第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.11を、知識ゼロの人が読んでも複線図(実際の電線を一本ずつ描き分けた配線図)が書けるところまで分解します。

No.11では金属管(E19)工事が出てきます。銀色のパイプが材料に入っていると身構えますが、複線図の書き方はこれまでとまったく同じです。

この記事でわかること

  • 候補問題No.11にどんな器具が出てくるか
  • 金属管(E19)工事とは何をする工事か
  • IV線とケーブルのちがい
  • 複線図を白→黒→戻りの3ステップで書く手順

候補問題No.11はどんな問題か

  • 電源は 1φ2W 100V。ボックスまでは VVF 2.0-2C
  • アウトレットボックスが1つ
  • 引掛シーリング(角形・イ)が1つ
  • ランプレセプタクル(ロ)が1つ
  • 点滅器イ(照明のスイッチ)とコンセントが同じボックスに。ここまでは IV 1.6(E19)=金属管の中を通します
  • 点滅器ロが1つ

まず用語をそろえます

  • E19…ねじなし電線管という金属のパイプです。「19」は太さ(呼び径19mm)。壁の中を通せない場所や、外から見える場所の配線に使います。
  • IV線…1本ずつバラになった電線です。ふだんのVVFケーブルは何本かがまとめて外皮に包まれていますが、IV線はその中身だけ。金属管の中には、このバラの電線を通します。
  • ボックスコネクタ…金属管をボックスにつなぐ金具です。横に止めネジが付いていて、締め込むと頭がねじ切れます。
  • ボンド線…金属管を接地するための線です。管は金属なので、万一の電気が流れたときに感電しないよう地面へ逃がします。
  • アウトレットボックス…金属の四角い箱。電線をつなぐ場所です。

金属管(E19)工事とは

金属管(E19)工事の流れ

覚えるここだけ押さえる

やることは「ケーブルを引くかわりに、金属のパイプに電線を通す」だけです。

  1. ねじなし電線管(E19)にボックスコネクタを付ける
  2. それをアウトレットボックスに取り付ける
  3. 管の中にIV線を通す
  4. 管が金属なのでボンド線で接地する

複線図の書き方はケーブル工事と1ミリも変わりません。「白 → 黒 → 戻り」の順番も、つなぐ相手も同じです。

つまりNo.11で難しいのは手を動かす作業のほうで、複線図はやさしい部類です。

複線図を3ステップで書く

ステップ1 白い線を引く

候補問題No.11の複線図 ステップ1 白い線

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。引掛シーリング・ランプレセプタクル・コンセントの3つです。

点滅器には白を引きません。金属管の区間でも同じです。

ステップ2 黒い線を引く

候補問題No.11の複線図 ステップ2 黒い線

黒い線(非接地側。電気を送り出す側の線)の行き先は3つです。

  • コンセント(スイッチを通さず直接)
  • 点滅器イ
  • 点滅器ロ

ステップ3 戻り線を引く

候補問題No.11の複線図 ステップ3 戻り線

戻り線(スイッチから照明へ戻っていく線)は2本。同じ文字どうしをつなぎます。

  • 点滅器イ → 引掛シーリング(イ)
  • 点滅器ロ → ランプレセプタクル(ロ)

これで完成です。

用語金属管の中を通る線の本数を数えておく

点滅器イとコンセントは同じボックスにあり、そこまでが金属管の区間です。

複線図ができたら、その区間を横切る線が何本あるかを数えてください。その本数ぶんのIV線を管に通します。

ケーブル工事なら「何芯のケーブルか」で決まりますが、金属管工事では自分で必要な本数を用意します。ここが金属管工事の大きな違いです。

間違えやすいところ

ボンド線(接地)を忘れる

金属管とボックスは金属です。ボンド線をつながないと、万一のときに感電の危険があります。どこにどうつなぐかは当日の施工条件に書かれますので、必ず読んでください。

止めネジをねじ切らない

ボックスコネクタの止めネジは、締め込んで頭がねじ切れるまで回すのが一般的です。途中でやめると欠陥(その時点で不合格になる誤り)になることがあります。これも施工条件で指示されるので、当日の紙を確認してください。

IV線の本数を間違える

複線図でその区間を横切る線を数えてから通してください。足りないと最後につながらず、多すぎると管に入りません。

イとロを取り違える

点滅器イは引掛シーリング、点滅器ロはランプレセプタクルです。同じ文字どうしが相手だと覚えてください。

覚える電線の色と本数について

この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、ボンド線の位置、止めネジの扱い、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の刻印は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。

よくある質問

Q. 金属管工事は難しいですか?

A. 複線図はやさしく、作業は少し手間がかかります。3路スイッチや4路スイッチ(複数の場所から同じ照明を点け消しするためのスイッチ)もなく、スイッチは片切(入り切りだけの一般的なスイッチ)が2つだけ。ただしボックスコネクタの取り付けとボンド線があるぶん、手を動かす時間は長めです。練習で一度は組んでおきましょう。

Q. IV線とVVFの中身は同じものですか?

A. ほぼ同じです。VVFは外側にもう1枚の皮(シース)があるのに対し、IV線はその皮がありません。金属管が皮のかわりに電線を守るので、中身だけを通します。

Q. なぜ金属管を使うのですか?

A. 電線を外からの傷や衝撃から守るためです。工場や駐車場のように、壁の中に隠せない場所やぶつかる可能性がある場所で使われます。

Q. E19の「E」は何ですか?

A. ねじなし電線管を表す記号です。管の端にネジが切られていないタイプで、止めネジ付きのコネクタで固定します。「19」は太さです。

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候補問題No.10前の問題候補問題No.10の複線図確認表示灯は「同時点滅」。No.2とは逆

候補問題No.12次の問題候補問題No.12の複線図PF管工事。樹脂なので接地が要らない

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複線図が書けたら、次は手を動かす番です

技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数がそのまま点数になります。

そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が要ります。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段でくらべた記事があります。

通信講座と技能試験の材料をくらべるお金の使いどころお金をかけるべきは「講座」ではなく「技能の材料」複線図が書けても、材料がなければ手は動きません。5社を比べました