この記事で分かること

令和3年度(後期)2級管工事施工管理技士「第一次検定」の問題No.11〜20を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.7〜23は選択問題(9問を選択)です。正答は公式の正答肢で確認済みです。

問11

分野:空調設備(暖房)重要度 ★★☆

温水暖房における膨張タンクに関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)開放式膨張タンクの容量は、装置全水量の膨張量から求める。
(2)開放式膨張タンクにボイラーの逃がし管を接続する場合は、メンテナンス用バルブを設ける。
(3)密閉式膨張タンクは、一般的に、ダイヤフラム式やブラダー式が用いられる。
(4)密閉式膨張タンク内の最低圧力は、装置内が大気圧以下とならないように設定する。
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正解

(2)が誤り
📘 逃がし管に弁を付けてはいけない理由とは?

逃がし管は、温水暖房で水が膨張して圧力が上がりすぎたとき、その圧力を安全に外へ逃がすための管です。ボイラーが壊れる(破裂する)のを防ぎます。

この管の途中に弁(バルブ)を付けて閉じてしまうと、いざというとき圧力を逃がせず大変危険です。だから逃がし管には弁を設けません。「メンテナンス用バルブを設ける」は誤りです。

⭕(1)開放式膨張タンクの容量は、装置全水量の膨張量から求める。

正しい。開放式膨張タンクの容量は、温度上昇で水が膨らむ量(膨張量)から求めます。

❌(2)開放式膨張タンクにボイラーの逃がし管を接続する場合は、メンテナンス用バルブを設ける。

これが誤り。ボイラーの逃がし管(安全のために圧力を逃がす管)には、途中に弁(バルブ)を設けてはいけません。閉じてしまうと圧力が逃げられず危険なので、誤りです。

⭕(3)密閉式膨張タンクは、一般的に、ダイヤフラム式やブラダー式が用いられる。

正しい。密閉式膨張タンクには、ゴム膜で仕切るダイヤフラム式やブラダー式が使われます。

⭕(4)密閉式膨張タンク内の最低圧力は、装置内が大気圧以下とならないように設定する。

正しい。密閉式膨張タンクは、装置内が大気圧以下(負圧)にならないように最低圧力を設定します。

問12

分野:空調設備(パッケージ形空調機)重要度 ★★☆

パッケージ形空気調和機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ガスエンジンヒートポンプ方式は、一般的に、デフロスト運転は不要である。
(2)インバーター制御のものは、高調波対策を考慮する必要がある。
(3)冷暖房能力は、外気温度、冷媒管長、屋外機と屋内機の設置高低差等により変化しない。
(4)省エネルギー性能の評価指標には、APF(通年エネルギー消費効率)がある。
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正解

(3)が誤り
📘 パッケージ形空調機の能力が変わる要因とは?

パッケージ形空調機の冷暖房能力は、いつも同じではありません。外気の温度(夏の猛暑・冬の厳寒)や、屋外機と屋内機をつなぐ冷媒管の長さ・高低差によって上下します。

管が長い・高低差が大きいと、冷媒を運ぶ効率が落ちて能力が下がります。だから「変化しない」は誤りで、これらの条件で能力は変化します。

⭕(1)ガスエンジンヒートポンプ方式は、一般的に、デフロスト運転は不要である。

正しい。ガスエンジン方式はエンジンの排熱を使えるので、霜取り(デフロスト)運転が基本的に不要です。

⭕(2)インバーター制御のものは、高調波対策を考慮する必要がある。

正しい。インバーター制御は高調波(電気の波の乱れ)を出すので、その対策を考えます。

❌(3)冷暖房能力は、外気温度、冷媒管長、屋外機と屋内機の設置高低差等により変化しない。

これが誤り。冷暖房能力は、外気温度・冷媒管の長さ・屋外機と屋内機の高低差などによって変化します。「変化しない」は誤りです。

⭕(4)省エネルギー性能の評価指標には、APF(通年エネルギー消費効率)がある。

正しい。省エネ性能の指標には、1年を通した効率を表すAPF(通年エネルギー消費効率)があります。

問13

分野:換気設備重要度 ★★☆

換気設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)換気回数とは、換気量を室容積で除したものである。
(2)必要換気量とは、室内の汚染質濃度を許容値以下に保つために循環する空気量をいう。
(3)自然換気には、風力によるものと温度差によるものがある。
(4)シックハウスを防ぐには、室内中のTVOC(総揮発性有機化合物の濃度)を低く保つ必要がある。
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正解

(2)が誤り
📘 必要換気量とは?

