この記事でわかること

令和4年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 B⑪〜⑳」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、労働安全衛生法・労働基準法・建築基準法・建築設備・建設業法・消防法・建設リサイクル法などの法規です。

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問11

分野:労働安全衛生法重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)特定元方事業者は、統括安全衛生責任者を選任し、その者に作業場所の巡視等、労働災害を防止するために必要な事項を統括管理させなければならない。
(2)統括安全衛生責任者を選任した特定元方事業者は、一定の資格を有する者のうちから安全衛生推進者を選任しなければならない。
(3)特定元方事業者は、選任した元方安全衛生管理者に、統括安全衛生責任者が統括管理すべき事項のうち技術的事項を管理させなければならない。
(4)統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人は、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡等を行わせなければならない。
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正解
(2)が誤り

この問題は、工事現場の「安全をまとめる役職」の名前を入れかえたひっかけです。まず登場人物を整理してから読むと、まちがいがはっきり見えてきます。

⭕(1)特定元方事業者は、統括安全衛生責任者を選任し、その者に作業場所の巡視等、労働災害を防止するために必要な事項を統括管理させなければならない。

正しい記述です。まず言葉を整理します。

特定元方事業者(とくていもとかたじぎょうしゃ)とは?

建設業などで、1つの現場に元請(自社)と下請が一緒に入って作業するとき、その現場全体をまとめる立場の元請業者のことです。

統括安全衛生責任者とは?

元請・下請が入りまじる大きな現場(建設業では常時50人以上)で、現場全体の安全衛生をまとめて管理する司令塔として元請が選ぶ責任者です。

複数の会社が入りまじる現場では、全体を見る司令塔がいないと、会社のすき間で事故が起きやすくなります。だから元請(特定元方事業者)が統括安全衛生責任者を選び、現場の巡視や下請どうしの連絡調整など、現場全体の安全をまとめる仕事をさせます。

❌(2)統括安全衛生責任者を選任した特定元方事業者は、一定の資格を有する者のうちから安全衛生推進者を選任しなければならない。

「安全衛生推進者を選任」が誤りです。正しくは、統括安全衛生責任者を補佐する元方安全衛生管理者(もとかたあんぜんえいせいかんりしゃ)を選任します。

元方安全衛生管理者とは?

統括安全衛生責任者を置く大きな現場で、その統括管理すべきことのうち技術的な部分を実際に担当する管理者です。司令塔(統括安全衛生責任者)の技術担当の補佐役と考えると分かりやすいです。

安全衛生推進者とは?

安全管理者などを置くほどの規模ではない小さな事業場(常時10〜49人)で、安全衛生の実務を進めるために選ぶ人です。大きな現場の役職ではありません。

つまり、大きな現場で技術面を担うのが元方安全衛生管理者、小さな事業場で実務を担うのが安全衛生推進者。規模も役割もちがう2つを、わざと入れかえたひっかけです。

⭕(3)特定元方事業者は、選任した元方安全衛生管理者に、統括安全衛生責任者が統括管理すべき事項のうち技術的事項を管理させなければならない。

正しい記述です。(1)の統括安全衛生責任者が「現場全体の司令塔」だとすると、元方安全衛生管理者はその下で設備や工法など技術的な事項を実際に管理する担当です。(1)〜(3)で「司令塔+技術担当」のペアができあがります。

⭕(4)統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人は、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡等を行わせなければならない。

正しい記述です。ここは下請側の話です。司令塔(統括安全衛生責任者)を置く元請以外の請負人=下請は、「安全衛生責任者」を選び、元請の統括安全衛生責任者との連絡役にします。

安全衛生責任者とは?

