ダクトの太さの決め方|等圧法と等速法のちがい【管工事施工管理技士】
ダクトの太さを決める方法で試験によく出るのは、2つです。等圧法と等速法です。名前のとおり、何をそろえるかが違うだけなので、そこをつかめば、選択肢の正誤の多くを判断できます。
そろえるものが違うだけ

| 等圧法(定圧法) | 等速法 | |
|---|---|---|
| そろえるもの | 1mあたりの圧力損失(流れるうちに失う押す力) | ダクト内の風速 |
| 使われる場面 | 一般的な空調ダクト | 粉じんを運ぶ搬送ダクト |
| 手間 | 比較的簡単 | 区間ごとに計算が要る |
用語等圧法とは?
ダクト1mあたりの圧力損失を一定に保つように、区間ごとの寸法を決めていく方法。
💡 なぜ?
1mあたりの圧力損失を決めておけば、線図や表から寸法を順に読み取れて設計が簡単だから。空調ダクトでいちばんよく使われます。なお、送風機に近い吹出口(部屋に空気を出す口)ほど圧力が余りやすいので、ダンパーで風量を調整します。
寸法は、1mあたり1Pa前後の圧力損失になるものを選ぶのが目安です。この値を決めたら、あとは各区間の風量に合わせて線図(寸法を読み取るためのグラフ)や表から寸法を読み取るだけになります。
等速法はなぜ粉じん向きなのか
なぜ?粉を運ぶときに、速さをそろえる必要があるのはなぜですか。
速さが落ちると、粉が途中で落ちて積もるからです。ダクトの中に粉がたまると、詰まりや火災の原因になります。だから太さが変わってもどの区間でも同じ速さを保つように寸法を決めます。
注意注意
等速法は、すべての区間で風速が同じという点が特徴です。「等速法では風量が一定になる」という選択肢は誤りです。そろうのは速さであって、量ではありません。
風速を上げすぎてはいけない理由
太さを細くすれば材料費は減りますが、そのぶん風速vが上がります。ダクトの圧力損失は風速の2乗で効くので、細くしすぎると送風機の動力と騒音が一気に増えます。
例風速を上げるとどうなるか
・圧力損失が増える……風速の2乗に比例。2倍にすると約4倍
・騒音が増える……風切り音は風速が上がるほど大きくなる
・動力が増える……送風機の軸動力が上がり、電気代に直結する
・材料費は減る……ダクトが細くなるぶんだけ安くなる
覚える覚え方
「細くすると、材料は安く、電気は高い」。初期費用と運転費用のどちらを取るかの話だと理解しておくと、「低速ダクトは静かだが場所を取る」といった選択肢もそのまま読めます。
低速ダクトと高速ダクト
| 低速ダクト | 高速ダクト | |
|---|---|---|
| 風速の目安 | おおむね15m/s以下 | 15m/sを超える |
| 断面 | 大きい | 小さい |
| 騒音 | 小さい | 大きいので消音装置が要る |
| 主な用途 | 一般の事務所・住宅 | スペースの取れない高層建築など |
例現場の使いどころ
高速ダクトは断面が小さいので天井裏のふところ(天井板の上のすき間)が浅くても通せます。その代わり吹出口の手前で圧力を落とす装置が必要になり、設備は複雑になりがちです。場所とコストのどちらを優先するかで選ばれます。
試験ではこう出る
| よくある選択肢 | 判断 |
|---|---|
| 等圧法は単位長さあたりの圧力損失を一定とする方法である | 正しい |
| 等速法はダクト内の風量を一定とする方法である | 誤り。一定にするのは風速 |
| 粉じんを含む空気の搬送には等速法が適する | 正しい |
| ダクトの圧力損失は風速に比例する | 誤り。風速の2乗に比例する |
| 高速ダクトは低速ダクトより断面が大きくなる | 誤り。小さくなる |
よくある質問
Q. 等圧法と定圧法は別のものですか。
A. 同じものです。等圧法・定圧法・等摩擦損失法はすべて同じ方法を指します。問題文で呼び名が変わっても、1mあたりの圧力損失をそろえる方法だと読み替えてください。
Q. 丸ダクトと角ダクトで計算は変わりますか。
A. 考え方は同じです。角ダクトは同じ抵抗になる丸ダクトの直径に置き換えてから線図を読みます。これを相当直径といいます。
Q. アスペクト比という言葉が出てきました。
A. 角ダクトの長辺と短辺の比のことです。平たくするほど同じ断面積でも抵抗が増えるので、4以下にとどめるのが望ましいとされています。
まとめまとめ
・等圧法=1mあたりの圧力損失をそろえる。一般の空調ダクト向き
・等速法=風速をそろえる。粉じんを運ぶダクト向き
・圧力損失は風速vの2乗に比例。細くしすぎると動力と騒音が増える
・低速ダクトはおおむね15m/s以下。高速ダクトは断面が小さいが消音が要る
