この記事で分かること
令和5年度(後期)2級管工事施工管理技士「第一次検定」の問題No.21〜30を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.24〜28は必須問題、No.29〜38は選択問題です。正答は公式の正答肢で確認済みです。
問21
分野:消火設備重要度 ★★☆
屋内消火栓設備において、加圧送水装置の方式として、適当でないものはどれか。
(1)高架水槽による方式
(2)水道直結による方式
(3)圧力水槽による方式
(4)ポンプによる方式
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📘 加圧送水装置とは?
加圧送水装置は、屋内消火栓で放水するのに必要な圧力と水量を作り出す装置です。方式は①高架水槽②圧力水槽③ポンプの3つです。
「水道直結」は水道本管の圧力をそのまま使うもので、消火に必要な圧力を自分で作る加圧送水装置には含まれません。3方式をセットで覚えます。
⭕(1)高架水槽による方式
正しい。高架水槽方式は、高い所の水槽の落差で圧力をかける加圧送水装置の方式です。
❌(2)水道直結による方式
これが誤り。水道直結方式は水道の圧力をそのまま使う方式で、加圧送水装置ではありません。屋内消火栓の加圧送水装置には水道直結方式はないので誤りです。
⭕(3)圧力水槽による方式
正しい。圧力水槽方式は、密閉タンク内の空気の圧力で水を押し出す加圧送水装置の方式です。
⭕(4)ポンプによる方式
正しい。ポンプ方式は、ポンプで水を加圧して送る、最も一般的な加圧送水装置の方式です。
問22
分野:ガス設備重要度 ★★☆
ガス設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)液化石油ガス(LPG)は、調整器で燃焼に適した圧力に減圧する。
(2)液化天然ガス(LNG)は、液化する際に硫黄分やその他の不純物が除去されている。
(3)ガスの比重の大小は、ガス燃焼機器ノズルからのガス噴出量に影響しない。
(4)液化石油ガス(LPG)は、本来、無色無臭のガスである。
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📘 ガスの比重とノズルの噴出量とは?
ガス燃焼機器は、決まった穴(ノズル)からガスを噴き出して燃やします。同じ穴・同じ圧力でも、ガスの重さ(比重)が違うと出る量が変わります。
軽いガスは速く、重いガスはゆっくり出るためです。だからガスの種類(都市ガスかLPGか)に合ったノズルを使う必要があります。「比重は噴出量に影響する」が正しいです。
⭕(1)液化石油ガス(LPG)は、調整器で燃焼に適した圧力に減圧する。
正しい。LPGは、容器の高い圧力を調整器(レギュレーター)で燃焼に適した低い圧力に下げて使います。
⭕(2)液化天然ガス(LNG)は、液化する際に硫黄分やその他の不純物が除去されている。
正しい。LNGは液化する過程で、硫黄分などの不純物が取り除かれています。
❌(3)ガスの比重の大小は、ガス燃焼機器ノズルからのガス噴出量に影響しない。
これが誤り。ガスの比重(重さ)は、ノズルからのガス噴出量に影響します。比重が違えば同じ穴でも出る量が変わるので、「影響しない」は誤りです。
⭕(4)液化石油ガス(LPG)は、本来、無色無臭のガスである。
正しい。LPGは本来、無色無臭です。漏れに気づけるよう、においを付けて(付臭して)供給しています。
問23
分野:浄化槽重要度 ★★☆
JISに規定する建築物の用途別による屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準において、処理対象人員を算定する際、延べ面積によることが適当でないものはどれか。
(1)事務所
(2)集会場
(3)公衆便所
(4)共同住宅
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📘 処理対象人員の算定基準とは?
