この記事でわかること
令和4年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 B㉑〜㉙」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、フロン排出抑制法・廃棄物処理法・施工管理・工程管理・品質管理・安全管理・機器据付・配管/ダクト施工などです。
問21
分野:フロン排出抑制法重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)第一種特定製品整備者は、第一種特定製品にフロン類を充填するときは、第一種フロン類充填回収業者に委託しなければならない。
(2)第一種フロン類充填回収業を行おうとする者は、環境大臣の登録を受けなければならない。
(3)第一種フロン類充填回収業者が委託を受けてフロン類の回収を行ったときは、整備を発注した第一種特定製品の管理者に回収証明書を交付しなければならない。
(4)フロン類破壊業者がフロン類を破壊したときは、当該フロン類を引き取った第一種フロン類充填回収業者に破壊証明書を送付しなければならない。
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エアコンや冷凍機に使うフロンを、大気に出さず適切に扱うためのルール(フロン排出抑制法)の問題です。「誰に登録するか」「どの証明書を誰に渡すか」がよく問われます。
フロン排出抑制法とは?
エアコンや冷凍機などに使われるフロン類が大気に放出されるのを防ぐための法律です。フロンはオゾン層を壊し、強い温室効果を持つため、充填・回収・破壊を業者にきちんと管理させます。
⭕(1)第一種特定製品整備者は、第一種特定製品にフロン類を充填するときは、第一種フロン類充填回収業者に委託しなければならない。
正しい記述です。機器を整備してフロンを充填するときは、登録を受けた第一種フロン類充填回収業者に委託します。
第一種特定製品とは?
業務用のエアコンや冷凍・冷蔵機器など、フロン類が冷媒として入っている業務用機器のことです(家庭用エアコンや自動車は別の扱いです)。
フロンの充填は専門知識がないと漏らしてしまうおそれがあります。だから資格(登録)のある業者にまかせると決められています。
❌(2)第一種フロン類充填回収業を行おうとする者は、環境大臣の登録を受けなければならない。
「環境大臣の登録」が誤りです。第一種フロン類充填回収業の登録は、都道府県知事から受けます。
第一種フロン類充填回収業とは?
業務用エアコンや冷凍機(第一種特定製品)のフロンを充填したり回収したりする業者です。営むには、その地域の都道府県知事の登録が必要です。
こうした「業の登録・許可」は、身近な行政である都道府県知事が窓口になることが多いです。「環境大臣」と国の役職にすりかえるのが、この問題のひっかけです。
⭕(3)第一種フロン類充填回収業者が委託を受けてフロン類の回収を行ったときは、整備を発注した第一種特定製品の管理者に回収証明書を交付しなければならない。
正しい記述です。フロンを回収したら、整備を発注した機器の管理者(持ち主)に回収証明書を交付します。
証明書を残すことで、「フロンが大気に逃がされず、きちんと回収された」という記録が確認できます。回収のゴールは持ち主への報告、と覚えましょう。
⭕(4)フロン類破壊業者がフロン類を破壊したときは、当該フロン類を引き取った第一種フロン類充填回収業者に破壊証明書を送付しなければならない。
正しい記述です。フロンを破壊したら、その引き渡し元(回収業者)に破壊証明書を送付します。
回収業者→破壊業者へとフロンが渡り、最後に「確かに破壊した」という証明書が逆方向に戻る流れです。証明書がリレーされることで、フロンの行き先が最後まで追えるようになっています。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(2)です。第一種フロン類充填回収業の登録は都道府県知事から受けます(環境大臣ではありません)。
問22
分野:廃棄物処理法重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集若しくは運搬又は処分を業として行う者に当該産業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合は、委託契約書の作成を要しない。
(2)産業廃棄物管理票を交付した事業者は、当該管理票に関する報告書を作成し、都道府県知事に提出しなければならないが、電子情報処理組織を使用する場合は不要である。
(3)産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、都道府県知事から産業廃棄物処分業者の許可を受けることにより、産業廃棄物の運搬及び処分を一貫して行うことができる。
(4)事業者は、建設工事に伴い発生した産業廃棄物を事業場の外の300㎡以上の保管場所に保管する場合、非常災害のために必要な応急措置として行う場合等を除き、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
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工事で出る産業廃棄物を、正しく委託・処理するためのルール(廃棄物処理法)の問題です。「処分」と「運搬」では必要な許可が別、という点が大きなポイントです。
産業廃棄物とは?
