この記事でわかること

第三種冷凍機械責任者(冷凍三種)の令和元年度「保安管理技術」問1〜15を、知識ゼロからでもわかるようにやさしく解説します。冷凍の原理・伝熱・圧縮機・凝縮器・蒸発器・安全装置まで、イ・ロ・ハ・ニを1つずつ⭕❌で判定します。

保安管理技術は冷凍のしくみ(理屈)と機器の科目です。4つの記述(イ・ロ・ハ・ニ)を1つずつ正確に〇×できれば正解が選べます。

“なぜそうなるか”をつかむのが近道です。p-h線図・アプローチ・腐れしろなどのつまずきやすい用語は、解説の中でやさしく補足しました。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・解答は、試験を実施している高圧ガス保安協会が公表しているものです。本記事はそれを引用したうえで、解説・図解・覚え方を独自に加えています。
出典:令和元年度 第三種冷凍機械責任者試験(保安管理技術)

問1

分野:冷凍の原理・冷凍サイクル重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍の原理、冷凍サイクルについて正しいものはどれか。

イ吸収冷凍機では、圧縮機を使用せずに、吸収器、発生器、溶液ポンプなどを用いて冷媒を循環させ、冷熱を得る。

ロ膨張弁における膨張過程では、冷媒液の一部が蒸発することにより、膨張後の蒸発圧力に対応した蒸発温度まで冷媒自身の温度が下がる。

ハ圧縮機駆動の軸動力を小さくし、大きな冷凍能力を得るためには、蒸発温度はできるだけ低くして、凝縮温度は必要以上に高くし過ぎないことが重要である。

ニ冷媒のp-h線図は、縦軸の絶対圧力、横軸の比エンタルピーのいずれも対数目盛でそれぞれ目盛られている。

【選択肢】
(1) イ (2) ロ (3) イ・ロ (4) ロ・ニ (5) イ・ハ・ニ
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正解(3) イ・ロ
⭕(イ)吸収冷凍機では、圧縮機を使用せずに、吸収器、発生器、溶液ポンプなどを用いて冷媒を循環させ、冷熱を得る。

正しい記述です。吸収冷凍機は圧縮機を使わず、吸収器・発生器・溶液ポンプと“熱”の力で冷媒を循環させます。

⭕(ロ)膨張弁における膨張過程では、冷媒液の一部が蒸発することにより、膨張後の蒸発圧力に対応した蒸発温度まで冷媒自身の温度が下がる。

正しい記述です。膨張弁では冷媒液の一部が蒸発し、そのとき必要な潜熱(液体が気体になるときに奪う熱)を冷媒自身から奪うため、蒸発温度まで温度が下がります。

❌(ハ)圧縮機駆動の軸動力を小さくし、大きな冷凍能力を得るためには、蒸発温度はできるだけ低くして、凝縮温度は必要以上に高くし過ぎないことが重要である。

「蒸発温度はできるだけ低くして」が誤りです。動力を小さくする(効率を上げる)には、蒸発温度はできるだけ高く、凝縮温度はできるだけ低くして、両者の差を小さくします。

❌(ニ)冷媒のp-h線図は、縦軸の絶対圧力、横軸の比エンタルピーのいずれも対数目盛でそれぞれ目盛られている。

「横軸も対数目盛」が誤りです。p-h線図(縦軸に圧力、横軸に比エンタルピー=冷媒が持つ熱の量をとった図)は、縦軸(絶対圧力)は対数目盛ですが、横軸(比エンタルピー)は等間隔の目盛です。

覚える覚え方・語呂合わせ

動力を減らすには「蒸発温度は高め・凝縮温度は低め」が鉄則/吸収冷凍機は圧縮機なし。「蒸発は高め・凝縮は低め」と覚えましょう(温度差が小さいほど楽に運べる)。

まとめこの問題のまとめ

正解は(3)イ・ロ。吸収冷凍機は圧縮機なし。膨張弁の温度低下は“一部蒸発”による。動力を減らすには蒸発は高め・凝縮は低め。p-h線図の横軸は等間隔目盛です。

図の上を①→②→③→④と一周する熱の量(比エンタルピー h)→圧力 p①②③④④→① 蒸発(熱をうばう)①→②圧縮②→③ 凝縮(熱を捨てる)③→④膨張横に動く=熱をやりとりしているたてに動く=圧力が変わっている③→④が真下なのは、膨張弁では熱を出し入れしないから
④→①が蒸発、①→②が圧縮、②→③が凝縮、③→④が膨張。この一周が冷凍サイクルです。
モリエル線図(モリエ線図・p-h線図)とは?冷凍サイクルの読み方を初心者にもやさしく図解👉 この分野をもっとくわしくモリエル線図(モリエ線図・p-h線図)とは?冷凍サイクルの読み方を初心者にもやさしく図解

問2

分野:冷凍サイクル・熱の移動重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍サイクル、熱の移動について正しいものはどれか。

イ常温、常圧において、水あか、グラスウール、鉄鋼、空気のなかで、熱伝導率の値が一番小さいのは空気である。

ロ固体壁を通過する伝熱量は、その壁で隔てられた両側の流体間の温度差、固体壁の伝熱面積及び熱通過率に比例する。

ハ水冷却器の交換熱量の計算において、入口側の温度差をΔt1、出口側の温度差をΔt2とすると、算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1+Δt2)/2である。

ニ冷凍サイクルの蒸発器で周囲が冷媒から奪う熱量のことを、冷凍効果という。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ニ (4) ハ・ニ (5) イ・ロ・ハ
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正解(5) イ・ロ・ハ
⭕(イ)常温、常圧において、水あか、グラスウール、鉄鋼、空気のなかで、熱伝導率の値が一番小さいのは空気である。

