廃棄物処理法・建設リサイクル法|マニフェストと特定建設資材【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 産業廃棄物と一般廃棄物のちがいがわかります
- 排出事業者は誰かがわかります
- マニフェストのしくみと期限がわかります
- 建設リサイクル法の特定建設資材4つがわかります
法規のなかでは1問ですが、用語と数字を覚えれば確実に取れるところです。実務でも間違えると法令違反になる大切な分野です。
廃棄物の分類

管工事で出る主な産業廃棄物
- 金属くず … 配管の端材、ダクトの切れ端
- 廃プラスチック類 … 塩ビ管、保温材のフィルム
- ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず … グラスウール、衛生陶器
- がれき類 … はつりで出たコンクリート塊
- 汚泥 … ピットや排水槽の清掃で出たもの
- 廃石綿等 … 特別管理産業廃棄物
💡 覚え方
「現場から出たものは、ほぼ産業廃棄物」。ただし現場事務所の弁当がら・新聞紙は一般廃棄物。「工事から出たか、人の生活から出たか」で分かれると考えてください。
排出事業者は誰か
建設工事の排出事業者
元請業者です。下請が出した廃棄物であっても、元請が排出事業者として処理の責任を負います。
なぜ元請なのか?
責任の所在をはっきりさせるためです。以前は下請それぞれが排出事業者とされていましたが、「誰が出したか分からない」「小さな下請に責任を押し付ける」という問題が起きました。現場全体を仕切っている元請に一本化することで、不法投棄を防ぎやすくしたのです。
- 排出事業者は、自ら処理するか、許可を持つ処理業者に委託する
- 委託は書面で契約する(収集運搬業者と処分業者、それぞれと直接契約)
- 処理を委託しても、責任はなくならない
委託契約でよく出るところ
- 収集運搬と処分は、それぞれと直接契約する … 収集運搬業者に処分まで任せる「一括契約」はできません。
- 契約書は5年間保存する。
- 許可証の写しを添付する。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)

マニフェストとは?
廃棄物が、どこへ運ばれ、どう処分されたかを追跡する伝票です。排出事業者が交付し、処理が終わると戻ってくることで、不法投棄されていないことを確かめられます。
- 交付するのは排出事業者 … 廃棄物の引き渡しと同時に
- 運搬終了の写し(B2票) … 90日以内に戻る
- 処分終了の写し(D票) … 90日以内に戻る
- 最終処分終了の写し(E票) … 180日以内に戻る
- 特別管理産業廃棄物は60日以内
- 戻ってこない場合は、30日以内に都道府県知事へ報告
- マニフェストは5年間保存
- 年1回、交付状況を都道府県知事に報告する
💡 覚え方
数字は「90日・180日・5年保存・年1回報告」。最終処分(E票)だけ180日なのは、中間処理を経てから最終処分場へ行くので時間がかかるから。理屈で覚えると入れ替わりません。
電子マニフェスト
紙の伝票を、情報処理センターを通した電子データで行うものです。保存や報告が自動化され、記載ミスも減ります。特別管理産業廃棄物を年50トン以上出す事業者には義務づけられています。
建設リサイクル法
特定建設資材とは?
分別解体とリサイクルが義務づけられた4つの資材です。①コンクリート ②コンクリート及び鉄からなる建設資材 ③木材 ④アスファルト・コンクリート。
💡 覚え方
「コンクリート・コンクリ鉄・木・アスファルト」の4つだけ。金属くずや塩ビ管は入りません——ここが引っかけになります。量が多く、リサイクルの技術が確立しているものが選ばれている、と考えると納得できます。
- 発注者は、工事着手の7日前までに都道府県知事に届け出る
- 元請は、発注者に分別解体等の計画を書面で説明する
- 元請は、再資源化が完了したら発注者に書面で報告し、記録を保存する
届出は「発注者」が出す
- 建設リサイクル法の届出は、発注者が出します。
- 消防法の着工届は消防設備士、設置届は関係者(第55回)。
- 誰が出すのかは法律ごとに違うので、そこが狙われます。
試験ではこう出る
- ①排出事業者 … 「下請業者が排出した産業廃棄物は、下請業者が排出事業者となる」→誤り。元請です。
- ②委託契約 … 「収集運搬業者と処分業者、それぞれと直接契約する」→正しい。
- ③マニフェスト … 「最終処分終了の写しは90日以内に返送される」→誤り。180日以内。
- ④保存 … 「マニフェストの写しは5年間保存する」→正しい。
- ⑤特定建設資材 … 「金属くずは特定建設資材である」→誤り。
- ⑥届出 … 「建設リサイクル法の届出は元請業者が行う」→誤り。発注者です。
よくある質問
Q.処理を委託したのに、なぜ排出事業者に責任が残るのですか?
A.不法投棄をなくすためです。「業者に渡したから知らない」が通ると、安い違法業者に流れてしまいます。最後まで責任を負わせる(排出事業者責任)ことで、きちんとした業者を選ぶ動機が生まれます。実際、不法投棄が発覚すると排出事業者にも撤去命令が出ることがあります。
Q.現場から出た土(建設発生土)は産業廃棄物ですか?
A.廃棄物ではありません。土砂は「有価物または資源」として扱われ、廃棄物処理法の対象外です。ただし汚泥(水分が多く、流動性のあるもの)は産業廃棄物になります。「掘った土は廃棄物ではないが、どろどろの汚泥は廃棄物」という線引きです。
Q.石綿(アスベスト)が出てきたら、どうするのですか?
A.特別管理産業廃棄物(廃石綿等)として、通常よりずっと厳しい方法で処理します。作業には石綿作業主任者が必要で(第56回)、大気汚染防止法・石綿障害予防規則にも従います。解体・改修工事の前には事前調査が義務づけられており、古い建物の配管保温材には要注意です。
このページのまとめ
- 建設工事の排出事業者は元請(下請が出したものも含む)
- 収集運搬と処分は、それぞれと直接契約。委託しても責任は残る
- マニフェストは運搬・処分90日/最終処分180日/保存5年/年1回報告
- 特定建設資材はコンクリート・コンクリ鉄・木材・アスファルトの4つ
- 対象規模は解体80㎡/新築500㎡/修繕1億円/土木500万円
- 建設リサイクル法の届出は発注者が7日前まで
ここが最後です。おつかれさまでした。
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