工場や建設工事などの事業活動から出る廃棄物のうち、法律で定められたもの(がれき類・廃プラスチック・金属くずなど)です。家庭ごみ(一般廃棄物)とは区別されます。
⭕(1)専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集若しくは運搬又は処分を業として行う者に当該産業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合は、委託契約書の作成を要しない。
正しい記述です。古紙・くず鉄などのもっぱら再生利用される廃棄物だけを委託する場合は、委託契約書の作成が不要です。
こうした廃棄物は昔から資源として回収・再利用されてきた実績があり、不法投棄のおそれが小さいため、手続きが一部ゆるめられています。
⭕(2)産業廃棄物管理票を交付した事業者は、当該管理票に関する報告書を作成し、都道府県知事に提出しなければならないが、電子情報処理組織を使用する場合は不要である。
正しい記述です。紙の管理票(マニフェスト)を使った場合は報告書を出しますが、電子マニフェストを使う場合は報告書の提出が不要です。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは?
産業廃棄物を委託するとき、「いつ・何を・誰に・どこへ」運んで処分したかを記録・追跡する伝票です。不法投棄を防ぐためのしくみで、紙と電子の2種類があります。
電子マニフェストは、やりとりの記録がシステム上に自動で残るため、わざわざ別に報告書を出さなくてよいのです。
❌(3)産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、都道府県知事から産業廃棄物処分業者の許可を受けることにより、産業廃棄物の運搬及び処分を一貫して行うことができる。
「運搬及び処分を一貫して行うことができる」が誤りです。処分業の許可でできるのは処分だけ。運搬も行うには、別に収集運搬業の許可が必要です。
処分業の許可と収集運搬業の許可とは?
産業廃棄物の「処分(埋立・焼却など)」には処分業の許可、「運搬」には収集運搬業の許可が必要です。1つの許可で両方はできず、両方やるならそれぞれの許可がいります。
1つの許可で何でもできてしまうと、責任があいまいになり不法投棄も起きやすくなります。だから仕事の種類ごとに許可を分けている、と理解すると覚えやすいです。
⭕(4)事業者は、建設工事に伴い発生した産業廃棄物を事業場の外の300㎡以上の保管場所に保管する場合、非常災害のために必要な応急措置として行う場合等を除き、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
正しい記述です。建設廃棄物を現場の外の300㎡以上の場所に保管するときは、あらかじめ都道府県知事へ届け出ます。
広い場所に大量にためると、不適正な保管や周辺への影響が心配されます。だから一定規模(300㎡)以上の場外保管は、前もって届け出させて行政が把握します。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)です。処分業の許可では運搬はできず、運搬には別に収集運搬業の許可が必要です。
問23
分野:施工管理重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)工事の受注者は、設計図書に基づく請負代金内訳書及び実行予算書を、発注者に提出しなければならない。
(2)総合施工計画書は受注者の責任において作成されるが、設計図書に特記された事項については監督員の承諾を受ける。
(3)工事に使用する材料は、設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、最低限の品質を有するものとする。
(4)総合工程表は、現場の仮設工事から、完成時における試運転調整、後片付け、清掃までの全工程の予定を表すものである。
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施工管理の基本を問う問題です。この問題は「適当でないもの」が二つあり、二つとも選びます。誤りは(1)と(3)です。
❌(1)工事の受注者は、設計図書に基づく請負代金内訳書及び実行予算書を、発注者に提出しなければならない。
「実行予算書を…提出しなければならない」が誤りです。発注者に提出するのは請負代金内訳書で、実行予算書は提出しません。
請負代金内訳書と実行予算書とは?
