【二級ボイラー技士】各部の構造と強さ|胴・鏡板・炉筒・ステー|知識ゼロから【第5回】
ボイラーは、中の蒸気が内側から壁を押し続けている容器です。だから各部は、その力に負けない形と強さで設計されています。第5回のテーマは、胴・鏡板・炉筒にどんな力がかかるのか、そして弱い部分を支えるステー(補強材)です。力の向きを身近な物で思い浮かべると、数字や名前を丸暗記しなくても選択肢を判断できるようになります。
ステーとは?
ボイラーの平らで弱い板を、ほかの部分とつないで支える補強材。棒・管・板などの形があります。
💡 なぜ? 平らな板は、内側から押されると外へふくらんで変形しやすいからです。ステーで引っ張って支えると、板が圧力に負けて変形するのを防げるのです。
胴にかかる力:周方向は軸方向の2倍

” alt=”円筒形の胴を内側から圧力が押し広げ、周方向と軸方向に引張りの力がかかる様子を表したイメージ図” style=”max-width:100%;height:auto;border-radius:8px;” />
ボイラーの胴(どう)は円筒形です。中の圧力が壁を内側から押すので、胴板には引き伸ばされる力(引張応力)がかかるのです。
この力には2つの向きがあります。胴の周りを一周する向き(周方向)と、胴の長さの向き(軸方向)です。
試験に出る関係
周方向の引張応力 = 軸方向の引張応力 × 2
(板の厚さが同じ、薄い円筒の場合)
🤔 なぜ周方向のほうが2倍も大きいのですか。
周方向の力は、胴の長さ全体で円筒を左右に引き裂こうとします。軸方向の力は、両端のふた(鏡板)の面積ぶんしか押しません。計算すると、周方向のほうがちょうど2倍になるのです。
💡 覚え方
ソーセージを焼くと、皮は縦(長さの向き)に裂ける。これは周方向の力が大きいからです。縦に裂ける=周りを一周する力に負けた、と考えると「周方向が2倍」の向きを取り違えません。
数字でも確かめてみましょう。薄い円筒の胴では、次の式で応力(1mm²あたりの力)の大きさが出せます。
数字で確かめる(参考)
周方向の応力=圧力 × 内径 ÷(2 × 板の厚さ)
軸方向の応力=圧力 × 内径 ÷(4 × 板の厚さ)
例:圧力1MPa(=1N/mm²)、内径1,000mm、厚さ10mm
周方向=1 × 1,000 ÷ 20=50N/mm²
軸方向=1 × 1,000 ÷ 40=25N/mm² → ちょうど2倍
試験でこの式の計算まで求められることは少ないので、「割る数が2と4だから、周方向が2倍」とつかめれば十分です。式から、胴が太いほど・圧力が高いほど応力は大きく、板が厚いほど小さいことも読み取れるでしょう。
長手継手と周継手:長手継手に2倍の強さが要る
胴は、鋼の板を丸めてつなぎ合わせてつくります。このつなぎ目が継手(つぎて)です。胴の継手には、向きの違う2種類があるのです。
| 名前 | 継ぎ目の向き | 引き離そうとする力 |
|---|---|---|
| 長手継手 | 胴の長さの向きにまっすぐ走る継ぎ目 | 周方向の力(大きいほう) |
| 周継手 | 胴をぐるりと一周する継ぎ目 | 軸方向の力(小さいほう) |
長手継手は、周方向の力で左右に引き離されます。周方向の力は軸方向の2倍でした。だから長手継手には、周継手の2倍以上の強さが必要です。
見方を変えると、同じ厚さ・同じつなぎ方なら、周継手にかかる力は長手継手の半分です。つまり圧力に対して、周継手は長手継手より2倍強いことになります。
⚠ 注意
「胴の周継手の強さは、長手継手の強さの2倍以上必要」は誤り(平成31年4月公表)。2倍以上必要なのは長手継手です。令和5年4月公表の「胴の周継手は長手継手より2倍強い」は正しい記述でした。
さっきのソーセージで、縦に裂けた所が長手継手にあたる、ということです。
だ円形のマンホールは、短い径を軸方向に
胴には、人が入って点検するためのマンホール(穴)があり、ここが弱点になります。そこで、大きい力を受け持つ部分をなるべく切らない向きに穴を開けるのです。
