二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年4月公表分の「燃料及び燃焼」(問21〜問30)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和7年4月公表)

問21 燃料の分析(工業分析)

令和7年4月公表分野:燃料の分析(工業分析)重要度 ★★
次の文中の 内に入れるA及びBの語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
「燃料のA分析では、固体燃料を気乾試料にして、水分、灰分及び揮発分を測定し、残りをBとみなして質量(%)で表す。」
A B
(1) 元素 固定炭素
(2) 元素 硫黄分
(3) 工業 固定炭素
(4) 工業 酸素分
(5) 組成 酸素分
答え・解説を見る
正解

(3)
工業 / 固定炭素

この問題は何を聞いている?

燃料の調べ方(分析)の名前と、その中身を空欄に当てはめる問題です。3つある分析のうち、「水分・灰分・揮発分を測る」のはどれかが問われています。

燃料の分析とは?

燃料がどんなものでできているかを調べること。調べ方によって、元素分析・成分分析・工業分析の3つがあります。

分析 どの燃料に使うか・何を測るか
元素分析 液体燃料・固体燃料の組成を示す(炭素・水素などの割合)
成分分析 気体燃料の組成を示す(メタンなどの成分の割合)
工業分析 固体燃料を気乾試料にして、水分・灰分・揮発分を測り、残りを固定炭素とみなす

空欄A = 工業

問題文は「固体燃料を気乾試料にして、水分、灰分及び揮発分を測定し」です。この3つを測るのは工業分析に当たります。元素分析は、炭素や水素などの元素の割合で表す別の分析です。選択肢の「組成」という名前の分析は、3つの中にありません。

空欄B = 固定炭素

工業分析では、水分・灰分・揮発分の3つを測ります。そして全体から3つを引いた残りを固定炭素とみなす決まりです。「硫黄分」「酸素分」は、言葉を入れ替えたひっかけです。

選択肢のしぼり方

①「水分・灰分・揮発分を測定」→ A=工業((1)(2)(5)が消える)

②「残りを〜とみなす」→ B=固定炭素((4)が消える)

③残るのは(3)

💡 覚え方

工業分析=水分・灰分・揮発分を測り、残りが固定炭素。測るのは3つで、固定炭素は引き算で求めると押さえましょう。元素分析は液体・固体燃料、成分分析は気体燃料の組成に使う分析です。

A=工業、B=固定炭素なので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第14回 燃料の性質

問22 引火点

令和7年4月公表分野:引火点重要度 ★★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
「液体燃料を加熱するとAが発生し、これに小火炎を近づけると瞬間的に光を放って燃え始める。この光を放って燃える最低の温度をBといい、灯油は重油よりBがC。」
A B C
(1) 二酸化炭素 発火温度 高い
(2) 二酸化炭素 着火温度 低い
(3) 水素 着火温度 低い
(4) 蒸気 発火温度 高い
(5) 蒸気 引火点 低い
答え・解説を見る
正解

(5)
蒸気 / 引火点 / 低い

この問題は何を聞いている?

液体燃料が燃え始める温度の名前を、空欄に当てはめる問題です。火を近づけて燃えるのか、火なしで燃え出すのかで、2つの用語を区別できるかが問われています。

用語 意味
引火点 液体燃料を加熱して出た蒸気に小さな炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度
着火温度(発火温度) 燃料を空気中で加熱し、ほかから点火しないで自然に燃え始める最低の温度

空欄A = 蒸気

液体燃料を加熱すると、燃料の蒸気が発生します。燃えるのは、この蒸気です。公式の正解も蒸気で、「二酸化炭素」「水素」ではありません。

空欄B = 引火点

問題文は「これに小火炎を近づけると瞬間的に光を放って燃え始める」です。火を近づけて燃え始める最低の温度なので、引火点に当たります。「着火温度」と「発火温度」は同じ意味の言葉です。どちらも火を近づけずに自然に燃え始める最低の温度を指します。

空欄C = 低い

公式の正解は「低い」です。つまり灯油は重油より引火点が低い、という関係になります。重油の実際の引火点は、一般に100℃前後です。

⚠ 注意

令和8年4月公表では、「点火しないで自然に燃え始める最低の温度を引火点という」という記述が誤りとされました。名前の入れ替えは、くり返し出題されています。

💡 覚え方

引火点=火を「引いて(近づけて)」つく温度、着火温度=火がなくても「着く」温度。問題文に「小火炎を近づける」とあれば、引火点の説明だと判断できます。

A=蒸気、B=引火点、C=低いなので、正解は(5)です。

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問23 重油の性質(密度・粘度・比熱・発熱量)