請負代金内訳書は、請負金額の内訳を示す書類で、発注者に提出します。実行予算書は、受注者が利益を確保するために社内で立てる予算計画で、発注者に見せるものではありません。
実行予算書には自社の原価や利益の見込みが書かれています。これを発注者に渡す義務はなく、現場の原価管理に使う社内資料です。
⭕(2)総合施工計画書は受注者の責任において作成されるが、設計図書に特記された事項については監督員の承諾を受ける。
正しい記述です。総合施工計画書は受注者が責任をもって作りますが、設計図書に特記された事項は監督員の承諾を受けます。
計画づくりは受注者の責任ですが、発注者が特に指定した事項まで勝手に決めることはできません。だから特記事項だけは監督員の確認をとるのです。
❌(3)工事に使用する材料は、設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、最低限の品質を有するものとする。
「最低限の品質」が誤りです。品質が明示されていない材料は、中等(ちゅうとう)の品質のものとします。
「最低限でよい」としてしまうと、質の悪い材料でも許されることになり、建物の安全や性能が下がります。だから図面に指定がなくてもふつう程度(中等)の品質を確保する、と決められています。
⭕(4)総合工程表は、現場の仮設工事から、完成時における試運転調整、後片付け、清掃までの全工程の予定を表すものである。
正しい記述です。総合工程表は、仮設工事から試運転調整・後片付け・清掃まで、工事の全工程の予定を表します。
工事は建物を建てて終わりではなく、設備が正しく動くか確認する試運転調整や、最後の清掃までが仕事です。総合工程表は、その全部を一枚で見渡せるようにしたものです。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)と(3)です。発注者に提出するのは請負代金内訳書(実行予算書は社内資料)。品質が明示されていない材料は中等の品質とします。
問24
分野:工程管理重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)工程表作成時に注意すべき項目は、作業の順序と作業時間、休日や夜間の作業制限、諸官庁への申請・届出、試運転調整、検査時期、季節の天候等がある。
(2)ネットワーク工程表には、前作業が遅れた場合の後続作業への影響度が把握しにくいという短所がある。
(3)ネットワーク工程表で全体工程の短縮を検討する場合は、当初のクリティカルパス上の作業についてのみ日程短縮を検討すればよい。
(4)工期の途中で工程計画をチェックし、現実の推移を入れて調整することをフォローアップという。
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工程管理、とくにネットワーク工程表に関する問題です。誤りは二つあり、二つとも選びます。ここでは(2)と(3)が誤りです。
⭕(1)工程表作成時に注意すべき項目は、作業の順序と作業時間、休日や夜間の作業制限、諸官庁への申請・届出、試運転調整、検査時期、季節の天候等がある。
正しい記述です。工程表を作るときは、作業の順序・時間だけでなく、休日や夜間の制限、官庁への申請、検査時期、天候なども考えに入れます。
これらを見落とすと、「許可が下りず工事が止まる」「梅雨で作業できない」といった遅れが起きます。だから最初から幅広い条件を工程に織り込みます。
❌(2)ネットワーク工程表には、前作業が遅れた場合の後続作業への影響度が把握しにくいという短所がある。
「把握しにくいという短所がある」が誤りです。ネットワーク工程表は、ある作業の遅れが後の作業にどう響くかが把握しやすいのが長所です。
ネットワーク工程表とは?
作業どうしの前後のつながり(どの作業が終わらないと次に進めないか)を矢印で結んだ工程表です。遅れの影響がどこまで及ぶかを追いやすいのが特長です。
逆に、棒グラフで各作業の期間だけを並べるバーチャート工程表は、作業どうしのつながりが描かれないため、遅れの影響が分かりにくいです。「影響が分かりにくいのはバーチャート」と覚え、入れかえに注意しましょう。
❌(3)ネットワーク工程表で全体工程の短縮を検討する場合は、当初のクリティカルパス上の作業についてのみ日程短縮を検討すればよい。
「当初のクリティカルパス上の作業についてのみ…でよい」が誤りです。短縮すると、別の経路が新しいクリティカルパスになることがあるためです。
クリティカルパスとは?