下請業者が選ぶ、元請の統括安全衛生責任者と連絡・調整を行う担当者です。名前は似ていますが「統括」が付かない、下請側の連絡役です。

似た名前が多いので、「統括」が付くのは元請の司令塔、「元方」が付くのは元請の技術担当、何も付かない安全衛生責任者は下請の連絡役と整理すると混乱しません。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。大きな現場で技術的事項を管理するのは元方安全衛生管理者であり、安全衛生推進者(小さな事業場で選ぶ人)ではありません。

問12

分野:労働安全衛生法重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)事業者は、酸素欠乏危険場所の作業場における空気中の酸素の濃度を測定した記録は、1年間保存しなければならない。
(2)つり上げ荷重が1トン以上の移動式クレーンの玉掛けの業務を行う者は、当該業務に係る技能講習を修了した者でなければならない。
(3)事業者は、建築物の解体等の作業を行うときは、解体等対象建築物等の全ての材料について石綿障害予防規則に定められた方法で事前調査をしなければならない。
(4)事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合、当該作業を行う場所の空気中の酸素濃度を保つための換気に、純酸素を使用してはならない。
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正解
(1)が誤り

労働安全衛生法のなかでも、命にかかわる危険作業のルールを集めた問題です。数字(保存年数・つり上げ荷重)と、なぜそうするのかをセットで覚えると忘れません。

❌(1)事業者は、酸素欠乏危険場所の作業場における空気中の酸素の濃度を測定した記録は、1年間保存しなければならない。

「1年間」が誤りです。正しくは、酸素濃度を測定した記録は3年間保存します。

酸素欠乏危険場所とは?

タンク・ピット・マンホール・地下室など、空気の出入りが少なく酸素が薄くなりやすい場所のことです。気づかずに入ると一瞬で意識を失う危険があります。

こうした場所では、作業の前に空気中の酸素濃度を測り、その測定記録を3年間保存します。あとから「きちんと測ったか」を確認できるようにし、同じ事故をくり返さないためです。「測定の記録は3年」とまとめて覚えましょう。

⭕(2)つり上げ荷重が1トン以上の移動式クレーンの玉掛けの業務を行う者は、当該業務に係る技能講習を修了した者でなければならない。

正しい記述です。つり上げ荷重1トン以上の玉掛けは、技能講習を修了した人でなければ行えません。

玉掛け(たまがけ)とは?

クレーンでつる荷物にワイヤーやフックをかけたり外したりする作業のことです。かけ方が悪いと荷が落ちて大事故になるため、資格が必要になります。

重い荷物(1トン=1,000kg以上)をつるす作業は危険が大きいので、知識と技術を講習で身につけた人だけに任せます。「1トン以上は技能講習」と数字で押さえておきましょう。

⭕(3)事業者は、建築物の解体等の作業を行うときは、解体等対象建築物等の全ての材料について石綿障害予防規則に定められた方法で事前調査をしなければならない。

正しい記述です。解体の前に、すべての材料について石綿(アスベスト)の有無を調べます。

石綿(アスベスト)とは?

昔、建材に多く使われた繊維状の鉱物です。細かい繊維を吸い込むと、何十年も経ってから肺の重い病気を起こすため、いまは厳しく規制されています。

古い建物を壊すと石綿が空気中に飛び散るおそれがあります。だから解体前に「一部だけ」ではなく全部の材料を調査し、石綿があれば飛散を防ぐ対策をとります。

⭕(4)事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合、当該作業を行う場所の空気中の酸素濃度を保つための換気に、純酸素を使用してはならない。

正しい記述です。酸素が薄い場所の換気でも、純酸素(酸素100%)は使ってはいけません。換気にはふつうの空気を使います。

「酸素が足りないなら純酸素を入れればよい」と考えてしまいがちですが、これがひっかけです。純酸素が充満するとわずかな火花でも激しく燃えたり爆発したりする危険があります。だから換気は、酸素21%ほどのふつうの空気で行います。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。酸素濃度の測定記録は3年間保存します(1年間ではありません)。

問13

分野:労働基準法重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
(2)労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その労働契約のすべてにおいて無効とする。
(3)使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
(4)使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。
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正解
(2)が誤り

労働基準法は、働く人を守るための最低ラインを決めた法律です。「守らなかったらどうなるか」「会社がしてはいけない契約」を問う問題です。

⭕(1)使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

正しい記述です。会社(使用者)は、雇うときに賃金や労働時間などの労働条件をはっきり示す義務があります。

使用者(しようしゃ)とは?