必要換気量は、室内の汚れ(二酸化炭素やにおいなど)を、体に害のない濃さ(許容値)以下に保つために、外から取り入れなければならない新鮮な空気(外気)の量です。

室内でぐるぐる回す「循環する空気」では、汚れは薄まりません。汚れを薄めるのは外の新鮮な空気なので、「循環する空気量」という説明は誤りです。

⭕(1)換気回数とは、換気量を室容積で除したものである。

正しい。換気回数は「1時間あたりの換気量÷室容積」で、1時間に室内の空気が何回入れ替わるかを表します。

❌(2)必要換気量とは、室内の汚染質濃度を許容値以下に保つために循環する空気量をいう。

これが誤り。必要換気量は、汚れた空気を薄めるために外から取り入れる新鮮な空気の量です。「循環する空気量」ではなく外気量なので誤りです。

⭕(3)自然換気には、風力によるものと温度差によるものがある。

正しい。自然換気には、風の力によるものと、室内外の温度差によるもの(重力換気)があります。

⭕(4)シックハウスを防ぐには、室内中のTVOC(総揮発性有機化合物の濃度)を低く保つ必要がある。

正しい。シックハウスを防ぐには、有害な揮発性物質の濃度(TVOC)を低く保つ必要があります。

問14

分野:換気設備重要度 ★★☆

機械換気を行う室のうち、第三種換気方式を用いることが適当でないものはどれか。

(1)シャワー室
(2)書庫・倉庫
(3)エレベーター機械室
(4)ボイラー室
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正解

(4)が正解
📘 第三種換気が向かない室とは?

第三種換気は排気だけを機械で行い、給気は自然まかせの方式です。室が負圧になるので、においや湿気を他室へ広げたくないトイレ・浴室・倉庫などに向きます。

一方、ボイラー室は燃焼に大量の空気(酸素)が必要です。第三種では給気が足りず危険なので、給気も排気も機械で行う第一種換気にします。だから第三種は適当でありません。

❌(1)シャワー室

第三種でよい。シャワー室は湿気やにおいを排出し、室を負圧にして他室へ広げないので第三種が適します。

❌(2)書庫・倉庫

第三種でよい。書庫・倉庫は、排気して負圧にする第三種で問題ありません。

❌(3)エレベーター機械室

第三種でよい。エレベーター機械室は、排気して熱やにおいを出す第三種でよいです。

⭕(4)ボイラー室

これが正解(適当でないもの)。ボイラー室は、燃料を燃やすため大量の給気(燃焼空気)が必要です。排気だけの第三種では給気が足りず不完全燃焼になるため、給気も機械で行う第一種換気が適します。

問15

分野:上下水道(上水道)重要度 ★★☆

上水道の取水施設から配水施設に至るまでのフローのうち、適当なものはどれか。

(1)取水施設→導水施設→浄水施設→送水施設→配水施設
(2)取水施設→導水施設→送水施設→浄水施設→配水施設
(3)取水施設→送水施設→導水施設→浄水施設→配水施設
(4)取水施設→浄水施設→送水施設→導水施設→配水施設
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正解

(1)が正解
📘 上水道の流れとは?

上水道は、川などから水をとって各家庭に届くまで、決まった順に流れます。取水(水をとる)→導水(浄水場へ運ぶ)→浄水(消毒してきれいにする)→送水(配水池へ送る)→配水(各家庭へ配る)です。

ポイントは、「浄水」できれいにしてから「送水・配水」する点です。順番は「取水・導水・浄水・送水・配水」と覚えます。

⭕(1)取水施設→導水施設→浄水施設→送水施設→配水施設

これが正しい。水は「取水(水をとる)→導水(浄水場へ運ぶ)→浄水(きれいにする)→送水(配水池へ送る)→配水(各家庭へ配る)」の順に流れます。

❌(2)取水施設→導水施設→送水施設→浄水施設→配水施設

誤り。浄水(きれいにする)より先に送水するのはおかしいです。きれいにしてから送ります。

❌(3)取水施設→送水施設→導水施設→浄水施設→配水施設

誤り。導水より先に送水する順はありえません。

❌(4)取水施設→浄水施設→送水施設→導水施設→配水施設

誤り。取水のすぐ後に浄水するには、まず浄水場まで導水する必要があります。

問16

分野:上下水道(下水道)重要度 ★★☆

下水道に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)公共下水道と敷地内排水系統の排水方式において、分流式と合流式の定義は同じである。
(2)管きょの接合方法には、水面接合、管頂接合、管中心接合及び管底接合がある。
(3)公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行う。
(4)取付管は、本管の中心線から上方に取り付ける。
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正解

(1)が誤り
📘 公共下水道と敷地内の分流・合流とは?

