第二種電気工事士の学科試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和6年度 下期(2024年10月27日実施)の配線図問題 問31〜問40です。

配線図問題は、1枚の図面の①〜⑳について問31〜問50が出題される形式です。今回の建物は鉄骨軽量コンクリート造・一部2階建ての工場と倉庫。工場なので三相200Vの動力回路(モーター)が多く出てくるのが特徴です。まず下の図面を開いたまま、各問題を読み進めてください。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・写真・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和6年度下期第二種電気工事士試験(学科試験)

この記事で使う配線図

問31〜問50はすべてこの図面についての問題です。丸数字(①〜⑳)の場所を図面から探して、それぞれの問いに答えます。

令和6年度下期 第二種電気工事士 学科 配線図(工場・倉庫)

配線図問題の約束ごと(問題文の注意書きから)

①屋内配線は、特記のある場合を除き電灯回路はVVFケーブル、動力回路はCVケーブルを用いたケーブル工事。②漏電遮断器は定格感度電流30mA・動作時間0.1秒以内。③ジョイントボックスを経由する電線はすべて接続箇所を設けている。④3路スイッチの「0」端子には電源側または負荷側の電線を結線する。

なぜ注意書きまで読む必要があるのか? あとの問題の根拠がここに書いてあるからです。とくに②は問37(接地抵抗が500Ωでよい理由)に、③は問42・問43(接続点の数)に直結します。注意書きは問題の一部だと考えてください。

この図面に出てくる記号の読み方

=電動機(モーター)。=電磁開閉器。B=配線用遮断器。BE=漏電遮断器(過負荷保護付)。Wh=電力量計。⧅の黒塗り=電灯分電盤(L-1、L-2)、×印の入った箱=動力分電盤(P-1、P-2)。

なぜ電灯用と動力用で分電盤が分かれているのか? 受けている電気の種類が違うからです。この図面では電灯用が単相3線式100/200V、動力用が三相3線式200V。電力量計(Wh)も別々に付いており、契約そのものが2つに分かれています。

問31

分野:配線図(最少電線本数)重要度 ★★★

①で示す部分の最少電線本数(心線数)は。

イ.3
ロ.4
ハ.5
ニ.6
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正解

ロ.4
この問題は何を聞いているの?

「①の配線には最低何本の電線(心線)が通っているか」という問題です。①は2階のジョイントボックスから、イ・ロ・ハの3連スイッチへ向かう区間です。

複線図とは?

配線図(単線図)は見やすさ優先で電線を1本の線にまとめて描いています。それを実際の電線1本1本にほどいて描き直した図が複線図です。電線の本数は、複線図にしないと数えられません。

なぜ単線図のままでは本数が分からないのか? 単線図の1本の線は「ここを電線が通る」というルートしか表していないからです。その中を2本通るのか4本通るのかは、電源・スイッチ・器具のつながり方で決まります。

スイッチ箱への配線は「スイッチの数+1」が基本

スイッチが並んだ箱へ向かう区間には、電源の非接地側電線(黒)が1本と、各スイッチから出ていく線が1本ずつ通ります。スイッチが3個なら1+3=4本です。

なぜ非接地側電線は1本で足りるのか? スイッチ箱の中で渡り線(わたりせん)を使って隣のスイッチへ分けることができるからです。3個のスイッチに1本ずつ引く必要はなく、1本入れてしまえば箱の中で分配できます。

3路スイッチの2本はここを通らない

①の先にあるスイッチのうち「ハ」は3路スイッチで、1階の3路スイッチと組にして階段の照明を操作します。この2つの3路スイッチをつなぐ2本の線は、階段のところを通って直接1階へ下りているので、①の区間には現れません。

なぜ3路の連絡線を数に入れてはいけないのか? 配線図をよく見ると、スイッチ群の右側から線が出て階段のところで1階へ下りる印が描かれているからです。その線がどこを通るかは図面が教えてくれます。想像で足すと本数を多く数えてしまいます。

1本目 電源の非接地側電線(黒) … 3つのスイッチへ共通で送る

2本目 イのスイッチから出る線

3本目 ロのスイッチから出る線

4本目 ハ(3路スイッチ)から出る線

合わせて4本。よって答えはです。

この問題の覚え方

「スイッチ箱への配線=スイッチの数+1」がまず頭に浮かべば、3個なら4本と即答できます。そのうえで3路の連絡線が同じ区間を通っていないかを図面で確認する、という2段構えが確実です。

問32

分野:配線図(引込口開閉器の省略)重要度 ★★☆

②で示す引込口開閉器が省略できる場合の,工場と倉庫との間の電路の長さの最大値[m]は。

イ.5
ロ.10
ハ.15
ニ.20
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正解

ハ.15[m]
この問題は何を聞いているの?