労働基準法でいう、労働者を雇って働かせる側(会社・事業主や、その代理で指揮する人)のことです。「労働者」を雇う側と覚えましょう。

「あとで言った・言わない」で働く人が損をしないように、契約のときに条件をはっきりさせるのがねらいです。特に賃金・労働時間など大事な条件は書面などで明示します。

❌(2)労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その労働契約のすべてにおいて無効とする。

「そのすべてにおいて無効」が誤りです。無効になるのは、基準に達していないその部分だけです。契約全部が無効になるわけではありません。

たとえば「最低賃金より低い給料」という条件があっても、契約まるごとがなくなるのではありません。低すぎる給料の部分だけが無効になり、その部分は労働基準法の基準(=最低限の条件)に自動で置きかわります。

もし契約全部が無効になると、働く人はかえって立場を失って困ってしまうからです。「悪い部分だけ直して、契約は生かす」と覚えると分かりやすいです。

⭕(3)使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

正しい記述です。「途中で辞めたら違約金◯◯円」のように、あらかじめ違約金や損害賠償の額を決めておく契約は禁止されています。

こうした取り決めを許すと、働く人が違約金がこわくて辞められなくなり、無理に縛りつけられるおそれがあるためです。実際に損害が出たかどうかと関係なく額を先に決めることが問題なので、禁止されています。

⭕(4)使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。

正しい記述です。労働契約とセットで強制的に貯蓄させたり、給料の一部を会社が預かって管理したりする契約は禁止です(強制貯蓄の禁止)。

会社が給料を預かってしまうと、辞めたいときにお金を引き出せず、これも辞めにくくする縛りになりかねないためです。(3)と(4)は「働く人を不当に縛らせない」という同じねらいでつながっています。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。基準に達しない労働条件はその部分だけが無効になり、契約全部が無効になるわけではありません。

問14

分野:建築基準法重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)居室の天井の高さは2.1m以上とし、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
(2)「建築」とは、建築物を新築、増築、改築、又は移転することをいう。
(3)避難階とは、直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。
(4)小規模な事務室のみを設けた地階は、階数に算入しない。
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正解
(4)が誤り

建築基準法の用語の定義を問う問題です。「居室」「建築」「避難階」「階数の数え方」など、言葉の意味を正しく押さえているかがカギになります。

⭕(1)居室の天井の高さは2.1m以上とし、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。

正しい記述です。居室の天井の高さは2.1m以上とし、高さがちがう部分があれば平均の高さで判断します。

居室(きょしつ)とは?

人が長い時間すごす部屋のことです(事務室・寝室・教室など)。逆に、トイレ・廊下・物置のように一時的にしか使わない部屋は居室にあたりません。

2.1m(成人男性の身長+αくらい)を最低ラインにするのは、人が無理なく過ごせる高さを確保するためです。傾斜天井などで高さがバラバラなら、低い所だけで判断せず平均で見ます。

⭕(2)「建築」とは、建築物を新築、増築、改築、又は移転することをいう。

正しい記述です。建築基準法でいう「建築」は、新築・増築・改築・移転の4つをまとめた言葉です。

ポイントは、修繕(直す)や模様替えは「建築」に含まれないことです。新しく建てる・大きくする・建て直す・動かすの4つだけが「建築」と覚えましょう。

⭕(3)避難階とは、直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。

正しい記述です。地上へ直接出られる出入口のある階が避難階です。

避難階(ひなんかい)とは?

