【第二種電気工事士】検査と測定器のきほんをゼロから解説
学科試験では、工事のあとの検査と測定器の使い分けが毎回3〜4問出ます。測定器は種類が多く見えますが、「形」と「測るもの」をセットで覚えるだけで得点源になります。
この記事では、電気をまったく知らない人を想定して、検査の流れから測定器の見分け方まで順に説明します。
工事のあとに必ず検査する
竣工検査(しゅんこうけんさ)とは?
配線工事が終わったあと、電気を通す前に安全を確かめる検査です。
なぜ電気を通す前に検査するのか? 配線の間違いは、電気を通した瞬間に感電・火災・機器の故障を起こすからです。壁の中の配線は完成後は見えないので、通電前の検査が最後の砦になります。
検査の順番【この流れで覚える】
手順1 目視点検 … 図面どおりに施工されているか、目で確かめる
手順2 絶縁抵抗測定 … 電気が漏れない状態かを測る
手順3 接地抵抗測定 … アースがきちんと大地につながっているかを測る
手順4 通電試験 … 最後に電気を通して、正しく動くか確かめる
覚え方 … 「見る → 測る → 通す」。電気を通すのは必ず最後
絶縁抵抗の測定
絶縁抵抗計(メガー)とは?
電線から電気が漏れないかを調べる測定器です。単位はMΩ(メガオーム)。電池で直流の高い電圧をかけて、漏れの少なさを測ります。
なぜ高い電圧をかけて測るのか? ふつうのテスタの弱い電圧では、小さな絶縁の傷を見つけられないからです。わざと高めの電圧をかけて、それでも漏れないことを確かめます。
絶縁抵抗の基準値【0.1/0.2/0.4】
使用電圧300V以下 かつ 対地電圧150V以下(住宅の100V回路など) … 0.1MΩ以上
使用電圧300V以下 でも 対地電圧150V超(三相200Vなど) … 0.2MΩ以上
使用電圧300V超 … 0.4MΩ以上
停電できなくて測れないときは?
絶縁抵抗の測定は回路を停電させて行いますが、どうしても停電できない場合は、漏えい電流が1mA以下であることを確認すればよい、と決められています。
なぜ漏えい電流で代用できるのか? 絶縁抵抗と漏れ電流は表裏の関係だからです。漏れがごくわずか(1mA以下)なら、絶縁は保たれていると判断できます。
接地抵抗の測定
接地抵抗計(アーステスタ)とは?
アース(接地)がどれだけスムーズに電気を大地へ逃がせるかを測る測定器です。補助接地棒を2本地面に打ち、本体とあわせて3点で測る(3極法)のが基本です。
なぜ補助接地棒が2本必要なのか? 大地への流れやすさは、比べる相手(基準点)がないと測れないからです。補助の棒2本がその基準の役割をします。測定前には地電圧が小さいことも確認します。
接地抵抗の基準値
D種(300V以下の機器) … 100Ω以下
D種で、0.5秒以内に切れる漏電遮断器を付けた場合 … 500Ω以下まで緩和
C種(300V超の低圧) … 10Ω以下
測定器図鑑 形と用途をセットで覚える
写真問題はここで決まる
回路計(テスタ) … 赤と黒のテスト棒。電圧・抵抗・導通を測る万能選手。絶縁抵抗は測れない
絶縁抵抗計(メガー) … テスタに似るがMΩ目盛り。漏れにくさを測る
接地抵抗計 … 補助接地棒2本と3本の線が付属。アースの効きを測る
クランプ形電流計 … 先端に開く輪。電線を挟むだけで電流が測れる。回路を切らずに測れるのが強み
検相器 … 3色のクリップ。三相の順番(相回転)を調べる
検電器 … ペン型。電気が来ているかどうかだけを調べる
照度計 … 白い半球のセンサー。明るさ(ルクス)を測る
電力量計 … 家の外の電気メーター。使った合計(kWh)を測る
クランプで「漏れ電流」を測るときの注意
ふつうの負荷電流は1本だけ挟みますが、漏れ電流を調べるときはその回路の電線を全部まとめて挟みます。
なぜ全部まとめて挟むと漏れが分かるのか? 行きと帰りの電流は打ち消し合ってゼロになるはずだからです。全部挟んでゼロにならなければ、その差が漏れている量だと分かります。
まとめ
この記事で覚えること
検査の順番は「見る→測る→通す」。通電は必ず最後
絶縁抵抗 0.1/0.2/0.4MΩ。停電できなければ漏えい電流1mA以下
接地抵抗 D種100Ω(0.5秒漏電遮断器で500Ω)
輪=クランプ/棒2本=テスタ/棒+MΩ=メガー/クリップ3色=検相器
漏れ電流は全部まとめて挟む
実際の過去問で確かめる(令和8年度上期 全50問)
▶ 問1〜10
計算と電気の基礎
▶ 問11〜20
材料と工具
▶ 問21〜30
工事のルールと法令
▶ 配線図 問31〜40
図記号と傍記
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け
