この記事で分かること
令和7年度 1級管工事施工管理技士「第一次検定」A問題①〜⑩を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。正答は公式の正答肢で確認済みです。
問1
分野:空気環境・衛生重要度 ★★☆
下のグラフにおいて、暑さ指数(WBGT)と熱中症患者発生率の関係を表したものとして、適当なものはどれか。
答え・解説を見る
暑さ指数(WBGT)と熱中症患者発生率の関係を表すグラフを選ぶ問題です。正解は(2)の②です。
暑さ指数(WBGT)とは?
気温だけでなく湿度・放射(日ざし)も合わせて、熱中症の危険度を表した指標です(単位は℃)。値が高いほど熱中症になりやすくなります。
熱中症は、暑さ指数が低いうちはほとんど発生せず、おおむね25〜28℃あたりから急に増える、という形になります。この「最初は低く、ある所から急に立ち上がる」カーブが②です。①③④は、低い指数から発生していたり直線的だったりして、実際の傾向に合いません。
この問題のまとめ
熱中症は暑さ指数が低いうちはほぼ発生せず、高くなると急増します。この形を表すのが②なので、(2)が正解です。
問2
分野:流体重要度 ★★☆
水平な円管内を水が乱流(レイノルズ数13,000)で流れている。流れが層流になる条件として、適当なものはどれか。ただし、レイノルズ数が2,000以下で層流になるものとする。
(1)平均流速を1/3倍、管内径を3倍にする
(2)平均流速を3倍、管内径を1/3倍にする
(3)平均流速を1/3倍、管内径を1/3倍にする
(4)平均流速を9倍、管内径を1/9倍にする
答え・解説を見る
レイノルズ数が13,000(乱流)の流れを「層流」にするための条件を選ぶ問題です。正解は(3)です。
レイノルズ数とは?
流れが層流か乱流かを見分ける数です。流速×管内径に比例し(粘りで割る)、おおよそ2,000以下で層流、それより大きいと乱流になります。
層流・乱流とは?
層流は水が層になって整然と流れる状態、乱流は渦を巻いて混ざりながら流れる状態です。レイノルズ数が小さいほど層流になりやすくなります。
① 関係…レイノルズ数 は 流速 × 管内径 に比例
② (3)の条件…流速を1/3倍、管内径も1/3倍 → 1/3×1/3=1/9倍
③ 判定…13,000 ÷ 9 ≒ 1,444(2,000以下)→ 層流になる
(1)(2)は片方を3倍・片方を1/3倍にしているので、かけ算すると1倍のまま(13,000で乱流のまま)。(4)は9倍×1/9倍でやはり1倍です。両方を1/3倍にした(3)だけが1/9になり、層流にできます。
この問題のまとめ
レイノルズ数は流速×管内径に比例。両方を1/3倍にした(3)だけが1/9(≒1,444)となり層流になります。よって(3)が正解です。
問3
分野:流体重要度 ★★★
下図の水平な円管内を空気が流れている場合、点Aの静圧として、適当なものはどれか。ただし、点Aの風速は5m/s、点Bの風速は10m/s、点Bの静圧は5Pa、点Aと点Bの間の圧力損失は5Pa、空気の密度は1.2kg/m³とする。
(1)16 Pa
(2)32 Pa
(3)45 Pa
(4)55 Pa
答え・解説を見る
ベルヌーイの式を使って、点Aの静圧を求める問題です。正解は(4)の55Paです。
静圧・動圧・全圧とは?
全圧=静圧+動圧です。動圧は空気の動きの勢いが生む圧力で、動圧=½×密度×風速²。風速が速いほど大きくなります。
ベルヌーイの式とは?
流れに沿って全圧(静圧+動圧)は保たれるという関係です。実際には摩擦で損失が出るので、その分を引いて考えます。
① 動圧A…½×1.2×5² = 15Pa
② 動圧B…½×1.2×10² = 60Pa
③ 静圧A=静圧B+(動圧B−動圧A)+損失 = 5+(60−15)+5 = 55Pa
点Aは点Bより風速が遅いぶん動圧が小さく、その差(45Pa)が静圧に回るため、静圧は大きくなります。これに損失5Paを足して55Paです。
この問題のまとめ
静圧A=静圧B+(動圧B−動圧A)+圧力損失 = 5+45+5 = 55Pa。よって(4)が正解です。
問4
分野:流体重要度 ★★☆
流体に関する次の文中の【A】【B】に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。「水平な円管の直管部に水が流れている場合、【A】のために流体摩擦が働いて、圧力損失を生じる。ダルシー・ワイスバッハの式は、この圧力損失が【B】に比例することを表している。」
(1)A=慣性 B=管内径
(2)A=慣性 B=管長
(3)A=粘性 B=管内径
(4)A=粘性 B=管長
答え・解説を見る
直管の圧力損失について、【A】摩擦の原因と【B】損失が何に比例するか、を答える問題です。正解は(4)の「A=粘性/B=管長」です。
粘性とは?
