この記事でわかること

令和4年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 A①〜⑩」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、地球環境・結露・室内空気・流体・熱・燃焼・湿り空気・音です。

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問1

分野:地球環境重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)我が国の温室効果ガスの総排出量は、2013年頃より減少に転じており、主な温室効果ガスのうち二酸化炭素、ハイドロフルオロカーボン類ともに減少している。
(2)SDGsとは、国連サミットで採択された持続可能でより良い世界を目指すための国際目標であり、17のゴールから構成されている。
(3)酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んで、一般的に、pH値が5.6以下の酸性となった雨等のことで、湖沼や森林の生態系に悪影響を与える。
(4)オゾン層を保護するため、フロン類の製造から廃棄までに携わる全ての主体に法令の遵守を求める「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」が平成27年に施行されている。
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正解
(1)が誤り

地球環境に関する基礎知識の問題です。温室効果ガスの増減やSDGs・酸性雨など、数字や事実をそのまま覚えているかが問われます。

❌(1)我が国の温室効果ガスの総排出量は、2013年頃より減少に転じており、主な温室効果ガスのうち二酸化炭素、ハイドロフルオロカーボン類ともに減少している。

「二酸化炭素、ハイドロフルオロカーボン類ともに減少している」が誤りです。正しくは、二酸化炭素は減っていますが、ハイドロフルオロカーボン類(HFC)はむしろ増え続けています。

ハイドロフルオロカーボン類(HFC)とは?

エアコンや冷蔵庫の冷媒に使われる人工のガスです。オゾン層は壊しませんが温室効果がとても強く、機器の普及とともに使用量が増えています。

総排出量そのものは2013年度をピークに減少が続いています。ただし内訳を見ると、二酸化炭素は省エネや再生可能エネルギーの拡大で減った一方、HFCは減っておらず増加傾向です。「ともに減少」と一括りにしているのが誤りのポイントです。

⭕(2)SDGsとは、国連サミットで採択された持続可能でより良い世界を目指すための国際目標であり、17のゴールから構成されている。

正しい記述です。SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。

「誰一人取り残さない」を理念に、2030年までの達成を目指しています。貧困・飢餓の解消、健康と福祉、教育、気候変動対策など17のゴールで構成されており、問題文は正しい内容です。

⭕(3)酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んで、一般的に、pH値が5.6以下の酸性となった雨等のことで、湖沼や森林の生態系に悪影響を与える。

正しい記述です。工場の煙や排気ガスにふくまれる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が雨に溶け、酸性が強くなった雨を酸性雨といいます。

pH(ピーエッチ)とは?

水溶液が酸性かアルカリ性かを0〜14の数値で表したものです。7が中性で、数値が小さいほど酸性が強くなります。雨はもともと弱い酸性なので、それより強い5.6以下を酸性雨の基準にしています。

酸性雨は湖沼の魚や森林、建造物に悪影響を与えます。pH5.6以下という基準も含め、問題文は正しい内容です。

⭕(4)オゾン層を保護するため、フロン類の製造から廃棄までに携わる全ての主体に法令の遵守を求める「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」が平成27年に施行されている。

正しい記述です。いわゆるフロン排出抑制法で、平成27年(2015年)に施行されました。

この法律は、フロンを作る・使う・廃棄するすべての立場の人に管理の義務を課しています。フロンが大気に漏れるのを川上から川下まで防ぐしくみで、問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。温室効果ガスの総排出量は減少傾向ですが、HFC(ハイドロフルオロカーボン類)は増え続けており、「二酸化炭素とともに減少」ではありません。

問2

分野:結露重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)室内空気の流動が少なくなると、壁面の表面温度が低下し、結露を生じやすい。
(2)外壁に断熱材を用いると、熱通過率が小さくなり結露を生じにくい。
(3)多層壁の構造体の内部における各点の水蒸気分圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすることにより、結露を防止することができる。
(4)暖房をしている室内では、一般的に、天井付近に比べて床付近の方が結露を生じにくい。
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正解
(4)が誤り