「分流式」と「合流式」は、どこの排水かで意味が変わります。公共下水道では、汚水(トイレ等)と雨水を別々の管にするのが分流式、一緒にするのが合流式です。

一方敷地内の排水では、汚水(トイレ)と雑排水(台所・風呂)を分けるかどうかで分流・合流を言います。対象が違うので「定義は同じ」は誤りです。

❌(1)公共下水道と敷地内排水系統の排水方式において、分流式と合流式の定義は同じである。

これが誤り。公共下水道の分流・合流は「汚水と雨水」を分けるかどうか、敷地内排水の分流・合流は「汚水と雑排水」を分けるかどうかで、定義が違います。「同じ」は誤りです。

⭕(2)管きょの接合方法には、水面接合、管頂接合、管中心接合及び管底接合がある。

正しい。管きょの接合方法には、水面接合・管頂接合・管中心接合・管底接合があります。

⭕(3)公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行う。

正しい。公共下水道の設置や管理は、原則として市町村が行います。

⭕(4)取付管は、本管の中心線から上方に取り付ける。

正しい。取付管は、本管の中心線から上方に取り付けて、汚水が流れ込みやすくします。

問17

分野:給水設備重要度 ★★☆

給水設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)水道直結直圧方式を採用する場合は、夏季等の水圧が低くなる時期の本管水圧で決定する。
(2)飲料用給水タンクは、保守点検及び清掃を考慮し、容量に応じて1槽分割等にする。
(3)飲料用給水タンクの上部には、原則として、飲料水以外の配管を設けてはならない。
(4)飲料用給水タンクのオーバーフロー管には、トラップを設け、虫の侵入を防止する。
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正解

(4)が誤り
📘 オーバーフロー管の防虫とは?

オーバーフロー管は、タンクの水があふれそうなときに余分な水を出す管です。ここから虫やねずみが入らないようにする必要があります。

対策は、管の出口に防虫網を付け、排水口との間にすき間(間接排水)をとることです。トラップ(封水)は設けません(封水が切れると逆に汚染源になるため)。「トラップを設ける」は誤りです。

⭕(1)水道直結直圧方式を採用する場合は、夏季等の水圧が低くなる時期の本管水圧で決定する。

正しい。水道直結直圧方式は、水圧が低くなる夏季等の本管水圧を基準に決めて、水不足を防ぎます。

⭕(2)飲料用給水タンクは、保守点検及び清掃を考慮し、容量に応じて1槽分割等にする。

正しい。飲料用給水タンクは、清掃時に断水しないよう、容量に応じて2槽に分ける(1槽分割)などにします。

⭕(3)飲料用給水タンクの上部には、原則として、飲料水以外の配管を設けてはならない。

正しい。飲料水を汚さないため、タンク上部には原則として飲料水以外の配管を通しません。

❌(4)飲料用給水タンクのオーバーフロー管には、トラップを設け、虫の侵入を防止する。

これが誤り。飲料用給水タンクのオーバーフロー管にはトラップを設けません。管の先を開放(間接排水)にして防虫網で虫の侵入を防ぎます。トラップを設けると封水が切れて汚染の恐れがあるので誤りです。

問18

分野:給湯設備重要度 ★★☆

給湯設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)潜熱回収型給湯器は、燃焼排ガス中の水蒸気の凝縮潜熱を回収することで、熱効率を向上させている。
(2)先止め式ガス瞬間湯沸器の能力は、それに接続する器具の必要給湯量を基準として算定する。
(3)Q機能付き給湯器は、出湯温度を短い時間で設定温度にする構造のものである。
(4)シャワーに用いるガス瞬間湯沸器は、湯沸器の湯栓で出湯を操作する元止め式とする。
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正解

(4)が誤り
📘 元止め式と先止め式とは?

