この記事で分かること
令和8年度(前期)2級管工事施工管理技士「第一次検定」の問題No.1〜10を、選択肢ごとに⭕❌でやさしく解説します。No.1〜6は必須問題(全問解答)、No.7〜23は選択問題(9問を選んで解答)です。正答は公式の正答肢で確認済みです。
問1
分野:一般基礎(環境工学)重要度 ★★☆
光化学スモッグの発生要因となるものとして、適当なものはどれか。
(1)一酸化炭素
(2)二酸化炭素
(3)窒素酸化物
(4)水蒸気
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📘 光化学スモッグとは?
工場や自動車から出る窒素酸化物(NOx)や炭化水素が、太陽の紫外線を浴びて化学反応を起こし、空気中にできるモヤ(オキシダント)のことです。
夏の日差しの強い日に発生しやすく、目やのどを刺激します。ポイントは「太陽の光がスイッチになる」こと。だから“光化学”スモッグと呼びます。
❌(1)一酸化炭素
一酸化炭素は、燃料の不完全燃焼で発生する有毒ガスです。CO中毒の原因にはなりますが、光化学スモッグの発生要因ではありません。
❌(2)二酸化炭素
二酸化炭素は、地球温暖化の原因になる温室効果ガスです。スモッグの発生要因ではありません。
⭕(3)窒素酸化物
正しい選択肢です。光化学スモッグの主役は窒素酸化物(NOx)。
自動車や工場から出た窒素酸化物や炭化水素が、夏の強い紫外線を受けて光化学反応を起こし、「光化学オキシダント」という刺激の強い物質に変わります。これがモヤのように立ちこめたものが光化学スモッグです。晴れて風の弱い夏の日中に発生しやすい、とセットで覚えましょう。
❌(4)水蒸気
水蒸気は空気中にふつうに含まれる水分で、光化学スモッグとは関係ありません。
問2
分野:一般基礎(流体工学)重要度 ★★☆
水平な円管の直管部を流れる流体について、次の「流体の密度」と「流速」の組合せのうち動圧が最も大きくなるものとして、適当なものはどれか。
(1)密度 1.1kg/m³ ・ 流速 1.4m/s
(2)密度 1.2kg/m³ ・ 流速 1.3m/s
(3)密度 1.3kg/m³ ・ 流速 1.2m/s
(4)密度 1.4kg/m³ ・ 流速 1.1m/s
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📘 動圧とは?
動いている空気や水がもつ、勢い(速さ)による圧力のこと。式は 動圧=½×密度ρ×速度v² です。
大事なのは速度vが2乗で効くこと。速さが2倍になると動圧は4倍になります。だから同じ流体でも“速い方”が動圧は大きくなります。
⭕(1)密度 1.1kg/m³ ・ 流速 1.4m/s
正しい選択肢です。動圧は「1/2 × 密度 × 流速の2乗」で求めます。
流速は2乗で効くので、密度よりも流速の大きさが勝負になります。計算すると 0.5×1.1×1.4²≒1.08 で、4つの中で最大です。
❌(2)密度 1.2kg/m³ ・ 流速 1.3m/s
0.5×1.2×1.3²≒1.01 です。(1)より小さくなります。
❌(3)密度 1.3kg/m³ ・ 流速 1.2m/s
0.5×1.3×1.2²≒0.94 です。密度が大きくても、流速が小さいぶん動圧は小さくなります。
❌(4)密度 1.4kg/m³ ・ 流速 1.1m/s
0.5×1.4×1.1²≒0.85 で、実は4つの中で最小です。「密度が一番大きいから動圧も大きいはず」と思わせる引っかけです。流速の2乗が効くことを思い出しましょう。
問3
分野:一般基礎(湿り空気)重要度 ★★★
湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。ただし、湿り空気の全圧力は一定とする。
(1)空気中に含むことのできる水蒸気量は、乾球温度が高くなると多くなる。
(2)飽和湿り空気は、その乾球温度では、それ以上水蒸気を含むことができない。
(3)相対湿度が同じ場合、絶対湿度の低い湿り空気のほうが露点温度が高い。
(4)飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
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📘 絶対湿度・露点温度とは?