結露がどんなときに起こるかを問う問題です。結露は「冷たい面に水分がふれると起こる」が基本。これを軸に各選択肢を読みましょう。

⭕(1)室内空気の流動が少なくなると、壁面の表面温度が低下し、結露を生じやすい。

正しい記述です。空気の動きが少なくなると壁の表面温度が下がり、その冷えた面に水分がふれて結露しやすくなります。

空気が動いていると壁面に暖かい空気が当たり続けて温度が保たれますが、よどんだ空気は壁を冷やしやすいのです。家具の裏が結露しやすいのもこのためです。

⭕(2)外壁に断熱材を用いると、熱通過率が小さくなり結露を生じにくい。

正しい記述です。断熱材を使うと熱通過率が小さくなり、室内側の壁の表面温度が下がりにくくなるため結露しにくくなります。

熱通過率とは?

壁などをはさんで、熱がどれだけ伝わりやすいかを表す値です。値が小さいほど熱を通しにくく、断熱性が高いことを意味します。

壁の室内側が冷えにくければ、そこに水分がふれても結露しません。だから断熱は結露対策にもなる、というわけです。

⭕(3)多層壁の構造体の内部における各点の水蒸気分圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすることにより、結露を防止することができる。

正しい記述です。壁の内部の各点で実際の水蒸気の圧力を、その温度の限界(飽和水蒸気圧)より低く保てば、壁の中での結露(内部結露)を防げます。

水蒸気分圧・飽和水蒸気圧とは?

水蒸気分圧は、空気中の水蒸気が示す圧力。飽和水蒸気圧は、その温度で空気がふくめる水蒸気の限界の圧力です。実際の圧力が限界をこえると結露します。

壁の中は外気に近づくほど温度が下がり、限界の圧力も下がります。各点で限界を下回るように設計すれば内部結露を防げる、という理屈です。

❌(4)暖房をしている室内では、一般的に、天井付近に比べて床付近の方が結露を生じにくい。

「床付近の方が結露を生じにくい」が誤りです。正しくは、床付近のほうがむしろ結露しやすくなります。

暖房した部屋では暖かい空気は軽くて上にたまり、床付近は温度が低くなります。結露は冷たい面ほど起こりやすいので、温度の低い床付近のほうが結露しやすいのです。「天井が暖かい=床は冷たい」と結びつけると間違えません。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。暖房中は暖かい空気が上にたまり、床付近は温度が低く結露しやすい点がひっかけです。

問3

分野:室内空気重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)浮遊粉じんのうち、直径が10μm以下のものは、人体への影響があるとされている。
(2)一酸化炭素は無色無臭で、二酸化炭素より比重が大きいガスである。
(3)空気中の二酸化炭素濃度が20%程度以上になると、人体に致命的な影響を与える。
(4)ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOCs)は、シックビル症候群の主要因とされている。
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正解
(2)が誤り

室内の空気環境に関する問題です。粉じんの大きさ・一酸化炭素の性質・二酸化炭素の濃度・VOCsなど、数値と事実を押さえましょう。

⭕(1)浮遊粉じんのうち、直径が10μm以下のものは、人体への影響があるとされている。

正しい記述です。直径10μm以下の小さな粉じんは、吸い込むと肺の奥まで入りやすく、人体への影響があるとされています。

10μm(マイクロメートル)は1mmの100分の1という小ささです。大きな粒は鼻やのどで止まりますが、小さい粒ほど奥まで届くため問題になります。

❌(2)一酸化炭素は無色無臭で、二酸化炭素より比重が大きいガスである。

「二酸化炭素より比重が大きい」が誤りです。正しくは、一酸化炭素は二酸化炭素より比重が小さい(軽い)です。

一酸化炭素(CO)とは?

