやっているのが全熱交換器です。

なぜ設備で大事なの?

全熱交換器(換気で省エネ)のイメージ

🔧 現場での使いどころ:省エネ換気

ビルや住宅の換気で全熱交換器を使うと、換気で逃げる冷暖房エネルギーを回収できるため、空調の負荷が下がり省エネになります。

冬は暖かさと湿気を取り戻すので乾燥もやわらぎ、夏は外気の熱と湿気を減らしてから取り入れるので、冷房や除湿の負担も軽くなります。

「換気はしたいが、空調のムダは減らしたい」を両立させる装置、と覚えておきましょう。

⚠️ 給気と排気は混ざらない

熱と湿気は移動しますが、給気と排気の空気そのものは混ざりません(仕切りを介して交換する)。「排気の汚れた空気が給気に戻る」と誤解しないようにしましょう。

また、全熱=顕熱+潜熱であり、温度だけ回収する顕熱交換器との違いも問われます。

試験で問われるポイント

  • 全熱交換器=給気と排気で顕熱(温度)+潜熱(湿気)を交換して回収する装置。
  • 全熱 = 顕熱 + 潜熱。顕熱交換器は温度だけを回収する。
  • 換気の空調負荷を減らす省エネ装置。主に第一種換気で使う。
  • 給気と排気は混ざらない(仕切り越しに熱・水分のみ移動)。

全熱交換器・換気・顕熱潜熱は空調分野の頻出テーマです。過去問で確認しましょう。

過去問解説(1級管工事)を見る →

✅ この記事のまとめ

  • 全熱交換器=換気の給気と排気で“温度と湿気”を交換して回収する装置
  • 冷暖房した空気のエネルギーを取り戻すので省エネになる
  • 全熱 = 顕熱(温度)+ 潜熱(湿気)。顕熱交換器は温度だけ。
  • 給気と排気は混ざらない(仕切り越しに熱と水分だけ移動)。
  • 冬は乾燥をやわらげ、夏は冷房・除湿の負担を減らせる。

よくある質問(FAQ)

Q. 全熱交換器と顕熱交換器の違いは?

A. 全熱は温度(顕熱)と湿気(潜熱)の両方を回収、顕熱は温度だけを回収します。全熱=顕熱+潜熱です。

Q. 排気の汚れた空気が給気に戻らない?

A. 戻りません。空気そのものは混ざらず、仕切りを介して熱と水分だけが移動します。

Q. なぜ省エネになるの?

A. 換気で捨ててしまう冷暖房のエネルギー(熱・湿気)を回収して給気に移すため、空調の負荷が減るからです。

Q. どんな場面で使う?

A. ビルや住宅の機械換気(主に第一種換気)で、省エネのために使われます。

🔗 あわせて読みたい(解説記事)

📘
独学に不安があるなら
独学のムダ、減らしませんか?
スマホで完結するeラーニングなら、通勤や休憩のスキマ時間に“出るところ”だけを効率よく対策できます。
出題傾向を分析した映像講義
スマホ・PCでスキマ学習
疑問は講師が無料でサポート
\ 30日間、全額返金保証! /
講座を見てみる →
受講生25万人突破・現場系の国家資格に対応
🔎 まだ相談は早い…という人は、まず求人だけチェック
まずは無料で求人だけ見てみる →