この記事でわかること

令和元年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 A⑪〜⑳」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、電気・電気工事・建築(鉄筋・コンクリート)・空調方式・負荷計算・自動制御・地域冷暖房などです。

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問11

分野:電気設備重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)インバータによる運転は、電圧波形にひずみを含むため、インバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなる。
(2)スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電流を1/√3に低減できる。
(3)トップランナーモータは、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり、標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある。
(4)インバータで運転すると、騒音が増加することがある。
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正解
(2)が誤り

電動機(モーター)の運転・始動に関する問題です。インバータやスターデルタ始動など、それぞれの特徴と数値を押さえましょう。

⭕(1)インバータによる運転は、電圧波形にひずみを含むため、インバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなる。

正しい記述です。インバータの電圧波形にはひずみ(高調波)が含まれ、これが余分な発熱を生むため、電動機の温度は高めになります。

インバータは回転数を細かく変えられて省エネに役立ちますが、波形のひずみによる発熱という弱点もあります。問題文は正しい内容です。

❌(2)スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電流を1/√3に低減できる。

「1/√3に低減」が誤りです。スターデルタ始動では、始動電流を全電圧始動の1/3に下げられます。

スターデルタ始動とは?

モーター始動時、最初はスター結線で電流をおさえ、回り始めたらデルタ結線に切りかえる方式です。始動電流を全電圧始動の1/3にできます。

大きなモーターは始動の瞬間に大電流が流れるため、それをおさえる方式です。数値は「1/√3」ではなく1/3と覚えましょう。

スターデルタ始動とは?始動電流を抑える仕組みを初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしくスターデルタ始動とは?始動電流を抑える仕組みを初心者にもやさしく図解
⭕(3)トップランナーモータは、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり、標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある。

正しい記述です。トップランナーモータは効率が高い反面、抵抗を低くしているため始動電流は大きくなる傾向があります。

省エネ(銅損低減)と引きかえに始動電流が増えるため、始動方式の検討が必要になります。問題文は正しい内容です。

⭕(4)インバータで運転すると、騒音が増加することがある。

正しい記述です。インバータ運転では、波形のひずみ(高調波)により電磁的な騒音が増えることがあります

(1)の発熱と同じく、波形のひずみが原因です。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。スターデルタ始動は始動電流を全電圧始動の1/3に低減します(1/√3ではない)。

問12

分野:電気工事重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)乾燥した場所に敷設した合成樹脂製可とう管(PF管)内には、電線の接続部を設けてもよい。
(2)使用電圧が300V以下の金属管には、D種接地工事を施す。
(3)合成樹脂製可とう管(PF管)相互の接続は、直接接続としてはならない。
(4)金属管相互は、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続しなければならない。
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正解
(1)が誤り

電気工事(電線管の施工)に関する問題です。電線の接続をどこで行うか・接地工事・管の接続方法を押さえましょう。

❌(1)乾燥した場所に敷設した合成樹脂製可とう管(PF管)内には、電線の接続部を設けてもよい。

「電線の接続部を設けてもよい」が誤りです。電線管の中で電線を接続してはいけません

接続部は発熱や劣化のおそれがあり、管の中だと点検も修理もできません。だから接続は必ずアウトレットボックスなど、あとから点検できる場所で行います。乾燥した場所かどうかに関係なく、管内接続は不可です。

⭕(2)使用電圧が300V以下の金属管には、D種接地工事を施す。

正しい記述です。使用電圧300V以下の金属管にはD種接地工事を施します。

D種接地工事とは?

