機器の据付けと基礎・防振|アンカーと共振【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 機器の基礎の作り方がわかります
- アンカーボルトの種類と使い分けがわかります
- 防振のしくみと、どこまで効くかがわかります
- 据付けの点検スペースの考え方がわかります
据付けは「重さを支える」「揺れを伝えない」「あとから触れる」の3つを満たすことが目的です。数字と用語を押さえていきましょう。
コンクリート基礎

- 基礎の高さ … ポンプは300mm程度、一般の機器は150mm程度が目安
- 基礎の幅 … 機器の据付面より、まわりに100〜200mm程度大きく
- 排水溝と排水口を設ける(ポンプなど水を扱う機器)
- コンクリートの養生 … 打設後、十分に硬化してからアンカーボルトに力をかける
- 基礎の表面は、水平に仕上げる
なぜポンプの基礎は高いのか?
水がかかる場所だからです。グランドパッキンからの漏れや、清掃の水がモーターにかからないように高くします。また排水溝を設けて、漏れた水を床のドレンへ逃がすためでもあります。
アンカーボルト
アンカーボルトで問われること
- ボルトの締付けは、ナットの下に2〜3山出る程度。
- あと施工アンカーは、コンクリートの厚さと縁からの距離に注意する。縁が近いと、コーン状に割れて抜けます。
- 引抜力がかかる機器(送風機など)には、引抜きに強いアンカーを選ぶ。
- 耐震クラス(SA・A・B)に応じて、本数と径を計算する。
防振

防振とは?
機器の振動が、建物や配管に伝わらないようにすることです。振動そのものを消すのではなく、伝わりにくくするのが正しい理解です。
なぜばねのほうが低い振動に効くのか?
柔らかいほど、遅い揺れを吸収できるからです。防振の効果は「機器の振動数」と「防振材の固有振動数」の比で決まり、防振材が柔らかい(=固有振動数が低い)ほど、広い範囲の振動を止められます。ゴムは硬いので、ゆっくりした揺れには効きません。
防振で気をつけること
- 共振に注意 … 機器の振動数と防振材の固有振動数が近いと、かえって揺れが大きくなります。
- 配管側にも防振継手(可とう継手)を入れる … 機器だけ浮かせても、固い配管でつないでいたら振動はそこから伝わります。
- 電線管も可とう電線管にする。
- 防振基礎(浮き基礎) … コンクリートの塊ごと浮かせると、重さで揺れにくくなり、効果が上がります。
🔰 簡単なたとえ
防振の考え方は「重い台に載せて、柔らかいもので浮かせる」。洗濯機の下に薄いゴムマットを敷いても、ガタガタは止まりません。重い石の台に載せて、その下に厚い防振ゴムを入れるほうがずっと効きます。重さと柔らかさ、両方が必要なのです。
点検スペースと搬入
- 機器のまわりに、点検・分解・清掃ができるスペースを確保する
- 熱交換器はチューブを引き抜く長さ、ボイラーは前面の点検スペース、ろ過器は砂の入替えスペースなど、機器ごとに必要な方向がある
- 将来の更新(入替え)ができる搬入経路を確保する
- 受水槽は六面点検(第58回)
なぜ「将来の更新」まで考えるのか?
機器の寿命は建物より短いからです。建物が50年もつのに対して、ポンプや空調機は15〜20年で更新します。搬入経路がなければ、壁を壊すことになります。「入れられたのだから出せる」とは限りません——建築が先に仕上がってしまうからです。
機器ごとの据付けの注意
空調機のドレン封水(頻出)
- 送風機の吸込み側(負圧)にあるドレンパンでは、負圧に打ち勝つ封水深が必要。
- 封水が浅いと、ドレンが流れずにあふれます。(空気を吸い込んでしまい、水が落ちない。)
- 吐出し側(正圧)では、逆に吹き出してしまわないような形にします。
試験ではこう出る
- ①基礎の高さ … 「ポンプの基礎の高さは300mm程度とする」→正しい。
- ②アンカー … 「あと施工アンカーは、コンクリートの縁に近いほど引抜き強度が高い」→誤り。
- ③防振材 … 「金属ばねは、防振ゴムより低い振動数に有効である」→正しい。
- ④共振 … 「防振材の固有振動数が機器の振動数に近いと、防振効果が高まる」→誤り。共振して悪化します。
- ⑤配管 … 「防振支持した機器に接続する配管には、可とう継手を設ける」→正しい。
- ⑥吸込み管 … 「ポンプの吸込み管は、ポンプに向かって下り勾配とする」→誤り。上り勾配。
よくある質問
Q.なぜポンプの吸込み管は「上り勾配」なのですか?
A.空気だまりを作らないためです。下り勾配だと、途中の高い所に空気がたまって抜けなくなります。空気がたまるとポンプが水を吸えなくなる(呼び水が切れる)ので、ポンプに向かって少しずつ上げていき、空気を自然にポンプ側へ送るようにします。
Q.防振したのに、階下でうるさいと言われました。なぜですか?
A.配管や電線管を伝って振動が伝わっている可能性が高いです。機器だけ浮かせても、固い配管でつないでいたら「橋」になってしまいます。可とう継手・可とう電線管・防振吊りですべての接続を柔らかくする必要があります。1か所でも固い経路が残ると、そこから伝わります。
Q.耐震クラスのSA・A・Bは、どう決まるのですか?
A.建物の用途(重要度)と、機器を設置する階で決まります。病院や防災拠点はSAのように重要度が高く、上階ほど揺れが大きいので厳しくなります。クラスが上がるほど、アンカーボルトの本数と径が増え、防振架台にはストッパ(耐震ストッパ)を付けることになります。
このページのまとめ
- ポンプの基礎は300mm程度、一般機器は150mm程度
- あと施工アンカーは、縁からの距離とコンクリート厚さに注意
- 防振ゴムは高い振動数、金属ばねは低い振動数に効く
- 共振すると、かえって揺れが大きくなる
- 配管・電線管も柔らかくしないと、そこから振動が伝わる
- 点検スペースと、将来の更新の搬入経路を確保する
- ポンプの吸込み管は、ポンプに向かって上り勾配
