この記事でわかること
令和5年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 A①〜⑩」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、地球環境・温熱環境・室内空気・流体・熱力学・伝熱・冷凍サイクル・腐食などです。
問1
分野:地球環境重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン等で、「地球温暖化対策の推進に関する法律」には、対象とするガスが定義されている。
(2)ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、機器等での使用は禁止されていないが、国内生産は全廃されている。
(3)アンモニアは、オゾン層破壊係数が0の自然冷媒であるが、毒性や可燃性があり地球温暖化係数も大きい。
(4)温室効果とは、日射エネルギーにより加熱された地表面からの熱放射の一部を、大気中の水蒸気、二酸化炭素等が吸収することで、大気が暖まる現象である。
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⭕(1)温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン等で、「地球温暖化対策の推進に関する法律」には、対象とするガスが定義されている。
正しい記述です。二酸化炭素やメタンなどは、地球を暖める働きをもつ「温室効果ガス」として、「地球温暖化対策の推進に関する法律」できちんと定義されています。
つまり、何が温室効果ガスにあたるかは、法律で決められているということです。
温室効果ガスとは?
太陽で暖められた地面から出ていく熱を、空気中でためこんでしまうガスのことです。二酸化炭素・メタン・フロン類などがあり、増えすぎると地球全体の気温が上がります。
⭕(2)ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、機器等での使用は禁止されていないが、国内生産は全廃されている。
正しい記述です。HCFCはオゾン層を壊す性質があるため、日本国内での新しい生産は、すでに全廃されています。
ただし、すでに使われている機器の中の冷媒まで禁止されたわけではなく、機器での使用そのものは残っています。
HCFCとは?
HCFCは「Hydrochlorofluorocarbon(ハイドロクロロフルオロカーボン)」の略で、エアコンなどに使われてきた冷媒の一種です。オゾン層を壊す力は比較的小さいフロンですが、それでも環境に有害なため、生産は減らされてきました。
❌(3)アンモニアは、オゾン層破壊係数が0の自然冷媒であるが、毒性や可燃性があり地球温暖化係数も大きい。
「地球温暖化係数も大きい」が誤りです。アンモニアは、たしかに毒性や燃えやすさ(可燃性)はあります。
でも、オゾン層を壊す力(オゾン層破壊係数)も、地球を暖める力(地球温暖化係数)も、どちらも0です。
だからこそ、環境にやさしい「自然冷媒」として見直されています。
地球温暖化係数(GWP)とは?
GWPは「Global Warming Potential(地球温暖化係数)」の略です。二酸化炭素を1としたとき、そのガスがどれだけ強く地球を暖めるかを表す数字で、大きいほど温暖化への影響が大きいという意味です。
⭕(4)温室効果とは、日射エネルギーにより加熱された地表面からの熱放射の一部を、大気中の水蒸気、二酸化炭素等が吸収することで、大気が暖まる現象である。
正しい記述です。太陽の光で暖められた地面からは、熱が放射となって上空へ出ていきます。
その熱の一部を、空気中の水蒸気や二酸化炭素が吸収することで、大気が暖められます。これが温室効果です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)です。
アンモニアは、地球温暖化係数も0の自然冷媒です。
問2
分野:温熱環境重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)クロ(clo)とは、衣服の断熱性を示す単位で、事務室の執務状態では、夏が6clo、冬が10clo程度である。
(2)メット(met)とは、人体の代謝量を示す単位で、椅座安静状態が1.0metである。
(3)予想平均申告(PMV)とは、人体の熱的中立に近い状態の温冷感を予測する指標である。
(4)暑さ指数(WBGT)とは、暑熱環境下の熱ストレスを評価する指数で、熱中症の予防の判断に使われ単位は℃である。
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❌(1)クロ(clo)とは、衣服の断熱性を示す単位で、事務室の執務状態では、夏が6clo、冬が10clo程度である。
「夏が6clo、冬が10clo程度」が誤りです。事務室で働いているときの服装は、夏で約0.5clo、冬で約1.0clo程度です。
6cloや10cloというのは、厚手のコートを何枚も重ね着したような数字で、室内の服装としては大きすぎます。
クロ(clo)とは?