火災などのとき、そのフロアから直接地上へ逃げ出せる出入口がある階のことです。ふつうは1階で、避難計画の基準になる階です(建物によっては傾斜地で複数あることもあります)。

避難の最後は「地上に出ること」です。だから地上に直接つながる出入口があるかが避難階の決め手になります。

❌(4)小規模な事務室のみを設けた地階は、階数に算入しない。

「階数に算入しない」が誤りです。事務室のような居室として使う地階は、規模に関係なく階数に算入します。

階数に入れなくてよいのは、昇降機塔(エレベーター機械室)や屋上の物見塔、地階の倉庫・機械室など、人が常時いない一定の部分に限られます。事務室は人がすごす居室なので、たとえ小さくても1つの階として数えます。

「小規模だから数えない」と思わせるのがひっかけです。居室があるかどうかで判断する、と押さえておきましょう。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。事務室(居室)のある地階は、小規模でも階数に算入します。

問15

分野:建築設備重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)地上11階以上の建築物の屋上に2台の冷却塔を設置する場合、冷却塔から他の冷却塔までの距離を2m以上とする。
(2)通気管は、直接外気に衛生上有効に開放しなければならない。ただし、配管内の空気が屋内に漏れることを防止する装置が設けられている場合を除く。
(3)排水槽を設ける場合は通気のための装置を設け、かつ、当該装置は、直接外気に衛生上有効に開放しなければならない。
(4)地階に居室を有する建築物の屋内に設ける換気設備の風道は、防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除き、難燃材料で造る。
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正解
(4)が誤り

建築物に設ける設備(冷却塔・通気・換気ダクトなど)のルールを問う問題です。最後の選択肢は「難燃」と「不燃」という似た言葉のすりかえがポイントです。

⭕(1)地上11階以上の建築物の屋上に2台の冷却塔を設置する場合、冷却塔から他の冷却塔までの距離を2m以上とする。

正しい記述です。冷却塔どうしは2m以上あけて設置します。

冷却塔(れいきゃくとう)とは?

エアコン(冷凍機)が出した熱を、水を蒸発させて外気へ逃がす装置です。屋上でファンが回り湯気のような蒸気を出している、あの装置です。

近づけすぎると、一方が吐き出した熱い空気をもう一方が吸い込んでしまい、冷却の効きが悪くなるうえ、点検もしにくくなります。だから一定の間隔(2m以上)をあけます。

⭕(2)通気管は、直接外気に衛生上有効に開放しなければならない。ただし、配管内の空気が屋内に漏れることを防止する装置が設けられている場合を除く。

正しい記述です。通気管は、原則として直接外気に開放します。

通気管(つうきかん)とは?

排水管に空気を出入りさせるための管です。排水がスムーズに流れるようにし、排水トラップの封水(ふうすい:においや虫を止める水)が吸い出されるのを防ぐ役目があります。

通気管が外気につながっていないと、管の中の空気の逃げ場がなくなり、下水のにおいが室内に逆流するおそれがあります。だから直接外気に開放するのが原則です(においの逆流を防ぐ装置がある場合は例外)。

⭕(3)排水槽を設ける場合は通気のための装置を設け、かつ、当該装置は、直接外気に衛生上有効に開放しなければならない。

正しい記述です。排水槽(地下にためる排水のタンク)にも通気装置を設け、直接外気に開放します。

排水槽の中ではよごれた水から有害なガスや悪臭が発生します。通気装置で外へ逃がさないと、ガスがたまって危険ですし、においも室内に上がってきます。考え方は(2)の通気管と同じです。

❌(4)地階に居室を有する建築物の屋内に設ける換気設備の風道は、防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除き、難燃材料で造る。

「難燃材料」が誤りです。換気設備の風道(ダクト)は、もっとも燃えにくい不燃材料で造ります。

不燃材料と難燃材料とは?

燃えにくさのランクで、強い順に不燃材料 > 準不燃材料 > 難燃材料です。不燃材料はコンクリートや鉄など「ほぼ燃えない」もの。難燃材料はいちばんランクが下です。

換気ダクトは火災のとき火や煙の通り道になりやすいため、もっとも燃えにくい不燃材料で造る必要があります。ランクの低い「難燃」では不十分、というのがひっかけのポイントです。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。換気設備の風道は不燃材料で造ります(難燃材料ではありません)。

問16

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正解
(3)が正解(規定されていない)

建設業法では、工事の請負契約書に必ず書かなければならない事項が決められています。この問題は「その必要事項として定められていないものはどれか」を選びます(選択肢は上の図にあります)。⭕=書くことが必要な事項、❌=必要事項ではない(=答え)として読んでください。

請負契約書の必要記載事項とは?