正しい記述です。空気の熱伝導率が一番小さい(熱を伝えにくい=断熱的)です。

⭕(ロ)固体壁を通過する伝熱量は、その壁で隔てられた両側の流体間の温度差、固体壁の伝熱面積及び熱通過率に比例する。

正しい記述です。伝熱量=熱通過率 × 伝熱面積 × 温度差で、3つに比例します。熱通過率とは、壁を通して熱がどれだけ通りやすいかを表す値のことです。

⭕(ハ)水冷却器の交換熱量の計算において、入口側の温度差をΔt1、出口側の温度差をΔt2とすると、算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1+Δt2)/2である。

正しい記述です。算術平均温度差は(Δt1+Δt2)/2(足して2で割る)です。

❌(ニ)冷凍サイクルの蒸発器で周囲が冷媒から奪う熱量のことを、冷凍効果という。

向きが逆で誤りです。冷凍効果は冷媒1kgが“周囲から奪う”熱量のことです(冷媒が熱を奪って周りを冷やす)。

覚える覚え方・語呂合わせ

伝熱量=熱通過率K × 面積A × 温度差Δt/空気は熱を最も伝えにくい/算術平均は(Δt1+Δt2)/2。「伝熱量=K×A×Δt・空気は伝えにくい」と覚えましょう。

まとめこの問題のまとめ

正解は(5)イ・ロ・ハ。空気が一番熱を伝えにくい。伝熱量は熱通過率×面積×温度差。算術平均は(Δt1+Δt2)/2。冷凍効果は冷媒が“周囲から奪う”熱量です。

問3

分野:成績係数・冷媒循環量重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、成績係数及び冷媒循環量について正しいものはどれか。

イ圧縮機の全断熱効率が大きくなると、圧縮機駆動の軸動力は小さくなり、冷凍装置の実際の成績係数は大きくなる。

ロ蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、断熱効率と機械効率が大きくなるとともに、冷凍装置の実際の成績係数は低下する。

ハ往復圧縮機の冷媒循環量は、ピストン押しのけ量、圧縮機の吸込み蒸気の比体積及び体積効率の大きさにより決まる。

ニ圧縮機の吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど、冷媒循環量及び冷凍能力が大きくなる。

【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(1) イ・ハ
⭕(イ)圧縮機の全断熱効率が大きくなると、圧縮機駆動の軸動力は小さくなり、冷凍装置の実際の成績係数は大きくなる。

正しい記述です。効率が良いほど軸動力は小さく、実際の成績係数(COP:使った動力に対してどれだけ冷やせたかの比)は大きくなります。

❌(ロ)蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、断熱効率と機械効率が大きくなるとともに、冷凍装置の実際の成績係数は低下する。

「断熱効率と機械効率が大きくなる」が誤りです。温度差が大きくなると、断熱効率も機械効率も小さくなります(成績係数が下がるのは正しい結論)。

⭕(ハ)往復圧縮機の冷媒循環量は、ピストン押しのけ量、圧縮機の吸込み蒸気の比体積及び体積効率の大きさにより決まる。

正しい記述です。冷媒循環量はピストン押しのけ量・比体積(一定の重さのガスが占める体積)・体積効率(理論上吸い込める量に対し、実際に吸い込めた割合)で決まります(押しのけ量×体積効率÷比体積)。

❌(ニ)圧縮機の吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど、冷媒循環量及び冷凍能力が大きくなる。

「大きくなる」が誤りです。吸込み圧力が低い・過熱度(蒸発し終えたガスが蒸発温度よりどれだけ高い温度になっているか)が大きいと比体積が大きくなり、冷媒循環量・冷凍能力は減少します。

まとめこの問題のまとめ

正解は(1)イ・ハ。効率が良いと軸動力小・COP大。温度差が大きいと各効率は低下。循環量は押しのけ量・比体積・体積効率で決まる。吸込み圧力低下・過熱度大は能力を下げます。

モリエル線図:横はばで“熱の量”が読める蒸発器の横はば=冷やす力、圧縮機の横はば=使った力。その比がCOPです。熱の量(エンタルピー h)→冷やす力(冷凍効果)使った力COP=「冷やす力」÷「使った力」=横はばの比
蒸発器の横はばが「冷やす力(冷凍効果)」、圧縮機の横はばが「使った力」。その比がCOPです。
モリエル線図(モリエ線図・p-h線図)とは?冷凍サイクルの読み方を初心者にもやさしく図解👉 この分野をもっとくわしくモリエル線図(モリエ線図・p-h線図)とは?冷凍サイクルの読み方を初心者にもやさしく図解

問4

分野:冷媒重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷媒について正しいものはどれか。

イアンモニアガスは空気より軽く、室内に漏えいした場合には、部屋の上方に滞留する。

ロR134aとR410Aは、ともに単一成分冷媒である。

ハ非共沸混合冷媒は、圧力一定のもとで凝縮するとき、凝縮始めの冷媒温度(露点温度)と、凝縮終わりの冷媒温度(沸点温度)の間に差が生じる。

ニ0℃における飽和圧力を標準沸点といい、冷媒の種類によって異なっている。

【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(1) イ・ハ
⭕(イ)アンモニアガスは空気より軽く、室内に漏えいした場合には、部屋の上方に滞留する。

正しい記述です。アンモニアは空気より軽いので、漏れると上(部屋の上方)にたまります。

❌(ロ)R134aとR410Aは、ともに単一成分冷媒である。

「ともに単一成分冷媒」が誤りです。R134aは単一成分ですが、R410Aは混合冷媒(疑似共沸混合冷媒=複数の冷媒を混ぜたものの、単一成分に近い性質をもつ冷媒)です。