浄化槽の大きさは、その建物を何人が使うか(処理対象人員)で決めます。JISでは建物の用途ごとに算定のしかたが決められています。
多くの建物は延べ面積で算定しますが、公衆便所などは、使う人の数と結びつく便器の数で算定します。用途で計算の根拠が変わる点に注意します。
⭕(1)事務所
延べ面積で算定します。事務所は、建物の延べ面積をもとに使う人数を見積もります。
⭕(2)集会場
延べ面積で算定します。集会場も、延べ面積をもとに処理対象人員を求めます。
❌(3)公衆便所
これが延べ面積では算定しません。公衆便所は、延べ面積ではなく総便器数をもとに処理対象人員を算定します。だから延べ面積で算定するのは不適当です。
⭕(4)共同住宅
延べ面積で算定します。共同住宅は、延べ面積(または戸数)をもとに人数を見積もります。
問24
分野:衛生機器(給水タンク)重要度 ★★☆
飲料用給水タンクに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)FRP製パネルタンクには、FRPを表面材とし合成樹脂発泡体を心材としたサンドイッチ構造のものがある。
(2)ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部に塩素が滞留しやすいため耐食性に優れたステンレスを使用する。
(3)鋼製タンク内面は、防食処理として一定の膜厚を形成したエポキシ樹脂等の樹脂系塗料を施す。
(4)給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らないように、トラップを設ける。
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📘 給水タンクのオーバーフロー管とは?
オーバーフロー管は、タンクが満水をこえたとき、あふれた水を外へ逃がす管です。飲み水のタンクなので、汚れや虫の侵入を防ぐ工夫が必要です。
先端に防虫網を付け、排水口とすき間をあけた間接排水にします。トラップ(封水)は設けません。封水がたまると腐って汚染源になるためです。
⭕(1)FRP製パネルタンクには、FRPを表面材とし合成樹脂発泡体を心材としたサンドイッチ構造のものがある。
正しい。FRP製パネルタンクには、FRPの間に発泡材をはさんだサンドイッチ構造(断熱性が高い)のものがあります。
⭕(2)ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部に塩素が滞留しやすいため耐食性に優れたステンレスを使用する。
正しい。タンク上部の空気の部分は塩素がたまりやすくさびやすいので、耐食性の高いステンレスを使います。
⭕(3)鋼製タンク内面は、防食処理として一定の膜厚を形成したエポキシ樹脂等の樹脂系塗料を施す。
正しい。鋼製タンクの内面は、さびを防ぐためエポキシ樹脂などの塗料を一定の厚さで塗ります。
❌(4)給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らないように、トラップを設ける。
これが誤り。オーバーフロー管にはトラップを設けません。管の先に防虫網を付け、間接排水にして虫の侵入を防ぎます。トラップを設けると封水が汚染源になり誤りです。
問25
分野:保温材重要度 ★★☆
保温材に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)JIS規格では、ホルムアルデヒド放散量に応じた等級区分が示されている。
(2)グラスウール保温材は、ポリスチレンフォーム保温材に比べて、高温域で使用できる。
(3)ロックウール保温材は、耐火性に優れ、配管等の防火区画の貫通部等に使用される。
(4)ポリスチレンフォーム保温材は、人造鉱物繊維保温材である。
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📘 保温材の種類とは?
保温材は大きく、ガラスや岩を繊維にした人造鉱物繊維系(グラスウール・ロックウール)と、プラスチックを発泡させた発泡プラスチック系(ポリスチレンフォーム等)に分かれます。
繊維系は熱に強く高温向き、発泡プラスチック系は水を通しにくく低温(冷水管)向きです。「ポリスチレンフォームは発泡プラスチック系」と正しく覚えます。
⭕(1)JIS規格では、ホルムアルデヒド放散量に応じた等級区分が示されている。
正しい。JIS規格では、保温材からのホルムアルデヒドの放散量に応じた等級区分が定められています。
⭕(2)グラスウール保温材は、ポリスチレンフォーム保温材に比べて、高温域で使用できる。
正しい。グラスウールは熱に強く、プラスチック系のポリスチレンフォームより高い温度で使えます。
⭕(3)ロックウール保温材は、耐火性に優れ、配管等の防火区画の貫通部等に使用される。
正しい。ロックウール(岩綿)は耐火性に優れ、防火区画の貫通部などに使われます。
❌(4)ポリスチレンフォーム保温材は、人造鉱物繊維保温材である。
これが誤り。ポリスチレンフォームは発泡プラスチック系の保温材です。人造鉱物繊維(グラスウールやロックウール)ではないので誤りです。
問26
分野:配管材料・附属品重要度 ★★☆
配管材料及び配管附属品に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)Y形ストレーナーは、円筒形のスクリーンを流路に対して45度傾けた構造で、横引きの配管では、上部にスクリーンを引き抜く。
(2)銅管は、肉厚によりK、L及びMタイプに分類される。
(3)弁を中間開度にして流量調整を行う場合には、玉形弁とバタフライ弁は適しているが、ボール弁と仕切弁は適していない。
(4)水道用硬質ポリ塩化ビニル管の種類には、VPとHIVPがある。
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📘 Y形ストレーナーとは?
