二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年10月公表分の「燃料及び燃焼」(問21〜問30)です。
専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。
この記事の問題はどこから?
問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和7年10月公表)
問21 着火温度と引火点
令和7年10月公表分野:着火温度と引火点重要度 ★★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
「燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度をAという。Aは、燃料が加熱されてB反応によって発生する熱量と、外気に放散される熱量とのCによって決まる。」
|
A |
B |
C |
| (1) |
着火温度 |
酸化 |
合計 |
| (2) |
着火温度 |
酸化 |
平衡 |
| (3) |
着火温度 |
還元 |
差 |
| (4) |
引火点 |
酸化 |
平衡 |
| (5) |
引火点 |
還元 |
差 |
答え・解説を見る
この問題は何を聞いている?
燃料が燃え始める温度の名前を、空欄に当てはめる問題です。火を近づけるのか、火なしで燃え出すのかで、2つの用語を区別できるかが問われています。
| 用語 |
意味 |
| 引火点 |
液体燃料を加熱して出た蒸気に小さな炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度 |
| 着火温度(発火温度) |
燃料を空気中で加熱し、ほかから点火しないで自然に燃え始める最低の温度 |
空欄A = 着火温度
問題文は「他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度」です。火を近づけずに燃え出すので、これは着火温度に当たります。引火点は、小さな炎を近づけたときに燃え始める最低の温度のことです。
空欄B = 酸化
燃料は加熱されると、空気中の酸素と結びつく酸化反応を起こして熱を出します。公式の正解も酸化です。
空欄C = 平衡
着火温度は、酸化反応で出る熱と、外へ逃げていく熱との平衡(つり合い)で決まります。出る熱が逃げる熱を上回ると、温度が上がり続けて自然に燃え出すのです。
⚠ 注意
令和8年4月公表では、「点火しないで自然に燃え始める最低の温度を引火点という」という記述が誤りとされました。名前の入れ替えは、くり返し出題されています。
💡 覚え方
引火点=火を「引いて(近づけて)」つく温度、着火温度=火がなくても「着く」温度。着火温度は、出る熱と逃げる熱のつり合い(平衡)で決まると、セットで押さえましょう。
A=着火温度、B=酸化、C=平衡なので、正解は(2)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第14回 燃料の性質
問22 重油の水分とスラッジによる障害
令和7年10月公表分野:重油の水分とスラッジによる障害重要度 ★★★
重油に含まれる水分及びスラッジによる障害に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)水分が多いと、熱損失が増加する。
(2)水分が多いと、いきづき燃焼を起こす。
(3)水分が多いと、油管内でベーパロックを起こす。
(4)スラッジは、弁、ろ過器、バーナチップなどを閉塞させる。
(5)スラッジは、ポンプ、流量計、バーナチップなどを摩耗させる。
答え・解説を見る
正解
(3)
水分が多いと、油管内でベーパロックを起こす。
この問題は何を聞いている?
重油に混じっている水分とスラッジが、どんな困りごとを起こすかを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。
スラッジとは?
重油の中にできる沈殿物のこと。水分と一緒に、貯蔵タンクの底にたまりやすいものです。
ベーパロックとは?
