【第二種電気工事士】複線図の書き方をゼロから解説【3ステップ】
配線図の問題(問32・41・47・49)でつまずく人のほぼ全員が、複線図(ふくせんず)を書けないことが原因です。逆に、複線図さえ書ければ電線の本数もリングスリーブの数も機械的に数えられます。
この記事では、電気をまったく知らない人を想定して、複線図を3ステップで書けるようにします。技能試験でも必ず使う、一生ものの技術です。
単線図と複線図とは
単線図(たんせんず)とは?
配線図で使われている、電線を1本の線でまとめて描いた図です。見た目はすっきりしますが、実際に何本の電線が通っているかは分かりません。
なぜ図面は1本の線で描くのか? 図面は「どこに何を付けるか」を伝えるのが目的で、線の本数まで描くとごちゃごちゃになるからです。本数は読む人が導き出す約束になっています。
複線図(ふくせんず)とは?
単線図を、実際の電線1本1本に分解して描き直した図です。これを書くと、何本必要か・どこで何本つなぐかがすべて見えます。
なぜ複線図に直す必要があるのか? 電気は行きと帰りの2本がそろって初めて流れるからです。1本の線では表せない「行き帰りの道すじ」を描くのが複線図です。
書き方は3ステップだけ
どんなに複雑な配線図でも、書く順番は同じです。白 → 黒 → 戻りの3ステップと覚えてください。
複線図の3ステップ【これがすべて】
ステップ1【白】 … 電源の接地側(白線)を、照明などの器具とコンセントへ直接つなぐ。スイッチには寄らない
ステップ2【黒】 … 電源の非接地側(黒線)を、スイッチとコンセントへつなぐ
ステップ3【戻り】 … スイッチから、そのスイッチが操作する器具へ線をつなぐ(これを戻り線と呼ぶ)
なぜ白は器具へ直接、黒はスイッチへなのか?
スイッチを切ったとき、器具に電気が残らないようにするためです。黒(電気が来ている側)をスイッチで断ち切れば、切った瞬間に器具は完全に無電圧になります。
なぜこの順番で書くと正しくなるのか? もし白側にスイッチを入れると、切っても器具までは電気が来ている状態になり、電球の交換で感電します。この安全ルールが、複線図の書き順そのものになっているのです。
例題:電灯1つ+スイッチ1つ+コンセント1つ
ステップ1 … 白を電灯とコンセントへ → 白の線が1系統
ステップ2 … 黒をスイッチとコンセントへ → 黒の線が1系統
ステップ3 … スイッチから電灯へ戻り線を1本
結果 … ジョイントボックスの中で、白どうし1か所・黒どうし1か所・戻り1か所の接続ができる
3路スイッチの複線図
3路スイッチとは?
2か所から同じ照明を操作できるスイッチです。階段の上と下、廊下の両端などで使います。端子が3つ(0・1・3)あります。
なぜ端子が3つあるのか? 「0」の端子が電源側または器具側につながる入口で、「1」と「3」は相方の3路スイッチと結ぶ2本の連絡線です。どちらの線を通るかがスイッチで切り替わることで、2か所どちらからでも入り切りできます。
3路スイッチの書き方
手順1 … 黒(非接地側)を片方の3路スイッチの「0」へ
手順2 … 2つの3路スイッチの「1」どうし・「3」どうしを2本の線で結ぶ
手順3 … もう片方の3路スイッチの「0」から器具へ戻り線
ポイント … 3路スイッチ間は必ず2本。だからこの区間の電線は2本増える
複線図が書けると、何が数えられるか
試験問題への使い方
最少電線本数(問32など) … 問われている区間を通る線を複線図で数えるだけ
リングスリーブの数(問41・47) … ボックス内の接続点の数=スリーブの数。各接続の本数で小(2本=刻印○/3〜4本=小)・中(5〜6本)を選ぶ
差込形コネクタ(問49) … 接続点ごとの本数=コネクタの穴数
位置表示灯(H)と確認表示灯(L)の注意
H(ホタル・切で光る)は電線が増えませんが、L(パイロット・入で光る)は接地側の線が1本増えます。
なぜHは増えず、Lは増えるのか? Hはスイッチと並列に入るだけなので線はそのまま。Lは常に電源とつながって光る必要があるため、白線を1本引っぱってくる必要があるのです。
まとめ
この記事で覚えること
複線図は白(器具・コンセントへ直接)→ 黒(スイッチ・コンセントへ)→ 戻り(スイッチから器具へ)の3ステップ
スイッチは必ず黒側。切ったとき器具を無電圧にするため
3路スイッチ間は必ず2本
接続点の数=リングスリーブ・コネクタの数
H は線が増えない/L は1本増える
実際の過去問で確かめる(令和8年度上期 全50問)
▶ 問1〜10
計算と電気の基礎
▶ 問11〜20
材料と工具
▶ 問21〜30
工事のルールと法令
▶ 配線図 問31〜40
図記号と傍記
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け
