施工計画と現場の段取り|届出の相手と日数【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 施工計画で決めることがわかります
- 着工前に出す届出がわかります
- 施工図と製作図の役割がわかります
- 4つの管理(工程・品質・原価・安全)の関係がわかります
施工管理法のいちばん最初にくる分野です。「何を、いつ、誰が決めるのか」という段取りの全体像をつかみましょう。
施工計画とは

施工計画とは?
設計図書に書かれたものを、実際にどうやって作るかを決めることです。設計図書は「何を作るか」、施工計画は「どう作るか」——ここが役割の違いです。
- 工事の順序と工程
- 使う材料と機器
- 作業の方法と、使う機械
- 人員と、下請への割り振り
- 仮設の計画(足場・電源・水・仮囲い)
- 安全と環境の計画
- 品質管理の計画
💡 覚え方
施工計画は「段取り八分」という言葉どおり、ここで工事の出来がほとんど決まります。着工してから考えるのでは遅い——この思想が問題文の背景にあります。
4つの管理は、たがいに引っぱり合う
工期と原価の関係
工期を短くしすぎても、長すぎても、原価は上がります。短くすると残業代・応援・機械の増強で直接費が増え、長くすると現場事務所の維持費など間接費が増えます。両方を足した総費用がいちばん小さくなる工期=最適工期です。
💡 覚え方
「安全は他の3つに優先する」。これは絶対に例外がありません。選択肢に「工期を守るため、安全対策を簡略化した」とあれば、迷わず誤りです。
着工前の届出

混ざりやすい2つ
- 道路「使用」許可=警察署長 … 一時的に道路を使う(工事車両を止める、資材を置く)
- 道路「占用」許可=道路管理者 … 継続して道路に物を置く(埋設管、仮囲い)
- → 「使用は警察、占用は管理者」と唱えて覚えます。
施工図と製作図
施工図とは?
設計図をもとに、実際に施工できるところまで細かく描き起こした図です。配管の高さ・ルート・他の設備とのぶつかりまで決めます。
- 総合図 … 建築・電気・空調・衛生をすべて重ねた図。天井内の取り合いを調整する
- 施工図 … 平面・断面・詳細
- 製作図(工作図) … ダクトや配管加工品を工場で作るための図
なぜ総合図が大事なのか?
天井の中は、いろいろな設備が取り合う狭い空間だからです。ダクト・配管・電気の配線・スプリンクラー・照明——それぞれが自分の図面どおりに作ると、必ずぶつかります。着工前に紙の上でぶつけておくのが総合図の役割で、現場で手戻りを出さないための最大の武器です。
仮設計画
- 直接仮設 … 足場・養生・墨出し・作業に直接必要な仮設材など、その工事のためだけに使うもの
- 共通仮設 … 現場事務所・仮設電気・仮設水道・仮囲い・トイレ
- 仮設は原則として請負者が計画する … 設計図書に指定がなければ、方法は請負者の裁量
指定仮設と任意仮設
- 指定仮設 … 発注者が方法まで指定するもの。変更すると設計変更になり、費用も見てもらえる。
- 任意仮設 … 請負者が自由に決めてよいもの。やり方を変えても、原則として費用は増減しない。
試験ではこう出る
- ①優先順位 … 「工期に間に合わせるため、安全対策を一部省略した」→誤り。
- ②道路の許可 … 「道路占用許可は警察署長に申請する」→誤り。道路管理者です。
- ③総合図 … 「総合図は、各設備の取り合いを事前に調整するために作成する」→正しい。
- ④最適工期 … 「工期を短縮すれば、総原価は必ず小さくなる」→誤り。
- ⑤仮設 … 「任意仮設は、請負者の判断で方法を変更できる」→正しい。
よくある質問
Q.施工計画書は、誰に提出するのですか?
A.発注者(または監理者)です。着工前に提出して承認を受けるのが一般的な流れです。公共工事では総合施工計画書を最初に出し、工種ごとに工種別施工計画書を出していきます。
Q.「設計図書」には何が含まれますか?
A.設計図・仕様書・現場説明書・質問回答書です。優先順位があり、一般に「質問回答書 > 現場説明書 > 特記仕様書 > 設計図 > 標準仕様書」の順に優先されます。あとから出たもの・その工事に固有のものほど強い、と考えると覚えられます。
Q.施工計画を立てるとき、いちばん最初にすることは何ですか?
A.設計図書をよく読み、現場を見に行くことです。現地調査で、搬入経路・電源や水の取り合い・近隣の状況・既存設備の位置などを自分の目で確かめます。図面に描いていないことが、現場には必ずあります。ここを飛ばすと、あとで大きな手戻りになります。
このページのまとめ
- 設計図書=何を作るか/施工計画=どう作るか
- 4つの管理は引っぱり合うが、安全は常に優先
- 工期は短すぎても長すぎても原価が上がる(最適工期)
- 道路「使用」は警察署長/道路「占用」は道路管理者
- 特定建設作業は7日前/建設工事計画届は14日前
- 総合図で、着工前に取り合いを調整する
- 任意仮設は請負者の裁量、指定仮設は変更すると設計変更