油を送る管の中で油が気化(蒸気に変化)して、油が流れなくなること。
(1) ⭕ 正しい記述
水分が多いと、熱損失が増加する。
重油の水分が多いと、熱損失が増えます。熱損失とは、燃料の熱のうち蒸気にならずに逃げてしまう熱のことです。
(2) ⭕ 正しい記述
水分が多いと、いきづき燃焼を起こす。
いきづき燃焼とは、炎が息をするように、ふくらんだり縮んだりして不安定になる燃え方です。油に水が混じると、バーナから出る油に水のかたまりが混じる瞬間があります。その瞬間だけ燃える油が途切れたり、水が急に蒸発したりするので、炎が不安定になるのです。
(3) ❌ 誤りの記述
水分が多いと、油管内でベーパロックを起こす。
ベーパロックの原因は、水分ではありません。重油の加熱温度が高すぎて、油が気化することで起きる現象です。加熱しすぎの障害が、水分の障害に入れ替えられている点が誤りです。
(4) ⭕ 正しい記述
スラッジは、弁、ろ過器、バーナチップなどを閉塞させる。
スラッジは、弁・ろ過器・バーナチップなどを詰まらせます(閉塞)。バーナチップは、バーナの先端で油を噴き出す部品です。
(5) ⭕ 正しい記述
スラッジは、ポンプ、流量計、バーナチップなどを摩耗させる。
スラッジは、ポンプ・流量計・バーナチップなどをすり減らします(摩耗)。
| 原因 |
起きる障害 |
| 水分が多い |
熱損失が増える/いきづき燃焼を起こす/貯蔵中にスラッジを形成する |
| スラッジ |
弁・ろ過器・バーナチップなどの閉塞/ポンプ・流量計・バーナチップなどの摩耗 |
| 加熱温度が高すぎる |
ベーパロック(油が気化して流れなくなる) |
💡 覚え方
水分=熱損失・いきづき燃焼・スラッジ、スラッジ=詰まりとすり減り。ベーパロックは「熱しすぎ」が原因で、水分の話ではないと区別しましょう。同じ入れ替えは、令和8年10月公表でも出ています。
以上から、正解は(3)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第17回 大気汚染・重油の障害・低温腐食
問23 燃焼の3要素と空気比
令和7年10月公表分野:燃焼の3要素と空気比重要度 ★★★
ボイラーにおける燃料の燃焼の基礎的な事項に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃焼には、燃料、空気及び温度の三つの要素が必要である。
(2)燃焼室における燃焼温度は、特別な場合を除き、高温維持することが望ましい。
(3)実際空気量に対する理論空気量の比を空気比という。
(4)燃焼ガスの成分割合は、燃料の成分、空気比及び燃焼の方法によって変わる。
(5)燃焼ガスの成分には、燃焼中の水分などによるH₂Oがある。
答え・解説を見る
正解
(3)
実際空気量に対する理論空気量の比を空気比という。
この問題は何を聞いている?
燃料が燃えるための条件と、空気比という言葉の意味を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。
理論空気量と実際空気量とは?
理論空気量は、燃料を燃やすのに理論上ちょうど必要な空気の量。実際空気量は、実際に送り込んだ空気の量です。
💡 なぜ? 理論空気量ぴったりでは、燃料と空気が完全には混ざりきらず、燃え残りが出ます。そこで実際には少し多めの空気を送るのです。
(1) ⭕ 正しい記述
燃焼には、燃料、空気及び温度の三つの要素が必要である。
燃焼には、燃料・空気(酸素)・温度の3つの要素が必要です。どれか1つでも欠けると燃えません。
(2) ⭕ 正しい記述
燃焼室における燃焼温度は、特別な場合を除き、高温維持することが望ましい。
温度が高いほど、燃料はすばやく、燃え残りなく燃えます。だから燃焼室の温度は、特別な場合を除き高温に保つのが望ましいのです。
(3) ❌ 誤りの記述
実際空気量に対する理論空気量の比を空気比という。
空気比は、実際空気量÷理論空気量です。つまり理論空気量に対する実際空気量の比をいいます。選択肢は「実際空気量に対する理論空気量の比」で、分数の上下が入れ替えられている点が誤りです。
(4) ⭕ 正しい記述
燃焼ガスの成分割合は、燃料の成分、空気比及び燃焼の方法によって変わる。
燃焼ガスとは、燃料が燃えたあとにできるガスのことです。その成分の割合は、燃料の成分・空気比・燃焼のしかたによって変わります。
(5) ⭕ 正しい記述
燃焼ガスの成分には、燃焼中の水分などによるH₂Oがある。
燃焼ガスには、H₂O(水蒸気)がふくまれます。燃料の中の水素や水分から、水蒸気ができるからです。
空気比の例
理論空気量が10m³の燃料に、実際は12m³の空気を送った
空気比=実際空気量÷理論空気量=12÷10=1.2
→ 理論より2割多い空気を送っている、という意味になる
💡 覚え方
空気比は「実際は理論の何倍か」。実際の空気は多めに送るので、一般に1より少し大きい数になります。上下を逆にすると1より小さくなってしまうので、入れ替えの目印になるのです。
以上から、正解は(3)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第15回 燃焼の基礎・空気比・通風
問24 重油の加熱温度
令和7年10月公表分野:重油の加熱温度重要度 ★★★
油だきボイラーにおける重油の加熱に関するAからDまでの記述のうち、適切なもののみを全て挙げた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A A重油や軽油は、一般に50~60 ℃に加熱する必要がある。
B 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。
C 加熱温度が低すぎると、すすが発生する。
D 加熱温度が低すぎると、バーナ管内でベーパロックを起こす。
(1)A,B,C
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)B,C,D
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この問題は何を聞いている?
