受水槽と高置水槽の容量は、1日に使う水の量から割合で決めます。まず覚える数字は受水槽が約2分の1、高置水槽が約10分の1の2つです。この記事では、なぜその割合になるのかも含めて、給水設備を知らない状態から順に説明します。

まず1日使用水量を出す

受水槽と高置水槽を使った給水方式で、1日使用水量から各槽の容量を決める流れを示した図
1日に使う量が決まれば、あとは割合を掛けるだけです。

例1日使用水量の出し方

1日使用水量 = 使う人の数 × 1人1日あたりの使用水量

・事務所ビル……1人あたりおよそ60〜100L/日

・集合住宅……1人あたりおよそ200〜350L/日

・学校……1人あたりおよそ70〜100L/日

建物の種類で1人あたりの量が大きく変わります。住んでいる建物は多く、日中だけいる建物は少ないと考えると、だいたいの大小関係は覚えなくても判断できます。

受水槽はおよそ2分の1

用語受水槽とは?

水道本管(道路の下を通る水道の太い管)から引いた水をいったんためておくタンク。容量は1日使用水量のおよそ4〜6割(目安は2分の1)で決めます。

💡 なぜ?
本管が断水してもしばらく水を出し続けられるようにするため。同時に、大量の水を一度に引いて周りの水圧を下げないためでもあります。

注意注意

受水槽は大きければよいわけではありません。容量が大きすぎると水が入れ替わるまでの時間が長くなり、残留塩素(水道水に残っている消毒の成分)が減って水質が悪くなります。「安全のために余裕をもって大きく」という選択肢は誤りです。

高置水槽はおよそ10分の1

用語高置水槽とは?

屋上などに置き、高さの差で各階に水を送るタンク。容量は1日使用水量のおよそ10分の1が目安です。

💡 なぜ?
ここは一時的なピークを吸収するだけの役目だから。長くためる役目は受水槽が持っているので、小さくて足ります。

別の決め方として、時間最大予想給水量(最も水を使う時間帯の一時間あたりの量)のおよそ0.5〜1倍とする考え方もあります。どちらもいちばん水を使う時間帯を乗り切れる量という意味では同じです。

なぜ?受水槽と高置水槽で、なぜここまで大きさが違うのですか。

役目が違うからです。受水槽は断水に備える貯金、高置水槽はその日の山をならす財布にあたります。財布に何日ぶんも入れておく必要はない、と考えると差が腑に落ちます。

水槽まわりで問われる寸法

覚える受水槽の設置でよく出る決まり

・周囲と上下に点検のための空間をとる(六面点検)

・底・壁は60cm以上、上部は100cm以上あけるのが目安

・オーバーフロー管(あふれた水を逃がす管)と水抜き管は排水口に直接つながない(排水口空間=管の先と排水口の間のすき間をとる)

・給水管の先端とあふれ縁(水があふれ出る縁)の間に吐水口空間(逆流を防ぐすき間)をとる

覚える覚え方

六面点検は「箱のまわり全部を見られるようにする」という意味です。水をためる場所なので、外から汚れが入らないか、ひびが入っていないかをいつでも確かめられる形にしておく、という発想で覚えると数字も定着します。

試験ではこう出る

よくある選択肢 判断
受水槽の容量は1日使用水量の2分の1程度とする 正しい
高置水槽の容量は1日使用水量の2分の1程度とする 誤り。10分の1程度
受水槽は大きいほど水質の面で有利である 誤り。滞留して残留塩素が減る
受水槽の上部は100cm以上の点検空間をとる 正しい
オーバーフロー管は排水管に直接接続する 誤り。排水口空間をとる

よくある質問

Q. 吐水口空間と排水口空間は何が違うのですか。

A. 吐水口空間は給水管の先とあふれ縁のすき間、排水口空間は水槽から出る管と排水管のすき間です。どちらも汚れた水が逆に入ってこないようにするためのすき間です。

Q. 高置水槽方式は今でも使われますか。

A. 減ってはいますが残っています。停電しても、たまっている水は出せるのが利点です。代わりに屋上の重さと水質管理の手間がかかるため、新しい建物ではポンプで直接送る方式も多く選ばれます。

Q. 1日使用水量の数字を全部覚えるのですか。

A. 覚えるのは大小関係だけで足ります。住宅が多く、事務所や学校は少ない。具体的な数値は、問題文に書かれていることが多いでしょう。

まとめまとめ

・1日使用水量 = 人数 × 1人1日使用水量から始める

・受水槽はおよそ2分の1(4〜6割)

・高置水槽はおよそ10分の1。時間最大予想給水量の0.5〜1倍でもよい

・受水槽は大きすぎると水質が落ちる。六面点検の空間も忘れない