労働安全衛生法|安全衛生管理体制を人数で整理【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 安全衛生管理体制が人数で整理できます
- 作業主任者が必要な作業がわかります
- 特別教育と技能講習のちがいがわかります
- 元請と下請が混在する現場の決まりがわかります
第52回の安全管理を、法律の側から見た回です。「何人以上で、誰を選任するか」が出題の中心になります。
単独の事業場の体制

💡 覚え方
「10で推進者、50で管理者と委員会、100で総括」。推進者だけ届出が不要——ここが問われます。
選任の期限
- 選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任する。
- 選任したら、遅滞なく労働基準監督署長に届け出る(安全衛生推進者を除く)。
元請と下請が混在する現場

なぜ特別な体制がいるのか?
1つの現場に、いくつもの会社の人が同時に働いているからです。会社ごとに安全管理をしていても、会社をまたいだ危険(上から物が落ちる、重機と人が交錯する)は誰も見ていません。そこで元請が全体をまとめることになっています。
- 元請がしなければならないこと
- 協議組織(災害防止協議会)を設置し、運営する
- 作業間の連絡・調整
- 作業場所を巡視する(毎作業日に少なくとも1回)
- 下請が行う安全衛生教育に対する指導・援助
- クレーンなどの運転についての合図の統一
数字で問われるもの
- 統括安全衛生責任者=50人以上(ずい道・橋りょう等は30人以上)
- 作業場所の巡視=毎作業日に少なくとも1回
- 協議組織の会議=定期的に開催
作業主任者
作業主任者とは?
危険または有害な作業について、その作業を直接指揮する人です。都道府県労働局長の免許を受けた者、または技能講習を修了した者から選任します。
管工事で関係する作業主任者
- 酸素欠乏危険作業主任者 … ピット・タンク・マンホール内の作業(第52回)
- 足場の組立て等作業主任者 … 高さ5m以上
- ガス溶接作業主任者
- 特定化学物質作業主任者
- 石綿作業主任者
- 地山の掘削作業主任者 … 掘削面の高さ2m以上
- 土止め支保工作業主任者
- 作業主任者の氏名と職務を、作業場の見やすい箇所に掲示する
- 選任の届出は不要(掲示で足りる)
特別教育と技能講習
💡 覚え方
「特別教育は会社が、技能講習は外の機関が」。作業主任者になれるのは技能講習のほうです。同じ「酸素欠乏危険作業」でも、作業する人は特別教育、指揮する人は技能講習——この対比がそのまま出ます。
その他よく出るもの
- 雇入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育 … すべての労働者に必要
- 新規入場者教育 … その現場のルールを教える
- 健康診断 … 雇入れ時と、1年以内ごとに1回(有害業務は6か月以内ごとに1回)
- 労働者死傷病報告 … 休業4日以上は遅滞なく、休業4日未満は四半期ごとに労働基準監督署長へ
試験ではこう出る
- ①人数 … 「建設業では、常時50人以上で総括安全衛生管理者を選任する」→誤り。100人以上です。
- ②統括 … 「統括安全衛生責任者は、元請と下請を合わせた人数で判断する」→正しい。
- ③巡視 … 「元方事業者は、少なくとも毎週1回、作業場所を巡視する」→誤り。毎作業日に少なくとも1回。
- ④作業主任者 … 「作業主任者を選任したときは、労働基準監督署長に届け出る」→誤り。掲示すれば足ります。
- ⑤足場 … 「高さ5m以上の足場の組立て等の作業には、作業主任者を選任する」→正しい。
- ⑥死傷病報告 … 「休業4日以上の場合は、遅滞なく報告する」→正しい。
よくある質問
Q.「常時50人」とは、その日にいる人数ですか?
A.常態としてその事業場で働いている人数です。建設現場ではその現場に常時働いている労働者の数で見ます。一時的に増減することはありますが、ふだんの状態で判断します。統括安全衛生責任者は、元請と下請を合わせた数である点に気をつけてください。
Q.安全衛生責任者と安全管理者は、どう違うのですか?
A.安全管理者は、会社(事業場)ごとに置く人で、常時50人以上の事業場に必要です。安全衛生責任者は、混在現場で下請が置く人で、統括安全衛生責任者との連絡役になります。「管理者は会社の話、責任者は現場の話」と分けて覚えてください。
Q.特別教育の記録は、なぜ3年保存なのですか?
A.その人がその作業に就く資格を持っていることを、あとから示せるようにするためです。労働災害が起きたとき、「教育を受けていない人にやらせていなかったか」が必ず問われます。記録がなければ、やっていないのと同じ扱いになります。
このページのまとめ
- 10人で推進者/50人で安全・衛生管理者と委員会/100人で総括
- 統括安全衛生責任者は元請+下請で50人以上(ずい道等は30人以上)
- 元請は毎作業日に1回以上、作業場所を巡視
- 作業主任者は技能講習修了者から選任。届出は不要で掲示する
- 特別教育=事業者が実施・記録3年保存/技能講習=登録教習機関
- 休業4日以上の死傷病報告は遅滞なく