重油を温めて使うときの温度について、4つの記述の正誤を判断する問題です。適切なものだけを全部ふくむ組合せを選びます。
粘度とは?
液体の粘り気の強さのこと。重油の粘度は、温度が上がると低くなります(さらさらになる)。
💡 なぜ? 粘り気の強い重油は、そのままでは細かい霧にできません。そこで加熱して、噴霧に適した粘度にするのです。
A ❌ 誤りの記述
A重油や軽油は、一般に50~60 ℃に加熱する必要がある。
A重油や軽油は、粘度の低い(さらさらした)油です。一般に加熱しなくても、そのまま霧にできます。「50〜60℃に加熱する必要がある」が誤りです。加熱して使うのは粘度の高いC重油で、その加熱温度は一般に80〜105℃です。
B ⭕ 正しい記述
加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。
加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼になります。いきづき燃焼とは、炎が息をするように不安定になる燃え方のことです。
C ⭕ 正しい記述
加熱温度が低すぎると、すすが発生する。
加熱温度が低すぎると、粘度が高いままなので油がうまく霧になりません(霧化不良)。その結果、燃焼が不安定になり、すすが発生します。
D ❌ 誤りの記述
加熱温度が低すぎると、バーナ管内でベーパロックを起こす。
ベーパロックとは、バーナ管内で油が気化して、油が流れなくなることです。これは加熱温度が高すぎるときに起きます。「低すぎると」と、温度の向きが入れ替えられている点が誤りです。
| 加熱温度 |
起きること |
| 高すぎる |
いきづき燃焼/バーナ管内で油が気化してベーパロック |
| 低すぎる |
霧化不良で燃焼が不安定になる/すすが発生する |
💡 覚え方
熱しすぎ=油が気化して「いきづき・ベーパロック」、温め不足=霧にならず「すす」。加熱がいるのは粘度の高い重油だけで、A重油や軽油は一般に加熱不要です。
適切な記述はBとCなので、正解は(4)です。
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問25 燃料油の供給装置(タンク・油加熱器・油ストレーナ)
令和7年10月公表分野:燃料油の供給装置(タンク・油加熱器・油ストレーナ)重要度 ★★★
ボイラーの液体燃料の供給装置に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃料油タンクは、用途により貯蔵タンクとサービスタンクに分類される。
(2)貯蔵タンクの貯油量は、1週間から1か月間の使用量が一般的である。
(3)サービスタンクには、油面計、温度計、自動油面調節装置などを取り付ける。
(4)油加熱器は、燃料油を加熱し、燃料油を噴霧に適した粘度とする装置である。
(5)油ストレーナには、オートクリーナがあり、油中の水分を除去することができる。
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正解
(5)
油ストレーナには、オートクリーナがあり、油中の水分を除去することができる。
この問題は何を聞いている?
重油などの燃料油をバーナまで送る装置についての問題です。適切でないものを1つ選びます。
油ストレーナとは?