絶対湿度は「空気1kgの中に水蒸気が何g入っているか」という量。露点温度は「空気を冷やしたとき、水滴(結露)ができ始める温度」です。
水蒸気が少ない(絶対湿度が低い)空気ほど、なかなか結露しないので露点温度も低くなります。冬のかわいた空気ほど窓が曇りにくいのと同じです。
⭕(1)空気中に含むことのできる水蒸気量は、乾球温度が高くなると多くなる。
正しい記述です。空気は温度が高いほど、たくさんの水蒸気を含むことができます。夏の空気がジメジメするのはこのためです。
⭕(2)飽和湿り空気は、その乾球温度では、それ以上水蒸気を含むことができない。
正しい記述です。「飽和」とは、水蒸気を限界まで含んだ状態のことです。それ以上は含めず、あふれた分は結露します。
❌(3)相対湿度が同じ場合、絶対湿度の低い湿り空気のほうが露点温度が高い。
「露点温度が高い」が誤りです。正しくは低くなります。
露点温度とは、空気を冷やしていったときに結露が始まる温度のこと。含んでいる水蒸気の量(絶対湿度)が少ないほど、うんと冷やさないと結露しないので、絶対湿度が低い=露点温度は低いという関係です。
⭕(4)飽和湿り空気の乾球温度と湿球温度は等しい。
正しい記述です。飽和状態では水分がこれ以上蒸発できないため、湿球の温度が下がらず、乾球温度と湿球温度が等しくなります。
問4
分野:一般基礎(環境工学)重要度 ★★☆
次のうち、室内環境に関係のないものはどれか。
(1)予想平均申告(PMV)
(2)化学的酸素要求量(COD)
(3)不快指数
(4)ホルムアルデヒドの量
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📘 COD(化学的酸素要求量)とは?
水のよごれ具合をあらわす指標のひとつ。水の中のよごれ(有機物)を薬品で酸化・分解するのに必要な酸素の量で表します。
数字が大きいほどよごれた水。似た指標のBODが微生物で測るのに対し、CODは薬品で測るのが違いです。
どちらも“水質”の指標で、空気とは関係ありません。
⭕(1)予想平均申告(PMV)
室内環境に関係あります。PMVは「暑い・寒い」の感じ方を数値化した温熱環境の快適性指標です。
❌(2)化学的酸素要求量(COD)
これが答え。CODは「水の汚れ」の指標で、工場排水や河川などの水質汚濁を表します。室内環境(空気)とは関係ありません。
「酸素要求量」という言葉から空気の話に見せる引っかけです。
⭕(3)不快指数
室内環境に関係あります。不快指数は温度と湿度から求める「蒸し暑さ」の指標です。
⭕(4)ホルムアルデヒドの量
室内環境に関係あります。ホルムアルデヒドは建材などから出る化学物質で、シックハウス症候群の原因として管理基準が定められています。
問5
分野:電気設備重要度 ★★☆
電気設備工事に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)キュービクルは、受変電機器等を金属製の箱に収めたものである。
(2)ケーブルラックは、はしご形やトレー形等のケーブル支持材である。
(3)レースウェイは、一般的に、倉庫や機械室等で照明器具の取付けと配線等に使用する。
(4)ヒューズは、溶断したものでも繰り返し使用できる。
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📘 ヒューズとは?
電気が流れすぎたとき、中の金属が熱で溶けて回路を切り、火災や機器のこわれを防ぐ安全部品です。
大事なのは「一度切れたヒューズは元に戻らない」こと。溶けてしまうので、切れたら新しいものに交換します(再使用はできません)。
⭕(1)キュービクルは、受変電機器等を金属製の箱に収めたものである。
正しい記述です。キュービクル(キュービクル式高圧受電設備)は、変圧器などの受変電機器をコンパクトな金属箱に収めた設備です。
⭕(2)ケーブルラックは、はしご形やトレー形等のケーブル支持材である。
正しい記述です。ケーブルラックは、多数のケーブルを支えて敷設するための「はしご」や「トレー(お盆)」の形をした支持材です。
⭕(3)レースウェイは、一般的に、倉庫や機械室等で照明器具の取付けと配線等に使用する。
正しい記述です。レースウェイは細長い金属ダクトで、照明器具の取付けと配線を兼ねられるため、天井のない倉庫や機械室などで使われます。
❌(4)ヒューズは、溶断したものでも繰り返し使用できる。
「繰り返し使用できる」が誤りです。ヒューズは一度溶断(溶けて切れる)したら使い捨てで、新品との交換が必要です。
繰り返し使えるのは配線用遮断器(ブレーカー)のほう。この違いは定番の引っかけです。
問6
分野:建築工事重要度 ★★★
鉄筋コンクリート造に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)水セメント比が大きくなると、コンクリートの圧縮強度は高くなる。
(2)鉄筋は、異形棒鋼のほうが丸鋼よりもコンクリートに対する付着性がよい。
(3)コンクリートの打設後、硬化中のコンクリートには、振動及び外力を加えないようにする。
(4)コンクリートは、打設後、所定の強度を発揮するまで、十分に湿潤状態を保つ。
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📘 水セメント比(W/C)とは?