ものが酸素の足りない状態で燃えたときに発生する、無色無臭の有毒なガスです。空気よりわずかに軽く、吸い込むと中毒を起こします。

分子の重さはCOが約28、CO₂が約44。数字が小さいCOのほうが軽い、と覚えれば確実です(空気は約29なのでCOは空気よりわずかに軽い)。無色無臭という前半は正しく、比重の部分だけが誤りです。

⭕(3)空気中の二酸化炭素濃度が20%程度以上になると、人体に致命的な影響を与える。

正しい記述です。二酸化炭素の濃度が20%程度以上になると、人体に致命的な影響をあたえます。

ふだんの空気の二酸化炭素は約0.04%です。20%がいかに高い濃度かが分かります。室内環境の管理基準(建築物衛生法)が0.1%(1000ppm)以下であることとあわせて押さえましょう。

⭕(4)ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOCs)は、シックビル症候群の主要因とされている。

正しい記述です。ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOCs)は、シックビル症候群の主な原因とされています。

VOCs・シックビル症候群とは?

VOCsは建材や塗料から空気中に出る、蒸発しやすい化学物質です。これが原因で、建物内の人に頭痛や目の痛みなどの不調が起こることをシックビル症候群といいます。

新築や改修の直後に起こりやすいのが特徴で、十分な換気などが対策になります。問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。一酸化炭素(CO・約28)は二酸化炭素(CO₂・約44)より軽い点がひっかけです。

問4

分野:流体重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)管種以外の条件が同じ場合、硬質塩化ビニル管は鋼管よりウォーターハンマーが発生しやすい。
(2)キャビテーションとは、流体の静圧が局部的に飽和蒸気圧より低下し、気泡が発生する現象をいう。
(3)流体の粘性による摩擦応力の影響は、一般的に、壁面近くで顕著に現れる。
(4)液体の自由な表面で、その液面を縮小しようとする性質により表面に働く力を表面張力という。
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正解
(1)が誤り

流体(水や空気の流れ)の基本性質に関する問題です。ウォーターハンマー・キャビテーション・粘性・表面張力など、用語の意味を正しく押さえましょう。

❌(1)管種以外の条件が同じ場合、硬質塩化ビニル管は鋼管よりウォーターハンマーが発生しやすい。

「鋼管よりウォーターハンマーが発生しやすい」が誤りです。正しくは、やわらかい塩ビ管のほうがむしろ発生しにくくなります。

ウォーターハンマー(水撃)とは?

配管内の水の流れを急に止めたときなどに、水の勢いが圧力の波となって管をたたき、衝撃音や振動を起こす現象です。水撃ともいいます。

硬質塩化ビニル管(塩ビ管)は、鋼管にくらべて材質がやわらかく弾力があり、圧力の波を吸収してくれます。だから鋼管よりむしろウォーターハンマーが起こりにくいのです。「やわらかい=衝撃を吸収」と結びつけましょう。

ウォーターハンマー(水撃)とは?原因と対策を初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしくウォーターハンマー(水撃)とは?原因と対策を初心者にもやさしく図解
⭕(2)キャビテーションとは、流体の静圧が局部的に飽和蒸気圧より低下し、気泡が発生する現象をいう。

正しい記述です。キャビテーションとは、流れる液体の圧力が部分的に下がり、その場所の飽和蒸気圧より低くなって気泡が発生する現象です。

ポンプの羽根のうらなど圧力が下がる場所で起こりやすく、発生した気泡がつぶれるときに騒音や振動、金属の損傷を引き起こします。問題文は正しい内容です。

⭕(3)流体の粘性による摩擦応力の影響は、一般的に、壁面近くで顕著に現れる。

正しい記述です。流体の粘り気(粘性)による摩擦の力は、管の壁面の近くで強くあらわれます

壁ぎわでは流れがさまたげられて遅くなり、中心部との速度の差が大きくなります。この速度差が大きいほど摩擦の力も大きくなるため、壁面近くで影響が目立つのです。

⭕(4)液体の自由な表面で、その液面を縮小しようとする性質により表面に働く力を表面張力という。

正しい記述です。液体の表面が面積をできるだけ小さくしようとする性質によって表面に働く力を、表面張力といいます。

水滴がまるくなるのは、同じ体積なら球が表面積を最小にできるからです。これも表面張力のはたらきで、問題文は正しい内容です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。やわらかい塩ビ管は圧力の波を吸収するため、鋼管よりウォーターハンマーが発生しにくい点がひっかけです。