⭕(ハ)非共沸混合冷媒は、圧力一定のもとで凝縮するとき、凝縮始めの冷媒温度(露点温度)と、凝縮終わりの冷媒温度(沸点温度)の間に差が生じる。

正しい記述です。非共沸混合冷媒は凝縮の途中で温度がずれていく(温度すべり)ため、露点と沸点に差が生じます。

❌(ニ)0℃における飽和圧力を標準沸点といい、冷媒の種類によって異なっている。

「0℃における飽和圧力」が誤りです。標準沸点は、標準大気圧での飽和温度のことで、冷媒ごとに異なります(0℃の圧力ではありません)。

まとめこの問題のまとめ

正解は(1)イ・ハ。アンモニアは空気より軽く上方に滞留。R410Aは混合冷媒。非共沸混合冷媒は温度すべりで差が出る。標準沸点は大気圧での飽和温度です。

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問5

分野:圧縮機重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機について正しいものはどれか。

イ圧縮機は、冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式、スクリュー式及びスクロール式に大別される。

ロ多気筒圧縮機のアンローダと呼ばれる容量制御装置は、圧縮機始動時の負荷軽減装置としても機能する。

ハスクリュー圧縮機の容量制御をスライド弁で行う場合、スクリューの溝の数に応じた段階的な容量制御となり、無段階制御はできない。

ニ停止中のフルオロカーボン用圧縮機クランクケース内の油温が低いと、冷凍機油に冷媒が溶け込む溶解量は大きくなり、圧縮機始動時にオイルフォーミングを起こしやすい。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) イ・ハ・ニ
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正解(4) ロ・ニ
❌(イ)圧縮機は、冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式、スクリュー式及びスクロール式に大別される。

「往復式・スクリュー式・スクロール式に大別」が誤りです。圧縮機は大きく容積式と遠心式に分けます(往復・スクリュー・スクロールはすべて容積式の一種)。

⭕(ロ)多気筒圧縮機のアンローダと呼ばれる容量制御装置は、圧縮機始動時の負荷軽減装置としても機能する。

正しい記述です。アンローダは、働く気筒を減らして容量を制御するほか、始動時の負荷を軽くする役目もします。

❌(ハ)スクリュー圧縮機の容量制御をスライド弁で行う場合、スクリューの溝の数に応じた段階的な容量制御となり、無段階制御はできない。

「無段階制御はできない」が誤りです。スライド弁を使えば、スクリュー圧縮機は無段階(連続的)に容量制御できます。

⭕(ニ)停止中のフルオロカーボン用圧縮機クランクケース内の油温が低いと、冷凍機油に冷媒が溶け込む溶解量は大きくなり、圧縮機始動時にオイルフォーミングを起こしやすい。

正しい記述です。油温が低いほど冷媒が油に溶け込みやすく、始動時に油が一気に泡立つ現象(オイルフォーミング)が起きやすくなります。

まとめこの問題のまとめ

正解は(4)ロ・ニ。圧縮機は容積式と遠心式に大別。アンローダは始動時の負荷軽減にも働く。スライド弁は無段階制御が可能。オイルフォーミングは油温が“低い”ほど起きやすくなります。

圧縮機の2種類(容積式と ターボ式)の比較図
容積式は空間を小さくして押し縮め、遠心式(ターボ式)は羽根車を高速で回して圧力を上げます。
圧縮機の種類としくみ|往復・スクリュー・遠心と体積効率【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく圧縮機の種類としくみ|往復・スクリュー・遠心と体積効率【冷凍三種】

問6

分野:凝縮器・冷却塔重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、凝縮器及び冷却塔について正しいものはどれか。

イ水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴の内側と冷却管の間に冷却水が流れ、冷却管内には冷媒が流れる。

ロ水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管表面に水あかが付着すると、水あかの熱伝導率が小さいので熱通過率が小さくなり、凝縮温度が低くなる。

ハ蒸発式凝縮器は、水の蒸発潜熱を利用して冷媒を凝縮させるので、一般に、空冷凝縮器よりも凝縮温度を低く保つことができる。

ニ冷却塔の出口水温と周囲空気の湿球温度との温度差をアプローチと呼び、その値は通常5K程度である。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(5) ハ・ニ
❌(イ)水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴の内側と冷却管の間に冷却水が流れ、冷却管内には冷媒が流れる。

冷却水と冷媒の流れる場所が逆で誤りです。水冷シェルアンドチューブ凝縮器(筒形の胴の中に多数の管を通した熱交換器)では、冷却管の中を冷却水が流れ、冷却管の外(胴側)を冷媒が流れます。

❌(ロ)水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管表面に水あかが付着すると、水あかの熱伝導率が小さいので熱通過率が小さくなり、凝縮温度が低くなる。