令和7年4月公表分野:重油の性質(密度・粘度・比熱・発熱量)重要度 ★★★
重油の性質について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)重油の密度は、温度が上昇すると減少する。
(2)重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
(3)重油の粘度は、温度が上昇すると低くなる。
(4)A重油は、C重油に比べて単位質量当たりの発熱量が大きい。
(5)C重油は、A重油に比べて水分容量が低い。
答え・解説を見る
正解

(5)
C重油は、A重油に比べて水分容量が低い。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの燃料である重油の性質を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

A重油・C重油とは?

重油は、粘り気(粘度)の違いで分けられます。A重油は粘り気が小さく(さらさら)、C重油は粘り気が大きい(どろっとしている)重油です。

(1) ⭕ 正しい記述

重油の密度は、温度が上昇すると減少する。

密度は、同じ体積あたりの重さのことです。重油の密度は、温度が上がると減ります。

(2) ⭕ 正しい記述

重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。

比熱は、1kgの物の温度を1℃上げるのに必要な熱の量です。重油の比熱は、温度と密度によって変わります。

(3) ⭕ 正しい記述

重油の粘度は、温度が上昇すると低くなる。

粘度は、液体の粘り気の強さのことです。重油は温めるとさらさらになるので、温度が上がると粘度は低くなります。

(4) ⭕ 正しい記述

A重油は、C重油に比べて単位質量当たりの発熱量が大きい。

A重油はC重油より、1kgあたりの発熱量が大きい重油です。発熱量は、燃料を完全に燃やしたときに出る熱の量のこと。軽い油ほど、成分の中の水素の割合が多い傾向があります。水素は同じ重さあたりで出す熱がとても大きいので、A重油のほうが大きくなるのです。

(5) ❌ 誤りの記述

C重油は、A重油に比べて水分容量が低い。

水分は、C重油のほうがA重油より多い側です。「C重油は、A重油に比べて低い」と、多い・少ないの向きが入れ替えられている点が誤りです。

性質 正しい向き
密度 温度が上がると減る
粘度 温度が上がると低くなる
比熱 温度と密度によって変わる
1kgあたりの発熱量 A重油のほうがC重油より大きい
水分 C重油のほうがA重油より多い側

💡 覚え方

重油は温めると、密度も粘度も下がる。A重油とC重油の比べ方は、発熱量はA重油が大きい、水分はC重油が多いと対にして押さえましょう。過去には「C重油はA重油より発熱量が大きい」も、誤りとして出題されました。

以上から、正解は(5)です。

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問24 重油の成分による影響(硫黄分・水分・残留炭素分)

令和7年4月公表分野:重油の成分による影響(硫黄分・水分・残留炭素分)重要度 ★★★
重油に含まれる成分などによる影響に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 硫黄分は、日本産業規格(JIS)による主要な要素となっており、質量の10%前後を構成する。
B 水分が多いと、貯蔵中にスラッジを形成する。
C 残留炭素分が多いほど、ばいじん量は増加する。
D 硫黄分は、ボイラーの伝熱面に高温腐食を起こす。
(1)A,B,C
(2)A,B,D
(3)A,C,D
(4)B,C
(5)B,C,D
答え・解説を見る
正解

(4)
B,C

この問題は何を聞いている?

重油にふくまれる硫黄分・水分・残留炭素分が、それぞれ何を引き起こすかを問う問題です。AからDのうち、適切なものだけを集めた組合せを選びます。

低温腐食と高温腐食とは?