コンクリートを作るときの「水の重さ ÷ セメントの重さ」の割合(%)です。
水が多い(W/Cが大きい)ほど、固まったあとにすき間が増えて弱く(強度が低く)なります。
ジュースを水でうすめすぎると味がうすくなるのと同じイメージです。
❌(1)水セメント比が大きくなると、コンクリートの圧縮強度は高くなる。
「高くなる」が誤りです。水セメント比(水÷セメントの割合)が大きい=水が多い薄いコンクリートなので、圧縮強度は低くなります。
カルピスを水で薄めるイメージです。水セメント比が小さいほど強度は高い、と逆で覚えましょう。
⭕(2)鉄筋は、異形棒鋼のほうが丸鋼よりもコンクリートに対する付着性がよい。
正しい記述です。異形棒鋼は表面にリブや節と呼ばれる凸凹があり、ツルツルの丸鋼よりコンクリートにしっかり食いつきます(付着性がよい)。
⭕(3)コンクリートの打設後、硬化中のコンクリートには、振動及び外力を加えないようにする。
正しい記述です。固まりかけのコンクリートに振動や力を加えると、ひび割れや強度低下の原因になります。
⭕(4)コンクリートは、打設後、所定の強度を発揮するまで、十分に湿潤状態を保つ。
正しい記述です。コンクリートは水とセメントの化学反応(水和反応)で固まるため、乾かさずに湿った状態を保つ「湿潤養生」が大切です。
問7
分野:空調設備(空調方式)重要度 ★★★
空気調和方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、空調対象室毎の温度調整が可能である。
(2)定風量単一ダクト方式は、ファンコイルユニット・ダクト併用方式に比べて、空気調和機の送風量が小さくなる。
(3)ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、一般的に、空調対象室内にファンコイルユニットが設置されるため、ファンコイルユニット及び水配管からの水損リスクがある。
(4)定風量単一ダクト方式は、空気調和機で処理した空気をダクトにより、一定の風量で空調対象室内に送風する。
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📘 CAV(定風量方式)とは?
送る空気の量をいつも一定に保つ空調のやり方(Constant Air Volume)。部屋の温度に合わせて“空気の温度”を変えて調整します。
風量を変えるVAVや、各部屋に置くFCU(ファンコイル)とくらべて、送風量が多めになりやすいのが特徴です。
⭕(1)ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、空調対象室毎の温度調整が可能である。
正しい記述です。ファンコイルユニット(FCU)は部屋ごとに設置され、個別に発停・温度調整ができます。
❌(2)定風量単一ダクト方式は、ファンコイルユニット・ダクト併用方式に比べて、空気調和機の送風量が小さくなる。
「小さくなる」が誤りです。正しくは大きくなります。
定風量単一ダクト方式は、部屋の熱負荷をすべてダクトの空気だけで処理するため、送風量が大きくなります。FCU併用方式は、熱負荷の一部をFCU(水)が受け持つぶん、ダクトの送風量を小さくできる方式です。
⭕(3)ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、一般的に、空調対象室内にファンコイルユニットが設置されるため、ファンコイルユニット及び水配管からの水損リスクがある。
正しい記述です。FCUには冷温水の配管がつながっているため、室内での水漏れ(水損)リスクがあります。
⭕(4)定風量単一ダクト方式は、空気調和機で処理した空気をダクトにより、一定の風量で空調対象室内に送風する。
正しい記述です。「定風量(CAV)」の名前のとおり、常に一定の風量で送風する方式です。
問8
分野:空調設備(湿り空気線図)重要度 ★★★
下図に示す定風量単一ダクト方式における湿り空気線図に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)図は、暖房時の状態変化を示したものである。
(2)室内空気の状態点は、①である。
(3)導入外気の状態点は、②である。
(4)空気調和機出口空気の状態点は、③である。
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📘 湿り空気線図とは?