「凝縮温度が低くなる」が誤りです。水あかで熱が伝わりにくくなると、凝縮温度は高くなります。

⭕(ハ)蒸発式凝縮器は、水の蒸発潜熱を利用して冷媒を凝縮させるので、一般に、空冷凝縮器よりも凝縮温度を低く保つことができる。

正しい記述です。蒸発式凝縮器は水の蒸発潜熱で冷やすため効率が良く、凝縮温度は空冷より低く保てます。

⭕(ニ)冷却塔の出口水温と周囲空気の湿球温度との温度差をアプローチと呼び、その値は通常5K程度である。

正しい記述です。アプローチ=冷却塔出口水温と湿球温度(濡らした布で包んだ温度計が示す温度)の差で、通常5K程度です。

覚える覚え方・語呂合わせ

水あかは凝縮温度を上げる/アプローチ(出口水温と湿球温度の差)は約5K。「水あかで凝縮温度↑・アプローチ約5K」と覚えましょう。

まとめこの問題のまとめ

正解は(5)ハ・ニ。水冷シェルアンドチューブは管内=水・管外=冷媒。水あかは凝縮温度を上げる。蒸発式凝縮器は凝縮温度を低くできる。アプローチは約5Kです。

凝縮温度が上がると起きること(圧力比・COP・油の劣化・高圧遮断)
どれも「凝縮温度が上がる」ひとつの原因から始まります。だから凝縮温度は、できるだけ低く保つのが基本です。
凝縮器のしくみと種類|水冷・空冷・蒸発式と凝縮温度【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく凝縮器のしくみと種類|水冷・空冷・蒸発式と凝縮温度【冷凍三種】

問7

分野:蒸発器重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、蒸発器について正しいものはどれか。

イ蒸発器における冷凍能力は、冷却される空気や水などと冷媒との間の平均温度差、熱通過率及び伝熱面積に正比例する。

ロシェル側に冷媒を供給し、冷却管内にブラインを流して冷却するシェルアンドチューブ蒸発器は乾式である。

ハシェルアンドチューブ乾式蒸発器では、水側の熱伝達率を向上させるために、バッフルプレートを設置する。

ニ散水方式でデフロストをする場合、冷蔵庫外の排水管にトラップを設けることで、冷蔵庫内への外気の侵入を防止できる。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ニ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(4) イ・ハ・ニ
⭕(イ)蒸発器における冷凍能力は、冷却される空気や水などと冷媒との間の平均温度差、熱通過率及び伝熱面積に正比例する。

正しい記述です。冷凍能力=熱通過率 × 伝熱面積 × 平均温度差で、3つに正比例します。

❌(ロ)シェル側に冷媒を供給し、冷却管内にブラインを流して冷却するシェルアンドチューブ蒸発器は乾式である。

「乾式」が誤りです。シェル側に冷媒、冷却管内にブライン(冷やすために使う凍りにくい液)を流すのは満液式です(乾式は冷却管の中に冷媒を流します)。

⭕(ハ)シェルアンドチューブ乾式蒸発器では、水側の熱伝達率を向上させるために、バッフルプレートを設置する。

正しい記述です。バッフルプレート(水の通り道に入れる仕切り板)で水の流れを乱して、水側の熱伝達率を上げます。

⭕(ニ)散水方式でデフロストをする場合、冷蔵庫外の排水管にトラップを設けることで、冷蔵庫内への外気の侵入を防止できる。

正しい記述です。水をかけて霜を溶かす散水方式のデフロスト(霜取り)では、排水管のトラップ(水封)で、排水口からの外気の侵入を防ぎます。

まとめこの問題のまとめ

正解は(4)イ・ハ・ニ。冷凍能力は熱通過率×面積×温度差に正比例。シェル側に冷媒・管内にブラインは満液式。バッフルプレートで水側熱伝達率を向上。排水管のトラップで外気侵入を防ぎます。

除霜(デフロスト)の4つの方法:散水・ホットガス・電気ヒータ・オフサイクル
オフサイクル除霜は、庫内の空気で溶かすので0℃より高い温度で運転する場合にしか使えません。
蒸発器と着霜・除霜|乾式・満液式のちがいとデフロスト4方式【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく蒸発器と着霜・除霜|乾式・満液式のちがいとデフロスト4方式【冷凍三種】

問8

分野:自動制御機器重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、自動制御機器について正しいものはどれか。

イ温度自動膨張弁は、高圧の冷媒液を低圧部に絞り膨張させる機能と、過熱度により蒸発器への冷媒流量を調節して効率よく運転する機能の、二つの機能をもっている。

ロキャピラリチューブは、細い銅管を流れる冷媒の流れ抵抗による圧力降下を利用して、冷媒の絞り膨張を行う機器である。

ハ吸入圧力調整弁は、圧縮機吸込み配管に取り付けて、圧縮機吸込み圧力が設定値よりも高くならないように調整できる。圧縮機の始動時や除霜などのときに、電動機の過負荷も防止できる。

ニ内部均圧形温度自動膨張弁は、冷媒の流れの圧力降下の大きな蒸発器、ディストリビュータで冷媒を分配する蒸発器に使用される。

【選択肢】
(1) イ・ロ・ハ (2) イ・ロ・ニ (3) イ・ハ・ニ (4) ロ・ハ・ニ (5) イ・ロ・ハ・ニ
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正解(1) イ・ロ・ハ
⭕(イ)温度自動膨張弁は、高圧の冷媒液を低圧部に絞り膨張させる機能と、過熱度により蒸発器への冷媒流量を調節して効率よく運転する機能の、二つの機能をもっている。

正しい記述です。膨張弁は絞り膨張と過熱度による流量調節の2つの役目を持ちます。

⭕(ロ)キャピラリチューブは、細い銅管を流れる冷媒の流れ抵抗による圧力降下を利用して、冷媒の絞り膨張を行う機器である。

正しい記述です。キャピラリチューブは細い管の抵抗で絞り膨張をします。

⭕(ハ)吸入圧力調整弁は、圧縮機吸込み配管に取り付けて、圧縮機吸込み圧力が設定値よりも高くならないように調整できる。圧縮機の始動時や除霜などのときに、電動機の過負荷も防止できる。

