第9章 法規 | 第57回 | 目次を見る:1級 / 2級

この記事でわかること

  • 建設業の許可が必要になる線引きがわかります
  • 一般建設業と特定建設業のちがいがわかります
  • 主任技術者と監理技術者の使い分けがわかります
  • 専任が必要になる工事がわかります

法規のなかでいちばん出題が多いのが建設業法です。金額の区切りが中心なので、数字を表で覚えて、意味で確認するのが近道です。

建設業の許可

請負代金の数直線で、管工事は500万円未満なら許可がいらず、こえると建設業の許可が必要になることを色分けした図。営業所の場所で知事許可か大臣許可かが決まる表も付けている。
管工事の境目は500万円(消費税込み)。建築一式工事だけは1,500万円未満までです。

許可がいらない「軽微な建設工事」

建築一式工事 … 1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅。
建築一式工事以外(管工事など) … 500万円未満。
これ以外は許可が必要です。

💡 覚え方

「一式は1,500万、それ以外は500万」。管工事は「それ以外」なので500万円が境目です。(金額は消費税込みで判断します。)

許可をするのは
1つの都道府県だけに営業所がある 都道府県知事
2つ以上の都道府県に営業所がある 国土交通大臣

よくある勘違い

  • 知事許可でも、他県の工事はできます … 営業所がどこにあるかで決まるのであって、工事をする場所は関係ありません。
  • 許可の有効期間は5年 … 5年ごとに更新が必要です。

一般建設業と特定建設業

特定建設業とは?

元請として受注し、下請に出す金額の合計が一定以上になる場合に必要な許可です。下請を守るために、より厳しい要件が課されます。

一般建設業 特定建設業
下請に出す額 4,500万円未満 4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)
財産的基礎 ゆるやか 厳しい
専任技術者 — より高い資格・経験が必要

ここに注意

  • 元請のときだけ関係します … 下請として工事をするだけなら、いくらの工事でも一般建設業でよい。
  • 「自分が下請に出す額」で判断 … 受注金額ではありません。
  • 金額は2023年に引き上げられました(4,000万→4,500万円)。古い教材の数字に注意してください。

主任技術者と監理技術者

置く技術者を3つに分けた図。下請の会社と、元請で下請に出す額が4,500万円未満のときは主任技術者、4,500万円以上のときは監理技術者になることを示している。
基本は主任技術者で、下請でも必要です。監理技術者になるのは、大きな金額を下請に出す元請だけです。

主任技術者とは?

すべての工事現場に置かなければならない技術者です。元請・下請を問わず、許可を受けた業者はその工事に主任技術者を置きます。

監理技術者とは?

元請で、下請に出す額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)になる工事に置く技術者です。主任技術者に代えて置きます。

💡 覚え方

「基本は主任技術者。大きな元請だけ監理技術者」。特定建設業の許可がいる工事=監理技術者がいる工事と同じ金額なので、セットで覚えられます。

  • 職務 … 施工計画の作成・工程管理・品質管理・技術上の管理・施工に従事する者の技術上の指導監督
  • 監理技術者には、さらに「下請の指導監督」が加わる
  • 現場代理人とは別のもの … 現場代理人は契約上の代表者で、技術者は技術上の管理者。兼ねることはできます

専任が必要な工事

専任とは?

その現場だけに常駐して、他の現場を兼務しないことです。

専任が必要になるのは

  • 公共性のある施設・工作物、または多数の者が利用する施設に関する重要な工事で、
  • 請負代金の額が4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)のもの。
  • 個人住宅を除き、ほとんどの工事が「公共性のある」に当たります。
  • 監理技術者を専任で置く場合は、監理技術者資格者証が必要
  • 発注者から請求があれば、資格者証を提示する
  • 監理技術者講習を受けていることも必要
  • 2020年から、専任の監理技術者を補佐する「監理技術者補佐」を置けば、2現場までの兼務が認められるようになりました

請負契約のきまり

  • 契約は書面で行う … 着工前に、双方が署名または記名押印して交わす
  • 一括下請負(丸投げ)は原則禁止 … 公共工事と共同住宅の新築工事では、発注者の承諾があっても禁止
  • 不当に低い請負代金の禁止
  • 元請は、下請から工事完成の通知を受けたら20日以内に検査する
  • 検査後、下請の申出があれば直ちに引き渡しを受ける
  • 下請代金は、支払いを受けた日から1か月以内に支払う

なぜ一括下請負が禁止なのか?

発注者は「その業者だから」と信頼して頼んでいるからです。丸投げされると誰が作ったか分からなくなり、責任の所在もあいまいになります。また中間搾取が起きて、実際に工事をする業者にお金が回らなくなります。

施工体制台帳と施工体系図

  • 元請が、下請に出す額の合計が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)になるときは、施工体制台帳を作成する
  • 公共工事では、金額に関わらず下請契約があれば作成
  • 施工体系図を、工事現場の見やすい場所に掲げる
  • 公共工事では、公衆が見やすい場所にも掲げる

試験ではこう出る

  • ①軽微な工事 … 「管工事で請負代金が400万円の工事は、許可がなくても請け負える」→正しい(500万円未満)。
  • ②知事許可 … 「知事許可の業者は、他の都道府県で工事を施工できない」→誤り。
  • ③監理技術者 … 「下請に出す額が4,500万円以上の元請は、監理技術者を置く」→正しい。
  • ④下請の技術者 … 「下請業者は、主任技術者を置かなくてよい」→誤り。
  • ⑤一括下請負 … 「公共工事では、発注者の書面による承諾があれば一括下請負ができる」→誤り。
  • ⑥有効期間 … 「建設業の許可の有効期間は5年である」→正しい。

よくある質問

Q.「500万円」は税込みですか、税抜きですか?

A.消費税込みで判断します。したがって税抜き460万円の工事は税込み506万円になり、許可が必要です。「税込み」で判断するのは、専任が必要になる金額(4,500万円)などでも同じです。

Q.主任技術者になるには、どんな資格がいるのですか?

A.管工事なら、2級管工事施工管理技士以上が代表的です。ほかに大学の指定学科卒+実務3年などの実務経験による道もあります。監理技術者は1級が必要になるので、2級で主任技術者、1級で監理技術者と覚えておくと、資格を取る意味も見えてきます。

Q.現場代理人と主任技術者は、同じ人でよいのですか?

A.兼ねることができます。実際、中小の現場では同じ人が両方を担うことが多くあります。ただし役割は別で、現場代理人は契約に関する権限を持つ代表者、主任技術者は技術上の管理をする者です。「兼任できるが、別の役割」と理解してください。

このページのまとめ

  • 許可がいらないのは管工事なら500万円未満(建築一式は1,500万円未満)
  • 営業所が2県以上なら大臣許可、1県なら知事許可。有効期間5年
  • 元請で下請に4,500万円以上出すなら特定建設業+監理技術者
  • 主任技術者はすべての現場に必要(下請も)
  • 請負代金4,500万円以上なら専任
  • 一括下請負は原則禁止。公共工事と共同住宅の新築は承諾があっても禁止