大きいのは周方向の力でした。周方向の力を受け持つ帯は、軸方向に並んだ形です。だから軸方向の長さを短くすれば、切られる帯が少なくて済みます。その結果、だ円形のマンホールは短い径(短径)を胴の軸方向にそろえて設けるのです。
長方形の穴も考え方は同じで、短い辺を胴の軸方向に向けます(令和7年10月・令和8年4月公表の正しい記述)。
胴に設ける穴:マンホール・掃除穴・検査穴
ボイラー構造規格第33条は、内部の掃除と検査のため、胴または鏡板に3種類の穴を設けるよう定めています。穴の大きさと形は、JIS B 8201(陸用鋼製ボイラの構造)に決まりがあるのです。
| 穴 | 何のための穴か | 大きさ・形(JIS) |
|---|---|---|
| マンホール | 人が内部に入って掃除・検査する | だ円形なら長径375mm以上・短径275mm以上。円形なら内径375mm以上 |
| 掃除穴 | スケールなどの沈殿物を取り除く | だ円形または円形(公表問題の正しい記述) |
| 検査穴 | 内部を検査(点検)する | 直径30mm以上の円形 |
⚠ 注意
「検査穴は、普通(一般に)だ円形とする」は誤り(令和7年10月・令和8年4月公表)。JISでは、検査穴は直径30mm以上の円形です。だ円形もありうるのはマンホールと掃除穴、と分けて覚えておくと安心です。
穴をあけると、その部分は板が切り取られたぶん強度が下がります。そこで構造規格第34条は、胴や鏡板の穴を十分な強度の強め材で補強するよう定めているのです。公表問題でも「強め材を取り付けたり、フランジを打ち出したりして補強する」が正しい記述でした。
💡 覚え方
人が入るマンホールは大きく、のぞくだけの検査穴は小さな丸(30mm)。穴の目的の大きさ順に並べると、数字と形を取り違えにくくなります。
鏡板:平らなものほど弱い
鏡板(かがみいた)は、胴の両端をふさぐふたの板です。形によって強さが違います。
| 鏡板の形 | 強さ |
|---|---|
| 全半球形(半分の球) | いちばん強い |
| 半だ円体形 | 強い |
| 皿形 | 中くらい |
| 平鏡板(平らな板) | いちばん弱い。ステーで補強する |
丸みのある形ほど、圧力を全体に分けて受け止められるので、強くなるのです。平鏡板は圧力に弱く変形しやすいので、大きいもの・高い圧力を受けるものはステーで補強します。
💡 覚え方
風船は丸いから破れにくく、平らな板は押されるとすぐ曲がる。丸い=強い、平ら=弱い(だからステー)と覚えましょう。
⚠ 注意
「皿形鏡板は、同じ材質・径・厚さなら、半だ円体形鏡板より強度が強い」は誤り(令和2年10月公表)。表のとおり、皿形は半だ円体形より弱いです。
皿形鏡板は3つの部分でできている
皿形鏡板は、浅いお皿をふせたような形の鏡板です。形をよく見ると、3つの部分からできています。
| 部分の名前 | どこか |
|---|---|
| 球面殻(きゅうめんかく) | まん中の、浅い球の一部の形をした部分 |
| 環状殻(かんじょうかく) | ふちを丸く曲げた輪の形の部分(すみの丸み) |
| 円筒殻(えんとうかく) | 胴につながる、短い筒の形の部分 |
「殻(かく)」は、卵の殻のような薄い板の形を指す言葉です。皿形鏡板は「球面殻・環状殻・円筒殻から成る」と、セットで覚えましょう。令和2年10月・令和5年4月公表の問題で、正しい記述として出た内容です。
皿形鏡板では、すみの丸みの部分に生じる応力(板にかかる力)が最も大きくなります。この丸みの半径が大きい(曲がりがゆるやか)ほど、応力は小さくなるのです。
⚠ 注意
「すみの丸みの半径が大きいほど応力は大きくなる」は誤り(令和5年4月公表)。正しくは、半径が大きいほど小さく、半径が小さい(急な曲がり)ほど大きくなります。
管板には、一般に平管板を使う
煙管ボイラーのように管を取り付ける鏡板は、特に管板という名前です。管板には、煙管の端をころ広げで固定するための厚さが必要です。
ころ広げとは?
