第1章 ボイラーの構造 | 第7回 | 学習カリキュラムの目次を見る

第6回は「見張る・逃がす」附属品でした。第7回は、水を入れる・汚れを出す・蒸気を送る・捨てる熱を取り戻すための装置がテーマです。ボイラーを1本の流れとして見ると覚えやすくなります。給水→ボイラー→蒸気を送るという水と蒸気の流れと、燃焼ガスが煙突へ抜ける流れです。それぞれの流れの途中に、どの装置が付いているかを順番に見ていきましょう。

附属設備とは?

ボイラー本体の外に付いていて、給水・送気・熱の回収などを受け持つ装置。給水ポンプ・エコノマイザ・空気予熱器・過熱器などがあります。

💡 なぜ? ボイラー本体だけでは、水を押し込むことも、排ガスの熱を取り戻すこともできないからです。附属設備が加わって、はじめて安全で効率のよい運転ができます。

給水系統:水をボイラーへ押し込む

給水ポンプからエコノマイザを通ってボイラーへ水が入り、蒸気が主蒸気管へ送られ、排ガスが空気予熱器を通って煙突へ抜ける流れを表したイメージ図
水と蒸気の流れ(給水→ボイラー→送気)と、燃焼ガスの流れ(燃焼室→エコノマイザ・空気予熱器→煙突)。

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水と蒸気の流れ(給水→ボイラー→送気)と、燃焼ガスの流れ(燃焼室→エコノマイザ・空気予熱器→煙突)。

ボイラーの中は圧力が高いので、水を入れるにはその圧力より強く押し込むポンプが必要です。給水には主に遠心ポンプが使われます。

遠心ポンプとは?

ケーシング(外箱)の中で多数の羽根のついた羽根車を回し、遠心作用で水に圧力と速度のエネルギーを与えるポンプ。

ポンプ しくみ 使いどころ
渦巻ポンプ 羽根車のまわりに案内羽根がない 一般に低圧のボイラー
ディフューザポンプ 羽根車のまわりに案内羽根がある 高圧のボイラーには多段のディフューザポンプ

💡 覚え方

ディフューザ=案内羽根(ガイド)つき。案内羽根で水の勢いを効率よく圧力に変えられるので、高い圧力のボイラーに向いています。案内羽根がないのが渦巻ポンプです。

⚠ 注意

「渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプ」は誤り(平成31年4月公表)。案内羽根があるのはディフューザポンプです。

遠心ポンプのほかの給水装置:渦流ポンプとインゼクタ

遠心ポンプは、ディフューザポンプと渦巻ポンプの2つに分類されます。このほかに試験に出る給水装置が、渦流ポンプとインゼクタです。

装置 試験に出た内容
渦流ポンプ 円周流ポンプとも呼ばれる。小容量の蒸気ボイラーなどに使う
インゼクタ 蒸気の噴射力(勢いよく噴き出す力)を利用して給水する

渦流ポンプのこの記述は、4回も正しい記述として出ました。平成31年4月・令和2年10月・令和3年4月・令和5年4月公表の問題です。インゼクタは、モーターで回すポンプではなく、蒸気が噴き出す勢いで水を送り込む装置です。

⚠ 注意

「渦巻ポンプ」と「渦流ポンプ」は別のものです。渦巻ポンプは案内羽根のない遠心ポンプで、低圧のボイラー用。渦流ポンプは円周流ポンプとも呼ばれ、小容量の蒸気ボイラーなどに使われます。「渦」の字だけで判断しないようにしましょう。

ボイラー水は蒸気になって出ていくので、減った分をいつも補う必要があります。給水が止まれば、水位が下がり続けて伝熱面の焼損につながるため、給水系統はボイラーの命綱といえる部分です。

給水弁と給水逆止め弁の順番

ボイラーやエコノマイザの入口近くには、給水弁と給水逆止め弁を設けます。給水逆止め弁は、ボイラーの水がポンプ側へ逆流するのを防ぐ弁です。

並べる順番は、ボイラーに近い側が給水弁、その外側に給水逆止め弁です。逆止め弁が故障したとき、ボイラー側の給水弁を閉めれば、圧力のある状態でも逆止め弁を修理できるからです。

⚠ 注意

「ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける」は誤り(令和7年4月公表)。ボイラー側に給水弁。止めてから直せる順番、と覚えましょう。