300V以下の低圧機器に施す接地工事で、接地抵抗値は100Ω以下(漏電遮断器が0.5秒以内に動作する場合は500Ω以下)です。感電を防ぐためのものです。

金属管は万一の漏電時に感電源になりうるため、地面とつないで電気を逃がします。問題文は正しい内容です。

⭕(3)合成樹脂製可とう管(PF管)相互の接続は、直接接続としてはならない。

正しい記述です。PF管どうしは直接つながず、専用のカップリング(継手)を使って接続します。

継手を使うことで、接続部の強度と防水性を確保します。問題文は正しい内容です。

⭕(4)金属管相互は、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続しなければならない。

正しい記述です。金属管どうしは機械的に丈夫で、かつ電気的にも完全につなぐ必要があります。

電気的につながっていないと、接地の効果が途切れてしまうためです。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。電線管の中で電線を接続してはならず、点検できるボックス内で接続します。

問13

分野:建築(鉄筋)重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)柱、梁の鉄筋のかぶり厚さとは、コンクリート表面から最も外部側に位置する帯筋、あばら筋等の表面までの最短距離をいう。
(2)耐力壁の鉄筋のかぶり厚さは、柱、梁のかぶり厚さと同じ厚さとする。
(3)基礎の鉄筋のかぶり厚さは、捨てコンクリート部分を含めた厚さとする。
(4)鉄筋の定着長さは、鉄筋径により異なる。
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正解
(3)が誤り

鉄筋コンクリートのかぶり厚さ・定着長さに関する問題です。とくに「かぶり厚さをどこから測るか」がポイントです。

⭕(1)柱、梁の鉄筋のかぶり厚さとは、コンクリート表面から最も外部側に位置する帯筋、あばら筋等の表面までの最短距離をいう。

正しい記述です。かぶり厚さは、コンクリート表面からいちばん外側の鉄筋(帯筋・あばら筋)の表面までの最短距離です。

主筋ではなく、より外側にある帯筋・あばら筋の表面で測る点に注意しましょう。問題文は正しい内容です。

⭕(2)耐力壁の鉄筋のかぶり厚さは、柱、梁のかぶり厚さと同じ厚さとする。

正しい記述です。耐力壁のかぶり厚さは、柱・梁と同じ厚さとします。

耐力壁は建物を支える重要な構造部材なので、柱・梁と同等の保護(かぶり厚さ)が必要です。問題文は正しい内容です。

❌(3)基礎の鉄筋のかぶり厚さは、捨てコンクリート部分を含めた厚さとする。

「捨てコンクリート部分を含めた厚さ」が誤りです。かぶり厚さは捨てコンクリート部分を含めずに測ります。

捨てコンクリートとは?

基礎をつくる前に、地面をならし、墨出し(位置の印つけ)をするために薄く打つコンクリートです。構造の強度には数えません。

捨てコンクリートは構造強度に数えない下地なので、鉄筋を守る「かぶり」にも含めません。「捨てコンクリートを含める」としているのが、この選択肢の誤りです。

⭕(4)鉄筋の定着長さは、鉄筋径により異なる。

正しい記述です。鉄筋の定着長さ(コンクリートに埋め込む長さ)は、鉄筋の太さ(径)によって変わります

太い鉄筋ほど大きな力がかかるので、より長く定着させる必要があります。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(3)です。捨てコンクリートは強度に数えない下地なので、かぶり厚さに含めない点がひっかけです。

問14

分野:建築(コンクリート)重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)構造部材に生じる応力は、軸方向応力、曲げモーメントの2種類である。
(2)単位水量が多いほど、乾燥収縮によるひび割れが発生しやすい。
(3)躯体を打設するコンクリートは、設計基準強度を割増した強度とする。
(4)水セメント比を小さくすると、コンクリートの耐久性は高くなる。
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正解
(1)が誤り

コンクリートと構造部材に関する問題です。部材に生じる応力の種類や、コンクリートの性質を押さえましょう。

❌(1)構造部材に生じる応力は、軸方向応力、曲げモーメントの2種類である。

「2種類である」が誤りです。正しくは、軸方向応力・曲げモーメントのほかにせん断力(せん断応力)もあり、主に3種類です。

せん断力とは?