燃料油の中のごみを取り除く装置。オートクリーナは、その一種です。
(1) ⭕ 正しい記述
燃料油タンクは、用途により貯蔵タンクとサービスタンクに分類される。
燃料油のタンクには、貯蔵タンクとサービスタンクの2種類があります。使いみちの違いで分けられているのです。
(2) ⭕ 正しい記述
貯蔵タンクの貯油量は、1週間から1か月間の使用量が一般的である。
貯蔵タンクは、燃料油を蓄えておくタンクです。貯油量は、1週間〜1か月分の使用量が一般的です。
(3) ⭕ 正しい記述
サービスタンクには、油面計、温度計、自動油面調節装置などを取り付ける。
サービスタンクは、バーナの近くで使う分をためておくタンクです。油面計・温度計・自動油面調節装置などを取り付けます。
(4) ⭕ 正しい記述
油加熱器は、燃料油を加熱し、燃料油を噴霧に適した粘度とする装置である。
油加熱器は、燃料油を加熱する装置です。粘り気の強い油は細かい霧にできないので、温めて噴霧に適した粘度にします。
(5) ❌ 誤りの記述
油ストレーナには、オートクリーナがあり、油中の水分を除去することができる。
オートクリーナが油ストレーナの一種である点は、そのとおりです。しかし油ストレーナが取り除くのは、油の中のごみです。水分は取り除けません。「油中の水分を除去することができる」の部分が誤りです。
| 装置 |
役目・決まり |
| 貯蔵タンク |
1週間〜1か月分を蓄える |
| サービスタンク |
バーナの近くで使う分をためる。油面計・温度計・自動油面調節装置を付ける |
| 油ストレーナ |
油の中のごみを取り除く。水分は取れない |
| 油加熱器 |
燃料油を加熱して噴霧に適した粘度にする |
⚠ 注意
「油ストレーナで水分を除去できる」という誤りは、令和5年10月・令和6年4月公表でも出ました。「貯蔵タンクに自動油面調節装置を付ける」も、誤りとして出題されています。付けるのはサービスタンクです。
💡 覚え方
ストレーナが取るのは「ごみ」、水分は取れない。タンクは「貯蔵=1週間〜1か月分」「サービス=自動油面調節装置」と、言葉をセットで覚えましょう。
以上から、正解は(5)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第14回 燃料の性質
問26 油バーナの種類と霧化媒体
令和7年10月公表分野:油バーナの種類と霧化媒体重要度 ★★
霧化媒体を必要とするボイラーの油バーナは、次のうちどれか。
(1)プランジャ式圧力噴霧バーナ
(2)戻り油式圧力噴霧バーナ
(3)回転式バーナ
(4)ガンタイプバーナ
(5)空気噴霧式バーナ
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この問題は何を聞いている?
5つの油バーナのうち、霧化媒体を使って油を霧にするものを1つ選ぶ問題です。バーナの名前と、油を霧にするしくみを結びつけられるかが問われています。
霧化媒体とは?
油を細かい霧にするために使う蒸気や空気のこと。
💡 なぜ? 油は表面からしか燃えないので、細かい粒にして空気に触れる面積を増やすほど、すばやく燃え切るからです。
(1) ❌ 霧化媒体は不要
プランジャ式圧力噴霧バーナ
プランジャ式圧力噴霧バーナは、プランジャ(ピストンのような部品)で油を押し出すポンプを使うバーナです。圧力噴霧式の一種なので、霧化媒体は使いません。
(2) ❌ 霧化媒体は不要
戻り油式圧力噴霧バーナ
戻り油式圧力噴霧バーナは、バーナへ送った油の一部を戻して、噴き出す量を減らすバーナです。これも圧力噴霧式で、油そのものの圧力で霧にします。霧化媒体は使いません。
(3) ❌ 霧化媒体は不要
回転式バーナ
回転式バーナは、回転するカップの内面に油の膜をつくり、遠心力で飛ばして霧にします。霧化媒体は使いません。
(4) ❌ 霧化媒体は不要
ガンタイプバーナ
ガンタイプバーナは、ファンと圧力噴霧式バーナを組み合わせたものです。霧にするしくみは圧力噴霧式なので、霧化媒体は使いません。
(5) ⭕ 霧化媒体が必要
空気噴霧式バーナ
空気噴霧式バーナは、比較的高圧の空気の勢いで油を霧にします。この空気が霧化媒体です。霧化媒体を必要とするので、これが正解です。
| バーナ |
油を霧にする力 |
| 圧力噴霧式(プランジャ式・戻り油式・ガンタイプ) |
油に加えた高い圧力 |
| 蒸気噴霧式・空気噴霧式 |
蒸気や空気(霧化媒体)の勢い |
| 回転式 |
回転するカップの遠心力 |
💡 覚え方
名前が、霧にする力を表しています。圧力噴霧=油の圧力、回転式=遠心力です。霧化媒体がいるのは、名前に「蒸気噴霧」「空気噴霧」がつくバーナだけと覚えましょう。
霧化媒体を必要とするのは空気噴霧式バーナなので、正解は(5)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第16回 燃焼装置
問27 気体燃料の燃焼方式(拡散燃焼と予混合燃焼)
令和7年10月公表分野:気体燃料の燃焼方式(拡散燃焼と予混合燃焼)重要度 ★★★
ボイラーにおける気体燃料の燃焼方式に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)拡散燃焼方式は、ガスと空気を別々にバーナに供給し、燃焼させる方法である。
(2)拡散燃焼方式は、バーナ内に可燃性混合気を作らないため逆火のおそれがない。
(3)拡散燃焼方式は、火炎の広がり、長さなどの調節が難しい。
(4)予混合燃焼方式は、安定した火炎を作りやすい。
(5)予混合燃焼方式は、気体燃料に特有な燃焼方式である。
答え・解説を見る
正解
(3)
拡散燃焼方式は、火炎の広がり、長さなどの調節が難しい。
この問題は何を聞いている?