「工場から倉庫へ電気を送るとき、倉庫側の入口に開閉器を付けずに済むのは、電路が何mまでか」という問題です。図面では②が倉庫の入口にあるB(配線用遮断器)を指しています。

引込口開閉器とは?

建物に電気が入ってくる場所に付ける電気を切るためのスイッチ(開閉器)です。原則として建物ごとに必要で、その建物の電気をまとめて止められるようにしておきます。

なぜ建物ごとに開閉器が要るのか? 火事や工事のときにその建物だけを安全に停電させるためです。倉庫で作業するのに工場ごと止める、というのでは不便ですし危険でもあります。

省略できる条件は「15m以下」

同じ構内にある他の建物へ電気を送る場合、その建物までの電路の長さが15m以下であれば、引込口開閉器を省略できます。

なぜ15mまでなら省略してよいのか? 距離が短ければもとの建物の開閉器まですぐ行けるからです。何かあったときに走って切りに行ける範囲、というのが15mという数字の考え方です。逆に離れていると、もとの建物まで戻る間に被害が広がります。

手順1 ②は倉庫の引込口にある開閉器

手順2 省略できる条件は電路の長さ15m以下

手順3 最大値は15m

よって答えはハの15mです。

この問題の覚え方

「他の建物へは15mまでなら開閉器を省略できる」。図面に「電路の長さ」という書き込みがあったら、この問題だと気づけます。数字は15m一択なので、覚えてしまえば確実に取れる1問です。

問33

分野:配線図(押しボタンの図記号)重要度 ★★★

③で示す図記号の名称は。

イ.圧力スイッチ
ロ.押しボタン
ハ.電磁開閉器用押しボタン
ニ.握り押しボタン
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正解

ハ.電磁開閉器用押しボタン
この問題は何を聞いているの?

③は1階工場にある●にBの傍記が付いた記号です。すぐ下に電磁開閉器(Ⓢ)と1.5kWのモーター(Ⓜ)が並んでいます。この記号の名前を答えます。

傍記のBは押しボタン

●B=電磁開閉器用押しボタンです。モーターを動かす電磁開閉器に「入」「切」の指令を送るボタンで、押しボタンのBから来ています。

なぜモーターにはスイッチではなくボタンを使うのか? モーターの大きな電流を人が直接入り切りするのは危険だからです。ボタンは小さな電流で合図を送るだけで、実際の入り切りは電磁開閉器という力持ちが担当します。ボタン=指令、開閉器=実行の役割分担です。

紛らわしい3つとの違い

圧力スイッチ=空気や水の圧力で動く自動スイッチ(傍記はP)。握り押しボタン=ぶら下げて手で握って操作するタイプ。単なる押しボタン=呼び鈴などに使う一般のボタン。電磁開閉器とセットになっていれば「電磁開閉器用押しボタン」です。

なぜ「電磁開閉器用」と付くかどうかが大事なのか? 相手が決まっているボタンだからです。図面でこのボタンのそばにⓈ(電磁開閉器)とⓂ(モーター)があれば、それは制御用のボタン。周りに何があるかで名前が決まるのがこの問題のポイントです。

よって答えはです。

この問題の覚え方

「●B+近くにⓈとⓂ=電磁開閉器用押しボタン」。図記号の問題は記号そのものだけでなく、周りに何が描かれているかを見ると迷いません。モーター回路の登場人物は「ボタン→開閉器→モーター」の3点セットです。

問34

分野:配線図(地中配線の電線)重要度 ★★☆

④で示す電線の種類は。

イ.600V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線
ロ.600V 耐燃性架橋ポリエチレン絶縁電線
ハ.600V 架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル
ニ.600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形
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正解

ハ.600V 架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル
この問題は何を聞いているの?