使う弁の形も決まっています。給水弁にはアングル弁または玉形弁、給水逆止め弁にはスイング式やリフト式の逆止め弁を使うのです。

弁 どんな弁か 使う場所
アングル弁 入口と出口の向きが直角に変わる弁 給水弁
玉形弁 弁の中で流れがS字形に曲がる弁(送気系統でも登場) 給水弁
スイング式逆止め弁 弁体が扉のように振れて開き、逆向きの流れでは閉じる 給水逆止め弁
リフト式逆止め弁 弁体が持ち上がって開き、逆向きの流れでは閉じる 給水逆止め弁

⚠ 注意

「給水逆止め弁には、アングル弁又は玉形弁が用いられる」は誤り(令和2年4月公表)。「ゲート弁又はグローブ弁が用いられる」も誤りです(令和5年4月公表)。ゲート(gate=門)弁は仕切弁、グローブ(globe=球)弁は玉形弁の英語の呼び名。アングル弁・玉形弁は給水弁のほう、と入れ替えに気をつけましょう。

給水内管と給水加熱器

給水内管は、胴や蒸気ドラムの内側に入れる給水の管です。一般に長い鋼管に多数の穴をあけたもので、そこから胴の中へ給水を入れます。

取り付ける高さは、安全低水面よりやや下方です。安全低水面とは、運転中にこれより下げてはいけない最低の水位のことでした(第3回)。

⚠ 注意

「給水内管は、安全低水面よりやや上方に取り付ける」は誤り(令和2年10月・令和4年4月公表)。正しくはやや下方で、令和2年4月・令和3年4月公表ではこちらが正しい記述でした。

給水加熱器は、ボイラーに入れる前の給水を温める装置です。一般に、加熱管を隔てて給水を加熱する熱交換式が使われます。加熱管を隔てるとは、管の壁ごしに熱だけを伝えるという意味です。

ポンプの種類を問う問題では、「案内羽根があるか」「低圧か高圧か」の2点が入れ替えられます。案内羽根あり=ディフューザ=高圧と、3つをひとまとまりで覚えておくと確実です。

吹出し装置:ボイラー水の汚れを外へ出す

ボイラー水は、蒸気になって出ていくぶん、水に溶けていた不純物が濃くなり、底には沈殿物(スラッジ)がたまっていきます。これを外へ出すのが吹出し(ブロー)です。

吹出し装置で出題されること

①吹出し管は、ボイラー水の濃度を下げたり沈殿物を出したりするため、胴やドラムに設ける

②吹出し弁には、スラッジで故障しないよう仕切弁またはY形弁を使う

③大形・高圧のボイラーは、2個の吹出し弁を直列に設ける

④最高使用圧力1MPa未満(小容量・低圧)のボイラーでは、吹出し弁の代わりに吹出しコックが多く使われる

⑤連続吹出し装置は、調節弁で量を加減し、少量ずつ連続して吹き出して濃度を一定に保つ

⑥連続吹出し装置の吹出し管は、胴や蒸気ドラムの水面近くに取り付ける

⚠ 注意

②で「吹出し弁には、玉形弁又はアングル弁が用いられる」は誤り(令和2年10月・令和3年10月公表)。正しくは仕切弁またはY形弁です。玉形弁・アングル弁は、給水系統の給水弁に使う弁でした。

④は、「最高使用圧力1MPa未満」とも「小容量の低圧のボイラー」とも出ます。前者は令和2年10月・令和3年10月、後者は令和6年4月公表で、どちらも正しい記述として出ました。

⑥の連続吹出し装置は、水面近くに取り付けた吹出し管から、ボイラー水を少しずつ連続して取り出します。そうして、ボイラー水の濃度を決めた範囲(管理値)の中に保つのです。

🤔 吹出しをしないと、どうなるのですか。

ボイラー水の不純物が濃くなりすぎると、伝熱面にスケール(湯あか)が付きやすくなります。水面が泡立って、蒸気に水滴が混じることも起きやすくなるでしょう。スケールは熱を伝えにくくするので、効率が落ち、伝熱面が過熱して傷む原因にもなるのです。水の管理は、第12回でくわしく学ぶ予定です。

2個の吹出し弁:近い方が急開弁、遠い方が漸開弁

2個の吹出し弁を直列に付けるときの並びは決まっています。ボイラーに近い方が急開弁(すばやく開く弁)、遠い方が漸開弁(少しずつ開く弁)です。

ボイラーに近い方を第一吹出し弁、遠い方を第二吹出し弁と呼びます。つまり第一=急開弁、第二=漸開弁。令和2年10月公表では、この「第一・第二」の書き方で正しい記述として出ました。