問5

分野:流体重要度 ★★★

下図に示す水平な管路内を空気が流れる場合において、A点とB点の間の圧力損失ΔPの値として、適当なものはどれか。ただし、A点の流速は10m/s、A点の静圧は30Pa、B点の全圧は70Pa、空気の密度は1.2kg/m³とする。

水平な管路を空気が流れる図(A点・B点・圧力損失ΔP)
(1)10Pa
(2)15Pa
(3)20Pa
(4)25Pa
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正解
(3)20Pa

管の中を流れる空気の圧力損失ΔPを求める計算問題です。コツは「全圧=静圧+動圧」という関係を使うこと。順番に追えば必ず解けます。

全圧・静圧・動圧とは?

流れる空気がもつ圧力は、押す力の静圧と、速さによる動圧(=½×密度×流速²)に分けられます。その合計が全圧です(全圧=静圧+動圧)。

圧力損失ΔPとは?

空気が管の中を流れる間に、摩擦などで失われる圧力(エネルギー)のことです。A点とB点の全圧の差として求められます。

解き方の手順

①与えられた値を整理:A点の流速=10m/s、A点の静圧=30Pa、B点の全圧=70Pa、空気の密度=1.2kg/m³

②A点の動圧を計算:動圧=½×密度×流速²=½×1.2×10²=60Pa

③A点の全圧を計算:全圧=静圧+動圧=30+60=90Pa

④圧力損失を計算:ΔP=A点の全圧−B点の全圧=90−70=20Pa

計算のヤマは②の動圧です。流速を2乗してから½と密度を掛ける順番を間違えないようにしましょう(10²=100→×1.2=120→×½=60)。あとは「A点の全圧を組み立て→B点の全圧を引く」だけ。よって答えは(3)20Paです。

この問題のまとめ

全圧=静圧+動圧。A点の動圧60Pa+静圧30Pa=全圧90Pa、そこからB点の全圧70Paを引いて、圧力損失ΔP=20Paです。

問6

分野:流体重要度 ★★★

下図は流速を計測する器具の原理を説明したものである。その「器具の名称」と「流速(ν)と高さ(h)の関係」の組合せとして、適当なものはどれか。

マノメーターで流速を測る器具の原理図
(1)ピトー管 ── ν は h に比例
(2)ピトー管 ── ν は √h に比例
(3)ベンチュリー管 ── ν は h に比例
(4)ベンチュリー管 ── ν は √h に比例
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正解
(2)が正しい

正解は(2)です。図は、全圧孔と静圧孔の圧力差をマノメーターの高さ h で読み取る器具で、これはピトー管です。

全圧と静圧の差(=動圧)は ½×密度×流速² で表され、これがマノメーターの液柱差 h に対応します。

この式を流速について解くと、流速 ν は √h に比例します。よって「ピトー管・ν は√h に比例」の(2)が正解です。

ピトー管とは?

全圧と静圧の差(動圧)から流速を測る器具です。動圧が½×密度×流速²なので、測った圧力差から流速を逆算できます。

ピトー管はどんなときに使う?

ピトー管は、流れの中に差し込んで、その場所の流れの速さを測るための道具です。身近なところでは、飛行機の機体から突き出た細い管がピトー管で、飛行中の速度(対気速度)を測っています。

空調や管工事の実務では、ダクトの中の風速を測って風量(風速×断面積)を求めるのに使われ、試験でも実務でも一番身近な使い方です。ほかにも、レーシングカーの機首やボイラーの煙道、風洞実験などで同じ原理が利用されています。

要するに、「流れの速さを、その場に差し込んで測りたいとき」に使う道具だとイメージすると分かりやすいでしょう。

「√h に比例」ってどういうこと?