④は図面に「EM-CE5.5」と書かれた、駐車場の地中を通る配線です。「この記号は正式には何という名前か」という問題です。

EM-CEを分解して読む

EM=エコマテリアル(環境配慮形)。C=架橋ポリエチレン絶縁。E=耐燃性ポリエチレンシース。つなげると「架橋ポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシース」のケーブルになります。

なぜ絶縁とシースの2つを名前に書くのか? ケーブルは2重構造だからです。絶縁=1本1本の電線を包む内側の層シース=全体をまとめて覆う外側の皮。材料が違うので、両方を名前に入れて区別しています。

「ケーブル」と「絶縁電線」の決定的な違い

選択肢イ・ロは絶縁電線、ハ・ニはケーブルです。絶縁電線は絶縁の層しかないのに対し、ケーブルはその上にシース(外皮)がある。地中に埋める配線にはケーブルしか使えません

なぜ地中には絶縁電線が使えないのか? 地中は水や土の圧力にさらされる過酷な場所だからです。外皮のない絶縁電線ではすぐ傷みますし、埋めてしまうと点検もできません。だから二重の守りを持つケーブルだけが認められています。

選択肢を1つずつ確かめる

イ・ロ 誤り … どちらも「絶縁電線」。地中配線には使えない

ハ これが正しい … 架橋(C)+耐燃性ポリエチレンシース(E)でEM-CEに一致

ニ 誤り … こちらはEM-EEF(架橋ではなく普通のポリエチレン絶縁、しかも平形)

よって答えはです。

この問題の覚え方

「Cが付いたら架橋」「Eが2つ並んだら普通のポリエチレン+耐燃シース」。そして選択肢に絶縁電線とケーブルが混ざっていたら、地中や屋外はケーブル一択。この2つで確実に絞れます。

問35

分野:配線図(自動点滅器)重要度 ★★★

⑤で示す図記号の器具の名称は。

イ.タイマ付スイッチ
ロ.熱線式自動スイッチ
ハ.熱線式自動スイッチ用センサ
ニ.自動点滅器
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正解

ニ.自動点滅器
この問題は何を聞いているの?

⑤は●にA(6A)の傍記が付いた記号で、建物の外まわり(引込口の近く)にあります。この器具の名前を答えます。

自動点滅器とは?

まわりの明るさを感じて、暗くなったら自動で照明を点け、明るくなったら消す器具です。図記号は●Aで、カッコの中は容量(この図では6A)を表します。玄関灯・防犯灯・看板照明などに使われます。

なぜ傍記がAなのか? Automatic(自動)の頭文字だからです。同じ「自動」でも、人の熱を感じて点ける熱線式自動スイッチはRASという別の傍記になります。

紛らわしい3つとの違い

タイマ付スイッチ=時刻で入り切りする(図記号はTS)。熱線式自動スイッチ=人の体温を感知して点ける(傍記RAS)。熱線式自動スイッチ用センサ=そのセンサ部分だけを別に取り付けたもの。

なぜこの図面で自動点滅器だと分かるのか? 傍記がAであることに加えて、置かれている場所が屋外の引込口付近だからです。人が通る屋内なら熱線式、明るさで切り替える屋外なら自動点滅器。記号と場所の両方で確認すると確実です。

よって答えはです。

この問題の覚え方

「A=Automatic=明るさで自動点滅」「RAS=人の熱で自動」「TS=時刻で自動」。自動シリーズは3つあるので、何をきっかけに動くかで区別して覚えます。

問36

分野:配線図(施設してはならない遮断装置)重要度 ★★☆

⑥で示す部分に施設してはならない過電流遮断装置は。

イ.2極にヒューズを取り付けたカバー付ナイフスイッチ
ロ.2極2素子の配線用遮断器
ハ.2極にヒューズを取り付けたカットアウトスイッチ
ニ.2極1素子の配線用遮断器
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正解

ニ.2極1素子の配線用遮断器(これは施設してはならない)
この問題は何を聞いているの?