服がもつ「熱の逃がしにくさ(断熱性)」を表す単位です。数字が大きいほど暖かい服装という意味で、薄着なら小さく、厚着なら大きくなります。
⭕(2)メット(met)とは、人体の代謝量を示す単位で、椅座安静状態が1.0metである。
正しい記述です。metは、人の体がどれくらいエネルギーを使っているか(代謝量)を表す単位です。
いすに座って静かにしている状態が、ちょうど1.0metの目安になります。
メット(met)とは?
人が安静にしているときの代謝量を1.0とした、活動の激しさを表す単位です。歩いたり作業したりすると、metの値は大きくなります。
⭕(3)予想平均申告(PMV)とは、人体の熱的中立に近い状態の温冷感を予測する指標である。
正しい記述です。PMVは、大勢の人が同じ部屋にいたときに感じる「暑い・寒い」の平均を予測する指標です。
暑くも寒くもない、ちょうどよい状態が0になるように作られています。
予想平均申告(PMV)とは?
PMVは「Predicted Mean Vote(予想平均申告)」の略です。気温・湿度・服装・活動量などをまとめて、その場にいる人たちが平均的に感じる暑さ・寒さを数値で予測します。
⭕(4)暑さ指数(WBGT)とは、暑熱環境下の熱ストレスを評価する指数で、熱中症の予防の判断に使われ単位は℃である。
正しい記述です。WBGTは、暑い環境で体にかかる負担(熱ストレス)を評価する指数で、熱中症を防ぐための目安として使われます。
単位は気温と同じ℃で表されます。
暑さ指数(WBGT)とは?
WBGTは「Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の略です。気温だけでなく、湿度や日差し(輻射熱)も取り入れて、熱中症の危険度を表す指数です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。
cloは事務室で夏0.5・冬1.0程度です。
問3
分野:室内空気・燃焼重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)燃焼において、空気中の酸素濃度が18.5%を下回ると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生量が多くなる。
(2)一酸化炭素は、無色無臭であるが、人体に有害なガスである。
(3)窒素酸化物の発生の仕組みには、主なものとして、燃焼空気中の窒素からのサーマルNOxと、燃料中の窒素化合物からのフューエルNOxがある。
(4)人体からの二酸化炭素発生量は、作業状態によって変化し、エネルギー代謝量に反比例する。
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⭕(1)燃焼において、空気中の酸素濃度が18.5%を下回ると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生量が多くなる。
正しい記述です。物が燃えるには酸素が必要です。空気中の酸素の割合が18.5%を下回ると、酸素不足で燃え方が不十分になります。
すると、不完全燃焼によって有害な一酸化炭素の発生量が増えてしまいます。
不完全燃焼とは?
酸素が足りないまま物が燃えることです。きちんと燃え切らず、有害な一酸化炭素などが出やすくなります。
⭕(2)一酸化炭素は、無色無臭であるが、人体に有害なガスである。
正しい記述です。一酸化炭素は、色もにおいもないため、発生しても気づきにくいガスです。
それでいて人体には有害なので、換気不良による中毒事故の原因になります。
⭕(3)窒素酸化物の発生の仕組みには、主なものとして、燃焼空気中の窒素からのサーマルNOxと、燃料中の窒素化合物からのフューエルNOxがある。
正しい記述です。窒素酸化物(NOx)のでき方には、大きく2種類あります。
燃焼に使う空気中の窒素から生まれる「サーマルNOx」と、燃料そのものに含まれる窒素から生まれる「フューエルNOx」です。
窒素酸化物(NOx)とは?