正しい記述です。吸入圧力調整弁は吸込み圧力が高くなりすぎないようにし、始動時・除霜時の電動機の過負荷を防ぎます。

❌(ニ)内部均圧形温度自動膨張弁は、冷媒の流れの圧力降下の大きな蒸発器、ディストリビュータで冷媒を分配する蒸発器に使用される。

「内部均圧形」が誤りです。圧力降下の大きな蒸発器やディストリビュータを使う蒸発器には外部均圧形を使います。

まとめこの問題のまとめ

正解は(1)イ・ロ・ハ。膨張弁は絞り膨張+過熱度で流量調節。キャピラリは絞り膨張。吸入圧力調整弁は過負荷を防ぐ。圧力降下が大きいと“外部均圧形”を使います。

温度自動膨張弁のしくみ(感温筒・ダイヤフラム・過熱度調整ばね)
感温筒が蒸発器出口の温度を感じ、その圧力でダイヤフラムを押して弁を開け閉めしています。
膨張弁のしくみ|温度自動膨張弁が過熱度を保つ理由【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく膨張弁のしくみ|温度自動膨張弁が過熱度を保つ理由【冷凍三種】

問9

分野:附属機器重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、附属機器について正しいものはどれか。

イ液分離器は、蒸発器と圧縮機との間の吸込み蒸気配管に取り付け、吸込み蒸気中に混在した液を分離して、冷凍装置外部に排出する。

ロフルオロカーボン冷凍装置では、凝縮器を出た冷媒液を過冷却させるとともに、圧縮機に戻る冷媒蒸気を適度に過熱させるために、液ガス熱交換器を設けることがある。

ハシリカゲルを乾燥剤に用いたドライヤは、フルオロカーボン冷凍装置の冷媒系統の水分を除去する。

ニ往復圧縮機を用いたアンモニア冷凍装置では、一般に、油分離器で分離された鉱油を圧縮機クランクケース内に自動返油する。

【選択肢】
(1) イ (2) ロ (3) ハ (4) ニ (5) ロ・ハ
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正解(5) ロ・ハ
❌(イ)液分離器は、蒸発器と圧縮機との間の吸込み蒸気配管に取り付け、吸込み蒸気中に混在した液を分離して、冷凍装置外部に排出する。

「外部に排出する」が誤りです。液分離器は分離した液を外には捨てません。蒸気だけを圧縮機へ送り、液戻り(液圧縮)を防ぎます。

⭕(ロ)フルオロカーボン冷凍装置では、凝縮器を出た冷媒液を過冷却させるとともに、圧縮機に戻る冷媒蒸気を適度に過熱させるために、液ガス熱交換器を設けることがある。

正しい記述です。液ガス熱交換器は、液を過冷却(凝縮した液をさらに冷やすこと)し、蒸気を過熱して、湿り蒸気の吸込み(液戻り)を防ぎます。

⭕(ハ)シリカゲルを乾燥剤に用いたドライヤは、フルオロカーボン冷凍装置の冷媒系統の水分を除去する。

正しい記述です。シリカゲルなどの乾燥剤を使ったドライヤで、フルオロカーボン装置の水分を取り除きます。

❌(ニ)往復圧縮機を用いたアンモニア冷凍装置では、一般に、油分離器で分離された鉱油を圧縮機クランクケース内に自動返油する。

「自動返油する」が誤りです。アンモニア装置では、分離した油は劣化していることが多いので自動返油せず、油だめに抜き取ります。

まとめこの問題のまとめ

正解は(5)ロ・ハ。液分離器は外部排出せず液戻りを防ぐ。液ガス熱交換器は液戻りを防ぐ。シリカゲルのドライヤで水分除去。アンモニアの油は自動返油せず抜き取ります。

附属機器が冷凍サイクルのどこに付くかの図
圧縮機を出てすぐ油を取り、凝縮したら液をため、乾かしてから膨張弁へ。蒸発したら液を取ってから圧縮機へ。
附属機器のはたらき|受液器・油分離器・液分離器・乾燥器【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく附属機器のはたらき|受液器・油分離器・液分離器・乾燥器【冷凍三種】

問10

分野:冷媒配管重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷媒配管について正しいものはどれか。

イ圧縮機吸込み蒸気配管の二重立ち上がり管は、冷媒液の戻り防止のために使用される。

ロ高圧冷媒液管内にフラッシュガスが発生すると、膨張弁の冷媒流量が減少して、冷凍能力が減少する。

ハ配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、一般に、冷媒R410Aの高圧冷媒配管に使用される。

ニ圧縮機の停止中に、配管内で凝縮した冷媒液や油が逆流しないようにすることは、圧縮機吐出し管の施工上、重要なことである。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ニ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
答え・解説を見る
正解(3) ロ・ニ
❌(イ)圧縮機吸込み蒸気配管の二重立ち上がり管は、冷媒液の戻り防止のために使用される。

「冷媒液の戻り防止のため」が誤りです。二重立ち上がり管は、軽負荷でも蒸気速度を保って油を確実に戻す(油戻し)ために使います。

⭕(ロ)高圧冷媒液管内にフラッシュガスが発生すると、膨張弁の冷媒流量が減少して、冷凍能力が減少する。

正しい記述です。フラッシュガス(気泡)が発生すると膨張弁の流量が減り、冷凍能力が下がります。

❌(ハ)配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、一般に、冷媒R410Aの高圧冷媒配管に使用される。

「R410Aの高圧配管に使用される」が誤りです。SGPは設計圧力1メガパスカルを超える部分には使えません。そのため、高圧になるR410Aの配管には使用できないのです。