ガス瞬間湯沸器には2種類あります。元止め式は、湯沸器本体に付いた栓を開け閉めしてお湯を出す方式で、台所の小型湯沸器などに使います。

先止め式は、離れた場所の給湯先(シャワーや蛇口)の栓でお湯を出す方式です。シャワーは湯沸器から離れているので先止め式を使います。「シャワーに元止め式」は誤りです。

⭕(1)潜熱回収型給湯器は、燃焼排ガス中の水蒸気の凝縮潜熱を回収することで、熱効率を向上させている。

正しい。潜熱回収型給湯器は、捨てていた排ガスの水蒸気の熱(凝縮潜熱)を回収して効率を高めます。

⭕(2)先止め式ガス瞬間湯沸器の能力は、それに接続する器具の必要給湯量を基準として算定する。

正しい。先止め式の能力は、つなぐ器具(蛇口やシャワー)が必要とする給湯量をもとに決めます。

⭕(3)Q機能付き給湯器は、出湯温度を短い時間で設定温度にする構造のものである。

正しい。Q機能付き給湯器は、お湯の温度をすばやく設定温度にできる構造です。

❌(4)シャワーに用いるガス瞬間湯沸器は、湯沸器の湯栓で出湯を操作する元止め式とする。

これが誤り。シャワーには、給湯先(シャワー)の栓で操作する先止め式を用います。「元止め式」は湯沸器本体の栓で操作する方式で、離れたシャワーには不向きなので誤りです。

問19

分野:衛生器具設備重要度 ★★☆

衛生器具の名称と当該器具のトラップの最小口径の組合せのうち、適当でないものはどれか。

(1)掃除流し ―― 50mm
(2)壁掛け小型小便器 ―― 40mm
(3)汚物流し ―― 75mm
(4)大便器 ―― 75mm
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正解

(1)が誤り
📘 トラップの最小口径とは?

トラップの口径(太さ)は、その器具から出る汚水の量に合わせて最小値が決められています。汚れの多い器具や流量の大きい器具ほど、太い口径が必要です。

主なものは、大便器・汚物流し=75mm、掃除流し=65mm、小型小便器=40mmです。掃除流しは「65mm」なので、「50mm」は誤りです。

❌(1)掃除流し ―― 50mm

これが誤り。掃除流し(そうじ用の流し)のトラップ最小口径は65mmです。「50mm」では小さすぎて誤りです。

⭕(2)壁掛け小型小便器 ―― 40mm

正しい。壁掛け小型小便器のトラップ最小口径は40mmです。

⭕(3)汚物流し ―― 75mm

正しい。汚物流しのトラップ最小口径は75mmです。

⭕(4)大便器 ―― 75mm

正しい。大便器のトラップ最小口径は75mmです。

問20

分野:排水・通気設備重要度 ★★☆

排水・通気設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)通気管は、管内の水滴が自然流下によって排水管に流れるように勾配をとる。
(2)通気管を設ける主な目的は、トラップが破封しないようにすることである。
(3)排水槽に設ける通気管の最小管径は、50mmとする。
(4)ループ通気方式は、自己サイホン作用の防止に有効である。
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正解

(4)が誤り
📘 自己サイホンとループ通気とは?

自己サイホン作用は、その器具「自身」の排水が満流で流れて封水を吸い出す現象です。これを防ぐには、器具ごとに通気をとる各個通気が有効です。

ループ通気は複数の器具をまとめて通気する方式で、他の器具の排水による誘導(跳ね出し・吸い出し)を防ぐのに有効です。「ループ通気は自己サイホンの防止に有効」は組合せが違うので誤りです。

⭕(1)通気管は、管内の水滴が自然流下によって排水管に流れるように勾配をとる。

正しい。通気管は、内側についた水滴が排水管へ自然に流れ落ちるよう勾配をとります。

⭕(2)通気管を設ける主な目的は、トラップが破封しないようにすることである。

正しい。通気管の主な目的は、排水時の圧力変化からトラップの封水を守り、破封を防ぐことです。

⭕(3)排水槽に設ける通気管の最小管径は、50mmとする。

正しい。排水槽に設ける通気管の最小管径は50mmとします。

❌(4)ループ通気方式は、自己サイホン作用の防止に有効である。

これが誤り。ループ通気は、他の器具の排水による誘導サイホン作用の防止に有効です。自己サイホン作用の防止に有効なのは各個通気なので、組合せが誤りです。

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