NOxは「Nitrogen Oxides(窒素酸化物)」の略です。物が高い温度で燃えるときに発生する有害なガスで、大気汚染や酸性雨の原因になります。
❌(4)人体からの二酸化炭素発生量は、作業状態によって変化し、エネルギー代謝量に反比例する。
「反比例する」が誤りです。人は体を動かすほど、たくさん呼吸して多くの二酸化炭素を出します。
つまり、二酸化炭素の発生量はエネルギー代謝量に比例します。反比例ではありません。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。
人体の二酸化炭素発生量は、エネルギー代謝量に比例します。
問4
分野:流体重要度 ★★★
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)動粘性係数は、粘性係数を流体の速度で除した値であり、流体の運動に及ぼす影響を示す。
(2)ベルヌーイの定理は、流体の持っている運動エネルギー、重力による位置エネルギー及び圧力によるエネルギーの和が流線に沿って一定であることを示す。
(3)水の粘性係数は、圧力が一定の場合、水温の低下とともに大きくなる。
(4)空気の粘性係数は、圧力が一定の場合、温度の低下とともに小さくなる。
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❌(1)動粘性係数は、粘性係数を流体の速度で除した値であり、流体の運動に及ぼす影響を示す。
「流体の速度で除した値」が誤りです。動粘性係数は、粘性係数を流体の「密度」で割った値です。
割るのは速度ではなく密度なので、ここが入れかわっています。
動粘性係数 = 粘性係数 ÷ 密度
動粘性係数とは?
液体や気体の動きやすさを、その重さ(密度)も考えに入れて表した値です。同じねばりけでも、軽い流体ほど動きやすいという感覚をつかむための数字です。
⭕(2)ベルヌーイの定理は、流体の持っている運動エネルギー、重力による位置エネルギー及び圧力によるエネルギーの和が流線に沿って一定であることを示す。
正しい記述です。流れる水や空気は、「運動」「位置(高さ)」「圧力」の3つのエネルギーをもっています。
ベルヌーイの定理は、この3つの合計が、流れに沿ってどこでも一定になるという関係を表しています。
ベルヌーイの定理とは?
流れが速いところは圧力が下がり、遅いところは圧力が上がるという関係を説明する基本法則です。飛行機の翼が浮く仕組みなどにも関わっています。
⭕(3)水の粘性係数は、圧力が一定の場合、水温の低下とともに大きくなる。
正しい記述です。水は、冷たくなるほどねばりけ(粘性)が大きくなります。
冷えた水やはちみつが流れにくいのを思いうかべると、わかりやすいです。
粘性係数とは?
流体の「ねばりけ(流れにくさ)」そのものを表す値です。水よりはちみつの方が大きく、ねばるほど数字が大きくなります。
⭕(4)空気の粘性係数は、圧力が一定の場合、温度の低下とともに小さくなる。
正しい記述です。空気は、水とは逆の性質をもっています。
温度が低くなるほど、空気の粘性は小さくなります。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。
動粘性係数=粘性係数÷密度です。
問5
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配管の摩擦で失われる圧力(圧力損失)が、流速を変えるとどう変わるかを問う問題です。流速を3倍にすると圧力損失は9倍になり、正解は(4)です。
圧力損失とは?
水が配管の中を流れるとき、管の摩擦で失われる圧力のことです。これが大きいほど、同じ量を流すのに強いポンプが必要になります。
ダルシー・ワイスバッハの式とは?