ガスの2つの燃やし方の特徴を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。
ガスはもともと気体なので、霧にする必要がありません。かわりに、ガスと空気をいつ混ぜるかで、燃やし方が2つに分かれます。
| 方式 |
混ぜ方 |
特徴 |
| 拡散燃焼方式 |
ガスと空気を別々にバーナへ送る |
逆火のおそれがない。炎の広がりや長さの調節が容易 |
| 予混合燃焼方式 |
あらかじめガスと空気を混ぜてから送る |
安定した炎をつくりやすい。気体燃料に特有の方式 |
(1) ⭕ 正しい記述
拡散燃焼方式は、ガスと空気を別々にバーナに供給し、燃焼させる方法である。
拡散燃焼方式は、ガスと空気を別々にバーナへ送ります。炉の中で混ぜながら燃やす方法です。
(2) ⭕ 正しい記述
拡散燃焼方式は、バーナ内に可燃性混合気を作らないため逆火のおそれがない。
拡散燃焼方式では、ガスと空気が炉に出てから初めて混ざります。バーナの中に燃える混合気(可燃性混合気)がないので、逆火のおそれがないのです。
(3) ❌ 誤りの記述
拡散燃焼方式は、火炎の広がり、長さなどの調節が難しい。
拡散燃焼方式は、炎の広がりや長さの調節が容易です。「調節が難しい」と、特徴が逆に書かれている点が誤りです。
(4) ⭕ 正しい記述
予混合燃焼方式は、安定した火炎を作りやすい。
予混合燃焼方式は、あらかじめガスと空気を混ぜてからバーナへ送る方法です。安定した炎をつくりやすいのが特徴です。
(5) ⭕ 正しい記述
予混合燃焼方式は、気体燃料に特有な燃焼方式である。
💡 覚え方
「先に混ぜると逆火が心配、別々なら逆火の心配なし」。拡散燃焼は逆火なし・調節が容易、予混合燃焼は炎が安定・気体燃料に特有です。「調節が難しい」は、令和8年10月公表でも誤りとして出ました。
以上から、正解は(3)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第16回 燃焼装置
問28 NOx(窒素酸化物)の抑制方法
令和7年10月公表分野:NOx(窒素酸化物)の抑制方法重要度 ★★★
ボイラーの燃料の燃焼により発生するNOxの抑制方法に関するAからDまでの記述のうち、適切なもののみを全て挙げた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A 窒素の少ない燃料を使用する。
B 燃焼温度を低くし、特に局所的高温域が生じないようにする。
C 炉内燃焼ガス中の酸素濃度を高くする。
D 排煙脱硝装置を設置する。
(1)A,B
(2)A,B,D
(3)A,C
(4)B,C,D
(5)C,D
答え・解説を見る
この問題は何を聞いている?
燃焼で出るNOxを減らす方法について、4つの記述の正誤を判断する問題です。適切なものだけを全部ふくむ組合せを選びます。
NOx(ノックス)とは?