流体の「ねばり気」のことです。この粘性があるために、流れが管の壁とこすれて流体摩擦が生じ、圧力損失になります(流れを続けようとする「慣性」は摩擦の原因ではありません)。
ダルシー・ワイスバッハの式とは?
直管の圧力損失を求める式です。圧力損失は管の長さ(管長)に比例します(さらに流速の2乗に比例し、管内径に反比例)。
【A】摩擦の原因は粘性(慣性ではない)。【B】損失は管長に比例します(管が長いほど、こすれる区間が増える)。管内径はむしろ太いほど損失が小さくなる関係なので、Bに「管内径」は当てはまりません。よって(1)(2)(3)は誤りです。
この問題のまとめ
流体摩擦の原因は粘性、圧力損失は管長に比例。よって「A=粘性・B=管長」の(4)が正解です。
問5
分野:熱力学重要度 ★★☆
圧力6×10⁶Pa、絶対温度300K、体積60Lの理想気体を、圧力3×10⁶Pa、絶対温度360Kにしたときの体積として、適当なものはどれか。
(1)100 L
(2)120 L
(3)144 L
(4)240 L
答え・解説を見る
理想気体の圧力・温度を変えたときの体積を求める問題です。正解は(3)の144Lです。
ボイル・シャルルの法則とは?
理想気体では「圧力×体積 ÷ 絶対温度(PV/T)」が一定に保たれます。圧力を下げると体積は増え、絶対温度を上げると体積は増えます。
① 公式…PV/T が一定なので、新しい体積 = 元の体積 ×(圧力の比)×(温度の比)
② 圧力の比…6×10⁶ → 3×10⁶ なので 6÷3=2倍(圧力が半分→体積は2倍)
③ 温度の比…300K → 360K なので 360÷300=1.2倍
④ 計算…60 × 2 × 1.2 = 144L
この問題のまとめ
PV/T一定より、体積 = 60×(6/3)×(360/300) = 144L。よって(3)が正解です。
問6
分野:伝熱重要度 ★★☆
伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)均質な固体壁内部を熱伝導で移動する熱量は、その固体壁内部の温度勾配に比例する。
(2)黒体の熱放射のエネルギーは、その表面の絶対温度の4乗に比例する。
(3)対流熱伝達において、熱伝達率は、接する流体の流速や伝熱面の形状・寸法等によって変わる。
(4)固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さの2乗に反比例する。
答え・解説を見る
⭕(1)均質な固体壁内部を熱伝導で移動する熱量は、その固体壁内部の温度勾配に比例する。
熱伝導の熱量は温度勾配に比例(フーリエの法則)。
正しい。
⭕(2)黒体の熱放射のエネルギーは、その表面の絶対温度の4乗に比例する。
黒体放射は絶対温度の4乗に比例(ステファン・ボルツマンの法則)。
正しい。
⭕(3)対流熱伝達において、熱伝達率は、接する流体の流速や伝熱面の形状・寸法等によって変わる。
❌(4)固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さの2乗に反比例する。
熱通過による熱移動量は、壁が厚いほど通りにくくなり「厚さに反比例」する。
「厚さの2乗に反比例」ではないので、これが誤り。
この問題のまとめ
熱通過量は壁の厚さに反比例(2乗ではない)。よって(4)が誤り。
問7
分野:空気調和(湿り空気)重要度 ★★★
下の湿り空気線図において、湿り空気Aを水スプレーで加湿した場合の状態変化として、適当なものはどれか。
答え・解説を見る
湿り空気を「水スプレー」で加湿したときの、湿り空気線図上の状態変化を選ぶ問題です。正解は(3)の③(左上向き)です。
水スプレー加湿(気化熱)とは?