低温腐食は、燃料の硫黄からできた硫酸が、温度の低い伝熱面(熱を受け取る面)で結露して金属を腐らせること。高温腐食は、重油の灰にふくまれるバナジウムなどの化合物が、高温の伝熱面に付いて溶け、金属を傷めることです。

成分 影響
水分 熱損失が増える/いきづき燃焼を起こす/貯蔵中にスラッジを形成する
残留炭素分 多いほどばいじんが増える
硫黄分 燃えて硫黄酸化物(SOx)になり、低温腐食の原因になる

A ❌ 誤りの記述

硫黄分は、日本産業規格(JIS)による主要な要素となっており、質量の10%前後を構成する。

前半の「硫黄分は、JISによる重油の分類で主要な要素」は正しい内容です。JIS K 2205でも、1種(A重油)は硫黄分で1号・2号に分けられています。しかし後半の「質量の10%前後を構成する」が誤りです。JISでは、3種(C重油)1号の硫黄分は質量3.5%以下とされています。10%前後は、この数字と大きくかけ離れた値なのです。

B ⭕ 正しい記述

水分が多いと、貯蔵中にスラッジを形成する。

重油に水分が多くふくまれると、ためているあいだにスラッジ(沈殿物)を形成します。水分の害は、このほかに熱損失の増加といきづき燃焼(炎が息をするように不安定になる燃え方)です。

C ⭕ 正しい記述

残留炭素分が多いほど、ばいじん量は増加する。

残留炭素分が多いほど、ばいじん量は増加します。ばいじんとは、排ガスにふくまれるすすなどの固体の粒をまとめた呼び名です。

D ❌ 誤りの記述

硫黄分は、ボイラーの伝熱面に高温腐食を起こす。

硫黄分が起こすのは、低温腐食です。高温腐食の原因は、重油の灰にふくまれるバナジウムなどの化合物。低温腐食が高温腐食に入れ替えられている点が誤りです。

💡 覚え方

硫黄=低温腐食、バナジウム=高温腐食と、原因と腐食の名前をセットにしましょう。水分→スラッジ、残留炭素分→ばいじんも、成分と結果の組み合わせで覚えます。

適切な記述はBとCなので、正解は(4)です。

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問25 燃焼の3要素と空気比

令和7年4月公表分野:燃焼の3要素と空気比重要度 ★★★
ボイラーにおける燃料の燃焼に関する基礎的な事項に関し、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃焼には、燃料、空気及び温度の三つの要素が必要である。
(2)燃焼室における燃焼温度は、特別な場合を除き、高温維持することが望ましい。
(3)実際空気量に対する理論空気量を空気比という。
(4)燃焼ガスの成分割合は、燃料の成分、空気比及び燃焼の方法によって変わる。
(5)燃焼ガスの成分には、燃焼中の水分などによるH₂Oがある。
答え・解説を見る
正解

(3)
実際空気量に対する理論空気量を空気比という。

この問題は何を聞いている?

燃料が燃えるための条件と、空気比という言葉の意味を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

理論空気量と実際空気量とは?

理論空気量は、燃料を燃やすのに理論上ちょうど必要な空気の量。実際空気量は、実際に送り込んだ空気の量です。

💡 なぜ? 理論空気量ぴったりでは、燃料と空気が完全には混ざりきらず、燃え残りが出ます。そこで実際には少し多めの空気を送るのです。

(1) ⭕ 正しい記述

燃焼には、燃料、空気及び温度の三つの要素が必要である。

燃焼には、燃料・空気(酸素)・温度の3つの要素が必要です。どれか1つでも欠けると燃えません。

(2) ⭕ 正しい記述

燃焼室における燃焼温度は、特別な場合を除き、高温維持することが望ましい。

温度が高いほど、燃料はすばやく、燃え残りなく燃えます。だから燃焼室(燃料を燃やす部屋)の温度は、特別な場合を除き高温に保つのが望ましいのです。

(3) ❌ 誤りの記述

実際空気量に対する理論空気量を空気比という。

空気比は、実際空気量÷理論空気量です。つまり理論空気量に対する実際空気量の比をいいます。選択肢は「実際空気量に対する理論空気量」で、分数の上下が入れ替えられている点が誤りです。

(4) ⭕ 正しい記述

燃焼ガスの成分割合は、燃料の成分、空気比及び燃焼の方法によって変わる。

燃焼ガスは、燃料が燃えたあとにできるガスのことです。その成分の割合は、燃料の成分・空気比・燃焼の方法によって変わります。

(5) ⭕ 正しい記述

燃焼ガスの成分には、燃焼中の水分などによるH₂Oがある。

燃焼ガスには、H₂O(水蒸気)がふくまれます。燃料の中の水素や水分から、水蒸気ができるからです。

空気比の例

理論空気量が10m³の燃料に、実際は12m³の空気を送った

空気比=実際空気量÷理論空気量=12÷10=1.2

→ 理論より2割多い空気を送っている、という意味になる

💡 覚え方

空気比は「実際は理論の何倍か」。実際の空気は多めに送るので、一般に1より少し大きい数になります。同じ入れ替えは、令和7年10月公表でも出た定番です。

以上から、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第15回 燃焼の基礎・空気比・通風

問26 燃料油の供給装置(系統図の読み取り)