部材をはさみで切るように、ずらして断ち切ろうとする力です。軸方向(引っぱり・圧縮)や曲げとは別の作用で、構造設計では必ず考慮します。

「2種類だけ」と限定しているのが誤りです。軸方向・曲げ・せん断の3つを押さえましょう。

⭕(2)単位水量が多いほど、乾燥収縮によるひび割れが発生しやすい。

正しい記述です。単位水量(コンクリート1㎥あたりの水の量)が多いほど、乾燥収縮によるひび割れが起こりやすくなります。

水が多いと、固まったあとに乾いて縮む量が大きくなるためです。だから水は必要最小限にします。問題文は正しい内容です。

⭕(3)躯体を打設するコンクリートは、設計基準強度を割増した強度とする。

正しい記述です。実際に打つコンクリートは、設計基準強度に割増しをした強度で調合します。

現場の温度や材料のばらつきで強度が下がることを見込んで、あらかじめ余裕をもたせるためです。問題文は正しい内容です。

⭕(4)水セメント比を小さくすると、コンクリートの耐久性は高くなる。

正しい記述です。水セメント比を小さくする(水を減らす)と、コンクリートは緻密になり耐久性が高くなります。

水セメント比とは?

セメントに対する水の重さの割合です。小さい(水が少ない)ほど密で強く、耐久性の高いコンクリートになります。

水が多いと内部にすき間ができて弱くなります。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。構造部材の応力は、軸方向・曲げにせん断力を加えた主に3種類で、「2種類」ではない点がひっかけです。

問15

分野:冷凍機重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)二重効用の吸収冷凍機は、低温再生器と高温再生器を設けるため、必要とする加熱量が少なく、単効用に比べて成績係数が高い。
(2)ロータリー冷凍機は、圧縮機の構造が簡単で、往復動冷凍機に比べて振動が小さい。
(3)ヒートポンプ方式では、空気熱源方式に比べて水熱源方式の方が成績係数が高い。
(4)同じ冷凍能力の吸収冷凍機と圧縮冷凍機では、必要となる冷却塔の冷却能力は同じである。
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正解
(4)が誤り

冷凍機・ヒートポンプに関する問題です。吸収冷凍機と圧縮冷凍機の違い、冷却塔の能力差がポイントです。

⭕(1)二重効用の吸収冷凍機は、低温再生器と高温再生器を設けるため、必要とする加熱量が少なく、単効用に比べて成績係数が高い。

正しい記述です。二重効用は高温・低温の2つの再生器で熱を有効に使い回すため、単効用より少ない加熱量ですみ、成績係数(COP)が高くなります。

成績係数(COP)とは?

冷凍機が使ったエネルギーに対して、どれだけの冷熱・温熱を得られたかの比です。大きいほど効率がよいことを表します。

熱を2段階で使うことでムダを減らしているイメージです。問題文は正しい内容です。

成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしく成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解
⭕(2)ロータリー冷凍機は、圧縮機の構造が簡単で、往復動冷凍機に比べて振動が小さい。

正しい記述です。ロータリー(回転式)は、ピストンが往復する往復動式にくらべ構造が簡単で振動が小さいです。

回転運動はなめらかで、往復運動のようなガタつきが少ないためです。問題文は正しい内容です。

⭕(3)ヒートポンプ方式では、空気熱源方式に比べて水熱源方式の方が成績係数が高い。

正しい記述です。水熱源は、空気熱源にくらべて温度が安定した水から熱をくみ上げるため、成績係数(効率)が高くなります。

空気は外気温の影響を受けやすく、寒い日ほど効率が落ちます。安定した水のほうが有利です。問題文は正しい内容です。

❌(4)同じ冷凍能力の吸収冷凍機と圧縮冷凍機では、必要となる冷却塔の冷却能力は同じである。

「冷却塔の冷却能力は同じ」が誤りです。正しくは、吸収冷凍機のほうが大きな冷却塔が必要です。

吸収冷凍機は、冷やすときに出る熱に加えて運転に使った加熱の熱も冷却塔から捨てます。そのぶん捨てる熱が多いため、同じ冷凍能力でも圧縮冷凍機より大きな冷却塔が要ります。「捨てる熱が多い=冷却塔も大きい」と理解しましょう。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。吸収冷凍機は加熱に使った熱も捨てるため、圧縮冷凍機より大きな冷却塔が必要(同じではない)点がひっかけです。