細かい水を空気に吹きかけて加湿する方法です。水が蒸発するとき、まわりの空気から熱(気化熱)を奪うため、空気の温度が下がります。
そのため空気は、乾球温度(ふつうの温度)が下がりながら、絶対湿度(含む水分)が上がります。このとき湿球温度はほぼ一定です。湿り空気線図では、この動きが「左上向き」になり、③が当てはまります。
(参考)蒸気を吹き込む蒸気加湿なら温度はあまり変わらずほぼ真上、加熱だけなら右向きに動きます。水スプレーは温度を下げながら加湿する点が特徴です。
この問題のまとめ
水スプレー加湿は気化熱で温度↓・絶対湿度↑(湿球温度ほぼ一定)=線図で左上向き。よって(3)が正解です。
問8
分野:空気環境(温熱)重要度 ★★☆
温熱環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)人体の熱的快適感に影響する主要素は、代謝量、着衣量、空気温度、放射温度、気流、湿度である。
(2)予想平均申告(PMV)は、人が感じる温熱感を−3から+3までの数値で表すものである。
(3)clo(クロ)は、衣服の断熱性を表すもので、1cloは約0.155(m²・℃)/Wである。
(4)met(メット)は人体の代謝量を表し、椅座安静状態の代謝量1metは約100W/m²である。
答え・解説を見る
⭕(1)人体の熱的快適感に影響する主要素は、代謝量、着衣量、空気温度、放射温度、気流、湿度である。
温熱6要素(代謝量・着衣量・空気温度・放射温度・気流・湿度)として正しい。
⭕(2)予想平均申告(PMV)は、人が感じる温熱感を−3から+3までの数値で表すものである。
⭕(3)clo(クロ)は、衣服の断熱性を表すもので、1cloは約0.155(m²・℃)/Wである。
❌(4)met(メット)は人体の代謝量を表し、椅座安静状態の代謝量1metは約100W/m²である。
椅座安静時の代謝量1metは約58W/m²(約50kcal/m²h)。
「約100W/m²」は誤りで、これが正解。
この問題のまとめ
1metは約58W/m²。約100W/m²ではないので(4)が誤り。
問9
分野:空気環境重要度 ★★☆
室内の空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)直径が10μm以下の浮遊粉じんは、人体に影響を与えない。
(2)炭素を含む物質の不完全燃焼は、一酸化炭素が発生する原因となる。
(3)ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOCs)は、シックハウス症候群の主要因である。
(4)空気中の二酸化炭素濃度が1,000ppm(100万分の1,000)では、人体に致命的な影響は与えない。
答え・解説を見る
❌(1)直径が10μm以下の浮遊粉じんは、人体に影響を与えない。
直径が小さい粉じんほど肺の奥まで吸い込まれやすく、健康への影響は大きい。
「影響を与えない」は誤りで、これが正解。
⭕(2)炭素を含む物質の不完全燃焼は、一酸化炭素が発生する原因となる。
⭕(3)ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOCs)は、シックハウス症候群の主要因である。
⭕(4)空気中の二酸化炭素濃度が1,000ppm(100万分の1,000)では、人体に致命的な影響は与えない。
1,000ppmは室内環境の管理基準レベルで、致命的な影響は与えない。
正しい。
この問題のまとめ
小さい粉じんほど人体に影響する。「影響を与えない」とした(1)が誤り。
問10
分野:音重要度 ★★☆
音に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)空気中を伝わる音の速さは、一定の圧力のもとでは、空気の温度が高いほど遅くなる。
(2)マスキング効果は、マスクする音の周波数がマスクされる音の周波数に近いほど大きくなる。
(3)音の大きさは、その音と同じ大きさに聞こえる1,000Hzの純音の音圧レベルの数値で表す。
(4)音の回折現象とは、伝搬空間に障害物がある場合に、障害物の背後に音が回り込んで伝わる現象をいう。
答え・解説を見る
❌(1)空気中を伝わる音の速さは、一定の圧力のもとでは、空気の温度が高いほど遅くなる。
音速は温度が高いほど「速く」なる(約331.5+0.6×気温 m/s)。
「遅くなる」は逆で、これが誤り=正解。
⭕(2)マスキング効果は、マスクする音の周波数がマスクされる音の周波数に近いほど大きくなる。
⭕(3)音の大きさは、その音と同じ大きさに聞こえる1,000Hzの純音の音圧レベルの数値で表す。
音の大きさ(ラウドネスレベル)は1,000Hzの純音の音圧レベルで表す。
正しい。
⭕(4)音の回折現象とは、伝搬空間に障害物がある場合に、障害物の背後に音が回り込んで伝わる現象をいう。
この問題のまとめ
音速は高温ほど速い。「遅くなる」とした(1)が誤り。
NEXT STEP
次の一歩を、選ぼう。
“これから合格”する人も、“資格を活かす”人も 👇
独学のムダ、減らしませんか?
スマホ完結のeラーニングで、“出るところ”だけを効率よく対策できます。
✓出題傾向を分析した映像講義
✓スマホ・PCでスキマ学習
✓疑問は講師が無料でサポート
\ 30日間、全額返金保証! /
講座を見てみる →
受講生25万人突破・スマホ完結
経験を、年収アップに。
経験・資格をもっと評価する職場へ。応募が前提でなくてもOKです。
✓建設・施工管理に特化
✓キャリアのプロが無料で相談
✓年収も働き方もまとめて相談
\ 施工管理特化のプロが無料サポート /
無料で適正年収を聞く →
在職中OK・完全無料・相談だけでも可