令和7年4月公表分野:燃料油の供給装置(系統図の読み取り)重要度 ★★★
燃料油供給装置の構成に関し、次の系統図に示すA~Cの装置の名称の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
二級ボイラー技士 令和7年4月公表 問26 の図
A B C
(1) 貯蔵タンク 噴燃ポンプ 油遮断弁
(2) 貯蔵タンク 噴燃ポンプ 油量調節弁
(3) 貯蔵タンク 油流量計 油遮断弁
(4) サービスタンク 移送ポンプ 油量調節弁
(5) サービスタンク 移送ポンプ 油圧調節弁
答え・解説を見る
正解

(2)
貯蔵タンク / 噴燃ポンプ / 油量調節弁

この問題は何を聞いている?

重油などの燃料油をバーナ(燃料を燃やす装置)まで送る装置の並び順を問う問題です。図のA・B・Cが何という装置かを、油の流れをたどって答えます。

燃料油の一般的な流れ

①貯蔵タンク:油をまとめて蓄える

②(移送ポンプ):油を次のタンクへ送る

③サービスタンク:バーナの近くで、使う分をためる

④噴燃ポンプ:バーナへ油を送る

⑤油加熱器:油を温めて、霧にしやすい粘り気にする

⑥油量調節弁:燃やす油の量を調節する

⑦バーナ:油を霧にして燃やす

記号 図での位置 装置の名前
A 「燃料受入」から入った油が、最初に入るタンク 貯蔵タンク
B 2つ目のタンクを出て、加熱器へ向かう途中のポンプ 噴燃ポンプ
C 加熱器を出て、バーナへ向かう途中の弁 油量調節弁

図は、左下の「燃料受入」から油の流れを順にたどると整理できます。タンクは2つあり、先に通るのが貯蔵タンク、後に通るのがサービスタンクです。

(1) ❌ 適切でない組合せ

貯蔵タンク / 噴燃ポンプ / 油遮断弁

AとBは合っています。しかしCは油量調節弁で、「油遮断弁」ではありません。

(2) ⭕ 適切な組合せ

貯蔵タンク / 噴燃ポンプ / 油量調節弁

A=貯蔵タンク、B=噴燃ポンプ、C=油量調節弁。油の流れの順番どおりで、公式の正解です。

(3) ❌ 適切でない組合せ

貯蔵タンク / 油流量計 / 油遮断弁

Aは合っています。しかしBは噴燃ポンプ、Cは油量調節弁なので、2つが違うのです。

(4) ❌ 適切でない組合せ

サービスタンク / 移送ポンプ / 油量調節弁

Cは合っています。しかしAは最初のタンクなので貯蔵タンク、Bは噴燃ポンプです。

(5) ❌ 適切でない組合せ

サービスタンク / 移送ポンプ / 油圧調節弁

A・B・Cの3つとも違います。サービスタンクは2つ目のタンクで、移送ポンプは2つのタンクのあいだにあるポンプです。

💡 覚え方

貯蔵タンク→サービスタンク→噴燃ポンプ→油加熱器→油量調節弁→バーナ。「大きくためる→使う分をためる→送る→温める→量を合わせる→燃やす」と、役目の順で覚えましょう。

A=貯蔵タンク、B=噴燃ポンプ、C=油量調節弁なので、正解は(2)です。

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問27 油バーナの種類と微粒化のしくみ

令和7年4月公表分野:油バーナの種類と微粒化のしくみ重要度 ★★★
油バーナに関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 圧力噴霧式バーナは、霧化媒体を混合し、ノズルから噴霧して油を微粒化する。
B ガンタイプバーナは、ファンと圧力噴霧式バーナを組み合わせたもので、小容量ボイラーに多く用いられている。
C 回転式バーナは、回転軸に取り付けたカップの内面で油膜を形成し、遠心力で油を微粒化する。
D 高圧蒸気噴霧式バーナは、高圧力を加えた油を、ノズルチップから炉内に噴出させる。
(1)A,B
(2)A,C,D
(3)B,C
(4)B,C,D
(5)C,D
答え・解説を見る
正解

(3)
B,C

この問題は何を聞いている?