空気の温度・湿度・水蒸気量などの関係を1枚にまとめたグラフ。乾球温度・湿球温度・絶対湿度・相対湿度などが読み取れます。
「今の空気がどんな状態か」「冷やす/加湿するとどう変わるか」を図の上でたどれます。空調計算の“地図”のような存在です。
⭕(1)図は、暖房時の状態変化を示したものである。
正しい記述です。図は左下の外気②を取り込み、温度を上げて(右へ)、水分を加えて(上へ)いるので、暖房時(冬)の状態変化です。
⭕(2)室内空気の状態点は、①である。
正しい記述です。①は室内空気(還気)の状態点です。
⭕(3)導入外気の状態点は、②である。
正しい記述です。②は左下(低温・低湿)にあるので、冬の導入外気の状態点です。
❌(4)空気調和機出口空気の状態点は、③である。
「③が空気調和機出口」が誤りです。③は、室内空気①と外気②を混合した「混合空気」の状態点です。
空気の流れは、①と②を混合→③、③から加熱コイルで温度を上げて→④、④から加湿器で水分を加えて→⑤。この⑤が空気調和機出口(吹出空気)の状態点で、⑤の空気が室内で熱を放って①に戻ります。
問9
分野:空調設備(熱負荷)重要度 ★★★
冷房時の熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)外壁からの熱負荷は、太陽日射の影響も考慮する。
(2)OA機器による熱負荷は、顕熱である。
(3)構造体の空気層は、熱通過率に影響を与えない。
(4)窓ガラス面からの熱負荷は、ブラインドの有無を考慮する。
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📘 熱通過率(K値)とは?
壁などをはさんで、暖かい側から冷たい側へ熱がどれだけ伝わりやすいかを示す数値。K値が大きいほど熱が逃げやすい(=断熱性が低い)です。
壁の中に空気の層があると、空気は熱を伝えにくいので熱通過率は小さくなり断熱性が上がります。だから空気層は熱の伝わりに影響します。
⭕(1)外壁からの熱負荷は、太陽日射の影響も考慮する。
正しい記述です。外壁は日射で熱くなるため、外気温だけでなく日射の影響も含めて(実効温度差を使って)計算します。
⭕(2)OA機器による熱負荷は、顕熱である。
正しい記述です。パソコンなどのOA機器は熱だけを出し、水蒸気は出しません。温度を上げる熱=顕熱のみです。
(人体のように汗=水蒸気を出すものは、顕熱+潜熱になります)
❌(3)構造体の空気層は、熱通過率に影響を与えない。
「影響を与えない」が誤りです。壁の中の空気層は断熱材のような働きをして、熱の伝わりにくさを大きく変えます。
つまり熱通過率に影響を与えます。ペアガラス(中に空気層がある窓)が断熱に効くのと同じ理屈です。
⭕(4)窓ガラス面からの熱負荷は、ブラインドの有無を考慮する。
正しい記述です。ブラインドがあると日射の侵入が減るため、その有無で窓面の熱負荷は変わります。
問10
分野:空調設備(自動制御)重要度 ★★☆
定風量単一ダクト方式のユニット形空気調和機を制御するために必要な自動制御機器のうち、関係のないものはどれか。
(1)電動三方弁
(2)フロートスイッチ
(3)温度調節器
(4)湿度調節器
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📘 フロートスイッチとは?
水そうやタンクの水位(水の高さ)を、浮き(フロート)の上下で感知して、ポンプなどをON/OFFする部品です。
水位を見張るのが仕事なので、空気の温度を一定にするCAV空調機の制御とは関係がありません。
⭕(1)電動三方弁
関係あります。電動三方弁は、コイルに流す冷温水の量を調整して、吹出温度をコントロールする弁です。
❌(2)フロートスイッチ
これが答え。フロートスイッチは「水槽の水位」を検知するスイッチで、受水槽の揚水ポンプの発停など、給排水設備で使う機器です。空気調和機の温度・湿度制御とは関係ありません。
⭕(3)温度調節器
関係あります。温度調節器(サーモスタット)は室温や還気温度を検知し、三方弁などに指令を出します。
⭕(4)湿度調節器
関係あります。湿度調節器(ヒューミディスタット)は湿度を検知し、加湿器の発停などを制御します。
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