給水方式4つの比較|直結・増圧・高置水槽・ポンプ直送【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 4つの給水方式のちがいがわかります
- それぞれの長所と短所が言えるようになります
- 受水槽の容量の決め方がわかります
- クロスコネクション・逆流を防ぐ考え方がわかります
給排水設備のなかでもっとも出題が多いところです。4つの方式を表で対比すれば、ほとんどの問題に対応できます。
4つの給水方式

💡 覚え方
「直結は水道の水そのまま、受水槽を置いたらそこから先は建物の責任」(第58回)。タンクに落とすかどうかが水質管理・法律の区切りになります。
水道直結直圧方式
- ◎ 水質がいちばん良い(滞留しない)
- ◎ 設備が少なく、維持管理が楽
- ◎ 停電しても水が出る
- × 配水管の圧力しだいで、高い階に届かない
- × 断水すると即、水が使えない
水道直結増圧方式
- ◎ 受水槽がいらない(スペースが空く・清掃が不要・水質がよい)
- ◎ 中層まで届く
- × 停電するとポンプが止まって断水
- × 断水時に貯めがない
- × 逆流防止器(減圧式逆流防止器)が必須
なぜ逆流防止器が必須なのか?
配水管に建物の水が逆流してはいけないからです。増圧方式は水道本管と建物が直接つながっているので、万一、建物側の水が汚れて逆流すると、町中の水道が汚染されます。だから減圧式逆流防止器を必ず設けます。
高置水槽方式
- ◎ 圧力が安定している(重力で落ちるので、使う量に左右されにくい)
- ◎ 停電・断水しても、しばらく水が使える(貯めがある)
- × 水槽が2つ(受水槽と高置水槽)=清掃・点検の手間が2倍
- × 水が滞留するので、水質管理が必要
- × 屋上に重い水槽を置くので、構造の負担
- × 最上階では圧力が不足しがち
高置水槽の高さ
- 最上階の器具から、必要な圧力ぶんの高さが必要です。
- 一般水栓=30kPa(3m)、シャワー=70kPa(7m)、ガス瞬間湯沸器=40〜80kPaが目安。
- 圧力が足りない最上階には、増圧ポンプを付けることがあります。
ポンプ直送方式
- ◎ 屋上に水槽がいらない
- ◎ 受水槽があるので断水に強い
- × 停電すると出ない
- × ポンプの制御が複雑(インバータによる回転数制御・台数制御)
受水槽の容量と構造

容量の目安
- 受水槽=1日使用水量の 4/10〜6/10(おおむね半日分)
- 高置水槽=1日使用水量の 1/10 程度
- 大きすぎると水が滞留して水質が悪くなるので、「大きければよい」ではありません。
- 六面点検 … 周囲60cm以上・上部100cm以上・下部60cm以上(第58回)
- オーバーフロー管は間接排水とし、防虫網を設ける
- マンホールのふちは、上面から10cm以上立ち上げる
- 通気管を設ける
- 吐水口空間を確保する(下記)
- 2槽に分ける(迂回壁)と、清掃時も断水せずにすむ
吐水口空間とは?
給水管の出口(吐水口)と、水があふれる面(あふれ縁)とのすき間です。ここが空いていれば、万一の逆圧でも汚れた水が給水管へ吸い上がりません。物理的に切り離すのが、逆流防止のいちばん確実な方法です。
💡 覚え方
「逆流を防ぐ最強の方法は、つながないこと」。弁は壊れますが、空気のすき間は壊れません。だから吐水口空間が基本で、それが取れないときにバキュームブレーカや逆流防止器を使う——という順序です(第28回)。
ウォータハンマと騒音への配慮
- 流速を1.5m/s程度以下に抑える(第10回)
- 急閉止する器具(洗濯機・食洗機)の近くにウォータハンマ防止器(第13回)
- ポンプの吐出し側に、衝撃吸収式逆止弁(第43回)
試験ではこう出る
- ①水質 … 「高置水槽方式は、水道直結方式より水質管理が容易である」→誤り。
- ②停電 … 「水道直結直圧方式は、停電時にも給水できる」→正しい。
- ③受水槽の容量 … 「受水槽の有効容量は、1日使用水量の1/10程度とする」→誤り。4/10〜6/10。それは高置水槽です。
- ④増圧方式 … 「水道直結増圧方式には、逆流防止器を設ける」→正しい。
- ⑤圧力 … 「シャワーに必要な最低必要圧力は30kPaである」→誤り。70kPa。
- ⑥高置水槽方式 … 「高置水槽方式は、給水圧力の変動が小さい」→正しい。
よくある質問
Q.最近は受水槽を減らす方向だと聞きました。なぜですか?
A.水質の面と、維持管理の手間の面です。受水槽は年1回の清掃と検査が必要で(第58回)、管理が悪いと水質が悪化します。直結増圧方式なら、水槽そのものが不要。水道事業者の配水管の圧力が上がってきたことも後押しし、中規模までは直結増圧が主流になってきました。
Q.高置水槽方式で、最上階だけ水の出が悪いのはなぜですか?
A.高置水槽との高さの差が小さいからです。給水圧力は高さの差でできるので、最上階は水槽のすぐ下=差が小さい=圧力が低いのです。対策は水槽をさらに高く据えるか、最上階だけ増圧ポンプを付けることです。
Q.受水槽を2槽に分けるのは、なぜですか?
A.清掃のときに断水しないためです。1槽だと、清掃中は水が使えません。2槽に分けておけば、片方ずつ清掃できます。また使用水量が少ない時期は片方だけ使うことで、水の滞留を減らせるという利点もあります。
このページのまとめ
- 直結直圧=水質最良・停電に強い/小規模
- 直結増圧=受水槽不要・水質よい/停電に弱い・逆流防止器が必須
- 高置水槽=圧力が安定・断水に強い/水槽2つ・水質管理が必要
- ポンプ直送=屋上水槽不要/制御が複雑
- 受水槽は1日使用水量の4/10〜6/10、高置水槽は1/10
- 必要圧力は一般水栓30kPa・シャワー70kPa
- 逆流防止の基本は吐水口空間(つながない)