この圧力損失を求める基本式です。いちばんの特徴は、圧力損失が流速の「2乗」に比例すること。流速が変わると、損失はその2乗で効いてきます。
① 関係…圧力損失 は 流速 の2乗に比例する
② 流速を3倍にする
③ 2乗する…3×3=9倍
なぜ2乗で効くの? 流れが速いほど、管の中の水のぶつかり合いや摩擦が急激に増えるからです。だから流速を3倍にするだけで、圧力損失は9倍にもふくらみます(ポンプの負担が一気に増えるということ)。
この問題のまとめ
摩擦による圧力損失は流速の2乗に比例します。流速が3倍なら損失は3²=9倍。よって答えは(4)です。
問6
分野:流体(水撃)重要度 ★★☆
ウォーターハンマーに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)流体の流速と圧力上昇は反比例する。
(2)ジュコフスキーの式により圧力上昇は求められる。
(3)鋼管より硬質塩化ビニル管の方が発生しにくい。
(4)流体の密度が大きいほど、圧力上昇は大きくなる。
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⭕(2)ジュコフスキーの式により圧力上昇は求められる。
正しい記述です。水撃で発生する圧力の上昇は、ジュコフスキーの式という計算式で求めることができます。
⭕(3)鋼管より硬質塩化ビニル管の方が発生しにくい。
正しい記述です。硬質塩化ビニル管(塩ビ管)は、鋼管にくらべて少し弾力があり、圧力の波をやわらげてくれます。
そのため、鋼管よりも水撃が発生しにくくなります。
⭕(4)流体の密度が大きいほど、圧力上昇は大きくなる。
正しい記述です。流れる流体の密度が大きい(重い)ほど、止めたときの勢いも大きくなります。
そのため、密度が大きいほど水撃による圧力上昇も大きくなります。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。
水撃の圧力上昇は、流速の変化に比例します。
問7
分野:熱力学重要度 ★★★
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)比熱比とは、定圧比熱を定容比熱で除した値で、気体では常に1より大きい。
(2)エンタルピーは、物質の持つエネルギーの状態量で、その物質の内部エネルギーに、外部への体積膨張仕事量を加えたもので表される。
(3)エントロピーは、不可逆変化が生じると必ず減少する。
(4)カルノーサイクルは、等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断熱圧縮の4つの過程からなる。
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⭕(1)比熱比とは、定圧比熱を定容比熱で除した値で、気体では常に1より大きい。
正しい記述です。気体では、圧力を一定にして温めるときの比熱(定圧比熱)の方が、体積を一定にして温めるときの比熱(定容比熱)より大きくなります。
その比である比熱比は、気体では常に1より大きくなります。
比熱比とは?
気体を温めるときの「定圧比熱」を「定容比熱」で割った値です。気体の性質を表す基本的な数字の一つです。
⭕(2)エンタルピーは、物質の持つエネルギーの状態量で、その物質の内部エネルギーに、外部への体積膨張仕事量を加えたもので表される。
正しい記述です。エンタルピーは、物質がもっているエネルギーの状態を表す量です。
物質の内部エネルギーに、外へ押し広げる仕事(体積膨張の仕事)を加えたもの、と考えるとわかりやすいです。
エンタルピーとは?
物質が内部にためているエネルギーと、まわりを押しのける仕事をまとめて表した量です。空調では、空気がもつ熱の量を考えるときによく使われます。
❌(3)エントロピーは、不可逆変化が生じると必ず減少する。
「必ず減少する」が誤りです。エントロピーは、後戻りできない変化(不可逆変化)が起こると、必ず増大します。
これは熱力学第二法則と呼ばれる、自然界の基本ルールです。減少ではありません。
エントロピーとは?
エネルギーの「乱雑さ・散らばり具合」を表す量です。熱は自然に高い方から低い方へ流れて散らばっていくため、ほうっておくとエントロピーは増えていきます。
⭕(4)カルノーサイクルは、等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断熱圧縮の4つの過程からなる。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)です。
エントロピーは、不可逆変化で増大します。
問8
分野:伝熱重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)熱放射は、電磁波で熱エネルギーが移動する現象であり、その伝達には媒体の存在を必要とせず真空中でも生じる。
(2)流体内において、温度の不均一に基づく密度差で浮力が生じ、流動が起こる場合の熱移動を強制対流熱伝達という。
(3)均質な固体内部において熱伝導により移動する熱量は、その固体内の温度勾配に比例する。
(4)伝熱現象には、熱伝導、対流及び熱放射がある。
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⭕(1)熱放射は、電磁波で熱エネルギーが移動する現象であり、その伝達には媒体の存在を必要とせず真空中でも生じる。
正しい記述です。熱放射は、電磁波の形で熱が伝わる現象です。
電磁波は何もない空間でも進めるので、伝える物(媒体)がなくても、真空中でも伝わります。太陽の熱が宇宙空間を越えて届くのと同じです。
熱放射とは?