油バーナの名前と、油を霧にするしくみの組み合わせを問う問題です。AからDのうち、適切なものだけを集めた組合せを選びます。

微粒化(霧化)とは?

液体の燃料をごく細かい粒(霧)にすること。

💡 なぜ? 油は表面からしか燃えないので、細かい粒にして空気に触れる面積を増やすほど、すばやく燃え切るからです。

バーナ 油を霧にするしくみ
圧力噴霧式 油に高い圧力を加え、ノズルチップから炉内へ噴き出させる
蒸気噴霧式・空気噴霧式 比較的高圧の蒸気や空気(霧化媒体)の勢いを使う
回転式 回転するカップの内面に油の膜をつくり、遠心力で飛ばす

A ❌ 誤りの記述

圧力噴霧式バーナは、霧化媒体を混合し、ノズルから噴霧して油を微粒化する。

圧力噴霧式バーナは、油そのものに高い圧力を加えて霧にします。霧化媒体(油を霧にするために使う蒸気や空気)は使いません。霧化媒体を使うのは蒸気噴霧式・空気噴霧式で、しくみが入れ替えられている点が誤りです。

B ⭕ 正しい記述

ガンタイプバーナは、ファンと圧力噴霧式バーナを組み合わせたもので、小容量ボイラーに多く用いられている。

ガンタイプバーナは、ファン(送風機)と圧力噴霧式バーナを組み合わせたものです。小容量のボイラーに多く使われています。

C ⭕ 正しい記述

回転式バーナは、回転軸に取り付けたカップの内面で油膜を形成し、遠心力で油を微粒化する。

回転式バーナは、回転軸に付けたカップの内面に油の膜をつくります。その膜を遠心力で飛ばして、霧にするしくみです。

D ❌ 誤りの記述

高圧蒸気噴霧式バーナは、高圧力を加えた油を、ノズルチップから炉内に噴出させる。

「高圧力を加えた油を、ノズルチップから炉内に噴出させる」のは、圧力噴霧式バーナの説明です。高圧蒸気噴霧式バーナは、蒸気の勢いで油を霧にします。バーナの名前が入れ替えられている点が誤りです。

💡 覚え方

名前が、霧にする力を表していると考えましょう。圧力噴霧=油の圧力、蒸気噴霧=蒸気の勢い、回転式=遠心力です。AとDは、圧力噴霧式と蒸気噴霧式の説明をたがいに取り替えた記述になっています。

適切な記述はBとCなので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第16回 燃焼装置

問28 NOx(窒素酸化物)の抑制方法

令和7年4月公表分野:NOx(窒素酸化物)の抑制方法重要度 ★★★
ボイラーの燃料の燃焼により発生するNOxの大気中への放出の抑制方法として、適切でないものは次のうちどれか。
(1)高温燃焼域の燃焼ガスの滞留時間を長くする。
(2)炉内燃焼ガス中の酸素濃度を低くする。
(3)燃焼温度を低くし、特に局所的高温域が生じないようにする。
(4)窒素酸化物が少ない燃料を使用する。
(5)排煙脱硝装置を設け、燃焼ガス中のNOxを除去する。
答え・解説を見る
正解

(1)
高温燃焼域の燃焼ガスの滞留時間を長くする。

この問題は何を聞いている?

燃焼で出るNOxを減らす方法として、正しくないものを見分ける問題です。適切でないものを1つ選びます。

NOx(ノックス)とは?

窒素酸化物(窒素と酸素の化合物)のこと。燃焼で生まれる大気汚染物質で、酸性雨の原因です。

💡 なぜ? NOxは、高い温度・多い酸素・高温にさらされる時間の長さがそろうほど増えます。だから減らす方法は、その逆をすることです。

NOxの種類 でき方
サーマルNOx 燃焼用の空気中の窒素が、高温で酸素と結びついてできる
フューエルNOx 燃料にふくまれる窒素化合物が酸化されてできる

(1) ❌ NOxを抑える方法ではない

高温燃焼域の燃焼ガスの滞留時間を長くする。

高温の所に燃焼ガスが長くとどまるほど、NOxは増えます。減らすには、高温燃焼域での滞留時間(とどまる時間)を短くしなければなりません。「短く」が「長く」に入れ替えられている点が誤りです。

