【候補問題No.4】複線図の書き方|電源が2つある三相200Vの問題【第二種電気工事士】
第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.4を、知識ゼロの人が読んでも複線図が書けるところまで分解します。
13問のうち、電源が2つあるのはNo.4とNo.5の2問だけです。そのうちNo.4は、もう一つの電源が三相200V(モーターを回すための電気)です。ここでつまずく人が多いので、まず「なぜ2つあるのか」から説明します。
この記事でわかること
- 候補問題No.4にどんな器具が出てくるか
- 電源が2つある理由と、回路を分けて考える方法
- 100Vの回路を白→黒→戻りの3ステップで書く手順
- 200Vの回路のつなぎ方(ここだけルールが違います)
候補問題No.4はどんな問題か
公表されている配線図(単線図)は、こういう内容です。
- 電源が2つ。1φ2W 100V と 3φ3W 200V
- 100Vの電源には B(配線用遮断器)、200Vの電源には BE(漏電遮断器)。どちらも施工省略
- ジョイントボックスが2つ。100V用と200V用で1つずつ
- 100V側…引掛シーリング(角形・イ)/点滅器イ/コンセント
- 200V側…電源表示灯(ランプレセプタクルを使います)/電動機M(3φ200V)と接地極ED。この2つは施工省略
- 電線は、100V側が VVF 2.0-2C、200V側が VVF 2.0-3C
まず用語をそろえます
- 1φ2W 100V…「単相2線式(たんそう2せんしき)100ボルト」と読みます。一般的な家庭用コンセントに来ている電気です。線は2本。
- 3φ3W 200V…「三相3線式(さんそう3せんしき)200ボルト」と読みます。工場やお店でモーターを回すための電気です。線は3本。モーターは3本の電気を順番に受け取ることで、自分でぐるぐる回れるようになります。
- B(配線用遮断器)…いわゆるブレーカーです。電気を使いすぎたときに自動で切ってくれます。
- BE(漏電遮断器)…ブレーカーの機能に加えて、電気が本来の道から漏れたときにも切ってくれるものです。モーターは金属のかたまりなので、感電を防ぐためにこちらを使います。
- 電源表示灯…「いま電気が来ていますよ」と知らせるためだけのランプです。No.4ではランプレセプタクル(電球をねじ込む白い受け口)がその役をします。
- 電動機(M)…モーターのことです。図記号は丸の中に M。
- ED…接地極(せっちきょく)。万一の電気を地面に逃がすために、地面に埋める金属の棒のことです。
- 施工省略…図の中の一点鎖線(点と線が交互の枠)で囲まれた部分です。そこは作らなくてよいという意味です。
いちばんの山場は「電源が2つある」こと
No.4で特につまずきやすいのは、ここでしょう。
1枚の図に電源が2つ描いてあるので、「どうつなげばいいのか分からない」と固まってしまいます。ただ、答えは単純で、2つの回路は最後までつながりません。別々の回路が、たまたま1枚の紙に並んで描いてあるだけです。

覚える覚え方
No.4は2問ぶんの図が1枚に載っていると考えてください。
- 100Vの回路…いつもどおり。白 → 黒 → 戻りの順で書きます
- 200Vの回路…3本まとめてつなぐだけ。スイッチも戻り線もありません
先に100V側を書き切ってから、200V側に手をつけます。2つを行ったり来たりしないことが、大きな間違い防止になります。
100Vの回路を3ステップで書く
書く順番は白 → 黒 → 戻り。この順番を崩さないようにしましょう。
ステップ1 白い線を引く

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。100Vの回路で電気を使うのは、引掛シーリングとコンセントの2つです。
点滅器(スイッチ)には、白を1本も引きません。スイッチは電気を使う道具ではなく、電気の通り道を切ったりつないだりするだけの部品だからです。
ステップ2 黒い線を引く

黒い線(非接地側。電圧がかかっている側の線)の行き先は2つです。
- 点滅器「イ」
- コンセント(スイッチを通さず直接)
コンセントは、スイッチを切ったら使えなくなると困ります。だから黒はスイッチを通さずに直接つなぎます。
引掛シーリングには、黒を直接引きません。スイッチで点け消しするものだからです。
ステップ3 戻り線を引く