熱を電磁波として放ち、離れた物に直接伝える現象です。たき火に手をかざすと暖かく感じるのも、この放射によるものです。
❌(2)流体内において、温度の不均一に基づく密度差で浮力が生じ、流動が起こる場合の熱移動を強制対流熱伝達という。
「強制対流熱伝達」が誤りです。温度の差で密度に差ができ、その浮力で自然に流れが起こる場合は、「自然対流熱伝達」と呼びます。
強制対流は、ポンプや送風機を使って、強制的に流れをつくる場合のことです。ここが入れかわっています。
対流熱伝達とは?
流れる空気や水が動くことで熱を運ぶ現象です。温度差で自然に起こる「自然対流」と、ポンプやファンで起こす「強制対流」の2種類があります。
⭕(3)均質な固体内部において熱伝導により移動する熱量は、その固体内の温度勾配に比例する。
正しい記述です。固体の中を熱が伝わるとき、その熱量は温度の傾き(温度勾配)に比例します。
温度差が大きいところほど、たくさんの熱が流れる、ということです。
⭕(4)伝熱現象には、熱伝導、対流及び熱放射がある。
正しい記述です。熱の伝わり方には、「熱伝導」「対流」「熱放射」の3つがあります。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(2)です。
密度差の浮力で起こる対流は「自然対流」です。
問9
分野:冷凍サイクル重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)冷媒を使用した冷却は、冷媒が蒸発する際に必要な熱を冷却する物体から奪うことによりおこる。
(2)冷媒に使用される主なものには、アンモニア、フロン類、水等がある。
(3)蒸発した冷媒を液化するためには、圧縮機を用いて機械的に圧縮する方法や吸収剤等により吸収する方法がある。
(4)単段圧縮冷凍サイクルでは、蒸発温度を高く、凝縮温度を低くすると成績係数は小さくなる。
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⭕(1)冷媒を使用した冷却は、冷媒が蒸発する際に必要な熱を冷却する物体から奪うことによりおこる。
正しい記述です。液体が蒸発するときには、まわりから熱を奪います。
冷媒が蒸発するときにこの熱を、冷やしたい物体から奪うので、その物体が冷えるという仕組みです。
冷媒とは?
冷凍機やエアコンの中をめぐって、熱を運ぶ役目をする物質です。蒸発するときに熱を奪い、凝縮するときに熱を放す性質を利用しています。
⭕(2)冷媒に使用される主なものには、アンモニア、フロン類、水等がある。
正しい記述です。冷媒として主に使われるものには、アンモニア・フロン類・水などがあります。
⭕(3)蒸発した冷媒を液化するためには、圧縮機を用いて機械的に圧縮する方法や吸収剤等により吸収する方法がある。
正しい記述です。蒸発して気体になった冷媒を、もう一度液体に戻す方法は大きく2つあります。
圧縮機で機械的に圧縮する方法(圧縮式)と、吸収剤に吸わせる方法(吸収式)です。
❌(4)単段圧縮冷凍サイクルでは、蒸発温度を高く、凝縮温度を低くすると成績係数は小さくなる。
「成績係数は小さくなる」が誤りです。蒸発温度を高く、凝縮温度を低くすると、その温度差が小さくなります。
温度差が小さいほど、冷やすのに必要な仕事(エネルギー)は少なくてすみます。
そのため、効率を表す成績係数(COP)は、むしろ大きくなります。
成績係数(COP)とは?