(2) ⭕ NOxを抑える方法である

炉内燃焼ガス中の酸素濃度を低くする。

酸素が多いほどNOxは増えます。だから、炉内の燃焼ガス中の酸素濃度を低くするのは正しい方法です。

(3) ⭕ NOxを抑える方法である

燃焼温度を低くし、特に局所的高温域が生じないようにする。

空気中の窒素は、高温で酸素と結びついてNOxになります。そこで燃焼温度を低くし、特に一部分だけが高温になる所(局所的高温域)をつくらないようにするのです。

(4) ⭕ NOxを抑える方法である

窒素酸化物が少ない燃料を使用する。

燃料にふくまれる窒素化合物は、酸化されてNOx(フューエルNOx)になります。NOxのもとになる窒素分の少ない燃料を使えば、その分を減らせるのです。

(5) ⭕ NOxを抑える方法である

排煙脱硝装置を設け、燃焼ガス中のNOxを除去する。

排煙脱硝装置は、排ガスからNOxを取り除く装置です。燃やし方の工夫に加えて、出たものを取る方法も使われます。

💡 覚え方

NOxを減らす合言葉は「低温・低酸素・短時間」。誤りとして出るのは、「時間を長く」「酸素を高く」「温度を高く」など、NOxを増やす向きの記述です。

以上から、正解は(1)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第17回 大気汚染・重油の障害・低温腐食

問29 ボイラーの熱損失

令和7年4月公表分野:ボイラーの熱損失重要度 ★★
ボイラーの熱損失に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)排ガス熱による損失がある。
(2)不完全燃焼ガスによる損失がある。
(3)ボイラー周壁からの放散熱による損失がある。
(4)熱損失を少なくするためには、空気比を大きくする必要がある。
(5)熱伝導率が小さく、かつ、一般に密度の小さい保温材を用いれば熱損失を小さくできる。
答え・解説を見る
正解

(4)
熱損失を少なくするためには、空気比を大きくする必要がある。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの熱損失の種類と、熱損失を減らす方法を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

熱損失とは?

燃料の熱のうち、蒸気にならずに逃げてしまう熱のこと。

空気比とは?

実際に送り込んだ空気の量が、理論上ちょうど必要な空気の量の何倍かを表す数。空気比が大きいほど、余分な空気が多いという意味です。

(1) ⭕ 正しい記述

排ガス熱による損失がある。

排ガス熱による損失は、煙突から出ていく排ガスが持ち去る熱です。一般に、熱損失の中でいちばん大きいものです。

(2) ⭕ 正しい記述

不完全燃焼ガスによる損失がある。

不完全燃焼ガスによる損失は、燃え残った一酸化炭素(CO)などのガスが持つ熱です。燃え切っていれば出たはずの熱が、使われないまま出ていきます。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー周壁からの放散熱による損失がある。

ボイラー周壁からの放散熱は、ボイラーの外側から周りへ逃げる熱です。これも熱損失の1つです。

(4) ❌ 誤りの記述

熱損失を少なくするためには、空気比を大きくする必要がある。

空気比を大きくすると、熱損失は増えます。空気が多すぎると、余った空気が温められて煙突から出ていくからです。そのぶん排ガス熱による損失が大きくなります。「大きくする必要がある」が誤りです。

(5) ⭕ 正しい記述

熱伝導率が小さく、かつ、一般に密度の小さい保温材を用いれば熱損失を小さくできる。

周壁からの放散熱を小さくするには、保温材でボイラーを覆います。保温材には、熱伝導率が小さく、一般に密度の小さいものを使うのです。熱伝導率は、物の中での熱の伝わりやすさを表す数。小さいほど熱が逃げにくくなります。

🤔 では、空気比は小さいほどよいのですか。

小さすぎてもいけません。空気比が1より小さいと、空気が足りずに不完全燃焼になります。大きすぎると、余った空気が熱を運び去るのです。そのため空気比は、適正に保つことが基本になります。

💡 覚え方

熱損失を減らす基本は3つ。空気比を適正に保つ・完全燃焼させる・保温で放散熱を減らすです。空気は「多いほどよい」ではない、と押さえましょう。

以上から、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第15回 燃焼の基礎・空気比・通風

問30 ボイラーの通風(自然通風・押込・誘引・平衡)

