【候補問題No.12】複線図の書き方|PF管は接地が要らない【第二種電気工事士】
第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.12を、知識ゼロの人が読んでも複線図(実際の電線を一本ずつ描き分けた配線図)が書けるところまで分解します。
No.12はPF管(合成樹脂製可とう電線管)の問題です。No.11の金属管とよく似ていますが、いちばん大きな違いは「接地(漏れた電気を地面へ逃がす仕組み)が要らない」ことです。
この記事でわかること
- 候補問題No.12にどんな器具が出てくるか
- PF管と金属管のちがい
- なぜPF管には接地が要らないのか
- 複線図を白→黒→戻りの3ステップで書く手順
候補問題No.12はどんな問題か
- 電源は 1φ2W 100V。ボックスまでは VVF 2.0-2C
- アウトレットボックスが1つと、ジョイントボックス(電線どうしをつなぐ場所)が1つ
- ランプレセプタクル(ロ)が1つ
- 引掛シーリング(角形・イ)が1つ
- 点滅器イ(照明のスイッチ)が1つ
- 点滅器ロとコンセントが同じボックスに。そこまでは IV 1.6(PF16)=PF管の中を通します
まず用語をそろえます
- PF管…「合成樹脂製可とう電線管」の略です。プラスチックでできた、蛇腹状の曲がる管のこと。「可とう(かとう)」は柔らかく曲がるという意味です。
- PF16…太さ(呼び径16mm)のPF管です。
- IV線…1本ずつバラになった電線です。ケーブルのように外皮でまとめられていません。管の中にはこれを通します。
- コネクタ…PF管をボックスにつなぐ部品です。金属管のものとは違い、樹脂製です。
- アウトレットボックス…金属の四角い箱。電線をつなぐ場所です。
PF管と金属管のちがい

覚えるここだけ押さえる
PF管は樹脂(プラスチック)でできています。樹脂は電気を通しません。
だから、金属管のようにボンド線(金属管を接地するための線)で接地する必要がありません。ここがNo.11との最大の違いです。
そのほかにも、手で曲げられるので専用の工具が要りません。作業としてはPF管のほうがやさしいと言えます。
そして複線図の書き方はどちらもまったく同じです。
複線図を3ステップで書く
ステップ1 白い線を引く

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。ランプレセプタクル・引掛シーリング・コンセントの3つです。
点滅器には白を引きません。
ステップ2 黒い線を引く

黒い線(非接地側。電気を送り出す側の線)の行き先は3つです。
- コンセント(スイッチを通さず直接)
- 点滅器イ
- 点滅器ロ
ステップ3 戻り線を引く

戻り線(スイッチから照明へ戻っていく線)は2本。同じ文字どうしをつなぎます。
- 点滅器イ → 引掛シーリング(イ)
- 点滅器ロ → ランプレセプタクル(ロ)
これで完成です。
用語PF管の中を通る線の本数を数えておく
点滅器ロとコンセントはPF管の先の同じボックスにあります。
複線図ができたら、その区間を横切る線が何本あるかを数えてください。その本数ぶんのIV線を管に通します。
ケーブルなら「何芯か」で決まりますが、管工事では自分で必要な本数を用意します。ここが管工事の共通点です。
間違えやすいところ
PF管に接地をつけてしまう
No.11の金属管を先に練習した人がやりがちです。PF管は樹脂なので接地は要りません。ただしアウトレットボックス(金属)側の扱いは当日の施工条件で確認してください。
コネクタの取り付けが甘い
PF管用のコネクタはカチッと止まるまで押し込みます。抜けてしまうと欠陥(その時点で不合格になる誤り)です。練習で一度は付け外ししておきましょう。
IV線の本数を間違える
複線図でその区間を横切る線を数えてから通してください。足りないと最後につながりません。
イとロを取り違える
点滅器イは引掛シーリング、点滅器ロはランプレセプタクルです。同じ文字どうしが相手だと覚えてください。No.11とは組み合わせが違うので、記憶ではなく図で確認しましょう。
覚える電線の色と本数について
この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、ボックスの接地の扱い、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。
よくある質問
Q. 「可とう」ってどういう意味ですか?
A. 柔らかく曲げられるという意味です。PF管は蛇腹状になっていて、手で自由に曲げられます。金属管のように専用の工具は要りません。
Q. PF管と金属管、どちらが試験で有利ですか?
A. 作業としてはPF管のほうがやさしいです。曲げるのに工具が要らず、ボンド線もありません。ただし複線図の難しさは同じなので、どちらが出ても対応できるようにしておきましょう。
Q. なぜPF管は接地が要らないのですか?
A. 樹脂は電気を通さないからです。金属管は電気を通すので、万一のときに管に電気が流れて感電する危険があります。PF管はそもそも電気が流れないので、その心配がありません。
Q. No.11とNo.12は同じ問題ですか?
A. 器具の顔ぶれは似ていますが、管の種類と、どのスイッチが管の先にあるかが違います。複線図もよく見ると別物なので、それぞれ書いて練習してください。
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一覧にもどる第二種電気工事士|候補問題13問の複線図No.1からNo.13まで、まとめて置いてあります
複線図が書けたら、次は手を動かす番です
技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数がそのまま点数になります。
そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が要ります。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段でくらべた記事があります。