⭕(ニ)圧縮機の停止中に、配管内で凝縮した冷媒液や油が逆流しないようにすることは、圧縮機吐出し管の施工上、重要なことである。

正しい記述です。停止中に凝縮した液や油が圧縮機へ逆流しないようにすることは、吐出し管の施工で大切です。

まとめこの問題のまとめ

正解は(3)ロ・ニ。二重立ち上がり管は“油戻し”のため。フラッシュガスは冷凍能力を下げる。SGPは1メガパスカル超に使えない(R410A高圧不可)。停止中の逆流防止は吐出し管施工で重要です。

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問11

分野:安全装置重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、安全装置などについて正しいものはどれか。

イ圧力容器に取り付ける安全弁の最小口径は、容器の外径と長さの積の平方根と、冷媒の種類ごとに高圧部・低圧部に分けて定められた定数の積で決まる。

ロ溶栓は、取り付けられる容器内の圧力を直接検知して破裂し、内部の冷媒を放出することにより、圧力の異常な上昇を防ぐ。

ハ高圧遮断装置は、高圧側の圧力の異常な上昇を検知して作動し、圧縮機を駆動している電動機の電源を切って圧縮機を停止させる。

ニガス漏えい検知警報設備は、冷媒の種類や機械換気装置の有無にかかわらず、酸欠事故を防止するために必ず設置しなければならない。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) イ・ハ・ニ
答え・解説を見る
正解(2) イ・ハ
⭕(イ)圧力容器に取り付ける安全弁の最小口径は、容器の外径と長さの積の平方根と、冷媒の種類ごとに高圧部・低圧部に分けて定められた定数の積で決まる。

正しい記述です。安全弁の最小口径は、容器の外径と長さの“積”の平方根に、冷媒ごとの定数を掛けて求めます。

❌(ロ)溶栓は、取り付けられる容器内の圧力を直接検知して破裂し、内部の冷媒を放出することにより、圧力の異常な上昇を防ぐ。

「圧力を直接検知して破裂」が誤りです。溶栓は温度で溶けて冷媒を逃がす装置です(圧力で破裂するのは破裂板)。

⭕(ハ)高圧遮断装置は、高圧側の圧力の異常な上昇を検知して作動し、圧縮機を駆動している電動機の電源を切って圧縮機を停止させる。

正しい記述です。高圧遮断装置は、異常な高圧を検知して圧縮機を止め、圧力の異常上昇を防ぎます。

❌(ニ)ガス漏えい検知警報設備は、冷媒の種類や機械換気装置の有無にかかわらず、酸欠事故を防止するために必ず設置しなければならない。

「必ず設置」が誤りです。検知警報設備が必要なのは可燃性ガス・毒性ガス・特定不活性ガスで、すべての冷媒に必須ではありません。

まとめこの問題のまとめ

正解は(2)イ・ハ。安全弁口径は外径×長さの積の平方根。溶栓は“温度”で作動(破裂板が圧力)。高圧遮断装置で圧縮機停止。検知警報設備は可燃性・毒性・特定不活性ガスが対象です。

安全装置が働く順番(高圧遮断装置→安全弁→溶栓・破裂板)
先に働くものほど低い圧力に設定されています。溶栓だけは圧力ではなく温度で働きます。
安全装置の種類と作動する順番|高圧遮断装置・安全弁・溶栓・破裂板【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく安全装置の種類と作動する順番|高圧遮断装置・安全弁・溶栓・破裂板【冷凍三種】

問12

分野:圧力容器重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧力容器などについて正しいものはどれか。

イ圧力容器の鏡板の板厚は、同じ設計圧力で、同じ材質では、さら形よりも半球形を用いたほうが薄くできる。

ロ円筒胴の圧力容器の胴板に生じる応力は、接線方向の応力と長手方向の応力を考えればよく、接線方向の引張応力は長手方向の引張応力よりも大きい。

ハ圧力容器の腐れしろは、材料の種類により異なり、鋼、銅及び銅合金は1mmとする。また、ステンレス鋼には腐れしろを設ける必要がない。

ニ圧力容器の強度や保安に関する圧力は、設計圧力、許容圧力ともに絶対圧力を使用する。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) イ・ニ (4) ロ・ハ (5) ロ・ニ
答え・解説を見る
正解(1) イ・ロ
⭕(イ)圧力容器の鏡板の板厚は、同じ設計圧力で、同じ材質では、さら形よりも半球形を用いたほうが薄くできる。

正しい記述です。半球形の鏡板(圧力容器の両端をふさぐ板)は、材料にかかる力(応力)の面で有利なので、さら形より板厚を薄くできます。

⭕(ロ)円筒胴の圧力容器の胴板に生じる応力は、接線方向の応力と長手方向の応力を考えればよく、接線方向の引張応力は長手方向の引張応力よりも大きい。

正しい記述です。円筒胴では接線方向(円周に沿う方向)の応力が長手方向(筒の軸の方向)の2倍で、こちらが支配的です。

❌(ハ)圧力容器の腐れしろは、材料の種類により異なり、鋼、銅及び銅合金は1mmとする。また、ステンレス鋼には腐れしろを設ける必要がない。

腐れしろの値が誤りです。腐れしろ(さびなどで薄くなる分を見込んで、板厚に足しておく厚み)は材料で異なり、例えば鋼は1mm、銅・銅合金やステンレス鋼は0.2mmなどと定められています(“設ける必要がない”ではありません)。