吹き出す量は遠い方の漸開弁で少しずつ調整します。ボイラーに近い急開弁は、全開か全閉で使うのが基本です。

⚠ 注意

「ボイラーに近い方に漸開弁」は誤り(令和6年4月公表)。近い方は急開弁です。

💡 覚え方

「ボイラーの近くは、さっと開け閉めできる門番(急開弁)、外側でゆっくり量を決める(漸開弁)」。2つの弁を開け閉めする順番は、取扱いの回(第13回)でくわしく扱いましょう。

送気系統:蒸気を送り出す

主蒸気弁:仕切弁と玉形弁

ボイラーでつくった蒸気は、主蒸気弁を通って主蒸気管へ送られていきます。そして主蒸気弁に使われる弁は、中の流れ方で2つに分けられるのです。

弁 弁の中の蒸気の流れ 流れの抵抗
仕切弁 まっすぐ流れる(板を上下させて仕切る) 小さい
玉形弁 弁の中でS字形に曲がる 大きい

⚠ 注意

「仕切弁は流れがY字形になるので抵抗が小さい」は誤り(令和6年10月公表)。仕切弁はまっすぐ流れるので抵抗が小さいのです。

💡 覚え方

仕切弁は「まっすぐ通り抜けられる門」、玉形弁は「中でぐねっと曲がる通路」。曲がりが多いほど抵抗は大きくなります。玉形弁は抵抗が大きいかわりに、流れる量を細かく調整しやすいのが長所です。

減圧弁:蒸気の圧力を下げて一定にする

減圧弁は、名前のとおり蒸気の圧力を下げる弁です。発生蒸気の圧力と使用箇所の圧力の差が大きいときや、使用箇所の圧力を一定に保つときに設けます。ボイラーでつくった高い圧力の蒸気を、使う場所に合った圧力にして届けるイメージです。

⚠ 注意

この説明の主語をバイパス弁(令和2年4月公表)や逃がし弁(令和3年4月・令和4年4月公表)に入れ替えた記述は誤りです。バイパス(bypass)は「う回路」という意味で、圧力を下げる弁の名前ではありません。逃がし弁は、温水ボイラーで膨張した水を逃がす弁でした(第6回)。平成31年4月・令和4年10月公表では、減圧弁の記述として正しく出ています。

沸水防止管・主蒸気管・蒸気逆止め弁

送気系統で出題されること

①沸水防止管は気水分離器の一種。低圧ボイラーの蒸気取出し口の下の胴内に設け、水滴が蒸気と一緒に出ていくのを防ぐ

②主蒸気管は、曲がり部に十分な半径をもたせ、ドレン(凝縮水)がたまらないよう傾斜をつけ、要所に蒸気トラップを設ける

③2基以上のボイラーが同じ管系につながっているときは、主蒸気弁の後に蒸気逆止め弁を設ける

④長い主蒸気管には、温度の変化による伸び縮みに対応するため、湾曲形・ベローズ形・すべり形などの伸縮継手を設ける

主蒸気管は、熱い蒸気が通ると伸び、冷えると縮みます。長い管ほどその量が大きいので、伸縮継手という継ぎ目でその動きを受け止めるのです。ベローズは、じゃばら(蛇腹)の形をした、伸び縮みする部品のことです。

①の沸水防止管のしくみも問われます。まず、主蒸気管を胴の蒸気室の頂部(てっぺん)に直接開口させたとしましょう。直接開口とは、穴をあけてそのままつなぐことです。

これだと、水滴を含んだ蒸気が送り出されやすくなります。そこで低圧ボイラーに使うのが、沸水防止管です。

沸水防止管が水滴を分けるまで

①大径のパイプ(太い管)の上面にある多数の穴から、蒸気を取り入れる

②パイプの中で、蒸気の流れの向きを変える

③水滴は胴の中へ流して、蒸気から分離する

⚠ 注意

令和3年10月公表は、主蒸気管・上面・沸水防止管の3つを穴うめで選ぶ問題でした。「給水内管」「下面」との入れ替えは誤りです。Cに入るのは沸水防止管で、蒸気トラップや気水分離器ではありません。穴があるのは上面、と覚えておきましょう。

🤔 主蒸気管にドレンがたまると、何が困るのですか。

たまった水が、勢いよく流れてきた蒸気に押されて配管にぶつかり、大きな衝撃(ウォータハンマ)を起こすおそれがあるからです。傾斜をつけて水を集め、蒸気トラップで抜くのは、そのための工夫です。