問16

分野:空調方式重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ペリメーター空気処理方式は、コールドドラフトの防止に有効である。
(2)変風量単一ダクト方式は、定風量単一ダクト方式に比べて搬送動力を節減できる。
(3)ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、一般的に、全空気方式に比べて搬送動力が小さい。
(4)床吹出し方式は、天井吹出し方式に比べて暖房運転時の居住域における垂直温度差が大きい。
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正解
(4)が誤り

空調方式に関する問題です。ペリメーター方式・変風量方式・床吹出し方式など、それぞれの特徴を押さえましょう。

⭕(1)ペリメーター空気処理方式は、コールドドラフトの防止に有効である。

正しい記述です。ペリメーター(窓ぎわ)を専用に空調する方式で、コールドドラフトの防止に有効です。

コールドドラフトとは?

冬に冷たい窓面で冷やされた空気が下降して、足もとにスーッと流れこむ不快な気流です。窓ぎわを暖めることで防げます。

窓ぎわで先に熱を処理することで、冷気の下降を抑えます。問題文は正しい内容です。

⭕(2)変風量単一ダクト方式は、定風量単一ダクト方式に比べて搬送動力を節減できる。

正しい記述です。変風量(VAV)方式は、必要なときに必要な分だけ送るため搬送動力(ファンの電力)を節減できます。

定風量は常に一定量を送り続けるのに対し、変風量は負荷に応じて風量を絞れるためです。問題文は正しい内容です。

⭕(3)ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、一般的に、全空気方式に比べて搬送動力が小さい。

正しい記述です。水で熱を運ぶファンコイルを併用すると、空気だけで運ぶ全空気方式より搬送動力が小さくなります。

同じ熱量を運ぶなら、かさばる空気より水のほうが少ないエネルギーですみます。問題文は正しい内容です。

❌(4)床吹出し方式は、天井吹出し方式に比べて暖房運転時の居住域における垂直温度差が大きい。

「垂直温度差が大きい」が誤りです。正しくは、床吹出し方式のほうが暖房時の垂直温度差は小さくなります。

床吹出しは足もとから暖かい空気を出すため、暖かさが下から上へ行きわたり、床と天井の温度差(垂直温度差)が小さくなります。暖かい空気は上にたまりやすいので、足もとから出すのは暖房に有利です。問題文は大小が逆です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。床吹出し方式は足もとから暖めるため、暖房時の垂直温度差はむしろ小さくなる点がひっかけです。

問17

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正解
(3)42kW

湿り空気線図から比エンタルピーを読み取り、加熱コイルの熱量を求める図問題です。読み取った値を公式にあてはめれば解けます。

比エンタルピーとは?

乾いた空気1kgあたりが持つ熱の総量(温度ぶん+水蒸気ぶん)です(単位kJ/kg)。湿り空気線図から読み取れます。加熱・冷却の熱量計算に使います。

解き方の手順(図の読み取り値:送風量10,000m³/h・空気密度1.2kg/m³)

①加熱コイルは「混合空気(比エンタルピー29.4kJ/kg)」を「加熱後の空気(42kJ/kg)」まで温める

②比エンタルピー差:42 − 29.4=12.6kJ/kg

③熱量=送風量×空気密度×比エンタルピー差 ÷ 3,600

④10,000×1.2×12.6 ÷ 3,600=42kW(=42,000W)

ポイントは÷3,600。送風量が「1時間あたり(m³/h)」なので、秒あたり(kW=kJ/s)にそろえるために3,600で割ります。よって答えは(3)42kWです。

この問題のまとめ

加熱コイルの熱量=10,000×1.2×(42−29.4)÷3,600=42kWです。比エンタルピー差を求め、÷3,600で秒あたりに直すのがコツです。

問18

分野:負荷計算重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)サッシからの隙間風負荷は、導入外気量と排気量を調整し、室内を正圧に保つことが期待できる場合、見込まなくてよい。
(2)暖房負荷計算では、一般的に、土間床、地中壁からの熱負荷は見込まなくてよい。
(3)人体負荷は、室内温度が変わっても全発熱量はほとんど変わらないが、温度が上がるほど顕熱量が小さくなり、潜熱量が大きくなる。
(4)外気に面したドアを有する空調対象室において、ドアからの隙間風を考慮する場合は、隙間風量を換気回数法により算定してよい。
答え・解説を見る
正解
(2)が誤り