❌(ニ)圧力容器の強度や保安に関する圧力は、設計圧力、許容圧力ともに絶対圧力を使用する。

「絶対圧力」が誤りです。設計圧力・許容圧力にはゲージ圧力(大気圧をゼロとして測った圧力)を使います。

まとめこの問題のまとめ

正解は(1)イ・ロ。半球形鏡板は板厚を薄くできる。接線方向応力は長手の2倍。腐れしろは材料で異なる(ステンレスも設ける)。設計・許容圧力はゲージ圧力です。

圧力容器の板厚が厚くなる要因と薄くなる要因の図
式を丸暗記しなくても、どちらに動くかが分かれば正誤を判定しやすくなります。
圧力容器の強さと材料|許容引張応力・板厚・溶接継手の効率【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく圧力容器の強さと材料|許容引張応力・板厚・溶接継手の効率【冷凍三種】

問13

分野:据付け・圧力試験・試運転重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の据付け、圧力試験及び試運転について正しいものはどれか。

イ多気筒圧縮機を支持するコンクリート基礎の質量は、圧縮機の質量と同程度にする。

ロアンモニア冷凍装置の気密試験には、乾燥空気、窒素ガス又は酸素を使用し、炭酸ガスを使用してはならない。

ハ受液器を設けた冷凍装置に冷媒を充塡するときは、受液器の冷媒出口弁を閉じ、圧縮機を運転しながら、その先の冷媒チャージ弁から液状の冷媒を充塡する。

ニ真空試験では、装置内に残留水分があると真空になりにくいので、乾燥のために水分の残留しやすい場所を、120℃を超えない範囲で加熱するとよい。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
答え・解説を見る
正解(5) ハ・ニ
❌(イ)多気筒圧縮機を支持するコンクリート基礎の質量は、圧縮機の質量と同程度にする。

「同程度」が誤りです。振動を抑えるため、基礎の質量は機器の2〜3倍程度にします。

❌(ロ)アンモニア冷凍装置の気密試験には、乾燥空気、窒素ガス又は酸素を使用し、炭酸ガスを使用してはならない。

「酸素を使用」が誤りです。酸素は燃焼の危険があるため使えません。炭酸ガスもアンモニアと反応するため不可で、乾燥空気や窒素を使います。

⭕(ハ)受液器を設けた冷凍装置に冷媒を充塡するときは、受液器の冷媒出口弁を閉じ、圧縮機を運転しながら、その先の冷媒チャージ弁から液状の冷媒を充塡する。

正しい記述です。受液器の出口弁を閉じ、圧縮機を運転しながらチャージ弁から液冷媒を充塡する方法は適切です。

⭕(ニ)真空試験では、装置内に残留水分があると真空になりにくいので、乾燥のために水分の残留しやすい場所を、120℃を超えない範囲で加熱するとよい。

正しい記述です。120℃を超えない範囲で加熱すると、残った水分が蒸発して真空乾燥が進みます。

覚える覚え方・語呂合わせ

据付け・試験の数値。基礎は機器質量の2〜3倍/アンモニアの気密試験に酸素・炭酸ガスは不可(乾燥空気か窒素を使う)/水分は120℃以下で乾燥。「基礎2〜3倍・アンモニア気密はO₂やCO₂不可(乾燥空気・窒素)」。

まとめこの問題のまとめ

正解は(5)ハ・ニ。基礎は機器の2〜3倍の質量。アンモニアの気密試験に酸素・炭酸ガスは不可(乾燥空気・窒素)。受液器出口弁を閉じてチャージ。水分は120℃以下で加熱乾燥します。

耐圧試験・気密試験・真空試験の順番と使う流体の図
耐圧は原則として液体、気密はガス。この使い分けと順番を押さえておきましょう。
耐圧試験・気密試験・真空試験|順番と使う流体【冷凍三種】👉 この分野をもっとくわしく耐圧試験・気密試験・真空試験|順番と使う流体【冷凍三種】

問14

分野:冷凍装置の運転管理重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の運転管理について正しいものはどれか。

イ毎日運転する冷凍装置の運転開始前の準備では、電磁弁の作動確認や操作回路の絶縁確認、電動機の始動状態の確認などを省略できる場合がある。

ロ蒸発圧力一定のもとで吐出しガス圧力が高くなると、圧力比が大きくなり、圧縮機の体積効率が増大し、駆動軸動力が増加する。

ハ長期間休止させる場合、低圧側の冷媒を受液器に回収し、空気侵入防止のため低圧側と圧縮機内に大気圧よりも高いガス圧力を残しておく。

ニ水冷凝縮器の冷却水量が減少すると、凝縮圧力の低下、吐出しガス温度の上昇、冷凍能力の低下が起こる。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(2) イ・ハ
⭕(イ)毎日運転する冷凍装置の運転開始前の準備では、電磁弁の作動確認や操作回路の絶縁確認、電動機の始動状態の確認などを省略できる場合がある。

正しい記述です。毎日運転する装置では、運転開始前の点検の一部を省略できる場合があります(前日まで正常に運転していた装置なので、長期間休止したあとの始動で行う確認の一部は、毎回は行わなくてよいという意味です)。

❌(ロ)蒸発圧力一定のもとで吐出しガス圧力が高くなると、圧力比が大きくなり、圧縮機の体積効率が増大し、駆動軸動力が増加する。

「体積効率が増大し」が誤りです。吐出しガス圧力が上がる(圧力比が大きくなる)と、体積効率は低下します(軸動力が増えるのは正しい)。

⭕(ハ)長期間休止させる場合、低圧側の冷媒を受液器に回収し、空気侵入防止のため低圧側と圧縮機内に大気圧よりも高いガス圧力を残しておく。

正しい記述です。長期休止では低圧側の冷媒を受液器に集め、大気圧より高い圧力を残して空気や水分の侵入を防ぎます。

❌(ニ)水冷凝縮器の冷却水量が減少すると、凝縮圧力の低下、吐出しガス温度の上昇、冷凍能力の低下が起こる。

「凝縮圧力の低下」が誤りです。冷却水量が減ると冷えにくくなり、凝縮圧力は上昇します(温度上昇・能力低下は正しい)。

覚える覚え方・語呂合わせ

圧力と能力の関係。吐出し圧力が上がると体積効率は低下/冷却水量が減ると凝縮圧力は上昇。「吐出し圧力↑で体積効率↓・冷却水減で凝縮圧力↑」と覚えましょう。

まとめこの問題のまとめ

正解は(2)イ・ハ。毎日運転する装置は開始前点検を省略できる場合がある。吐出し圧力上昇で体積効率は低下。長期休止は大気圧より高い圧力を残す。冷却水量減少で凝縮圧力は上昇します。