建設業法で「契約書に必ず書きなさい」と決められた項目です。工事内容・請負代金・工期・代金の支払時期や方法・設計変更や中止のときの取り決め・天災など不可抗力の損害負担・遅延利息や損害金など、おもに「お金とリスクをどう分担するか」に関わる事項が並びます。

⭕(1)債務不履行(工事の遅れ・不払いなど)の場合における遅延利息、違約金その他の損害金

書くことが必要な事項です。約束どおりに工事が進まない・代金が払われないといった「もしも」のときのお金の取り決めは、トラブルを防ぐため契約書に必ず記載します。

⭕(2)価格等の変動・変更にもとづく請負代金の額や工事内容の変更

書くことが必要な事項です。材料費の高騰や設計変更で金額や工期が変わることは実際によくあります。その変更ルールを先に決めておくため、契約書の必要事項です。

❌(3)現場代理人の権限や、その意思表示の方法

これは必要記載事項として規定されていません。だからこの(3)が答えです。

現場代理人(げんばだいりにん)とは?

工事現場で請負業者の代理として、現場の取りまとめや指示を行う人です。発注者との連絡窓口にもなりますが、その権限の範囲などは法律で「契約書に必ず書け」とまでは定められていません。

現場代理人の権限の取り決めは、実務上は通知などで定めることが多いものの、建設業法が定める契約書の必要記載事項には入っていません。他の3つが「お金・リスクの分担」なのに対し、これだけ性質がちがう点に気づけると見分けやすいです。

⭕(4)天災その他不可抗力による工期の変更や損害の負担、その額の算定方法

書くことが必要な事項です。地震や台風など誰のせいでもない災害で損害が出たとき、どちらがどれだけ負担するかは大きな問題です。だから契約書にあらかじめ記載します。

この問題のまとめ

規定されていない(答え)のは(3)です。現場代理人の権限や意思表示の方法は、建設業法が定める請負契約書の必要記載事項には含まれていません。

問17

分野:建設業法重要度 ★★☆

元請負人に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に検査を完了しなければならない。
(2)元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、相応する下請代金を支払わなければならない。
(3)元請負人が請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときに、下請負人に対して相応する下請代金を支払うのは、当該支払を受けた日から1月以内とする。
(4)元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、発注者の意見を聞かなければならない。
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正解
(4)が誤り

建設業法のなかでも、元請が下請を守るためのルールを集めた問題です。検査の期限(20日)・支払の期限(1月)など、数字とともに「誰のための決まりか」を意識すると覚えやすくなります。

元請負人と下請負人とは?

元請負人(もとうけおいにん)は、発注者から直接工事を引き受けた業者。下請負人(したうけおいにん)は、その元請からさらに工事の一部を引き受けた業者です。立場の弱くなりがちな下請を守るのが、この一連のルールです。

⭕(1)元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に検査を完了しなければならない。

正しい記述です。下請から「工事が完成した」と通知を受けたら、元請は20日以内、しかもできるだけ早く検査を終えなければなりません。

検査が終わらないと、下請は工事を引き渡せず、代金ももらえません。元請がいつまでも検査を引き延ばして下請を待たせないように、「20日以内」という上限が決められています。

⭕(2)元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、相応する下請代金を支払わなければならない。

正しい記述です。元請が発注者からお金を受け取ったら、その工事をした下請にも見合った下請代金を支払う義務があります。

元請が発注者からは受け取りながら下請への支払いを止めてしまうと、下請の経営が苦しくなります。それを防ぐためのルールです。

⭕(3)元請負人が請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときに、下請負人に対して相応する下請代金を支払うのは、当該支払を受けた日から1月以内とする。