空調の負荷計算に関する問題です。隙間風・地中からの熱・人体負荷など、どの熱をどう見積もるかを押さえましょう。

⭕(1)サッシからの隙間風負荷は、導入外気量と排気量を調整し、室内を正圧に保つことが期待できる場合、見込まなくてよい。

正しい記述です。室内を正圧(外より圧力が高い状態)に保てる場合は、隙間風が入りにくいので隙間風負荷を見込まなくてよいです。

外気を多めに取り入れて室内の圧力を高くすれば、すき間から外気が侵入しにくくなるためです。問題文は正しい内容です。

❌(2)暖房負荷計算では、一般的に、土間床、地中壁からの熱負荷は見込まなくてよい。

「見込まなくてよい」が誤りです。暖房負荷では、土間床・地中壁からの熱損失を見込むのが基本です。

地中は冬でも15℃前後ありますが、暖房時の室温(20℃前後)よりは低いため、室内の熱は地中へ逃げます。だから暖房負荷(部屋を暖める邪魔をする熱損失)として計上します。なお冷房時は地中が室温より低く有利に働くので無視できる点と対比して覚えましょう。

⭕(3)人体負荷は、室内温度が変わっても全発熱量はほとんど変わらないが、温度が上がるほど顕熱量が小さくなり、潜熱量が大きくなる。

正しい記述です。人体の全発熱量はほぼ一定ですが、室温が上がるほど顕熱は小さく、潜熱(汗)は大きくなります。

顕熱・潜熱とは?

顕熱は温度を上げ下げする熱、潜熱は汗などの水分の蒸発にかかわる熱です。暑いほど汗をかくため、室温が高いと人体の潜熱が増えます。

室温が高いと体と室温の差が小さくなって顕熱が減り、代わりに発汗(潜熱)が増えます。問題文は正しい内容です。

⭕(4)外気に面したドアを有する空調対象室において、ドアからの隙間風を考慮する場合は、隙間風量を換気回数法により算定してよい。

正しい記述です。ドアからの隙間風は、換気回数法(部屋の容積×1時間あたりの換気回数)で見積もってよいです。

簡便で実用的な算定方法として認められています。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。暖房時は地中より室温が高く熱が逃げるため、土間床・地中壁からの熱損失は見込むのが基本です。

問19

分野:自動制御重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)外気取入れダンパは、空気調和機の運転開始時に一定時間、閉とする。
(2)外気取入れダンパ及び排気ダンパは、二酸化炭素濃度により比例制御とする。
(3)冷却塔のファンは、外気温度により二位置制御とする。
(4)外気冷房が有効な場合、外気取入れダンパ及び排気ダンパは、給気温度により比例制御とする。
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正解
(3)が誤り

空調の自動制御に関する問題です。各機器を「何を検出して」「どう制御するか」がかみ合っているかを確かめましょう。

⭕(1)外気取入れダンパは、空気調和機の運転開始時に一定時間、閉とする。

正しい記述です。運転開始時は外気ダンパを一定時間にします。

立ち上がりに冷たい(暑い)外気を入れると、室温を目標に近づけるのに時間がかかるためです。まず室内の空気で素早く整えます。問題文は正しい内容です。

⭕(2)外気取入れダンパ及び排気ダンパは、二酸化炭素濃度により比例制御とする。

正しい記述です。外気・排気ダンパは、二酸化炭素濃度に応じて開度を変える比例制御とします。

二酸化炭素濃度は部屋の人の多さ(空気の汚れ)の目安なので、濃度が上がれば外気を増やして換気します。問題文は正しい内容です。

❌(3)冷却塔のファンは、外気温度により二位置制御とする。

「外気温度により」が誤りです。正しくは、冷却塔のファンは冷却水の出口温度により二位置制御(入・切)します。

冷却塔の目的は冷却水を適温に冷やすことです。だから制御の基準にするのは、外気温度ではなく実際に冷やしたい冷却水の温度です。「何を適温にしたいか」を基準にすると考えれば見分けられます。

⭕(4)外気冷房が有効な場合、外気取入れダンパ及び排気ダンパは、給気温度により比例制御とする。

正しい記述です。外気冷房時は、給気温度に応じて外気・排気ダンパを比例制御します。

外気冷房とは?

