第二種電気工事士の試験には、VVF・IV・許容電流といった電線の話が毎回出ます。ここでつまずくと、材料の問題も配線図の問題も解けません。

この記事では、電気をまったく知らない人を想定して、電線の種類と「何アンペアまで流せるか」を順に説明します。

「電線」と「ケーブル」は別のもの

「絶縁電線」と「ケーブル」は別のものちがいは外側のシース(外皮)があるかどうか絶縁電線(IVなど)ケーブル(VVFなど)絶縁の層が1つだけ単独では地中・屋外に使えない絶縁 + シース(外皮)の2重どこにでも使える丈夫さ地中・屋外・点検できない隠ぺい場所に使えるのは「ケーブル」だけ
絶縁電線は絶縁の層だけ、ケーブルはその上にシース(外皮)があります。この1枚の皮の有無で、使える場所が大きく変わります。

ふだんは同じ意味で使う2つの言葉ですが、試験でははっきり区別します。

絶縁電線とは?

銅線をビニルなどの絶縁物で1層おおっただけの電線です。代表がIV(アイブイ)電線そのまま壁に留めてはいけず、必ず管の中に入れて使います。

なぜ絶縁電線は管に入れないといけないのか? 1層だけでは、こすれたり日光に当たったりすると被覆がやぶれて漏電するからです。管で守る前提の電線なのです。

ケーブルとは?

絶縁電線を、さらにシース(外装)というじょうぶな皮でまとめて包んだものです。2重の守りがあるので、管に入れずそのまま配線できます

なぜケーブルはそのまま配線してよいのか? シースが外からの傷や湿気を受け止めてくれるからです。住宅の配線がほとんどケーブル工事なのは、管がいらないぶん速くて安いためです。

試験に出るケーブル・電線はこの4つ

名前と使いどころ

IV電線 … 絶縁電線の代表。管に入れて屋内配線に使う

VVFケーブル … 平べったいケーブル。住宅配線の主役。F=Flat(平形)

VVRケーブル … 丸いケーブル。R=Round(丸形)

EM-EEFケーブル … エコケーブル。燃やしても有害ガスが出にくい材料でできている。EM=エコマテリアル

心線の色の決まり

ケーブルの中の線は色分けされています。白=接地側電線(大地につながる側。そのまま器具へ)、黒=非接地側電線(電気が来ている側。スイッチはこちらに入れる)、赤=3心のときの3本目(3路スイッチなどに使う)。

なぜ色の決まりが必要なのか? 色を全国共通にしておかないと、あとから点検・修理する人が、どの線が危険か分からないからです。スイッチを白に入れると、切っても器具に電気が残って感電します。

許容電流 この数字だけは暗記する

許容電流とは?

その電線に安全に流してよい電流の上限です。単位はA(アンペア)。超えると電線が発熱し、被覆が溶けて火災になります。

なぜ流してよい電流に上限があるのか? 電線にもわずかな抵抗があり、電流が流れると必ず発熱します。熱の逃げる量と釣り合う範囲が上限として決められているのです。

絶縁電線(軟銅線)の許容電流【必ず暗記】

直径1.6mm … 27A

直径2.0mm … 35A

直径2.6mm … 48A

断面積3.5mm² … 37A

断面積5.5mm² … 49A

mm(直径)とmm²(断面積)のちがい

細い電線は直径(1.6mm・2.0mm)で呼び、太い電線は断面積(3.5mm²・5.5mm²)で呼びます。単位を見れば、どちらの呼び方か分かります

なぜ2つの呼び方があるのか? 太い電線は細い線を何本もより合わせて作るため、1本の直径では表せなくなるからです。そこで切り口の面積で呼びます。

管に入れると許容電流が減る(電流減少係数)

電流減少係数とは?

電線を1本の管に何本もまとめて入れると、たがいに温め合って熱が逃げにくくなります。そこで許容電流に掛けて減らす数字が電流減少係数です。

なぜ管に入れると減らすのか? 1本だけなら熱は空気に逃げますが、管の中で密集すると熱がこもるからです。同じ電流でも温度が上がりやすいので、あらかじめ上限を下げておきます。

電流減少係数【この3つだけ】

管の中の電線が3本以下 … 0.70

4本 … 0.63

5〜6本 … 0.56

計算の例(過去問そのまま)

問題 … 断面積3.5mm²の電線4本を金属管に入れた。1本あたりの許容電流は?

手順1 … 3.5mm²のもとの許容電流 = 37A

手順2 … 4本なので係数 = 0.63

手順3 … 37 × 0.63 = 23.31 → 約23A

コードは別もの

コードとは?

電気スタンドやアイロンなど、器具についているやわらかい電線です。造営材(壁や柱)に固定して配線に使うことはできません

なぜコードを壁に留めて配線してはいけないのか? やわらかさを優先した作りで、被覆が薄く、固定配線ほどの耐久力がないからです。動かして使う器具のためのものです。

コードの許容電流

0.75mm² … 7A(100Vなら700Wまで

1.25mm² … 12A

2.0mm² … 17A

まとめ

この記事で覚えること

絶縁電線(IV)=管に入れる/ケーブル(VVF等)=そのまま配線できる

心線の色 白=接地側/黒=非接地側(スイッチは黒)/赤=3本目

許容電流 1.6mm=27A/2.0mm=35A/2.6mm=48A/3.5mm²=37A

電流減少係数 3本以下0.70/4本0.63/5〜6本0.56

コード 0.75mm²=7A=700Wまで。固定配線には使えない

実際の過去問で確かめる(令和8年度上期 全50問)

▶ 問1〜10
計算と電気の基礎

▶ 問11〜20
材料と工具

▶ 問21〜30
工事のルールと法令

▶ 配線図 問31〜40
図記号と傍記

▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け