蒸気トラップの分類:何の差を使ってドレンを見分けるか

蒸気トラップは、蒸気は通さずにドレン(蒸気が冷えて水に戻ったもの)だけを外へ出す装置です。そのためには、蒸気とドレンの違いを何かで見分けなければなりません。どの違いを使うかで、3つのグループに分かれるのです。

グループ 利用する違い 方式
メカニカル 蒸気とドレンの密度(比重)の差 フロート式・バケット式
サーモスタチック 蒸気とドレンの温度差 バイメタル式・ベローズ式
サーモダイナミック 蒸気とドレンの熱力学的性質(流速など)の差 ディスク式・オリフィス式

温度差を使うバイメタル式・ベローズ式は、感温体が温度で膨張・収縮する動きで弁を開け閉めします。熱い蒸気と、それより冷えたドレンの温度の違いに反応するしくみです。

バケット式のバケットは「おけ」のこと。バケット式は、ドレンの存在が直接トラップ弁を動かすのが特徴です。そのため作動が速く確実で、信頼性が高いとされています(令和2年4月公表で正しい記述)。

⚠ 注意

「バケット式蒸気トラップは、蒸気とドレンの温度差を利用する」は誤り(平成31年4月公表)。表のとおり、バケット式は密度の差を使うメカニカルのグループです。

⚠ 注意

令和7年10月・令和8年4月公表では、「温度差を利用するものだけ」を選ぶ問題が出ました。正解はバイメタル式とベローズ式です。オリフィス式とディスク式は、温度差ではなく熱力学的性質の差を使うグループに入ります。

💡 覚え方

サーモ(熱)+スタチック=温度で形が変わる部品(バイメタル・ベローズ)。サーモ+ダイナミック(動き)=流れ方の差(ディスク・オリフィス)、メカニカル=重さの差(フロート・バケット)です。

エコノマイザ:排ガスの熱で給水を温める

燃焼ガスは、ボイラーを通ったあともまだかなり熱いまま煙突へ向かいます。この煙道ガスの余熱を回収して、給水を前もって温める装置がエコノマイザです。

エコノマイザの特徴

①一般に鋼管形が使われ、管には平滑管やひれ付き管が使われる

②設置するとボイラー効率が上がり、燃料が節約できる

③ガスの通り道に置くので、通風抵抗は多少増える

④ガスの温度が下がるので、燃料によっては低温腐食を起こすことがある

⚠ 注意

「エコノマイザでガス温度が下がるので、煙突の通風力が増加する」は誤り(令和5年10月公表)。煙突の通風力はガスが熱いほど強い(熱い空気が上へ昇る力)ので、ガスが冷えると弱まる方向です。「エコノマイザには鋼管形と鋼板形がある」(令和6年10月公表)も誤りで、一般に鋼管形です。

空気予熱器:排ガスの熱で燃焼用の空気を温める

空気予熱器は、燃焼ガスの余熱で燃焼用の空気を温める装置です。種類は熱交換式と再生式の2つ。

種類 しくみ
熱交換式 伝熱面(壁)を隔てて、燃焼ガスの熱を空気へ伝える
再生式 燃焼ガスで温めた伝熱エレメントが空気側へ移動して空気を温める

⚠ 注意

「熱交換式は、加熱された伝熱エレメントが空気側に移動して空気を予熱する」は誤り(令和7年4月・令和8年10月公表)。エレメントが動くのは再生式です。

空気予熱器を設置すると

①ボイラー効率が上がる

②燃焼状態がよくなる。水分の多い低品位の燃料の燃焼に特に有効

③過剰空気量を小さくできる

④燃焼温度が上がるので、窒素酸化物(NOx)が増えることがある

⑤通風抵抗が増加する(エコノマイザと同じく増える。利点ではない)

燃料を燃やしきるには、理論上ちょうど必要な量(理論空気量)があります。過剰空気とは、それを超えて余分に送る分の空気のことです(くわしくは第15回)。空気予熱器を付けると、この余分な空気を少なくできるのも利点の1つ。

令和2年10月公表では、「過剰空気量を小さくできる」が利点でした。「通風抵抗が増加する」は利点に当たらないものとして出ています(平成31年4月公表も同じ)。

令和6年4月公表では「空気予熱器を設置した場合の利点」が問われました。正解は「燃焼用空気の温度が上がり、水分の多い低品位燃料の燃焼に有効」です。「給水温度が上がる」はエコノマイザ、「NOxを抑えられる」は逆(増えることがある)です。