令和7年4月公表分野:ボイラーの通風(自然通風・押込・誘引・平衡)重要度 ★★★
ボイラーの通風に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが高いほど抵抗が大きくなるため、煙突は低いほど良い。
B 押込通風方式は、空気流と燃料噴霧流との混合が有効に利用できるため、燃焼効率が良い。
C 誘引通風は、比較的体積の大きな燃焼ガスを取り扱うので、炉内の気密が不十分であると燃焼ガスが外部へ漏れる。
D 平衡通風に必要な動力は、押込ファンと誘引ファンを併用するので、押込通風より大きいが、誘引通風よりは小さい。
(1)A,B,D
(2)A,C,D
(3)A,D
(4)B,C,D
(5)B,D
答え・解説を見る
正解

(5)
B,D

この問題は何を聞いている?

ボイラーの通風の方式と、それぞれの特徴を問う問題です。AからDのうち、適切なものだけを集めた組合せを選びます。

通風とは?

炉や煙道(燃焼ガスの通り道)を通って起きる、空気と燃焼ガスの流れのこと。その流れを起こす圧力の差を通風力といいます。

方式 しくみ 炉の中の圧力
押込通風 ファンで燃焼用の空気を炉内へ押し込む 大気圧より高い
誘引通風 煙道や煙突の入口のファンで、燃焼ガスを吸い出す 大気圧より低い
平衡通風 押込ファンと誘引ファンを併用する 大気圧よりわずかに低い

A ❌ 誤りの記述

煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが高いほど抵抗が大きくなるため、煙突は低いほど良い。

煙突の中の燃焼ガスは熱くて軽いので、浮き上がる力が生まれます。これが自然通風です。その力は、(外気の密度−煙突内ガスの密度)×煙突の高さで決まります。煙突が高いほど強くなるので、「低いほど良い」が誤りです。

B ⭕ 正しい記述

押込通風方式は、空気流と燃料噴霧流との混合が有効に利用できるため、燃焼効率が良い。

押込通風は、ファンで空気を炉内へ押し込む方式です。空気の流れと燃料の霧の流れがよく混ざるので、燃焼効率が良くなります。

C ❌ 誤りの記述

誘引通風は、比較的体積の大きな燃焼ガスを取り扱うので、炉内の気密が不十分であると燃焼ガスが外部へ漏れる。

誘引通風が体積の大きな燃焼ガスを扱う点は、そのとおりです。しかし誘引通風はガスを吸い出す方式で、炉内は大気圧より低くなります。そのため燃焼ガスは外へ漏れにくいのです。「外部へ漏れる」が誤りです。

D ⭕ 正しい記述

平衡通風に必要な動力は、押込ファンと誘引ファンを併用するので、押込通風より大きいが、誘引通風よりは小さい。

平衡通風は、押込ファンと誘引ファンを併用する方式です。必要な動力は、押込通風より大きく、誘引通風より小さいという関係になります。押込通風は常温の空気を扱うので動力が小さい方式。誘引通風は高温で体積の大きいガスを扱うので、大型のファンが必要です。

💡 覚え方

押込=押して入れる(炉内は高圧)、誘引=引っぱって出す(炉内は低圧→漏れにくい)。動力は押込<平衡<誘引の順です。「誘引通風はガスが外へ漏れる」は、令和6年4月公表でも誤りとして出ました。

適切な記述はBとDなので、正解は(5)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第15回 燃焼の基礎・空気比・通風

令和7年4月公表「燃料及び燃焼」のまとめ

まとめ

・工業分析=固体燃料の水分・灰分・揮発分を測り、残りを固定炭素とみなす

・引火点=小さな炎を近づけたとき燃え始める最低の温度。灯油は重油より引火点が低い

・重油は温度が上がると密度・粘度が下がる。発熱量はA重油が大きく、水分はC重油が多い側

・硫黄分が起こすのは低温腐食。水分→スラッジ、残留炭素分→ばいじん

・空気比=実際空気量÷理論空気量。大きくしすぎると排ガス熱の損失が増える

・油の流れ=貯蔵タンク→サービスタンク→噴燃ポンプ→油加熱器→油量調節弁→バーナ。霧化媒体を使うのは蒸気・空気噴霧式

・NOxを減らすのは低温・低酸素・短時間。煙突は高いほど通風力が強く、誘引通風はガスが漏れにくい