【候補問題No.8】複線図の書き方|リモコンリレーはスイッチと同じ扱い【第二種電気工事士】
第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.8を、知識ゼロの人が読んでも複線図(実際の電線を一本ずつ描き分けた配線図)が書けるところまで分解します。
No.8はリモコンリレーが出てくる問題です。公表されている図には見慣れない記号がたくさん並んでいて、特に「難しそう」に見える1問かもしれません。
ですが、そのほとんどが施工省略(試験では作らなくてよい部分)です。実際に手を動かすのは、ごく限られた部分だけになります。
この記事でわかること
- 候補問題No.8にどんな器具が出てくるか
- リモコンリレーとは何をする部品か
- どこまでが施工省略で、どこを実際に作るのか
- 複線図を白→黒→戻りの3ステップで書く手順
候補問題No.8はどんな問題か
- 電源は 1φ2W 100V(家庭用コンセントと同じ種類の電気)。電源からボックスまでは VVR 2.0-2C
- アウトレットボックス(電線どうしをつなぐ場所になる金属の箱)が1つ
- 引掛シーリング(丸形・イ)(天井に照明器具を取り付けるための器具)が1つ
- ランプレセプタクル(ロ)(電球を直接ねじ込んで使う器具)が1つ
- 引掛シーリング(角形・ハ)が1つ。※施工省略
- リモコンリレーが3つ(端子台で代用されます)
- 配線用遮断器B(ブレーカー)・変圧器T・リモコンスイッチ3つは、まとめて施工省略
まず用語をそろえます
- VVR…断面が丸いケーブルです。ふだん使うVVF(平たい)と中身は同じ役割ですが、丸いぶん外の皮をむくのにコツが要ります。13問のうちVVRが出てくるのはNo.8とNo.13だけです。
- リモコン方式…壁のスイッチが直接照明を入り切りするのではなく、スイッチは「合図」を送るだけで、別の場所にある部品が実際に電気を入り切りする仕組みです。ホテルや大きな建物のように、スイッチと照明が遠い場所で使われます。
- リモコンリレー…その「実際に電気を入り切りする部品」です。合図を受けると、中の接点がカチッと動きます。
- 変圧器(T)…100Vを、合図用の弱い電気(24Vなど)に落とす部品です。スイッチには弱い電気しか流れないので安全です。
- 端子台で代用…本物のリモコンリレーは大きくて高価なので、試験ではねじ端子が並んだ小さな台に置き換えて出題されます。
まず「どこを作るのか」を確かめる
No.8でいちばん大事なのは、配線の前に作る範囲をはっきりさせることです。

覚えるここだけ押さえる
公表図の左半分(配線用遮断器・変圧器・リモコンスイッチ3つ)はまるごと施工省略です。作りません。
実際に作るのは、リモコンリレー(端子台)から先。つまり「端子台 → 3つの照明」だけです。
見た目の複雑さと、手を動かす量はまったく別物です。No.8はむしろ作業量の少ない問題だと思ってください。
複線図を3ステップで書く
順番は白 → 黒 → 戻り。これまでと同じです。
ステップ1 白い線を引く

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。引掛シーリング2つと、ランプレセプタクルの3つの照明です。
リモコンリレー(端子台)には白を引きません。リレーはスイッチの役目をする部品だからです。ここは一般的なスイッチと同じ考え方になります。
ステップ2 黒い線を引く

黒い線(非接地側。電気を送り出す側の線)は、リモコンリレーの「共通」端子に1本だけつなぎます。
リレーは1本の黒を受け取って、中で3つに分けます。だから黒を3本引く必要はありません。
ステップ3 戻り線を引く

戻り線(スイッチの役目をする部品から照明へ戻っていく線)は3本です。
- リレーの「イ」→ 引掛シーリング(丸形・イ)
- リレーの「ロ」→ ランプレセプタクル(ロ)
- リレーの「ハ」→ 引掛シーリング(角形・ハ)
同じ文字どうしが相手です。これで複線図の完成。
用語形はスイッチ3つと同じ
ここまで見てくると、リモコンリレーの役目は「スイッチ3つ」とまったく同じだと分かります。
- 白は照明へ直行(リレーには来ない)
- 黒はリレーの共通端子へ1本
- リレーの各端子から、同じ文字の照明へ戻す
名前が特別なだけで、複線図の考え方は変わりません。
間違えやすいところ
端子台の端子番号を自分で決めてしまう
リモコンリレーを代用する端子台は、どの端子に何をつなぐかが当日の問題用紙に書かれています。練習で覚えた並びと違うことがあるので、当日は必ず問題用紙の指示に従ってください。
施工省略の部分まで作ろうとする
公表図には変圧器やリモコンスイッチが描かれていますが、一点鎖線(長い線と点を交互に並べた線)の枠の中は作りません。枠がどこからどこまでかを、最初に指でなぞって確認しておきましょう。
端子台に白い線を引いてしまう
端子がたくさんあるので迷いますが、リレーはスイッチの仲間です。白は引きません。
VVRの皮むきで手間取る
VVRは断面が丸いケーブルです。平たいVVFと同じ感覚でやると、うまくむけずに時間を取られます。中に紙や糸のような介在物が入っていることもあります。練習で一度は必ず切っておいてください。
覚える電線の色と本数について
この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、端子台の端子番号、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。
なお公表資料の注記には「器具においては、端子台で代用する場合がある」とあります。
よくある質問
Q. リモコンリレーの仕組みまで理解しないとダメですか?
A. 必要ありません。複線図の上では「スイッチ3つ」と同じ扱いになります。合図を受けて電気を入り切りする部品、とだけ知っていれば十分です。
Q. 変圧器(T)はなぜ必要なのですか?
A. リモコンスイッチには弱い電気しか流さないためです。100Vのままだとスイッチが大きく重くなり、感電の危険も増えます。ただしNo.8では施工省略なので、作る必要はありません。
Q. VVRとVVFはどう違うのですか?
A. 断面の形が違います。VVFは平たく、VVRは丸いです。中に入っている電線の役割は同じです。むきにくさだけが違うと思ってください。
Q. No.8は難しい問題ですか?
A. 図は複雑ですが、作業量は少ないほうです。施工省略が多く、実際に作るのは端子台から3つの照明までだけ。「見た目でひるまないこと」が何よりの対策です。
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複線図が書けたら、次は手を動かす番です
技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数がそのまま点数になります。
そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が要ります。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段でくらべた記事があります。