春や秋など外気が室温より涼しいとき、冷えた外気をそのまま取り入れて冷房する省エネ手法です。冷凍機を使わずに冷やせます。

目標の給気温度になるよう外気の量を調整するため、給気温度を基準に制御します。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(3)です。冷却塔のファンは冷却水の出口温度で二位置制御します(外気温度ではない)。

問20

分野:地域冷暖房重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)地域冷暖房の熱需要者側の建物は、床面積の利用率が低くなる。
(2)地下鉄の排熱、ゴミ焼却熱等の未利用排熱を有効に利用することが可能である。
(3)建物ごとに熱源機器を設置する必要がないため、火災や騒音のおそれが小さくなる。
(4)地域冷暖房の社会的な利点には、大気汚染防止効果がある。
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正解
(1)が誤り

地域冷暖房に関する問題です。複数の建物にまとめて熱を供給するしくみの利点・特徴を押さえましょう。

地域冷暖房とは?

1か所のプラントでまとめて冷水・温水・蒸気をつくり、地域内の複数の建物へ配って冷暖房する方式です。各建物に熱源機器を置かずにすみます。

❌(1)地域冷暖房の熱需要者側の建物は、床面積の利用率が低くなる。

「床面積の利用率が低くなる」が誤りです。正しくは、床面積の利用率はむしろ高くなります。

地域冷暖房では各建物にボイラーや冷凍機などの熱源機器を置く必要がありません。そのぶん機械室が小さくてすむので、その建物で使える床面積(利用率)はむしろ増えます。「機械室が要らない=使える床が増える」と理解しましょう。

⭕(2)地下鉄の排熱、ゴミ焼却熱等の未利用排熱を有効に利用することが可能である。

正しい記述です。地下鉄の排熱やゴミ焼却熱などの未利用排熱を有効に活用できます。

1か所に集約しているからこそ、ふだん捨てられる熱をまとめて使えます。省エネ・環境面の大きな利点です。問題文は正しい内容です。

⭕(3)建物ごとに熱源機器を設置する必要がないため、火災や騒音のおそれが小さくなる。

正しい記述です。各建物に燃焼機器を置かずにすむため、火災や騒音のおそれが小さくなります。

熱源を1か所に集約することで、各建物の安全性・快適性が高まります。問題文は正しい内容です。

⭕(4)地域冷暖房の社会的な利点には、大気汚染防止効果がある。

正しい記述です。熱源を集約して効率よく燃焼・排煙処理できるため、地域全体の大気汚染防止につながります。

小さな機器が各所でばらばらに排ガスを出すより、1か所でまとめて管理するほうがクリーンです。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。地域冷暖房は各建物に熱源機器が要らないため、床面積の利用率はむしろ高くなる点がひっかけです。

この10問の要点(直前チェック用)

  • 問11:スターデルタ始動は、始動電流を全電圧始動の1/3に下げる
  • 問12:電線管の中で電線は接続できない(ボックスの中で接続)
  • 問13:かぶり厚さに、下地の捨てコンクリートは含めない
  • 問14:応力には軸方向・曲げに加えて「せん断」もある
  • 問15:吸収冷凍機は、圧縮式より大きな冷却塔が必要
  • 問16:床吹出しは、暖房時の上下温度差が小さい
  • 問17:加熱負荷=送風量×空気密度×比エンタルピー差÷3,600
  • 問18:土間床・地中壁の熱損失は、暖房負荷に見込む
  • 問19:冷却塔のファンは、冷却水の出口温度で制御する
  • 問20:地域冷暖房は熱源機器が不要で、床面積を有効に使える
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