水道法・下水道法・浄化槽法|給水装置はどこまでか【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 給水装置がどこからどこまでかがわかります
- 給水装置工事主任技術者の役割がわかります
- 簡易専用水道の管理義務がわかります
- 排水設備と公共下水道の境目がわかります
水まわりの法律は3つに分かれています。水道法=きれいな水を届けるまで、下水道法=汚れた水を受け入れてから、浄化槽法=下水道がない所。この役割分担をまず押さえます。
給水装置とは、どこからどこまでか

給水装置とは?
配水管から分岐して設けられた給水管と、これに直結する給水用具のことです。「直結している」ことが条件です。
給水装置に含まれる/含まれない
- 含まれる … 分水栓・止水栓・水道メーター・給水管・直結している蛇口・湯沸器
- 含まれない … 受水槽(貯水槽)から先の設備。いったんタンクに落とすと、直結ではなくなるため。
- 含まれない … ホース、ポータブルの浄水器など(取り外せるものは給水用具ではない)。
💡 覚え方
「直結していれば給水装置、タンクに落としたらそこで終わり」。受水槽以降は建物側の設備として、水道法ではなく建築基準法や条例で扱われます。
なぜ受水槽で切れるのか?
水道事業者が責任を持てるのは、自分が送った水がそのまま流れている範囲だけだからです。タンクにためると、管理の良し悪しで水質が変わってしまいます。だからそこから先は建物の所有者の責任に切り替わります。
給水装置工事主任技術者
- 指定給水装置工事事業者は、事業所ごとに主任技術者を選任する
- 職務 … 調査・計画・工事の技術上の管理・従事者の技術上の指導監督・構造材質基準への適合の確認・水道事業者との連絡調整
- 国家資格(厚生労働大臣が実施)
よく出る
- 「工事の技術上の管理」だけでなく「水道事業者との連絡調整」も職務。
- 選任するのは「事業所ごと」であって、工事現場ごとではありません。
簡易専用水道

簡易専用水道とは?
水道から供給される水だけを水源とし、受水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものです。マンションやビルの受水槽がこれに当たります。
- 1年以内ごとに1回、水槽を清掃する
- 1年以内ごとに1回、登録検査機関の検査を受ける
- 有害物や汚水で汚染されないよう、水槽の点検などの措置をとる
- 給水栓における水の色・濁り・におい・味に異常があれば、水質検査
- 健康を害するおそれがあるときは、給水を停止し、周知する
💡 覚え方
数字は「10㎥を超える/清掃も検査も1年に1回」。10㎥以下のものは「小規模貯水槽水道」として条例で規制されます。
受水槽の構造で問われること
- 六面点検ができるように設置する … 周囲60cm以上、上部100cm以上、下部60cm以上の空間をあける。
- オーバーフロー管の先は間接排水にし、防虫網を設ける。
- マンホールは、ふちを槽の上面から10cm以上立ち上げる。
- 通気管を設ける(有効容量が大きい場合)。
なぜ六面点検が必要なのか?
飲み水をためる容器だからです。壁にぴったりつけると、その面のひび割れや漏れを一生確認できません。上・下・四方の6面すべてを見て回れるようにするのが六面点検です。
下水道法
排水設備と公共下水道の境目
公共ます(最終ます)が境目です。そこまでが敷地内の「排水設備」=所有者の責任、その先が「公共下水道」=自治体の責任になります。
- 処理区域内では、供用開始から遅滞なく排水設備を設置する義務
- くみ取り便所は、供用開始から3年以内に水洗便所へ改造する
- 排水設備の工事は、市町村の指定工事店が行う
- 除害施設 … 下水道を傷めたり処理を妨げる水は、基準に合うよう処理してから流す
浄化槽法
- 合併処理浄化槽 … し尿と生活雑排水を、あわせて処理する
- 単独処理浄化槽(し尿のみ)は、新設できません
- 設置には、都道府県知事と特定行政庁への届出が必要
- 保守点検・清掃 … 清掃は1年に1回以上(全ばっ気方式は6か月に1回以上)
- 法定検査 … 設置後3か月を経過した日から5か月間に1回(7条検査)と、その後1年に1回(11条検査)
- 浄化槽管理者は、技術管理者を置く(処理対象人員501人以上の場合)
💡 覚え方
「単独はもう作れない」が最大のポイント。し尿だけきれいにしても、台所や風呂の水がそのまま川へ出たら意味がない——これが合併処理に一本化された理由です。
試験ではこう出る
- ①給水装置の範囲 … 「受水槽以降の給水設備も給水装置に含まれる」→誤り。
- ②簡易専用水道 … 「受水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものをいう」→正しい。
- ③清掃 … 「簡易専用水道の水槽の清掃は、3年以内ごとに1回行う」→誤り。1年以内ごとに1回。
- ④六面点検 … 「受水槽の上部は60cm以上の空間をあける」→誤り。100cm以上。
- ⑤水洗化 … 「処理区域では、供用開始から3年以内にくみ取り便所を水洗便所に改造する」→正しい。
- ⑥浄化槽 … 「単独処理浄化槽を新たに設置することができる」→誤り。
よくある質問
Q.水道メーターは誰のものですか?
A.水道事業者(自治体など)の所有であることがほとんどです。給水装置には含まれますが、所有と管理は水道事業者——というややこしい関係になっています。交換も水道事業者が行います(計量法により8年ごとの交換が必要)。
Q.「直結増圧方式」は給水装置ですか?
A.給水装置です。受水槽を置かず、配水管の水をポンプで増圧して直接送る方式で、タンクに落としていないので「直結」のままです。水がタンクで滞留しないので水質が良く、タンクの清掃も不要という利点があります。
Q.合流式は、なぜ今も残っているのですか?
A.古くから下水道を整備した都市に多いからです。当時はとにかく早く汚水を流すことが優先され、1本の管で済む合流式が選ばれました。今から分流式に作り替えるには道路を全部掘り返す必要があり、現実的ではありません。そのため越流水を一時的にためる貯留施設などで対策しています。
このページのまとめ
- 給水装置=配水管から分岐し、直結している範囲。受水槽から先は含まない
- 主任技術者の職務には水道事業者との連絡調整も含む
- 簡易専用水道=受水槽10㎥超。清掃も検査も1年に1回
- 六面点検=周囲60cm・上部100cm・下部60cm
- 公共ますが、排水設備と公共下水道の境目
- 単独処理浄化槽は新設できない