窒素酸化物(窒素と酸素の化合物)のこと。燃焼で生まれる大気汚染物質です。
💡 なぜ? NOxは、雨に溶けて酸性雨の原因になります。だからできるだけ出さない工夫が求められるのです。
| 種類 |
でき方 |
| サーマルNOx |
燃焼用の空気中の窒素が、高温で酸素と結びついてできる |
| フューエルNOx |
燃料にふくまれる窒素化合物が酸化されてできる |
NOxは、高い温度・多い酸素・高温にさらされる時間の長さがそろうほど増えます。減らす方法は、その逆をすることです。
A ⭕ NOxを抑える方法である
窒素の少ない燃料を使用する。
燃料にふくまれる窒素化合物は、酸化されてNOx(フューエルNOx)になります。窒素の少ない燃料を使えば、そのもとが減るのです。
B ⭕ NOxを抑える方法である
燃焼温度を低くし、特に局所的高温域が生じないようにする。
空気中の窒素は、高温で酸素と結びついてNOx(サーマルNOx)になります。だから燃焼温度を低くし、特に局所的な高温域をつくらないことが大切です。
C ❌ NOxを抑える方法ではない
炉内燃焼ガス中の酸素濃度を高くする。
酸素が多いほど、NOxは増えます。抑えるには、燃焼ガス中の酸素濃度を低くしなければなりません。「高くする」と、向きが入れ替えられている点が誤りです。
D ⭕ NOxを抑える方法である
排煙脱硝装置を設置する。
排煙脱硝装置は、排ガスからNOxを取り除く装置です。燃やし方で減らしきれなかった分を、あとから取り除きます。
💡 覚え方
NOxを減らすのは「低温・低酸素・短時間」。誤りとして出るのは、「酸素濃度を高く」「滞留時間を長く」など、NOxを増やす向きの記述です。
適切な記述はA・B・Dなので、正解は(2)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第17回 大気汚染・重油の障害・低温腐食
問29 一次空気と二次空気
令和7年10月公表分野:一次空気と二次空気重要度 ★★
ボイラーの燃焼における一次空気及び二次空気に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)油・ガスだき燃焼における一次空気は、噴射された燃料の周辺に供給され、初期燃焼を安定させる。
(2)油・ガスだき燃焼における二次空気は、旋回又は交差流によって燃料と空気の混合を良好にして、燃焼を完結させる。
(3)微粉炭バーナ燃焼における二次空気は、微粉炭と予混合してバーナに送入される。
(4)火格子燃焼における一次空気は、一般的な上向き通風の場合、火格子下から送入される。
(5)火格子燃焼における二次空気は、燃料層上の可燃性ガスの火炎中に送入される。
答え・解説を見る
正解
(3)
微粉炭バーナ燃焼における二次空気は、微粉炭と予混合してバーナに送入される。
この問題は何を聞いている?
燃焼用の空気を2つに分けて送るときの、それぞれの役割を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。
燃焼用の空気は、役割の違う2つに分けて送り込まれます。一次空気=最初に燃料と出会う空気、二次空気=あとから仕上げる空気です。
| 燃焼のしかた |
一次空気 |
二次空気 |
| 油・ガスだき |
燃料の周りに送り、初期燃焼を安定させる |
旋回や交差流でよく混ぜ、燃焼を完結させる |
| 微粉炭バーナ |
微粉炭と予混合してバーナへ送る |
燃焼を完結させる空気 |
| 火格子燃焼 |
上向き通風では火格子の下から送る |
燃料層の上の可燃性ガスの炎の中へ送る |
(1) ⭕ 正しい記述
油・ガスだき燃焼における一次空気は、噴射された燃料の周辺に供給され、初期燃焼を安定させる。
油やガスを燃やすとき、一次空気は噴射された燃料の周りに送られます。役割は、初期燃焼を安定させることです。
(2) ⭕ 正しい記述
油・ガスだき燃焼における二次空気は、旋回又は交差流によって燃料と空気の混合を良好にして、燃焼を完結させる。
二次空気は、旋回や交差流(うずや、交わる流れ)で燃料と空気をよく混ぜます。こうして燃焼を完結させるのです。
(3) ❌ 誤りの記述
微粉炭バーナ燃焼における二次空気は、微粉炭と予混合してバーナに送入される。
微粉炭は、粉にした石炭のことです。微粉炭とあらかじめ混ぜて(予混合して)バーナへ送るのは、一次空気です。一次空気が二次空気に入れ替えられている点が誤りです。
(4) ⭕ 正しい記述
火格子燃焼における一次空気は、一般的な上向き通風の場合、火格子下から送入される。
火格子は、固体の燃料を載せて燃やす格子です。一般的な上向き通風では、一次空気を火格子の下から送ります。
(5) ⭕ 正しい記述
火格子燃焼における二次空気は、燃料層上の可燃性ガスの火炎中に送入される。
火格子燃焼の二次空気は、燃料の層の上へ送ります。送り先は、可燃性ガスの炎の中です。
💡 覚え方
一次=最初に燃料と出会う空気、二次=あとから仕上げる空気。微粉炭と「予混合」するのは、最初に出会う一次空気だと考えれば迷いません。
以上から、正解は(3)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第15回 燃焼の基礎・空気比・通風
問30 人工通風に使うファン(多翼形・後向き形・ラジアル形)
令和7年10月公表分野:人工通風に使うファン(多翼形・後向き形・ラジアル形)重要度 ★★
ボイラーの人工通風に用いられるファンに関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)多翼形ファンは、羽根車の外周近くに、幅長で前向きの羽根を多数設けたものである。
(2)多翼形ファンは、大形で重量は大きいが、効率が高い。
(3)後向き形ファンは、高温、高圧及び大容量のボイラーに適する。
(4)ラジアル形ファンは、中央の回転軸から放射状に6~12枚の羽根を設けたものである。
(5)ラジアル形ファンは、形状が簡単で羽根の取替えが容易である。
答え・解説を見る
正解
(2)
多翼形ファンは、大形で重量は大きいが、効率が高い。
この問題は何を聞いている?
