【候補問題No.9】複線図の書き方|接地極と接地端子は別のもの【第二種電気工事士】
第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.9を、知識ゼロの人が読んでも複線図(実際の電線を一本ずつ描き分けた配線図)が書けるところまで分解します。
No.9のポイントは「EET」という記号のコンセントです。アルファベットが並んでいて身構えますが、意味が分かればどうということはありません。
この記事でわかること
- 候補問題No.9にどんな器具が出てくるか
- 接地極(E)と接地端子(ET)のちがい
- 複線図を白→黒→戻り→接地線の4ステップで書く手順
- 緑の接地線をどこにつなぐか
候補問題No.9はどんな問題か
- 電源は 1φ2W 100V。配線は VVF 2.0-2C
- ジョイントボックス(電線どうしをつなぐ場所)が2つ
- ランプレセプタクル(イ)が1つ
- 引掛シーリング(丸形・イ)が1つ
- 点滅器イ(照明のスイッチ)が1つ
- 接地極付接地端子付コンセント(EET)が1つ
- コンセント(2口)が1つ。※施工省略(試験では作らなくてよい部分)
- EETから E1.6(緑の接地線)が出て、接地極EDへ。※施工省略
まず用語をそろえます
- E…接地極(せっちきょく)。コンセントの差し込み口にある3本目の丸い穴のことです。パソコンや電子レンジのプラグに丸いピンが付いていることがありますが、あれを挿す穴です。
- ET…接地端子(せっちたんし)。コンセントの横に付いているネジ式の端子です。洗濯機のアース線(漏れた電気を地面へ逃がすための線)を、ドライバーでネジ留めするあの部分です。
- EET…その両方が付いたコンセントという意味です。「E(接地極)+ET(接地端子)」と読んでください。
- E1.6…接地線のことです。直径1.6mmの緑色の電線を使います。
- ED…接地極。地面に埋める金属の棒です。No.9では施工省略です。
- 引掛シーリング(丸形)…天井の照明を取り付ける丸い受け口です。No.9は角形ではなく丸形なので、図記号も丸で描かれます。
「接地極」と「接地端子」のちがい
ここが分かれば、No.9の大部分は理解できます。

覚える覚え方
- 接地極(E)…差し込み口の穴。機器のプラグから直接アースを取ります
- 接地端子(ET)…横にあるネジ。アース線をネジで留めます
どちらも「アースを取るためのもの」ですが、取り方が違うだけです。
そして複線図で緑の接地線をつなぐのは【接地端子】のほうです。差し込み口の穴には線をつなぎません。
複線図を4ステップで書く
いつもの白 → 黒 → 戻りに、最後の接地線が加わって4ステップです。
ステップ1 白い線を引く

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。ランプレセプタクル・引掛シーリング・コンセント2つの4つです。
点滅器には白を引きません。ここは13問すべてで同じです。
ステップ2 黒い線を引く

黒い線(非接地側。電気を送り出す側の線)の行き先は3つです。
- 点滅器「イ」
- EETコンセント(スイッチを通さず直接)
- コンセント(2口)(同じく直接)
照明2つには、黒を直接引きません。どちらもスイッチで点け消しするものだからです。
ステップ3 戻り線を引く

照明は2つとも「イ」です。点滅器「イ」から出た戻り線(スイッチから照明へ戻っていく線)を、ランプレセプタクルと引掛シーリングの両方につなぎます。
1つのスイッチで、2つが同時に点き、同時に消える仕組みです。
ステップ4 接地線(緑)を引く

最後に、EETコンセントの接地端子から緑の接地線を出します。その先の接地極EDは施工省略です。
これで複線図の完成。
用語接地線でつまずかないために
- 色は緑。ほかの色を使うと欠陥(その時点で不合格になる誤り)になります
- つなぐ相手は接地端子(ネジ)。差し込み口の穴ではありません
- 接地極EDが施工省略でも、コンセントから出る緑の線は本当につなぎます。指定の長さで切って残します
間違えやすいところ
接地線を省略してしまう
特に多い失敗です。「EDが施工省略なら線も要らない」と思ってしまいます。施工省略なのは接地極(地面に埋める棒)だけで、コンセントから出る緑の線は必ずつなぎます。
接地線の色を間違える
接地線は緑です。白や黒を使うと、それだけで欠陥になります。
2口コンセントを作ってしまう
コンセント(2口)は施工省略です。一点鎖線(長い線と点を交互に並べた線)の枠がどこからどこまでかを、最初に指でなぞって確認しておきましょう。
引掛シーリングの丸形と角形を取り違える
No.9は丸形です。図記号が丸なら丸形、四角い枠に( )なら角形。支給される材料も当日の指示に従ってください。
照明を片方しか戻さない
ランプレセプタクルも引掛シーリングも「イ」です。戻り線は2つともにつなぎます。片方だけだと、もう片方はいつまでも点きません。
覚える電線の色と本数について
この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、接地線の長さ、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。
よくある質問
Q. なぜアースが必要なのですか?
A. 感電を防ぐためです。機器の中で電気が漏れたとき、アースがあれば電気は地面へ逃げます。アースがないと、機器に触った人の体を通って地面へ流れてしまいます。洗濯機や電子レンジなど、水気や金属のそばで使うものに付いているのはそのためです。
Q. 接地極と接地端子、両方に線をつなぐのですか?
A. いいえ。緑の線をつなぐのは接地端子(ネジ)だけです。接地極は差し込み口の穴なので、線をつなぐところではありません。
Q. E1.6 の「1.6」は何ですか?
A. 電線の直径が1.6mmという意味です。Eは接地(earth)を表します。つまり「直径1.6mmの接地線」です。
Q. No.9は難しい問題ですか?
A. やさしいほうです。3路スイッチや4路スイッチ(複数の場所から同じ照明を点け消しするためのスイッチ)もなく、スイッチは1つだけ。接地線が1本増えるだけで、あとは基本形と同じです。
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一覧にもどる第二種電気工事士|候補問題13問の複線図No.1からNo.13まで、まとめて置いてあります
複線図が書けたら、次は手を動かす番です
技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数がそのまま点数になります。
そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が要ります。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段でくらべた記事があります。



