第一石油類・第二石油類|ガソリン・灯油・軽油の数字をゼロからやさしく解説【危険物乙4】
この記事でわかること
- 第一石油類・第二石油類の定義(引火点の線引き)がわかります
- ガソリン・灯油・軽油の数字が覚えられます
- 指定数量(法令で決められた規制の基準となる量。非水溶性と水溶性で2倍違う)の意味がわかります
- なぜ灯油のタンクにガソリンを入れてはいけないかがわかります
ここがいちばん実生活に近く、出題もされやすいところです。ガソリン・灯油・軽油の3つは、引火点の数字まで暗記する価値があります。
石油類は「引火点」で4つに分かれる


第4類の石油類は、引火点(火を近づけたときに燃え始める最低の液温)がどのくらいかを基準に、機械的に分類されています。
覚える覚え方
境目の数字は「21・70・200・250」。この4つを順番に唱えられれば、分類の問題で迷いにくくなります。数字が大きいほど引火しにくい=安全寄りという向きもあわせて頭に入れてください。
第一石油類──ガソリンが代表
用語第一石油類とは?
引火点が21℃未満の第4類危険物です。常温(20℃前後)でもう引火するということなので、実質的に「いつでも危険」なグループです。
覚えるガソリンで問われやすいこと
- 引火点は−40℃以下 … 真冬の屋外でも蒸気を出しています。「ガソリンは寒いと引火しない」は誤りです。
- 発火点は約300℃ … 引火点と混同しないこと(発火点とは、火を近づけなくても自然に燃え出す温度のことです)。
- 燃焼範囲は1.4〜7.6% …下限が低い=わずかな蒸気でも燃える(燃焼範囲とは、空気に混ざった蒸気の濃さが燃えられる範囲のことです)。
- 純粋なガソリンは無色 … 売られているものはオレンジ色に着色されています(灯油と間違えないため)。
- 蒸気比重は3〜4 … 空気よりずっと重い(蒸気比重とは、空気を基準にした蒸気の重さのことです)。
なぜ?なぜガソリンはオレンジ色なのか?
灯油と見分けるためです。本来は無色透明で、灯油とほとんど区別がつきません。灯油ストーブに誤ってガソリンを入れると爆発的に燃えます。この事故を防ぐために、自動車ガソリンはJIS(日本産業規格 K 2202)でオレンジ色に着色することが定められています。
例簡単な例え
灯油ストーブにガソリンを入れると、なぜそんなに危険なのでしょうか。灯油は引火点40℃以上なので、常温では蒸気がほとんど出ていません。だから芯に火をつけてゆっくり燃やせます。ところがガソリンは−40℃でも蒸気を出しているので、タンクの中も給油口のまわりもすでに燃える蒸気でいっぱい。そこに火を近づければ、一気に燃え上がります。
第二石油類──灯油と軽油
用語第二石油類とは?
引火点が21℃以上70℃未満の第4類危険物です。常温では通常引火しませんが、温めれば引火します。
覚える灯油・軽油でひっかかるところ
- 「常温では引火しない」=「安全」ではない … 霧状にすると常温でも引火します。また、布にしみ込むと引火しやすくなる点にも注意が必要です。
- 発火点は約220℃と、ガソリン(約300℃)より低い … 引火点は灯油のほうが高いのに、発火点は逆。「引火点と発火点は別もの」のよい例です。
- 灯油にガソリンが少しでも混ざると、引火点が大きく下がります … 決して混ぜてはいけません。
覚える覚え方
「ガソリンは−40℃/灯油は40℃/軽油は45℃」。40という数字が、マイナスかプラスかで真逆になると覚えると、3つまとめて覚えられます。
指定数量は「水に溶けるかどうか」で2倍ちがう
なぜ?なぜ水に溶けるほうが指定数量が多いのか?
水で薄められる=いざというとき対処しやすいからです。水に溶けるものは、大量の水で薄めれば燃えにくくなります。一方、水に溶けないものは水に浮いて広がりやすく、対処が難しくなります。だから水溶性のほうが指定数量が多め(2倍)に定められているのです。
覚える覚え方
水溶性は非水溶性のちょうど2倍。この関係は第三石油類(2,000L / 4,000L)でも同じです。片方だけ覚えれば、もう片方は2倍か半分で出せます。
よくある質問
Q.「引火点21℃未満」の21℃という数字はどこから来たのですか?
A.おおよその常温(室温)を基準にした線引きです。21℃より低い温度で引火するということは、一般的な部屋に置いてあるだけで、いつでも引火する状態ということになります。数字そのものに深い意味はないので、「常温より下か上か」の目安として覚えてください。
Q.霧状にすると引火点より低い温度でも燃えるのはなぜですか?
A.空気と触れる面積が一気に広がるからです。液体のままだと表面からしか蒸気が出ませんが、細かい霧になると一粒一粒の表面から蒸発します。その結果、まわりに燃焼範囲に入るだけの蒸気ができてしまいます。試験では「霧状にすると引火点以下でも危険」という形での出題に注意しましょう。
Q.ガソリンの引火点が「−40℃以下」と幅があるのはなぜですか?
A.ガソリンが混合物だからです。純粋な1種類の物質ではなく、いろいろな成分が混ざった製品なので、製品や季節(夏用・冬用)によって少しずつ違います。沸点が「40〜220℃」と幅で書かれるのも同じ理由です。
試験ではこう出る
例出題のされ方
- ①分類 … 「引火点が21℃未満のものはどれか」→第一石油類。
- ②ガソリンの数値 … 引火点−40℃以下・発火点約300℃・燃焼範囲1.4〜7.6%。
- ③灯油と軽油 … 引火点40℃以上/45℃以上、発火点はどちらも約220℃。
- ④指定数量 … 「ガソリン200L・灯油1,000L」を使った倍数計算。
まとめこのページのまとめ
- 境目の引火点は21℃・70℃・200℃・250℃
- 第一石油類=21℃未満(ガソリン・ベンゼン・トルエン・アセトン)
- 第二石油類=21℃以上70℃未満(灯油・軽油・酢酸)
- ガソリン −40℃以下/灯油 40℃以上/軽油 45℃以上
- ガソリンの発火点300℃より、灯油・軽油の発火点220℃のほうが低い
- 指定数量は第一200L・第二1,000L。水溶性はその2倍