戻りは1本だけです。点滅器「イ」→ 引掛シーリング(イ)。
これで100V側は完成です。ここまでは、No.1からNo.3までとまったく同じ考え方でできています。
200Vの回路は「3本まとめて」つなぐ
ここからがNo.4の本番です。100Vで覚えたルールは、いったん忘れてください。

200Vのケーブル(VVF 2.0-3C)の中には、黒・白・赤の3本が入っています。この3本は色が違うだけで、役割の違いはありません。
用語ここが100Vとの違い
100Vの回路では、白は「接地側」、黒は「非接地側」という決まった役割がありました。
ところが200Vの回路では、「白=接地側」という分け方をしません。3本まとめて電動機の3つの端子につなぎます。
だから200V側には、戻り線もスイッチもありません。白→黒→戻りの3ステップは、ここでは使わないと覚えておきましょう。
つなぐ先は2つだけ
- 電動機M…3本ぜんぶをつなぎます(ただし電動機そのものは施工省略)
- 電源表示灯…3本のうち2本をつなぎます
電源表示灯は「電気が来ているか見るためのランプ」なので、スイッチを通しません。電気が来ているあいだ、ずっと点いています。
3本のうちどの2本を電源表示灯につなぐかは、試験当日の問題用紙の「施工条件」に書かれます。公表されている図の段階では決まっていないので、当日の指示に従ってください。
間違えやすいところ
100Vと200Vの線を同じところでつないでしまう
特に危険な失敗です。ジョイントボックスは100V用と200V用で別々に2つあります。2つの回路の線は、どこでも一切つながりません。混ぜたら不合格です。
200V側で白を「接地側」だと思ってしまう
100Vの練習を積んだ人ほど、やってしまいがちな間違いです。200Vの3本は、ケーブルの中で見分けるための色であって、接地側・非接地側という意味ではありません。
電源表示灯にスイッチを付けようとする
「灯」と付いているので照明だと思ってしまいますが、これは電気が来ていることを知らせるだけのランプです。単線図に点滅器(黒丸)が描かれていない以上、スイッチは要りません。
施工省略の範囲を読み違える
No.4では一点鎖線の枠が2か所あります。1つはBとBE(遮断器)、もう1つは電動機Mと接地極EDです。どこまでを実際に作るかは、当日の問題用紙で必ず確認してください。
覚える電線の色と本数について
この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印、端子台の端子番号は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。
なお公表資料の注記には「器具においては、端子台で代用する場合がある」とあります。電動機のように大きな器具は、端子台に置き換えて出題されることがあります。
よくある質問
Q. 電源が2つもあるのに、40分で終わりますか?
A. 心配はいりません。200V側は3本まとめてつなぐだけで、スイッチも戻り線もないので、手は止まりません。むしろ複線図を書く時間は他の問題より短くて済むことが多いでしょう。固まってしまうのは「難しいから」ではなく「見たことがない形だから」です。
Q. 200Vの3本のうち、どの2本を電源表示灯につなぐのですか?
A. 当日の施工条件で指定されます。練習のときは「3本のうち2本」とだけ覚えておけば十分です。自分で勝手に決めて覚え込むと、当日の指示と食い違って欠陥になるおそれがあります。
Q. 電動機は作らなくていいのですか?
A. 電動機そのものは施工省略です。ただし「そこまでのケーブルをどこまで作るか」は当日の施工条件に書かれます。電動機のかわりに端子台が置かれることもあります。
Q. ジョイントボックスは本当に2つ必要ですか?
A. はい。100Vの回路と200Vの回路で1つずつです。別々の回路なので、1つにまとめることはできません。
Q. 引掛シーリングは丸形と角形どちらですか?
A. No.4は角形です。図記号が四角い枠に( )で描かれていれば角形、丸なら丸形です。支給される材料も当日の指示に従ってください。
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一覧にもどる第二種電気工事士|候補問題13問の複線図No.1からNo.13まで、まとめて置いてあります
複線図が書けたら、次は手を動かす番です
技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数が点数に結びつきやすくなります。
そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が必要です。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段で比べた記事があります。