COPは「Coefficient of Performance(成績係数)」の略です。使った電気などのエネルギーに対して、どれだけ冷やしたり暖めたりできたかを表す効率の数字で、大きいほど省エネです。
👉 この用語をもっとくわしく成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。
蒸発温度を高く・凝縮温度を低くすると、成績係数は大きくなります。
問10
分野:腐食重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)
異種金属接触腐食とは、貴な金属と卑な金属が水中等で接触することにより、卑な金属が腐食することをいう。
(2)開放系配管における炭素鋼の腐食速度は、水温の上昇とともに増加し80℃あたりを境に減少する。
(3)炭素鋼は、管内流速が速くなると腐食速度は減少するが、金属表面の不動態化が促進される流速域だけは腐食速度が増加する。
(4)すきま腐食とは、配管のフランジ接合部等のわずかなすき間部において酸素濃淡電池を構成し腐食を起こすことをいう。
答え・解説を見る
⭕(1)異種金属接触腐食とは、貴な金属と卑な金属が水中等で接触することにより、卑な金属が腐食することをいう。
正しい記述です。性質の違う2つの金属が、水の中などで接触すると、電池のような状態になります。
このとき、さびやすい方(卑な金属)が先に腐食します。
異種金属接触腐食とは?
種類の違う金属どうしが触れ合うことで、片方(さびやすい方)の腐食が早まる現象です。配管でも、違う金属をつなぐところで起こりやすくなります。
⭕(2)開放系配管における炭素鋼の腐食速度は、水温の上昇とともに増加し80℃あたりを境に減少する。
正しい記述です。空気にふれている開放系の配管では、水温が上がるほど腐食が進みます。
ただし80℃あたりを境に、水にとけていた酸素が抜けていくため、それより高い温度では腐食はかえって減少します。
❌(3)炭素鋼は、管内流速が速くなると腐食速度は減少するが、金属表面の不動態化が促進される流速域だけは腐食速度が増加する。
記述が逆になっていて誤りです。炭素鋼は、管内の流速が速くなると、より多くの酸素が運ばれて腐食速度は増加します。
ただし、ある流速の範囲では金属表面に保護被膜(不動態)ができて、その範囲だけは腐食が減少します。
「速くなると減少」「不動態の域で増加」という説明は、増える・減るが入れかわっています。
不動態とは?
金属の表面にできる、ごく薄い保護被膜のことです。この膜があると、内側の金属が守られて腐食しにくくなります。
⭕(4)すきま腐食とは、配管のフランジ接合部等のわずかなすき間部において酸素濃淡電池を構成し腐食を起こすことをいう。
正しい記述です。フランジ接合部などのわずかなすき間では、すき間の内側と外側で酸素の濃さに差ができます。
この差が電池のよう(酸素濃淡電池)に働いて、腐食が起こります。これがすきま腐食です。
酸素濃淡電池とは?
同じ金属でも、酸素が多いところと少ないところがあると、その差で電池のように電流が流れ、酸素の少ない側が腐食する仕組みです。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)です。
炭素鋼は流速が速いほど腐食が進み、ある流速域で不動態化して減少します。
この10問の要点(直前チェック用)
- 問1:アンモニアは、地球温暖化係数も0の自然冷媒
- 問2:cloは事務室で夏0.5・冬1.0程度(6・10ではない)
- 問3:人体の二酸化炭素発生量は、エネルギー代謝量に比例する
- 問4:動粘性係数=粘性係数÷密度
- 問5:圧力損失は流速の2乗に比例(流速3倍→9倍)
- 問6:水撃の圧力上昇は、流速の変化に比例する
- 問7:エントロピーは、不可逆変化で増大する
- 問8:密度差の浮力で起こる対流は「自然対流」
- 問9:蒸発温度を高く・凝縮温度を低くすると、成績係数は大きくなる
- 問10:炭素鋼は流速が速いほど腐食が進み、ある流速域で不動態化して減少
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