ボイラーに空気を送ったり、燃焼ガスを吸い出したりするファンの種類と特徴を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。
通風と人工通風とは?
通風は、炉や煙道を通って起きる空気と燃焼ガスの流れのこと。ファンを使ってその流れを起こすのが人工通風です。
| ファン |
形 |
特徴 |
| 多翼形 |
羽根車の外周近くに、幅が長く前向きの羽根を多数 |
小形・軽量だが効率が低く、大きな動力が必要 |
| 後向き形 |
主板と側板の間に8〜24枚の後向きの羽根 |
効率が高く、高温・高圧・大容量に適する |
| ラジアル形 |
中央の回転軸から放射状に6〜12枚の羽根 |
形が簡単で羽根の取替えが容易。強度が強い |
(1) ⭕ 正しい記述
多翼形ファンは、羽根車の外周近くに、幅長で前向きの羽根を多数設けたものである。
多翼形ファンは、羽根車の外周近くに羽根を設けたファンです。羽根は幅が長く前向きで、多数あります。
(2) ❌ 誤りの記述
多翼形ファンは、大形で重量は大きいが、効率が高い。
多翼形ファンは、小形で軽量ですが、効率が低く大きな動力が必要です。「大形で重量は大きいが、効率が高い」は、大きさ・重さ・効率がすべて逆に書かれています。
(3) ⭕ 正しい記述
後向き形ファンは、高温、高圧及び大容量のボイラーに適する。
後向き形ファンは効率が高いファンです。高温・高圧・大容量のボイラーに適しています。
(4) ⭕ 正しい記述
ラジアル形ファンは、中央の回転軸から放射状に6~12枚の羽根を設けたものである。
ラジアル形ファンは、中央の回転軸から放射状に6〜12枚の羽根を設けたファンです。
(5) ⭕ 正しい記述
ラジアル形ファンは、形状が簡単で羽根の取替えが容易である。
ラジアル形ファンは形が簡単で、羽根の取替えが容易です。強度が強く、摩耗や腐食に強いという特徴もあります。
💡 覚え方
多翼形=小さく軽いが効率は低い、後向き形=効率が高く大容量向き、ラジアル形=丈夫で羽根交換が容易。令和8年10月公表では、後向き形を「効率が低い」とした記述が誤りでした。
以上から、正解は(2)です。
▶ 基礎から学び直すなら講座の 第15回 燃焼の基礎・空気比・通風
令和7年10月公表「燃料及び燃焼」のまとめ
まとめ
・着火温度=火なしで燃え始める最低温度。酸化反応で出る熱と逃げる熱の平衡で決まる
・重油の水分=熱損失・いきづき燃焼、スラッジ=閉塞と摩耗。ベーパロックは加熱温度が高すぎると起きる
・空気比=実際空気量÷理論空気量。A重油や軽油は一般に加熱不要、加熱温度が低すぎるとすす
・油ストレーナはごみを取る装置で、水分は取れない。自動油面調節装置はサービスタンク
・霧化媒体がいるのは蒸気噴霧式・空気噴霧式。拡散燃焼は逆火なし・調節が容易
・NOxを減らすのは低温・低酸素・短時間と、窒素の少ない燃料・排煙脱硝装置
・微粉炭と予混合するのは一次空気。多翼形ファンは小形・軽量だが効率が低い