正しい記述です。(2)の下請代金は、元請が支払を受けた日から1月(1か月)以内に支払わなければなりません。

「いつか払う」ではなく期限を1月と区切ることで、下請がお金を受け取れず資金繰りに困る事態を防いでいます。「検査は20日、下請への支払いは1月」とセットで覚えましょう。

❌(4)元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、発注者の意見を聞かなければならない。

「発注者の意見を聞く」が誤りです。正しくは、あらかじめ下請負人の意見を聞かなければなりません。

工程の細目や作業方法は、実際に現場で手を動かす下請がいちばんよく分かっています。下請の意見を聞かずに元請だけで決めると、無理な工程になりがちです。だから「下請の意見を聞く」と定められています。

この選択肢は「下請」を「発注者」にすりかえたひっかけです。この一連のルールは下請を守るためのもの、という視点で読むと見破れます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。工程の細目などを定めるときは、あらかじめ下請負人の意見を聞きます(発注者ではありません)。

問18

分野:消防法重要度 ★★☆

屋内消火栓設備の加圧送水装置にポンプを用いる場合の次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)ポンプの吐出量は、屋内消火栓の設置個数がもっとも多い階における設置個数(設置個数が2を超える場合は2とする。)に120L/minを乗じて得た量以上とする。
(2)ポンプには、吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けるものとする。
(3)ポンプの吐出量が定格吐出量の150%である場合における全揚程は、定格全揚程の65%以上のものとする。
(4)ポンプの始動を明示する表示灯を設ける場合、当該表示灯は赤色とし、消火栓箱の内部又はその直近の箇所に設ける。
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正解
(1)が誤り

火事のとき水をくみ上げる屋内消火栓のポンプに関する問題です。数字(吐出量・揚程の割合)と計器の名前がよく問われます。

屋内消火栓設備とは?

建物の中に設けた、人がホースで火を消すための設備です。ポンプで水に圧力をかけて送り、箱(消火栓箱)に入ったホースとノズルで放水します。

❌(1)ポンプの吐出量は、屋内消火栓の設置個数がもっとも多い階における設置個数(設置個数が2を超える場合は2とする。)に120L/minを乗じて得た量以上とする。

「120L/min」が誤りです。正しくは、1個あたり150L/minを掛けた量以上です。

考え方を分解します。同じ階にいくつ消火栓があっても、同時に使うのはせいぜい2個とみなします(だから「2を超える場合は2」)。

計算の考え方

①もっとも多い階の消火栓の数を数える(最大2まで)

②1個あたり 150L/min を掛ける

③たとえば2個なら 2×150=300L/min 以上が必要

1分間に150L=2Lのペットボトル75本分の水を1個から出せる計算です。これだけの水量がないと火を消しきれないため、120ではなく150で計算します。

⭕(2)ポンプには、吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けるものとする。

正しい記述です。水を押し出す側(吐出側)には圧力計、吸い込む側には連成計を取り付けます。

連成計(れんせいけい)とは?

プラスの圧力と、マイナスの圧力(真空に近い状態)の両方を1つで測れる計器です。ポンプの吸込側は水を吸う=圧力が下がるため、マイナスも測れる連成計が必要になります。

吐出側は水を押す=プラスの圧力だけなので圧力計でよく、吸込側はマイナスにもなるので連成計、という取り付け場所と計器の組み合わせを押さえましょう。

⭕(3)ポンプの吐出量が定格吐出量の150%である場合における全揚程は、定格全揚程の65%以上のものとする。

正しい記述です。水をたくさん出す(定格の150%)ときでも、全揚程は定格の65%以上を保てる性能が必要です。

全揚程(ぜんようてい)とは?