工程のなかでいちばん時間がかかる作業のつながり(最長の経路)で、全体の工期を決める道すじです。ここが延びれば工期も延び、ここを縮めれば工期も縮みます。
最長の経路を縮めると、それまで2番目だった経路が一番長くなり、新たなクリティカルパスに変わることがあります。だから当初の経路だけでなく、短縮後に変わる経路も確認しながら進めます。
⭕(4)工期の途中で工程計画をチェックし、現実の推移を入れて調整することをフォローアップという。
正しい記述です。工期の途中で計画を見直し、実際の進み具合に合わせて調整することをフォローアップといいます。
計画は一度作って終わりではありません。現実とのズレを早めに見つけて手を打つことで、遅れを取り戻せます。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(2)と(3)です。ネットワーク工程表は遅れの影響を把握しやすいのが長所(把握しにくいのはバーチャート)。工程短縮では、短縮後に変わるクリティカルパスも確認します。
問25
分野:品質管理重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)品質管理は、設計図書で要求された品質を実現するため、品質計画に基づき施工を実施し品質保証を確立することにある。
(2)品質管理として行う行為には、搬入材料の検査、配管の水圧試験、風量調整の確認等がある。
(3)品質管理のメリットは品質の向上や均一化であり、デメリットは工事費の増加である。
(4)PDCAサイクルは、計画→改善→チェック→実施→計画のサイクルを繰り返すことであり、品質の改善に有効である。
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品質管理に関する問題です。誤りは二つあり、二つとも選びます。ここでは(3)と(4)が誤りです。
⭕(1)品質管理は、設計図書で要求された品質を実現するため、品質計画に基づき施工を実施し品質保証を確立することにある。
正しい記述です。品質管理とは、求められた品質を実現するため、計画に基づいて施工し、品質保証を確立する活動です。
「とりあえず良いものを作る」ではなく、計画→実施→確認という流れで、要求された品質を確実に満たすのが品質管理です。
⭕(2)品質管理として行う行為には、搬入材料の検査、配管の水圧試験、風量調整の確認等がある。
正しい記述です。搬入材料の検査・配管の水圧試験・風量調整の確認なども、品質管理の具体的な行為に含まれます。
これらはすべて「ちゃんと基準どおりにできているか」を確かめる作業です。完成後に隠れてしまう部分こそ、施工中の検査・試験が大切になります。
❌(3)品質管理のメリットは品質の向上や均一化であり、デメリットは工事費の増加である。
「デメリットは工事費の増加」が誤りです。品質管理を行うと手直しや不具合が減るため、工事費はむしろ下がります。
検査の手間は増えるように見えますが、あとからの手直し(やり直し)や不具合対応のほうがずっと費用がかかります。先に品質を作り込むことで、結果的にムダな出費を防げるのです。
❌(4)PDCAサイクルは、計画→改善→チェック→実施→計画のサイクルを繰り返すことであり、品質の改善に有効である。
順序が誤りです。正しくは計画(P)→実施(D)→チェック(C)→改善(A)→計画…の順でくり返します。
PDCAサイクルとは?
Plan(計画)→Do(実施)→Check(チェック)→Act(改善)の順に回して、仕事を少しずつ良くしていく考え方です。改善した内容を次の計画に活かし、ぐるぐる回します。
問題文は「計画→改善→チェック→実施」と、実施と改善が入れかわっています。まずやってみて(実施)、確かめて(チェック)、直す(改善)という順番を押さえましょう。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)と(4)です。品質管理は手直しが減るので工事費はむしろ下がります。PDCAは計画→実施→チェック→改善の順です。
問26
分野:安全管理重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)特定元方事業者は、労働災害を防止するために、作業場所を週に少なくとも1回巡視しなければならない。
(2)安全施工サイクルとは、安全朝礼から始まり、安全ミーティング、安全巡回、安全工程打合せ、後片付け、終業時確認までの作業日ごとの安全活動サイクルのことである。
(3)災害の発生によって、事業者は、刑事責任、民事責任、行政責任及び社会的責任を負う。
(4)重大災害とは、一時に3人以上の労働者が業務上死亡した災害をいい、労働者が負傷又はり病した災害は含まない。