⑥は電灯分電盤L-1の中の、200V 20Aの分岐回路です。「ここに付けてはいけない遮断器はどれか」という問題です。2極2素子と2極1素子の違いが分かれば解けます。

「極」と「素子」の違い

極(きょく)=電線をつなぐ端子の数。素子(そし)=電流を見張るセンサーの数です。2極2素子(2P2E)は2本とも見張っていますが、2極1素子(2P1E)1本しか見張っていません

なぜ見張らない極があってもよい製品が存在するのか? 100V回路では、2本のうち1本が接地側(大地につながっている白線)だからです。接地側には危険な電圧がかからないので、見張るのは非接地側の1本だけで足ります。そのぶん安く作れます。

200V回路には2極2素子が必要

単相3線式の200V回路は、2本とも電圧線(どちらも対地電圧100V)です。どちらの線で異常が起きても止められなければいけないので、両方を見張る2極2素子が必要になります。

なぜ200Vだと1素子ではだめなのか? 見張っていない側の線で短絡や過電流が起きても検知できないからです。100V回路なら見張らない側は接地側なので安全ですが、200V回路では両方とも危険な線。片目をつぶっているのと同じ状態になってしまいます。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 施設できる … 2極にヒューズ=両方を守っている

ロ 施設できる … 2極2素子=両方を見張っている

ハ 施設できる … 2極にヒューズ=両方を守っている

ニ これが施設できない … 2極1素子=片方しか見張っていない

よって答えはです。

この問題の覚え方

「100V回路は2P1EでもOK、200V回路は2P2Eでなければダメ」。まずその回路が100Vか200Vかを分電盤の結線図で確かめるのが第一歩です。この年度は200V回路なので2P1Eが答えになります。

問37

分野:配線図(接地線の太さと接地抵抗)重要度 ★★★

⑦で示す部分の接地工事の電線(軟銅線)の最小太さと,接地抵抗の最大値との組合せで,正しいものは

イ.1.6 mm 100 Ω
ロ.1.6 mm 500 Ω
ハ.2.0 mm 100 Ω
ニ.2.0 mm 600 Ω
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正解

ロ.1.6 mm 500 Ω
この問題は何を聞いているの?

⑦は1階工場の三相200Vモーター(1.5kW)の接地線です。「電線は最低何mmで、接地抵抗は何Ω以下でよいか」の組合せを選びます。

この機器はD種接地工事

三相200Vは300V以下の低圧なので、施すのはD種接地工事です。D種の接地線は直径1.6mm以上の軟銅線と決められています。

なぜ接地線の太さにも決まりがあるのか? 漏電したとき、接地線には大きな電流が一気に流れるからです。細すぎるとその電流で焼き切れてしまい、いざというときにアースの役目を果たせません。

接地抵抗が500Ωでよい理由

D種接地工事の接地抵抗は原則100Ω以下ですが、0.5秒以内に動作する地絡遮断装置(漏電遮断器)を施設した場合は500Ω以下に緩和されます。この図面の注意書きには「漏電遮断器は動作時間0.1秒以内」と明記されています。

なぜ漏電遮断器があると500Ωまで緩めてよいのか? 接地の役目は漏電したとき人が感電しないよう電気を大地へ逃がすことです。0.1秒で電気そのものが切れるなら、逃がしきる前に危険が消えるので、接地の性能は控えめでも安全が保てるからです。

手順1 三相200V(300V以下) → D種接地工事

手順2 D種の接地線 → 1.6mm以上(ハ・ニが消える)

手順3 注意書きに0.1秒以内の漏電遮断器 → 500Ω以下に緩和(イが消える)

よって答えはです。

この問題の覚え方

D種接地は「線は1.6mm以上・抵抗は原則100Ω・0.5秒以内の漏電遮断があれば500Ω」図面の注意書きに漏電遮断器の動作時間が書いてあるかどうかが、100Ωと500Ωの分かれ道です。毎回そこを確認しましょう。

問38

分野:配線図(絶縁抵抗の最小値)重要度 ★★★

⑧で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として,許容される最小値[MΩ]は。

イ.0.1
ロ.0.2
ハ.0.4
ニ.1.0
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正解

ロ.0.2[MΩ]
この問題は何を聞いているの?