√(ルート)は、2乗の逆の計算です。たとえば √9=3 は「2乗すると9になる数は3」という意味です(3×3=9 だから)。

この問題では、マノメーターの液面差 h が動圧(½ρν²)、つまり速さの2乗に対応します。だから速さ ν は、その逆をたどって √h(ルートh)に対応する、と考えると分かりやすいです。

具体的には、h が4倍になっても速さは √4=2 で2倍、h が9倍でも3倍にしかなりません。h が増えるほど、速さの伸びはゆるやかになる、というイメージです。

ポイント 速さは「h」ではなく「√h(ルートh)」に比例します。流れの中へ差し込む形がピトー管で、管の途中を細くして流量を測るベンチュリー管とは別物です(名称のすり替えが定番のひっかけ)。

問7

分野:熱重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定容比熱の方が大きい。
(2)熱放射とは、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象をいう。
(3)膨張係数とは、物質の温度が1℃上昇したときに物質が膨張する割合である。
(4)圧縮式冷凍サイクルでは、凝縮温度が一定の場合、蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなる。
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正解
(1)が誤り

熱の基本性質に関する問題です。比熱・熱放射・膨張係数・冷凍サイクルの成績係数など、それぞれの言葉の意味を押さえましょう。

❌(1)気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定容比熱の方が大きい。

「定容比熱の方が大きい」が誤りです。正しくは、気体では定圧比熱のほうが大きくなります。

定容比熱・定圧比熱とは?

どちらも物質を1℃上げるのに必要な熱量です。定容比熱は体積を一定に保ったまま、定圧比熱は圧力を一定に保ったまま温める場合の値です。

体積を一定にすると(定容)、加えた熱はすべて温度上昇に使われます。一方、圧力を一定にすると(定圧)、気体は膨らんでまわりを押す「仕事」をするため、温度を上げる分に加えて膨らむ分の熱が余分に必要です。だから定圧比熱のほうが大きくなります。

ここでの「大きい」は同じ気体を同じ1℃上げるのに必要な熱量が多いという意味です。試験では「定容比熱の方が大きい」と書かれていたら誤りと即断できます(気体では必ず定圧比熱>定容比熱、その差は気体定数R)。

⭕(2)熱放射とは、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象をいう。

正しい記述です。熱放射とは、物体が電磁波の形で熱エネルギーを出したり受け取ったりする現象です。

太陽の熱が真空の宇宙空間をこえて地球に届くのも、この熱放射によるものです。間に空気がなくても伝わるのが特徴で、問題文は正しい内容です。

⭕(3)膨張係数とは、物質の温度が1℃上昇したときに物質が膨張する割合である。

正しい記述です。膨張係数とは、物質の温度が1℃上がったときに、どれだけ膨張するかの割合を表した値です。

温度が上がると物質がのびる量を示す値で、配管が熱でのびる量の計算などに使います。問題文は正しい内容です。

⭕(4)圧縮式冷凍サイクルでは、凝縮温度が一定の場合、蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなる。

正しい記述です。凝縮温度が一定のとき、蒸発温度を低くすると成績係数(COP)は小さくなります。

成績係数(COP)とは?

冷凍機が使った電力に対して、どれだけの熱を運べたかを表す効率の値です。値が大きいほど効率がよい(少ない電気で多く冷やせる)ことを意味します。

蒸発温度を下げるほど、凝縮温度との温度差が広がって、くみ上げる仕事が増えるため、同じ電力で運べる熱が減り効率(COP)は下がります。問題文は正しい内容です。

成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしく成績係数(COP)とは?エアコンの“燃費”を初心者にもやさしく図解

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。気体では、膨らむ分の熱が余分に要る定圧比熱のほうが大きい(定圧比熱>定容比熱)点がひっかけです。

問8

分野:燃焼重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な空気量を理論空気量という。
(2)燃料が理論空気量で完全燃焼した際に生じる燃焼ガス量を理論燃焼ガス量(理論廃ガス量)という。
(3)空気過剰率が大きすぎると、廃ガスによる熱損失が増大する。
(4)固体燃料は、空気と接する燃料の表面が大きいため、理論空気量に近い空気量で完全燃焼する。
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正解
(4)が誤り