⚠ 注意

「エコノマイザ(または空気予熱器)を設置すると、乾き度の高い飽和蒸気が得られる」は誤りです。令和3年10月・平成31年4月・令和6年4月公表で出ました。乾き度は、湿り蒸気のうち蒸気になっている部分の割合でした(第1回)。エコノマイザは給水を、空気予熱器は燃焼用空気を温める装置で、蒸気の水滴を取る装置ではありません。水滴を分けるのは、沸水防止管などの気水分離器の役目です。

💡 覚え方

エコノマイザは「水」を、空気予熱器は「空気」を温める。どちらも捨てるはずの排ガスの熱を取り戻す点は同じです。名前に「空気」が入っている方が空気、と考えれば迷いません。

燃焼ガスの通り道に並ぶ順番

燃焼ガスは、熱いところから順に熱を渡しながら煙突へ向かいます。一般的な並びは次のとおりです。

燃焼ガスの流れ(一般的な例)

①燃焼室(炎の放射熱を水冷壁などで受け取る)

②過熱器(とても熱いガスで、蒸気をさらに熱する)

③ボイラーの蒸発部(水を蒸気にする)

④エコノマイザ(少し冷めたガスで、給水を温める)

⑤空気予熱器(さらに冷めたガスで、燃焼用空気を温める)

⑥煙突へ

高い温度が必要なものほど上流(熱い側)に置かれている、と考えると並びを思い出せます。過熱器が最初のほうにあるのは、蒸気をさらに熱くするには、とても熱いガスが必要だからです。最後のほうでガスの温度が下がりすぎると、低温腐食や通風力の低下が起きやすくなる点も、ここから理解できるでしょう。

練習問題:どの装置の説明か

答え

①「煙道ガスの余熱で給水を予熱する」 → エコノマイザ

②「燃焼ガスで温めたエレメントが空気側へ移動して空気を温める」 → 再生式の空気予熱器

③「低圧ボイラーの蒸気取出し口の下に設け、水滴を分ける」 → 沸水防止管

④「ボイラー水の濃度を一定に保つため、少しずつ連続して吹き出す」 → 連続吹出し装置

⑤「羽根車のまわりに案内羽根があり、高圧では多段にする」 → ディフューザポンプ

伝熱管とそうでない管

令和8年10月公表では、伝熱管に分類されないものを選ぶ問題が出ました。伝熱管とは、燃焼ガスの熱を受け取るための管のことです。

管 伝熱管か
水管 伝熱管(燃焼ガスの熱を水に渡す)
エコノマイザ管 伝熱管(排ガスの熱を給水に渡す)
主蒸気管 伝熱管ではない(できた蒸気を送るだけ)
給水管 伝熱管ではない(水を運ぶだけ)

試験ではこう出る

よくある記述 判断
渦巻ポンプは案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧のボイラーに使う 正しい
ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける 誤り。近い側は給水弁
吹出し弁には、仕切弁またはY形弁を使う 正しい
2個の吹出し弁のうち、ボイラーに近い方に漸開弁を付ける 誤り。近い方は急開弁
玉形弁は、弁の中で流れがS字形になるので抵抗が大きい 正しい
沸水防止管は気水分離器の一種で、蒸気取出し口の下の胴内に設ける 正しい
蒸気とドレンの温度差を利用する蒸気トラップは、バイメタル式とベローズ式 正しい
オリフィス式・ディスク式の蒸気トラップは、温度差を利用する 誤り。熱力学的性質の差
エコノマイザを設置すると、煙突の通風力が増加する 誤り。ガスが冷えて弱まる
空気予熱器を設置すると、NOxの発生量が増加することがある 正しい
渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれ、小容量の蒸気ボイラーなどに用いられる 正しい
インゼクタは、蒸気の噴射力を利用して給水するものである 正しい
給水弁には、アングル弁又は玉形弁が用いられる 正しい
給水逆止め弁には、アングル弁又は玉形弁が用いられる(令和2年4月) 誤り。スイング式・リフト式の逆止め弁
給水逆止め弁には、ゲート弁又はグローブ弁が用いられる(令和5年4月) 誤り。スイング式・リフト式の逆止め弁
給水内管は、安全低水面よりやや上方に取り付ける 誤り。やや下方
給水加熱器には、一般に加熱管を隔てて給水を加熱する熱交換式が用いられる 正しい
吹出し弁には、玉形弁又はアングル弁が用いられる 誤り。仕切弁またはY形弁
最高使用圧力1MPa未満のボイラーでは、吹出しコックが用いられることが多い 正しい
第一吹出し弁に急開弁、第二吹出し弁に漸開弁を取り付ける 正しい
連続吹出し装置の吹出し管は、胴や蒸気ドラムの水面近くに取り付ける 正しい
バイパス弁や逃がし弁を、発生蒸気と使用箇所の圧力差が大きいときなどに設ける弁とする 誤り。減圧弁
沸水防止管は、大径のパイプの上面の多数の穴から蒸気を取り入れ、水滴を分離する 正しい
バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので信頼性が高い 正しい
長い主蒸気管には、湾曲形・ベローズ形・すべり形などの伸縮継手を設ける 正しい
空気予熱器を設置すると、過剰空気量を小さくできる 正しい(利点)
空気予熱器の設置で通風抵抗が増加することは、利点である 誤り。利点ではない
エコノマイザや空気予熱器を設置すると、乾き度の高い飽和蒸気が得られる 誤り。水滴を分けるのは気水分離器