ポンプが水をどれだけの高さまで押し上げられるかを表す力のことです(単位はm)。たくさん流すほどこの力は落ちていきます。

火事では多くの水を一気に流すため、流量が増えても上の階まで届く力(揚程)が落ちすぎないことが大切です。「150%流しても65%以上」と数字で覚えましょう。

⭕(4)ポンプの始動を明示する表示灯を設ける場合、当該表示灯は赤色とし、消火栓箱の内部又はその直近の箇所に設ける。

正しい記述です。ポンプが動いていることを知らせる表示灯は赤色で、消火栓箱の中か、すぐ近くに設けます。

消火活動をする人が「ポンプがちゃんと動いている」とその場ですぐ確認できるように、目立つ赤色で、消火栓のそばに置きます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(1)です。屋内消火栓ポンプの吐出量は、1個あたり150L/minで計算します(120L/minではありません)。

問19

分野:消防法重要度 ★★☆

不活性ガス消火設備に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)局所放出方式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とする。
(2)駐車の用に供される部分及び通信機器室であって常時人がいない部分は、局所放出方式としなければならない。
(3)防護区画が2以上あり、貯蔵容器を共用する場合は、防護区画ごとに選択弁を設けなければならない。
(4)防護区画の換気装置は、消火剤の放射前に停止できる構造としなければならない。
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正解
(2)が誤り

水ではなくガスで火を消す設備に関する問題です。「全域放出」と「局所放出」という2つの方式のちがいが、最大のポイントになります。

不活性ガス消火設備とは?

二酸化炭素や窒素などの燃えるのを助けないガスを放出し、空気中の酸素をうすめて火を消す設備です。水をかけられない電気室やサーバー室などに使われます。

全域放出方式と局所放出方式とは?

全域放出方式は、部屋全体をガスで満たして消す方法。局所放出方式は、火元の機械など一部分にだけガスを当てる方法です。

⭕(1)局所放出方式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とする。

正しい記述です。局所放出方式(火元付近にだけ放出する方法)で使う消火剤は二酸化炭素と決められています。

局所放出は、部屋を密閉せずピンポイントで当てる方法です。確実に消すには火元まわりの酸素をしっかりうすめられる二酸化炭素が適しているためです。

❌(2)駐車の用に供される部分及び通信機器室であって常時人がいない部分は、局所放出方式としなければならない。

「局所放出方式としなければならない」が誤りです。常時人がいない駐車場や通信機器室は、全域放出方式とすることができます。

なぜ「常時人がいない」が条件かというと、二酸化炭素は部屋に充満すると人が窒息する危険があるからです。人がいない部屋なら、部屋全体を一気にガスで満たす全域放出方式を安全に使えます。

「〜しなければならない」と言い切っているのがひっかけです。実際は「全域放出にできる(してよい)」という許しの規定で、無理に局所放出に限る必要はありません。

⭕(3)防護区画が2以上あり、貯蔵容器を共用する場合は、防護区画ごとに選択弁を設けなければならない。

正しい記述です。ガスボンベ(貯蔵容器)を複数の部屋で共用するときは、部屋(防護区画)ごとに選択弁を設けます。

選択弁(せんたくべん)とは?

共用のガスを「どの部屋へ送るか」を選んで切りかえる弁です。火が出た区画にだけガスを流し、関係ない部屋には流さないようにします。

容器を共用しながら選択弁がないと、火事でない部屋にまでガスが回ってムダになったり危険だったりします。だから区画ごとに選択弁を付けて、必要な部屋だけに放出します。

⭕(4)防護区画の換気装置は、消火剤の放射前に停止できる構造としなければならない。

正しい記述です。その部屋の換気装置は、ガスを出す前に止められる構造にします。

換気が動いたままだと、せっかく放出したガスが外に逃げてうすまり、火を消せなくなります。だから放射の前に換気を止めて、部屋の中にガスをとどめます。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(2)です。常時人がいない駐車場・通信機器室は、全域放出方式とすることができます(局所放出方式に限られるわけではありません)。