⑧は動力分電盤P-2へ向かう三相200Vの回路です。「この回路の絶縁抵抗は最低いくつ必要か」という問題です。対地電圧を求めてから表に当てはめる2段階で解きます。

絶縁抵抗とは?

電線からどれだけ電気が漏れにくいかを表す値です。単位はMΩ(メガオーム)=100万Ω。値が大きいほど漏れておらず、良い状態です。

なぜ絶縁抵抗を定期的に測るのか? 電線の被覆は年月とともに劣化し、少しずつ電気を漏らすようになるからです。漏れが大きくなると感電や火災につながるため、基準値を下回っていないかを検査で確かめます。

覚える表は3行だけ

対地電圧150V以下 → 0.1MΩ以上
対地電圧150Vを超え300V以下 → 0.2MΩ以上
使用電圧300V超 → 0.4MΩ以上

なぜ電圧が高いほど大きい値が求められるのか? 同じ絶縁の状態でも、電圧が高いほど漏れる電流は大きくなるからです。高い電圧を使う回路ほど、より良い絶縁が必要になります。0.1・0.2・0.4と倍々で覚えます。

三相200Vの対地電圧は200V

三相3線式200Vは、どの線と大地の間も200Vです。単相3線式100/200Vなら対地電圧は100Vですが、三相はそうではありません。

なぜ三相と単相3線式で対地電圧が違うのか? 中性線があるかどうかの違いです。単相3線式は真ん中の中性線が接地されているので、外側の線と大地の間は100V。三相3線式にはその中性線がないため、200Vがそのまま対地電圧になります。

手順1 ⑧は三相3線式200Vの回路 → 対地電圧は200V

手順2 200Vは「150Vを超え300V以下」の区分

手順3 必要な絶縁抵抗 = 0.2MΩ以上

よって答えはです。

この問題の覚え方

「0.1/0.2/0.4」の3段階を覚えたうえで、対地電圧を正しく出すのが勝負どころ。単相3線式100/200V=対地電圧100V(0.1MΩ)、三相3線式200V=対地電圧200V(0.2MΩ)という対比で覚えると混同しません。

問39

分野:配線図(コンセントの極配置)重要度 ★★☆

⑨で示す部分に使用するコンセントの極配置(刃受)は。

令和6年度下期 第二種電気工事士 学科 問39 の選択肢(コンセントの極配置)
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正解

イ.三相200V 30A 接地極付の極配置
この問題は何を聞いているの?

⑨は図面に「3P 30A 250V」と傍記され、Eの記号が付いたコンセントです。「この条件に合う差込口の形はどれか」を選びます。

傍記の読み方

3P=3極(電線を3本つなぐ=三相用)。30A=定格電流30A。250V=定格電圧250V(200V回路で使う)。E=接地極付き。つまり三相200V・30A・アース付きのコンセントです。

なぜ200V回路のコンセントに250Vと書くのか? 定格電圧は「ここまで耐えられる」という上限を表すからです。200Vで使う機器には、余裕をみて250V定格の製品を使います。125Vと書いてあれば100V用、250Vと書いてあれば200V用と読み替えます。

極配置の見分け方

コンセントの差込口の形は電圧・電流・極数ごとにすべて違う形に決められています。三相用は刃が3つ+アース1つで合計4つの穴になり、しかも刃が円を描くように配置されるのが特徴です。

なぜ形をわざわざ変えているのか? 間違った機器を差せないようにするためです。100V用のプラグが200Vのコンセントに刺さってしまったら、機器が一瞬で壊れます。形そのものが安全装置になっているのです。

手順1 傍記から三相(3極)+接地極=差込口は4つと分かる

手順2 30A用は15A・20A用より刃が太く、独特の曲がった形になる

手順3 この条件を満たすのは

よって答えはです。

この問題の覚え方

極配置の問題は「傍記から穴の数を出す」のが第一歩です。2P=2つ、2P+E=3つ、3P+E=4つ。まず穴の数で選択肢を絞り、残ったものから電流の大きさ(刃の太さ・形)で決めます。

問40

分野:配線図(モータブレーカの図記号)重要度 ★★★

⑩で示す部分に取り付けるモータブレーカの図記号は。

令和6年度下期 第二種電気工事士 学科 問40 の選択肢(図記号)
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正解

イ.Bに縦線を加えた記号
この問題は何を聞いているの?

