結論からいうと、「モリエル線図(p-h線図)」は、冷媒(れいばい)の状態を“圧力”と“熱量”の2つで表した1枚のグラフです。この図の上で冷凍サイクルの流れをたどると、「どれだけ冷やせたか」「どれだけ電気を使ったか」が目で見て分かるようになります。少しとっつきにくい図ですが、読み方のコツをやさしく図解します。

冷凍サイクルとは?熱を運んで冷やす仕組みを初心者にもやさしく図解👉 くわしく知りたい方はこちら冷凍サイクルとは?熱を運んで冷やす仕組みを初心者にもやさしく図解

モリエル線図(p-h線図)ってなに?

モリエル線図は、縦軸に圧力 p、横軸に比エンタルピー h(冷媒がもっている熱量)をとったグラフです。

冷媒がいま「どれくらいの圧力で、どれだけ熱をもっているか」を、1つの点で表せます。エアコンや冷凍機の中で冷媒の状態は刻々と変わりますが、その変化をこの1枚の地図の上でたどれるのが大きな利点です。

p-h線図(モリエル線図)で冷凍サイクルをたどる比エンタルピー h(熱量)→↑圧力 p飽和液線飽和蒸気線臨界点液+気体(湿り)気体(過熱)④→① 蒸発(吸熱)①→②圧縮②→③ 凝縮(放熱)③→④膨張
縦軸=圧力p、横軸=熱量h。山形の線(飽和液線・飽和蒸気線)の内側は液と気体が混ざった状態。①〜④が冷凍サイクルの各工程。

📘 モリエル線図(p-h線図)とは?

冷媒の圧力(p)と比エンタルピー(h)の関係を表した状態図。山形の飽和液線・飽和蒸気線の内側は液と気体が混ざった状態、左は液、右は気体(過熱蒸気)です。

冷凍サイクルの計算に使う基本の図です。

図の上で冷凍サイクルをたどる

🔧 🤔 ①〜④の点は何を表しているの?

この図の長方形のような流れが、冷凍サイクルの4工程です。④→①(蒸発)で冷媒が熱を奪い、①→②(圧縮)で圧縮機がエネルギーを加えて高温高圧にし、②→③(凝縮)で熱を外へ捨て、③→④(膨張)で圧力を下げてまた①へ戻ります。

グルグル回るこの流れを、図の上の点の移動として見られるわけです。

💡 たとえ:冷媒の“現在地マップ”

モリエル線図は、冷媒がいまサイクルのどこにいるかを示す地図のようなものです。「いまは低い圧力で熱を吸っている最中(蒸発)」「いまは高い圧力で熱を捨てている(凝縮)」——というふうに、冷媒の旅路を一目で追えます。

なぜ便利なの? COPまで読み取れる

🔧 現場での使いどころ:能力とCOPの計算

モリエル線図の横軸(h)の差を読むだけで、サイクルの大事な数値が分かります。冷凍効果(冷やす力)=h①−h④圧縮の仕事(使ったエネルギー)=h②−h①

そして成績係数(COP)は、この2つの比「冷凍効果 ÷ 圧縮の仕事」で求められます。だから1枚の図から、冷凍機の能力も効率もまとめて読み取れるのです。

横軸(h)の差で“熱の量”が読める冷凍効果蒸発で奪った熱h① − h④=冷やす能力のもと圧縮の仕事圧縮機が加えた分h② − h①=使ったエネルギーCOP(効率)冷凍効果圧縮の仕事=2つの差から計算
横軸hの差で、冷凍効果(h①−h④)と圧縮の仕事(h②−h①)が分かる。COP=冷凍効果÷圧縮の仕事。

⚠️ 縦軸は圧力、横軸は熱量(h)

縦軸=圧力p、横軸=比エンタルピー h(熱量)を取り違えないようにしましょう。また③→④の膨張は横軸(h)が変わらず真下に動く(エンタルピー一定)のが特徴で、ここはよく問われます。

山形の線の内側=湿り(液と気体が混在)という読み方も基本です。

試験で問われるポイント

  • モリエル線図(p-h線図)=縦軸が圧力p、横軸が比エンタルピーhの状態図。
  • 飽和液線・飽和蒸気線の内側は湿り(液+気体)、左が液、右が過熱蒸気。
  • 冷凍効果=h①−h④、圧縮仕事=h②−h①、COP=冷凍効果÷圧縮仕事
  • 膨張(③→④)はエンタルピー一定(真下)に動く。

モリエル線図・冷凍サイクル・COPの計算は冷凍空調分野の頻出テーマです。過去問で練習しましょう。

過去問ノート(1級管工事)を見る →

✅ この記事のまとめ

  • モリエル線図(p-h線図)=冷媒の圧力と熱量を表した1枚の地図
  • 図の上で冷凍サイクルの4工程(蒸発→圧縮→凝縮→膨張)をたどれる。
  • 横軸hの差で冷凍効果(h①−h④)と圧縮仕事(h②−h①)が読める。
  • COP=冷凍効果÷圧縮仕事。能力も効率も1枚で分かる。
  • 膨張はエンタルピー一定(真下)。縦軸p・横軸hの取り違えに注意。

よくある質問(FAQ)

Q. モリエル線図とp-h線図は同じ?

A. はい、ほぼ同じ意味で使われます。縦軸に圧力p、横軸に比エンタルピーhをとった状態図です。

Q. 山形の線の内側は何?

A. 液体と気体が混ざった「湿り蒸気」の状態です。左の線が飽和液、右の線が飽和蒸気を表します。

Q. COPはどう読み取るの?

A. 冷凍効果(h①−h④)を圧縮の仕事(h②−h①)で割ると求められます。横軸の差を見るだけです。

Q. 膨張のときグラフはどう動く?

A. エンタルピーが変わらないため、真下(圧力が下がる方向)へ動きます。