燃焼に必要な空気量に関する問題です。理論空気量・空気過剰率という言葉を押さえ、固体・液体・気体で燃え方がちがう点に注意しましょう。

⭕(1)燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な空気量を理論空気量という。

正しい記述です。燃料を完全に燃やすために理論上必要となる最小限の空気量を、理論空気量といいます。

これは計算上ぴったりの量で、実際にはこれより少し多めの空気を送ります。基準となる量、と覚えましょう。

⭕(2)燃料が理論空気量で完全燃焼した際に生じる燃焼ガス量を理論燃焼ガス量(理論廃ガス量)という。

正しい記述です。燃料が理論空気量で完全燃焼したときに発生する燃焼ガスの量を、理論燃焼ガス量(理論廃ガス量)といいます。

(1)が「入れる空気」の基準なら、こちらは「出てくるガス」の基準。対になる用語として覚えると整理しやすいです。

⭕(3)空気過剰率が大きすぎると、廃ガスによる熱損失が増大する。

正しい記述です。空気過剰率が大きすぎると、燃焼に使われない余分な空気まであたためて捨てることになり、廃ガスによる熱損失が増えます。

空気過剰率とは?

実際に送りこむ空気量が、理論空気量の何倍にあたるかを表す値です。1より少し大きい値が適切で、大きすぎても小さすぎても燃焼効率が悪くなります。

空気が少なすぎると燃え残り(不完全燃焼)、多すぎると余分な空気で熱を捨てる。だから「少し多め」がちょうどよいのです。

❌(4)固体燃料は、空気と接する燃料の表面が大きいため、理論空気量に近い空気量で完全燃焼する。

「理論空気量に近い空気量で完全燃焼する」が誤りです。正しくは、固体燃料は理論空気量より多めの空気がないと完全燃焼しにくいです。

固体燃料(石炭など)は、気体・液体の燃料にくらべて空気とふれる表面の割合が小さく、かたまりの内部まで酸素が届きにくいです。そのため、すみずみまで燃やすには空気を多めに送る(空気過剰率を大きくする)必要があります。「表面が大きいから少ない空気で燃える」という説明が逆です。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。固体燃料は内部まで酸素が届きにくく、理論空気量より多めの空気がないと完全燃焼しにくい点がひっかけです。

問9

分野:湿り空気重要度 ★★★

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)飽和湿り空気の温度を上げても、絶対湿度は変わらない。
(2)湿り空気をその露点温度より高い温度の冷却コイルで冷却すると、絶対湿度は上がる。
(3)湿り空気を水スプレーで加湿しても、湿球温度はほとんど変わらない。
(4)湿り空気を蒸気スプレーで加湿すると、絶対湿度と相対湿度は上がる。
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正解
(2)が誤り

湿り空気(水蒸気をふくんだ空気)の性質を問う問題です。絶対湿度は「水分の量そのもの」で、水分を出し入れしなければ変わらない、が大きなカギです。

⭕(1)飽和湿り空気の温度を上げても、絶対湿度は変わらない。

正しい記述です。温度を上げても、水分を加えたり除いたりしなければ絶対湿度は変わりません

絶対湿度とは?

乾いた空気1kgあたりに、水蒸気が何kgふくまれているかを表した値です。温度が変わっても、水分を出し入れしなければ変化しません。

温度を上げると「あとどれだけ水分をふくめるか(余裕)」は増えますが、いま入っている水分の量は同じです。だから絶対湿度は変わりません。

❌(2)湿り空気をその露点温度より高い温度の冷却コイルで冷却すると、絶対湿度は上がる。

「絶対湿度は上がる」が誤りです。正しくは、結露が起こらないため絶対湿度は変わりません

露点温度とは?