⑩は3.7kWのモーターの手前にある破線の四角で、ここに何かを取り付けることになっています。「モータブレーカの図記号はどれか」という記号の暗記問題です。

モータブレーカとは?

モーターを守ることに特化した配線用遮断器です。正式には「電動機保護兼用配線用遮断器」といいます。図記号はBに縦線を1本加えた形で、ふつうの配線用遮断器(B)と区別します。

なぜモーター専用のブレーカーが必要なのか? モーターは動き始めの数秒だけ、定格の何倍もの電流が流れるからです。ふつうのブレーカーだとその始動電流で落ちてしまいます。モータブレーカは始動の一瞬は見逃し、長く続く過電流だけを止める特性を持っています。

よく似た4つの記号

B=配線用遮断器。Bに縦線=モータブレーカ。BE=漏電遮断器(過負荷保護付)。S=開閉器。Sを丸で囲む=電磁開閉器。

なぜBとBEの区別が大事なのか? 漏電を検知できるかどうかが変わるからです。Eは Earth leakage(漏電)の頭文字。Eが付いたら漏電も見張っていると読みます。この図面の分電盤結線図でも、BとBEが使い分けられています。

選択肢を1つずつ確かめる

イ これが正しい … Bに縦線=モータブレーカ

ロ 誤り … BE=漏電遮断器

ハ 誤り … Sを丸で囲む=電磁開閉器

ニ 誤り … S=開閉器

よって答えはです。

この問題の覚え方

「Bにタテ棒でモータ用」と覚えます。配線図の記号はB系(遮断器)とS系(開閉器)の2グループに分けて整理すると混乱しません。Bにタテ棒=モータ用、BにE=漏電付き、Sに丸=電磁式、という足し算で覚えられます。

この記事のまとめ

この10問で必ず持ち帰ること

問31 電線本数 … スイッチ箱への配線=スイッチの数+1

問32 引込口開閉器 … 他の建物へ15m以下なら省略できる

問33・35 図記号 … ●B=電磁開閉器用押しボタン/●A=自動点滅器

問34 EM-CE … Cが付いたら架橋。地中はケーブル一択

問36 2P1Eと2P2E … 100Vは2P1EでもOK・200Vは2P2Eが必須

問37 D種接地 … 線は1.6mm以上・0.5秒以内の漏電遮断があれば500Ω

問38 絶縁抵抗 … 0.1/0.2/0.4。三相200Vは対地電圧200Vで0.2MΩ

問39・40 極配置と記号 … 3P+E=穴4つ/Bにタテ棒=モータブレーカ

出典

令和6年度下期第二種電気工事士試験(学科試験)
問題・図・写真・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

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計算と電気の基礎(合成抵抗・電線の抵抗・熱量・単相2線式・幹線)

▶ 問11〜20
材料と工具(プルボックス・CV・写真鑑別・絶縁処理・工事の種類)

▶ 問21〜30
施工・検査・法令(接地の省略・回路計の読み・漏れ電流・電圧区分)

▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け(接地抵抗計・スリーブ・コネクタ・トラフ・工具)

用語からつまずいた人へ(やさしい基礎解説)

▶ オームの法則と直列・並列
電圧・電流・抵抗のきほんから

▶ W・Wh・Jの違い
電力・電力量・熱量

▶ 単相2線式・単相3線式・三相3線式
配線方式のちがい

▶ 配線図の図記号の読み方
スイッチ・コンセント・照明の記号

▶ 電線とケーブルの種類・許容電流
VVF・IV・1.6mm=27Aなどの暗記ポイント

▶ 電線管の種類と配線工事
金属管・VE・PF・CD管のちがいと付属品

▶ 幹線と分岐回路の決まり
幹線の計算とブレーカー×電線×コンセントの表

▶ 複線図の書き方【3ステップ】
電線の本数もリングスリーブもこれで数えられる

▶ 検査と測定器のきほん
「見る→測る→通す」と測定器の見分け方

▶ 法令のきほん
工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備

▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善