問20

分野:建設リサイクル法重要度 ★★☆

次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)対象建設工事の請負契約の当事者は、分別解体等の方法、解体工事に要する費用その他の事項について書面に記載し、相互に交付しなければならない。
(2)建築設備を単独で受注した請負金額が1億円以上の設備改修工事は、修繕・模様替等工事とみなされ対象建設工事となる。
(3)対象建設工事受注者は、その請け負った建設工事の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせようとするときは、当該他の建設業を営む者に対し、その工事に関する事項を告げなければならない。
(4)「建設業法」上の管工事業の許可を受けた者が解体工事業を営もうとする場合は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録は不要である。
答え・解説を見る
正解
(4)が誤り

解体工事で出る木くずやコンクリートを分別してリサイクルすることを定めた「建設リサイクル法」の問題です。最後の選択肢は、解体工事を行うための「登録」がいるかどうかがポイントです。

建設リサイクル法とは?

一定規模以上の解体・新築工事で、コンクリート・木材などの建設廃材を現場で分別し、再資源化(リサイクル)することを義務づけた法律です。正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」です。

⭕(1)対象建設工事の請負契約の当事者は、分別解体等の方法、解体工事に要する費用その他の事項について書面に記載し、相互に交付しなければならない。

正しい記述です。分別解体のやり方や費用を書面に書き、契約する当事者どうしで交付し合います。

分別解体には手間とお金がかかります。「どう分けて、いくらかかるか」を契約のときにはっきり決めておくことで、後のトラブルを防ぎ、確実にリサイクルへつなげます。

⭕(2)建築設備を単独で受注した請負金額が1億円以上の設備改修工事は、修繕・模様替等工事とみなされ対象建設工事となる。

正しい記述です。設備改修工事でも、請負金額が1億円以上なら対象建設工事になります。

対象建設工事とは?

建設リサイクル法で分別解体やリサイクルが義務づけられる、一定規模以上の工事のことです。工事の種類ごとに「床面積◯㎡以上」「金額◯円以上」といった規模の基準が決まっています。

規模が大きい工事ほど建設廃材も多く出ます。だから大きな設備改修も対象に含めて、確実に分別・リサイクルさせます。

⭕(3)対象建設工事受注者は、その請け負った建設工事の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせようとするときは、当該他の建設業を営む者に対し、その工事に関する事項を告げなければならない。

正しい記述です。下請に出すときは、その下請に対して分別解体の方法など工事に関する事項を伝えなければなりません。

実際に作業するのは下請であることが多いため、下請にもルールを正しく伝えないと、現場で分別がされません。だから受注者から下請へ事項を告げる義務があります。

❌(4)「建設業法」上の管工事業の許可を受けた者が解体工事業を営もうとする場合は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録は不要である。

「登録は不要」が誤りです。管工事業の許可しか持っていない場合、解体工事を営むには都道府県知事の登録が必要です。

解体工事業の登録とは?

解体工事を行う業者が、工事をする区域の都道府県知事に登録する制度です。ただし、建設業法の土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの許可があれば、この登録は不要になります。

ポイントは、「管工事業」の許可では解体工事業の登録を省けないことです。登録が免除されるのは土木・建築・解体の許可だけ。管工事は別分野なので、解体をやるなら登録が必要、というのがひっかけです。

この問題のまとめ

この問題で誤っているのは(4)です。管工事業の許可者が解体工事を営むには、解体工事業の登録が必要です(土木・建築・解体の許可があれば登録不要)。

この10問の要点(直前チェック用)

  • 問11:大規模現場で選任するのは元方安全衛生管理者(安全衛生推進者ではない)
  • 問12:酸素濃度の測定記録は、3年間保存する
  • 問13:基準に達しない労働条件は、その部分だけ無効(契約全部は無効でない)
  • 問14:小規模な事務室のみの地階も、階数に算入する
  • 問15:換気設備の風道は、不燃材料で造る
  • 問16:現場代理人の権限は、契約書の必要記載事項ではない
  • 問17:工程の細目などを定めるときは、下請負人の意見を聞く
  • 問18:屋内消火栓ポンプの吐出量は、1個あたり150L/min
  • 問19:常時人がいない部分は、全域放出方式とすることができる
  • 問20:管工事業の許可者が解体工事を営むには、解体工事業の登録が必要
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