結論からいうと、「異種金属接触腐食(いしゅきんぞくせっしょくふしょく)」は、種類のちがう2つの金属が、水分のある状態で接触したときに、片方が早く腐食(サビ)する現象です。「電食(でんしょく)」とも呼ばれ、配管をつなぐ場所でよく問題になります。乾電池とそっくりのしくみなので、原理が分かればスッキリ理解できます。図解でやさしく解説します。

異種金属接触腐食ってなに?

鉄と銅のように種類のちがう金属どうしを、水分(湿気や水)のある状態でくっつけると、そこに小さな電池ができてしまいます。

すると電気(電流)が流れ、イオン化しやすい方の金属(卑な金属)が溶け出して、早く腐食します。

もう片方のイオン化しにくい金属(貴な金属)は、逆に守られて腐食しにくくなります。

異種金属接触腐食:ちがう金属が水中で触れるとサビる種類のちがう金属が水の中で接すると、電池のようになって片方が溶けます。卑な金属溶ける(サビ)貴な金属(銅など)守られる電流が流れるイオン化しやすい方(卑)が溶ける=対策は絶縁・同じ金属でそろえる
ちがう金属を水の中で直接つなぐと電気が流れ、卑な金属(鉄など)が早くサビます(異種金属接触腐食・電食)。

📘 異種金属接触腐食(電食)とは?

電位の異なる2種類の金属が電解質(水分)の中で接触し、電池作用で卑な金属が腐食する現象ガルバニック腐食ともいいます。

電位差が大きい組み合わせほど、また水分が多いほど激しくなります。

⚠️ 「電食」という言葉に注意

この現象の正しい呼び名はガルバニック腐食(異種金属接触腐食)です。「電食(でんしょく)」は現場でこの腐食を指して使われることもありますが、厳密には、鉄道の漏れ電流や接地電流などの“迷走電流(外部から流れ込む電流)”による腐食を指す言葉で、発生原因が異なります。試験では、両者を区別して覚えておくと安心です。

なぜ金属が溶けるの?(乾電池と同じしくみ)

異種金属接触腐食(電食)でサビるイメージ

🔧 🤔 ただ触れただけで、なぜ溶けるの?

乾電池は、2種類の金属電解液を組み合わせて電気を取り出す道具です。じつは異種金属接触腐食もまったく同じ構造で、「2種類の金属+水分」がそろうと、意図せず電池ができてしまいます。

電池の中では片方の金属が溶けながら電気を生んでいます。つまり配管の接続部が小さな乾電池になり、卑な金属が“電池の電極として”溶けていく、というわけです。

💡 たとえ:弱い者から削られる

イオン化のしやすさ(イオン化傾向)には順番があり、マグネシウム>アルミ>亜鉛>鉄>…>銅のように並びます。

この列で左にある(卑な)金属ほど溶けやすく、右にある(貴な)金属を守る“身代わり”になります。

異種金属がくっつくと、いつも弱い方(卑な方)から先に削られていくイメージです。

⚠️ 溶けるのは「卑な金属」、水がないと起きない

腐食するのはイオン化しやすい卑な金属(鉄・亜鉛など)で、貴な金属(銅など)ではありません。「貴な金属が溶ける」と取り違えると失点します。

また水分(電解質)がないと電池ができないので、乾いた環境では起きにくい点もポイントです。

どう防ぐ?(配管での対策)

🔧 現場での使いどころ:配管の接続部に注意

配管では鋼管と銅管、鋼管とステンレス、亜鉛めっき鋼管と銅などをつなぐ場所で起こりやすく、特に給湯・給水まわりで水分があるため注意が必要です。

防ぐ基本は、絶縁継手(絶縁ユニオン・絶縁フランジ)で電気的に縁を切ること。ほかにも同じ材質でそろえる、亜鉛などの犠牲陽極(身代わりの金属)を付けて本体を守る方法があります。

異種金属接触腐食の主な対策“電池”をつくらせないのが基本です。絶縁する金属の間にゴム・樹脂を入れ直接ふれさせない金属をそろえる同じ種類の金属で統一する犠牲陽極身代わりの金属を先に溶けさせて本体を守る
同じ金属でそろえる・間を絶縁する・防食する、で「電気が流れる輪」を作らないのが対策です。

試験で問われるポイント

  • 異種金属接触腐食(電食・ガルバニック腐食)=異種金属+水で電池ができ、卑な金属が腐食
  • 溶けるのは卑な金属(イオン化傾向が大きい方)。貴な金属は守られる。
  • 電位差が大きい組み合わせ・水分が多いほど激しい。乾燥下では起きにくい。
  • 対策は絶縁継手・同種金属での統一・犠牲陽極

異種金属接触腐食・配管材料・防食は給排水分野の頻出テーマです。過去問で確認しましょう。

過去問解説(1級管工事)を見る →

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✅ この記事のまとめ

  • 異種金属接触腐食=異種金属+水分で小さな電池ができ、卑な金属が腐食する現象(電食)。
  • しくみは乾電池と同じ。2種類の金属+電解質(水)で電流が生まれる。
  • 溶けるのはイオン化しやすい卑な金属。貴な金属はむしろ守られる。
  • 水分がないと起きない。電位差が大きい組み合わせほど激しい。
  • 対策は絶縁継手・同種金属での統一・犠牲陽極

よくある質問(FAQ)

Q. どちらの金属が腐食するの?

A. イオン化しやすい卑な金属(鉄・亜鉛など)が腐食します。貴な金属(銅など)は逆に守られます。

Q. なぜ電池ができると腐食するの?

A. 電池の中では片方の金属が溶けながら電気を生みます。その“溶ける電極”が卑な金属だからです。

Q. 乾いていても起きる?

A. 起きにくいです。水分(電解質)がないと電流が流れず、電池作用が成立しないためです。

Q. 一番の対策は?

A. 絶縁継手で異種金属を電気的に切り離すことです。材質を同じでそろえるのも有効です。

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