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安全管理に関する問題です。誤りは二つあり、二つとも選びます。ここでは(1)と(4)が誤りです。数字(巡視の頻度・重大災害の定義)に注意して読みましょう。
❌(1)特定元方事業者は、労働災害を防止するために、作業場所を週に少なくとも1回巡視しなければならない。
「週に少なくとも1回」が誤りです。特定元方事業者は、毎作業日に少なくとも1回、作業場所を巡視しなければなりません。
現場の危険は日々変わります。週に1回では、その間に起きた危険を見逃してしまいます。だから「作業をする日は毎日、最低1回は見回る」のが義務です。「週1回」と頻度を下げるのがひっかけです。
⭕(2)安全施工サイクルとは、安全朝礼から始まり、安全ミーティング、安全巡回、安全工程打合せ、後片付け、終業時確認までの作業日ごとの安全活動サイクルのことである。
正しい記述です。安全施工サイクルは、朝礼から終業時確認まで、作業日ごとにくり返す安全活動のサイクルです。
毎日決まった流れで安全確認をくり返すことで、「やり忘れ」をなくし、安全を習慣にするのがねらいです。
⭕(3)災害の発生によって、事業者は、刑事責任、民事責任、行政責任及び社会的責任を負う。
正しい記述です。災害が起きると、事業者は刑事・民事・行政・社会的の各責任を負うことになります。
罰則(刑事)、損害賠償(民事)、営業停止など(行政)に加え、社会からの信用を失う(社会的責任)こともあります。だから「事故を起こさせない」ことが何より大切です。
❌(4)重大災害とは、一時に3人以上の労働者が業務上死亡した災害をいい、労働者が負傷又はり病した災害は含まない。
「死亡した災害をいい、…負傷又はり病した災害は含まない」が誤りです。重大災害は、死亡だけでなく負傷・り病も含みます。
重大災害とは?
一時に3人以上の労働者が業務上死傷(死亡または負傷・り病)した災害のことです。「死亡」に限らず、けがや病気でも3人以上なら重大災害にあたります。
問題文は「死亡だけ」「負傷・り病は含まない」とせばめているのが誤りです。3人以上が死傷=重大災害、と覚えましょう。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)と(4)です。特定元方事業者は毎作業日に少なくとも1回巡視します(週1回ではない)。重大災害は3人以上の死傷で、負傷・り病も含みます。
問27
分野:機器据付重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形の方が許容引抜き力が大きい。
(2)屋上設置の飲料用タンクのコンクリート基礎は、鋼製架台も含めた高さを400mmとする。
(3)
冷却塔のボールタップを作動させるため、補給水口の高さは、高置タンクの低水位より1mの落差が確保できる位置とする。
(4)冷却塔は、排出された空気が再び冷却塔に吸い込まれないよう外壁等とのスペースを十分にとるとともに風通しのよい場所に据え付ける。
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機器の据付に関する問題です。誤りは二つあり、二つとも選びます。ここでは(2)と(3)が誤りです。数字(基礎の高さ・落差)に注意しましょう。
⭕(1)あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形の方が許容引抜き力が大きい。
正しい記述です。あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形のほうが許容引抜き力が大きくなります。
メカニカルアンカーボルト(おねじ形・めねじ形)とは?
コンクリートに穴をあけてから打ち込む金具で、機械的に効かせる固定ボルトです。おねじ形はボルト自体が深く効くため引抜きに強く、めねじ形は内部にねじ穴があるタイプで、おねじ形より引抜き力は小さめです。
重い機器を確実に固定するには引抜きに強いほうが有利です。「おねじ形のほうが強い」と覚えておきましょう。
❌(2)屋上設置の飲料用タンクのコンクリート基礎は、鋼製架台も含めた高さを400mmとする。
「400mm」が誤りです。飲料用タンクの基礎は、鋼製架台も含めて600mm以上とします。
飲料用タンクは、底の点検・清掃ができることが大切です。基礎が低いと下にもぐって作業できません。だから人が点検できる高さ(600mm以上)を確保します。400mmでは低すぎる、というのがポイントです。
❌(3)冷却塔のボールタップを作動させるため、補給水口の高さは、高置タンクの低水位より1mの落差が確保できる位置とする。
「1mの落差」が誤りです。1mでは水圧が不足しがちで、もっと大きな落差(目安として3m程度)が確保できる位置にします。
ボールタップとは?