ストレーナーは、配管の中のゴミを網(スクリーン)で受け止める器具です。Y形は、スクリーン部分がYの字のように斜めに突き出た形をしています。
横引き配管では、ゴミがたまるスクリーン部を下向き(斜め下)に付け、掃除のときは下側から引き抜きます。上向きだとゴミが本流に戻ってしまい不適当です。
❌(1)Y形ストレーナーは、円筒形のスクリーンを流路に対して45度傾けた構造で、横引きの配管では、上部にスクリーンを引き抜く。
これが誤り。Y形ストレーナーは、横引き配管では下側(斜め下)にスクリーンを引き抜きます。ゴミがたまる部分を下向きにするためで、「上部に引き抜く」は誤りです。
⭕(2)銅管は、肉厚によりK、L及びMタイプに分類される。
正しい。銅管は肉厚(管の厚さ)によりK・L・Mタイプに分類されます(Kが最も厚い)。
⭕(3)弁を中間開度にして流量調整を行う場合には、玉形弁とバタフライ弁は適しているが、ボール弁と仕切弁は適していない。
正しい。中間開度の流量調整には玉形弁やバタフライ弁が向き、ボール弁や仕切弁は全開・全閉向きで不向きです。
⭕(4)水道用硬質ポリ塩化ビニル管の種類には、VPとHIVPがある。
正しい。水道用硬質ポリ塩化ビニル管には、標準のVPと耐衝撃性のHIVPがあります。
問27
分野:ダクト・附属品重要度 ★★☆
ダクトに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)エルボの内側半径は、円形ダクトではダクトの直径の1/2以上とする。
(2)ダクトの断面を拡大や縮小する場合、拡大角度及び縮小角度ともに45度以内とする。
(3)案内羽根(ガイドベーン)は、直角エルボ等に設け、圧力損失を低減する。
(4)共板フランジ用ガスケットは、弾力性のあるものを使用する。
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📘 ダクトの拡大・縮小の角度とは?
ダクトの断面を広げる(拡大)・狭める(縮小)とき、急な角度にすると空気の流れが乱れて抵抗(圧力損失)が大きくなります。
そのため拡大部は15度以内、縮小部は30度以内のゆるやかな角度にします。「広げる方が乱れやすいので、より小さい角度(15度)」と覚えます。「ともに45度」は大きすぎです。
⭕(1)エルボの内側半径は、円形ダクトではダクトの直径の1/2以上とする。
正しい。円形ダクトのエルボ(曲がり)の内側半径は、直径の1/2以上として、流れの乱れを抑えます。
❌(2)ダクトの断面を拡大や縮小する場合、拡大角度及び縮小角度ともに45度以内とする。
これが誤り。ダクト断面の変化は、拡大は15度以内、縮小は30度以内とします。急に変えると流れが乱れて損失が増えるためで、「ともに45度以内」は誤りです。
⭕(3)案内羽根(ガイドベーン)は、直角エルボ等に設け、圧力損失を低減する。
正しい。案内羽根(ガイドベーン)は、直角エルボなどに設けて気流を整え、圧力損失を減らします。
⭕(4)共板フランジ用ガスケットは、弾力性のあるものを使用する。
正しい。共板フランジ用ガスケット(パッキン)は、すき間をふさげるよう弾力性のあるものを使います。
問28
分野:設備機器と設計図書重要度 ★★☆
設備機器と設計図書に記載する項目の組合せのうち、適当でないものはどれか。
(1)全熱交換器 ── 全熱交換効率
(2)揚水ポンプ ── 呼び番号
(3)ユニット形空気調和機 ── 有効加湿量
(4)冷却塔 ── 騒音値
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📘 送風機の呼び番号とは?