問15

分野:保守管理重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の保守管理について正しいものはどれか。

イ横走り吸込み配管の途中の大きなUトラップに冷媒液や油がたまっていると、圧縮機の始動時やアンロードからロード運転に切り換わったときに、液戻りが生じる。圧縮機の近くでは、立ち上がり吸込み管以外にはUトラップを設けないようにする。

ロ強制給油式の往復圧縮機では、油圧が過大になると、シリンダ部への給油量が多くなり、凝縮器、蒸発器の熱交換部の汚れを引き起こす。

ハ密閉形フルオロカーボン往復圧縮機では、冷媒充塡量が不足していると、吸込み蒸気による電動機の冷却が不十分になり、電動機を焼損するおそれがある。冷媒充塡量の不足は、運転中の受液器の冷媒液面の低下によって確認できる。

ニアンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が浸入すると、アンモニアがアンモニア水になるので、少量の水分の浸入であっても、蒸発圧力の低下や冷凍機油の乳化による潤滑性能の低下などを引き起こし、運転に重大な支障をきたす。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) ハ・ニ (3) イ・ロ・ハ (4) ロ・ハ・ニ (5) イ・ロ・ハ・ニ
答え・解説を見る
正解(3) イ・ロ・ハ
⭕(イ)横走り吸込み配管の途中の大きなUトラップに冷媒液や油がたまっていると、圧縮機の始動時やアンロードからロード運転に切り換わったときに、液戻りが生じる。圧縮機の近くでは、立ち上がり吸込み管以外にはUトラップを設けないようにする。

正しい記述です。Uトラップ(配管がU字形に下がった部分)にたまった液・油は始動時や負荷の切替え時に液戻りを起こすので、不要なUトラップは設けません。

⭕(ロ)強制給油式の往復圧縮機では、油圧が過大になると、シリンダ部への給油量が多くなり、凝縮器、蒸発器の熱交換部の汚れを引き起こす。

正しい記述です。油圧が過大になるとシリンダへの給油が多くなり、運ばれた油が熱交換器を汚して性能を下げます。

⭕(ハ)密閉形フルオロカーボン往復圧縮機では、冷媒充塡量が不足していると、吸込み蒸気による電動機の冷却が不十分になり、電動機を焼損するおそれがある。冷媒充塡量の不足は、運転中の受液器の冷媒液面の低下によって確認できる。

正しい記述です。密閉圧縮機は吸込み冷媒で電動機を冷やすため、冷媒不足だと焼損のおそれがあります。不足は受液器の液面低下で確認できます。

❌(ニ)アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が浸入すると、アンモニアがアンモニア水になるので、少量の水分の浸入であっても、蒸発圧力の低下や冷凍機油の乳化による潤滑性能の低下などを引き起こし、運転に重大な支障をきたす。

「少量の水分でも重大な支障」が誤りです。アンモニアは水とよく溶け合うため、少量の水分なら影響は限定的です(多量に入ると支障が出ます)。

まとめこの問題のまとめ

正解は(3)イ・ロ・ハ。Uトラップの溜まりは液戻りの原因。油圧過大は熱交換器の汚れを招く。密閉圧縮機は冷媒不足で焼損のおそれ(液面低下で確認)。アンモニアは少量の水分なら影響限定的です。

まとめこの15問の要点(直前チェック用)

  • 問1 動力を減らすには蒸発は高め・凝縮は低め/p-h線図の横軸は等間隔目盛
  • 問2 空気が一番熱を伝えにくい/冷凍効果は冷媒が“周囲から奪う”熱量
  • 問3 温度差が大きいと各効率は低下/吸込み圧力低下・過熱度大は能力を下げる
  • 問4 R410Aは混合冷媒/標準沸点は大気圧での飽和温度
  • 問5 圧縮機は容積式と遠心式/スライド弁は無段階制御が可能
  • 問6 水あかは凝縮温度を上げる/蒸発式凝縮器は凝縮温度を低くできる
  • 問7 シェル側に冷媒・管内にブラインは満液式/排水管のトラップで外気侵入防止
  • 問8 圧力降下が大きいと“外部均圧形”膨張弁を使う
  • 問9 液分離器は外部排出しない/アンモニアの油は自動返油せず抜き取る
  • 問10 二重立ち上がり管は油戻し/SGPは1メガパスカル超に使えない(R410A高圧不可)
  • 問11 溶栓は“温度”で作動/検知警報設備は可燃性・毒性・特定不活性ガスが対象
  • 問12 半球形鏡板は板厚を薄くできる/設計・許容圧力はゲージ圧力
  • 問13 アンモニアの気密試験に酸素・炭酸ガスは不可/水分は120℃以下で加熱乾燥
  • 問14 吐出し圧力上昇で体積効率は低下/冷却水量減少で凝縮圧力は上昇
  • 問15 油圧過大は熱交換器の汚れを招く/アンモニアは少量の水分なら影響限定的

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