出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(平成31年4月〜令和8年10月公表)。一部は一級ボイラー技士の公表問題とJIS B 8201も参照し、ゼロパスが要点を整理しました。

よくある質問

Q. 過熱器はどこに付いているのですか。

A. ボイラーでできた飽和蒸気を、さらに熱して過熱蒸気にする装置で、燃焼ガスの通り道に置かれます(第1回の過熱蒸気)。蒸気の温度を上げて、送る途中で水滴に戻りにくくするのが目的です。

Q. 再生式の空気予熱器は、どうやってエレメントを動かすのですか。

A. 代表的なものは、伝熱エレメントを詰めた円筒をゆっくり回転させる形です。回転するうちにエレメントが燃焼ガス側で温められ、空気側へ移って熱を渡すことをくり返します。

Q. 蒸気逆止め弁は、なぜ2基以上のボイラーのときに必要なのですか。

A. ボイラーどうしが同じ管でつながっていると、困ることが起きるからです。止まっているボイラーへ、運転中のボイラーの蒸気が逆流するおそれがあります。主蒸気弁の後に逆止め弁を付けて、蒸気が入り込むのを防ぐのが目的です。

Q. 低温腐食とは何ですか。

A. 排ガスの温度が下がりすぎると、ガスに含まれる硫黄分から硫酸ができて、管などを腐らせる現象です。燃料と燃焼の回(第17回)でくわしく扱います。

まとめ

・渦巻=案内羽根なし・低圧、ディフューザ=案内羽根あり・高圧は多段(どちらも遠心ポンプ)

・渦流ポンプ=円周流ポンプ・小容量の蒸気ボイラー(渦巻とは別物)/インゼクタ=蒸気の噴射力で給水

・ボイラーに近い側に給水弁、外側に給水逆止め弁(止めてから直せる順番)

・給水弁=アングル弁・玉形弁、給水逆止め弁=スイング式・リフト式

・給水内管=多数の穴の長い鋼管で、安全低水面よりやや下方/給水加熱器=一般に熱交換式

・吹出し弁は仕切弁・Y形弁(玉形・アングルではない)。2個直列なら近い第一が急開弁、遠い第二が漸開弁

・吹出しコックは1MPa未満で多い/連続吹出しの吹出し管は水面近く

・減圧弁=圧力差が大きいとき・一定に保つとき(バイパス弁・逃がし弁ではない)

・沸水防止管=上面の穴から蒸気を取り入れ、向きを変えて水滴を分ける/長い主蒸気管に伸縮継手

・バケット式トラップ=密度差。ドレンが直接弁を動かし迅速・確実

・仕切弁=まっすぐ・抵抗小、玉形弁=S字・抵抗大(流量の調整はしやすい)

・蒸気トラップ:温度差=バイメタル・ベローズ、密度差=フロート・バケット、熱力学的性質=ディスク・オリフィス

・エコノマイザ=給水を予熱(通風力は下がる・低温腐食)、空気予熱器=空気を予熱(NOx増も)

・空気予熱器の利点に過剰空気量を小さくできる。通風抵抗の増加は利点ではない/どちらも乾き度は上げない

・空気予熱器は熱交換式=壁越し、再生式=エレメントが移動/伝熱管は水管とエコノマイザ管