呼び番号(No.)は、送風機の羽根車の大きさを表す番号です。番号が大きいほど羽根車が大きく、風量が多い送風機です。
これは送風機の項目なので、揚水ポンプの設計図書には書きません。ポンプは口径・揚程・水量などで表します。機器と項目の組合せに注意します。
⭕(1)全熱交換器 ── 全熱交換効率
正しい。全熱交換器の性能を表す「全熱交換効率」は、設計図書に記載します。
❌(2)揚水ポンプ ── 呼び番号
これが誤り。「呼び番号(No.)」は送風機の大きさを表す項目です。揚水ポンプの項目は口径・揚程・水量などで、「呼び番号」は当てはまらず誤りです。
⭕(3)ユニット形空気調和機 ── 有効加湿量
正しい。ユニット形空調機は、加湿の能力を表す「有効加湿量」を記載します。
⭕(4)冷却塔 ── 騒音値
正しい。冷却塔は、騒音が問題になりやすいので「騒音値」を記載します。
問29
分野:施工管理(施工計画)重要度 ★★☆
公共工事の施工計画等に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)工事に使用する資機材は、石綿を含有しないものとする。
(2)仮設計画は、設計図書に特別の定めがない場合、原則として受注者の責任において定める。
(3)工事写真は、後日の目視検査が容易でない箇所のほか、設計図書で定められている箇所についても撮影しなければならない。
(4)現場説明書と質問回答書の内容に相違がある場合は、現場説明書の内容が優先される。
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📘 設計図書の優先順位とは?
設計図書には図面や仕様書、現場説明書、質問回答書などがあり、内容が食いちがうことがあります。そのときは決められた優先順位で判断します。
一般に「質問回答書>現場説明書>特記仕様書>図面>標準仕様書」の順で、あとから出た・その工事専用に近いものほど優先されます。質問回答書がいちばん優先です。
⭕(1)工事に使用する資機材は、石綿を含有しないものとする。
正しい。石綿(アスベスト)は健康被害があるので、含有しない資機材を使います。
⭕(2)仮設計画は、設計図書に特別の定めがない場合、原則として受注者の責任において定める。
正しい。仮設計画は、設計図書に特別の定めがなければ、原則として受注者(施工者)の責任で決めます。
⭕(3)工事写真は、後日の目視検査が容易でない箇所のほか、設計図書で定められている箇所についても撮影しなければならない。
正しい。あとで見えなくなる箇所や、設計図書で指定された箇所は、工事写真を撮っておきます。
❌(4)現場説明書と質問回答書の内容に相違がある場合は、現場説明書の内容が優先される。
これが誤り。現場説明書と質問回答書が食いちがうときは、質問回答書の内容が優先されます(あとから出た回答が優先)。「現場説明書が優先」は逆で誤りです。
問30
分野:ネットワーク工程表重要度 ★★★
下図に示すネットワーク工程表に関する記述のうち、適当でないものはどれか。ただし、図中のイベント間のA〜Hは作業内容、日数は作業日数を表す。
(1)作業Hは、作業D及び作業Fが完了しないと開始できない。
(2)クリティカルパスは1本で、その所要日数は15日である。
(3)作業Dの作業日数を2日に短縮しても、全体の所要日数は変わらない。
(4)作業Gは、作業Fよりも2日遅く着手することができる。
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📘 クリティカルパスの所要日数とは?
クリティカルパスは、作業の開始から完了まででいちばん時間がかかる経路(最長ルート)で、その日数がそのまま全体の工期になります。
この図では①→②→③→④→⑤→⑥→⑦が最長で、5+3+2+3+3=16日です。「15日」ではありません。日数を1つずつ足して求めます。
⭕(1)作業Hは、作業D及び作業Fが完了しないと開始できない。
正しい。作業Hはイベント⑥から始まります。⑥にはD(②→⑥)とF(⑤→⑥)が集まるので、DとFの両方が終わらないとHは始められません。
❌(2)クリティカルパスは1本で、その所要日数は15日である。
これが誤り。最長ルート(①→②→③→④→⑤→⑥→⑦=B5+ダミー0+C3+E2+F3+H3)は16日です。「15日」は誤りで、クリティカルパスは1本16日です。
⭕(3)作業Dの作業日数を2日に短縮しても、全体の所要日数は変わらない。
正しい。作業D(②→⑥)はクリティカルパス上にありません。2日に短縮しても⑥に着く日は変わらず、全体の16日も変わりません。
⭕(4)作業Gは、作業Fよりも2日遅く着手することができる。
正しい。作業G(⑤→⑦)には2日の余裕(フロート)があります。よってF(⑤→⑥・余裕なし)より2日遅く着手できます。
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