水位が下がると浮き玉(ボール)が下がって弁が開き、自動で水を補給する装置です。トイレのタンクと同じしくみで、確実に動くには十分な水圧(落差)が必要です。
落差が小さいと水圧が足りず、ボールタップがうまく開かず補給がにぶくなります。だから高置タンクの低水位から十分な落差(3m程度)をとれる位置に補給水口を設けます。
⭕(4)冷却塔は、排出された空気が再び冷却塔に吸い込まれないよう外壁等とのスペースを十分にとるとともに風通しのよい場所に据え付ける。
正しい記述です。冷却塔は、出した空気を再び吸い込まないよう、まわりに十分なスペースをとり風通しのよい場所に据え付けます。
排出した熱い・湿った空気をまた吸い込むこと(ショートサーキット)が起きると、冷却の効きが大きく落ちます。だから壁とのすき間を十分にとり、空気がよどまない場所を選びます。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(2)と(3)です。飲料用タンクの基礎は600mm以上(400mmは低すぎ)。冷却塔の補給水口は、高置タンク低水位から十分な落差(3m程度)を確保します(1mでは不足)。
問28
分野:配管施工重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)冷温水配管に自動空気抜き弁を設ける場合は、管内が負圧になる箇所に設ける。
(2)冷温水配管からの膨張管を開放形膨張タンクに接続する際は、接続口の直近にメンテナンス用バルブを設ける。
(3)ステンレス鋼管の溶接接合は、管内にアルゴンガス又は窒素ガスを充満させてから、TIG溶接により行う。
(4)揚水管の試験圧力は、揚水
ポンプの全揚程の2倍とするが、0.75MPaに満たない場合は0.75MPaとする。
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配管施工に関する問題です。誤りは二つあり、二つとも選びます。ここでは(1)と(2)が誤りです。
❌(1)冷温水配管に自動空気抜き弁を設ける場合は、管内が負圧になる箇所に設ける。
「負圧になる箇所」が誤りです。自動空気抜き弁は、管内が正圧(プラスの圧力)になる箇所に設けます。
自動空気抜き弁とは?
配管の中にたまった空気を、自動で外へ抜く弁です。空気がたまると水の流れが悪くなったり異音が出たりするため、その空気を逃がします。
もし負圧(マイナスの圧力)の箇所に付けると、空気を抜くどころか弁から逆に空気を吸い込んでしまいます。だから「正圧の箇所に設ける」が正解です。
❌(2)冷温水配管からの膨張管を開放形膨張タンクに接続する際は、接続口の直近にメンテナンス用バルブを設ける。
「メンテナンス用バルブを設ける」が誤りです。膨張管には、弁(バルブ)を設けてはいけません。
膨張管とは?
水は温度が上がると体積が増えます。その膨張した分を、開放形膨張タンクへ逃がすための配管が膨張管です。圧力の逃げ道となる安全上とても大切な経路です。
ここに弁を付けて閉めてしまうと、水の膨張の逃げ場がなくなり、配管に高い圧力がかかって破損するおそれがあります。安全のため、膨張管の途中には弁を設けません。
⭕(3)ステンレス鋼管の溶接接合は、管内にアルゴンガス又は窒素ガスを充満させてから、TIG溶接により行う。
正しい記述です。ステンレス鋼管の溶接は、管の内側をアルゴンや窒素ガスで満たしてから、TIG溶接で行います。
TIG溶接とは?