空気を冷やしていったとき、ふくみきれなくなった水蒸気が水滴になりはじめる温度です。この温度より高ければ結露しません。

コイルの温度が露点温度より高いと、水蒸気は水滴になりません。水分が抜けも増えもしないので、絶対湿度は変わらないままです(そもそも冷却で絶対湿度が「上がる」ことはありません)。

露点温度とは?結露が起きる仕組みを初心者にもやさしく図解👉 この用語をもっとくわしく露点温度とは?結露が起きる仕組みを初心者にもやさしく図解
⭕(3)湿り空気を水スプレーで加湿しても、湿球温度はほとんど変わらない。

正しい記述です。水スプレーで加湿しても、湿球温度はほとんど変わりません

水が蒸発するときにまわりの熱をうばう(気化熱)ため、加湿で水分が増えても温度が下がり、両者が打ち消し合います。これを断熱加湿といい、湿球温度がほぼ一定に保たれます。

⭕(4)湿り空気を蒸気スプレーで加湿すると、絶対湿度と相対湿度は上がる。

正しい記述です。蒸気スプレーで加湿すると、水分が増えて絶対湿度が上がり、相対湿度も上がります

(3)の水スプレーとちがい、蒸気はそれ自体が熱を持っているので温度をあまり下げません。水分だけが純粋に増えるイメージで、絶対湿度・相対湿度ともに上昇します。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。露点温度より高いコイルでは結露が起こらず、絶対湿度は変わらない点がひっかけです。

問10

分野:音重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)点音源から放射された音が球面状に一様に広がる場合、音源からの距離が2倍になると音圧レベルは約6dB低下する。
(2)NC曲線で示される音圧レベルの許容値は、周波数が低いほど大きい。
(3)マスキング効果は、マスクする音の周波数がマスクされる音の周波数に近いほど大きい。
(4)音速は、一定の圧力のもとでは、空気の温度が高いほど遅くなる。
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正解
(4)が誤り

音に関する問題です。距離と音圧レベル・NC曲線・マスキング効果・音速など、それぞれの性質を押さえましょう。

⭕(1)点音源から放射された音が球面状に一様に広がる場合、音源からの距離が2倍になると音圧レベルは約6dB低下する。

正しい記述です。点音源の音が球状に広がる場合、距離が2倍になると音圧レベルは約6dB下がります

音は広がるほど同じエネルギーが広い面積に分散するため弱まります。「距離2倍で約6dB減」は頻出の数字なので、そのまま覚えましょう。

⭕(2)NC曲線で示される音圧レベルの許容値は、周波数が低いほど大きい。

正しい記述です。NC曲線の許容値は、周波数が低い(低い音)ほど大きくなります。

NC曲線とは?

室内の騒音の程度を評価するための基準となる曲線です。周波数ごとに許容できる音の大きさを示し、値が小さいほど静かな環境を意味します。

低い音(エアコンのゴーという音など)は、同じ大きさでもうるさく感じにくいため、許容値が大きめに設定されています。問題文は正しい内容です。

⭕(3)マスキング効果は、マスクする音の周波数がマスクされる音の周波数に近いほど大きい。

正しい記述です。マスキング効果は、じゃまをする音の周波数が、聞きたい音の周波数に近いほど大きくなります。

マスキング効果とは?

ある音が、別の音によって聞こえにくくなる現象です。電車の中で会話が聞きとりにくくなるのは、この効果によるものです。

高さ(周波数)が近い音どうしほど混ざって区別しにくく、かき消されやすくなります。問題文は正しい内容です。

❌(4)音速は、一定の圧力のもとでは、空気の温度が高いほど遅くなる。

「温度が高いほど遅くなる」が誤りです。正しくは、音速は空気の温度が高いほど速くなります。

温度が高いと空気の分子が活発に動くため、振動(音)が速く伝わります。気温15℃で音速は約340m/sですが、暑い日はもう少し速くなります。「温度が高い=速い」と覚えましょう。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。空気の温度が高いほど音速は速くなる(遅くならない)点がひっかけです。

この10問の要点(直前チェック用)

  • 問1:CO₂は減っているが、HFCは増えている
  • 問2:暖房した室内では、床付近のほうが結露しやすい
  • 問3:一酸化炭素(CO)はCO₂より軽い
  • 問4:塩ビ管は鋼管よりウォーターハンマーが発生しにくい
  • 問7:気体では定圧比熱のほうが定容比熱より大きい
  • 問8:固体燃料は理論空気量より多めの空気が必要
  • 問9:露点より高い温度で冷やしても絶対湿度は変わらない
  • 問10:音速は温度が高いほど速くなる
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