電極と不活性ガスを使う、きれいで精密な溶接方法です。空気(酸素)が触れると溶接部が酸化して傷むため、管内をガスで満たして酸素を追い出します。
酸素が残っていると溶接部の内側が黒く酸化して劣化します。だからあらかじめガスで酸素を追い出してから溶接するのです。
⭕(4)揚水管の試験圧力は、揚水ポンプの全揚程の2倍とするが、0.75MPaに満たない場合は0.75MPaとする。
正しい記述です。揚水管の試験圧力は揚水ポンプ全揚程の2倍とし、それが0.75MPaに満たない場合は0.75MPaとします。
実際に使う圧力より高い圧をかけて、漏れや弱い所がないかを確かめるのが水圧試験です。圧力が低すぎると試験にならないため、最低ライン(0.75MPa)が決められています。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)と(2)です。自動空気抜き弁は正圧になる箇所に設けます(負圧だと空気を吸い込む)。膨張管には弁を設けてはいけません(閉めると圧力の逃げ場がなくなる)。
問29
分野:ダクト施工重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
(1)送風機の吐出し口直後に曲り部を設ける場合は、吐出し口から曲り部までの距離を送風機の羽根径と同じ寸法とする。
(2)長辺が450mmを超える亜鉛鉄板製ダクトは、保温を施さない部分に補強リブによる補強を行う。
(3)送風機とダクトを接続するたわみ継手は、たわみ部が負圧となる場合、補強用のピアノ線が挿入されたものを使用する。
(4)横走り主ダクトに設ける耐震支持は、25m以内に1箇所、形鋼振止め支持とする。
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ダクト施工に関する問題です。誤りは二つあり、二つとも選びます。ここでは(1)と(4)が誤りです。数字(距離・支持間隔)に注意しましょう。
❌(1)送風機の吐出し口直後に曲り部を設ける場合は、吐出し口から曲り部までの距離を送風機の羽根径と同じ寸法とする。
「羽根径と同じ寸法」が誤りです。吐出し口から曲り部までの距離は、送風機の羽根径の1.5倍以上とります。
送風機を出てすぐの空気は勢いが強く流れが乱れています。そこですぐ曲げると、抵抗(圧力損失)や騒音が大きくなります。だから少し直線部をとって流れを整えてから曲げる、というのが「羽根径の1.5倍以上」です。
⭕(2)長辺が450mmを超える亜鉛鉄板製ダクトは、保温を施さない部分に補強リブによる補強を行う。
正しい記述です。長辺が450mmを超える亜鉛鉄板製ダクトは、保温しない部分に補強リブを設けます。
補強リブとは?
ダクトの鉄板面に付ける折り目状の補強です。面が大きいと、空気の圧力で板がベコベコと振動(たわみ)します。リブを入れて面の剛性を上げ、振動や騒音を防ぎます。
保温する部分は保温材が振動を抑えるので不要ですが、むき出し(保温しない)の大きな面は補強リブが必要になります。
⭕(3)送風機とダクトを接続するたわみ継手は、たわみ部が負圧となる場合、補強用のピアノ線が挿入されたものを使用する。
正しい記述です。たわみ継手は、たわみ部が負圧になる場合、補強用ピアノ線入りのものを使います。
たわみ継手とは?
送風機とダクトの間に入れるやわらかい継手です。送風機の振動がダクトへ伝わるのを防ぎます。
やわらかい継手は、内側が負圧(吸い込み側)になると吸い寄せられてつぶれてしまいます。それを防ぐため、ピアノ線を入れて形を保てるようにします。
❌(4)横走り主ダクトに設ける耐震支持は、25m以内に1箇所、形鋼振止め支持とする。
「25m以内に1箇所」が誤りです。横走り主ダクトの耐震支持(形鋼振止め支持)は、12m以下ごとに設けます。
形鋼振止め支持とは?
山形鋼(アングル)などの丈夫な鋼材で、地震の横ゆれからダクトを支える支持です。ふだんの吊り(つり)支持とは別に、振れ止めとして設けます。
25mに1箇所では間隔が広すぎて、地震のときダクトが大きく振れて落下するおそれがあります。だからもっと短い間隔(12m以下ごと)で振止めを設けます。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)と(4)です。吐出し口から曲り部までは羽根径の1.5倍以上(同じ寸法ではない)。横走り主ダクトの耐震支持は12m以下ごとに設けます(25mでは広すぎ)。
この9問の要点(直前チェック用)
- 問21:フロン類充填回収業は、都道府県知事の登録を受ける
- 問22:処分業の許可では運搬はできない(収集運搬業の許可が別途必要)
- 問23:品質が明示されていない材料は、中等の品質のものとする
- 問24:工程短縮では、短縮後に変わるクリティカルパスも確認する
- 問25:PDCAは「計画→実施→チェック→改善」の順
- 問26:重大災害には、死亡だけでなく負傷・り病も含む
- 問27:冷却塔の補給水は、高置タンクとの落差3mを確保する
- 問28:膨張管には、弁(バルブ)を設けてはならない
- 問29:横走り主ダクトの耐震支持は、12m以下ごとに設ける
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