管の端を内側から押し広げて、管板の穴にぴったり密着させる取り付け方。
そのため管板には、一般に平らな管板(平管板)が使われます。平管板は平らで弱いので、後で見る管ステーなどで支えるのです。平成31年4月・令和5年4月公表の問題では、この内容が正しい記述として出ました。
炉筒:熱で伸びて、押し返される
炉筒は、丸ボイラーの胴の中にある燃焼室の筒です(第3回)。外側は水、内側は炎なので、炉筒は外から水の圧力で押しつぶされる力(外圧)を受ける部品です。
さらに炉筒は炎で熱せられて長さ方向に伸びようとします。ところが両端は鏡板に固定されていて自由に伸びられません。そのため炉筒の板には、押し縮められる力(圧縮応力)が生じるのです。
⚠ 注意
「炉筒は鏡板に拘束されているので、加熱されると引張応力が生じる」は誤り(令和6年4月公表)。伸びようとして押し返されるので圧縮応力です。
波形炉筒:伸び縮みを吸収し、外圧にも強い
炉筒の板を波の形にしたものが波形炉筒です。平らな筒(平形炉筒)に比べて、波の部分がばねのように伸び縮みを吸収でき、外からの圧力にも強くなります。
炉筒の伸び縮みを逃がすもう1つの工夫が、第3回で学んだ鏡板のブリージングスペースです。
ステーの種類
平らで弱い板を支えるステーには、形の違う3つの種類があります。
どのステーも、「平らで弱い板を、強い部分(胴や反対側の鏡板)につないで引っ張る」という考え方は同じです。違うのはつなぐ相手と、ステーの形だけなので、そこに注目して読んでいきましょう。
棒ステー:長手ステーと斜めステー
棒の形をしたステーです。どこを結ぶかで名前が変わります。
| 名前 | 結ぶ場所 |
|---|---|
| 長手ステー | 胴の両側の鏡板どうしを結ぶ |
| 斜めステー | 鏡板と胴板を斜めに結ぶ |
💡 覚え方
長手=胴の長さいっぱいに渡す(鏡板から鏡板)、斜め=鏡板から胴へ斜めに渡す。名前がそのまま形を表しています。
棒ステーは、平鏡板の広い面を、反対側や胴から引っ張って支える役目です。試験では名前と、どこを結ぶかの組み合わせがそのまま問われるので、表の2行を確実にしておきましょう。
管ステー:煙管を兼ねた太い管
管ステーは、煙管ボイラーなどで管板(煙管を取り付ける板)を支えるステーです。煙管よりも肉厚(壁が厚い)の鋼管を使い、管板に溶接またはねじ込みで取り付ける決まりです。
管板には煙管を通す穴がたくさんあいているので、そのままでは弱くなりがちです。そこで、煙管の一部を肉厚の管ステーに置きかえて、管板を両側から支えるわけです。管ステーの中も燃焼ガスが通るので、煙管の役目もそのまま果たすのが特徴といえるでしょう。
火炎に触れる部分にねじ込みで取り付けるときは、ねじ込んだあとに管の端を縁曲げ(ふちを曲げる)します。この手順は、試験でもくり返し問われているところです。管の端が炎で焼けて傷む(焼損)のを防ぐためです。
⚠ 注意
「ねじ込み後にころ広げをして完了とする」は誤り(令和5年10月公表)。火炎に触れる部分は、端部を縁曲げします。
ガセットステー:板で鏡板を胴に支える
ガセットステーは、平らな板(ガセット板)で鏡板を胴につないで支えるステーです。溶接で取り付けます。
取り付けるときのポイントは、鏡板にブリージングスペースを残すことです。炉筒の伸び縮みで生じる熱応力をやわらげるためです。
⚠ 注意
ガセット板の溶接の継手の種類まで問われることもあります。令和6年10月公表の「胴に直接溶接する場合はT継手の片側すみ肉溶接」は誤り。令和7年4月公表の「鏡板に直接溶接する場合はT継手の両側すみ肉溶接」も誤りとされました。溶接の細かい方法を問う問題は数が少ないので、まずはほかの記述の正誤で答えを絞るのが現実的です。
正しい溶接のしかたは、JIS B 8201に定められています。取り付ける相手が鏡板か胴板かで、使える溶接が違うのです。
| ガセット板を取り付ける相手 | 使える溶接(JIS) | 誤りとされた記述 |
|---|---|---|
| 鏡板 | K形溶接またはレ形溶接だけ | T継手の両側すみ肉溶接(令和7年4月公表) |
| 胴板 | K形溶接・レ形溶接・両側すみ肉溶接 | T継手の片側すみ肉溶接(令和6年10月公表) |
K形溶接・レ形溶接は、板の端を削って、その部分まで溶かし込む溶接です。すみ肉溶接は、このように板の端を削って溶かし込む溶接ではありません。鏡板にはすみ肉溶接は使えず、胴板でも片側だけのすみ肉溶接は使えない、と整理できます。
💡 覚え方
鏡板は「削って溶かし込む」溶接だけ。胴板はそれに加えて「両側」のすみ肉までよい。片側だけのすみ肉は、どちらにも使えないと覚えましょう。
強さを守るのは、取扱いの仕事でもある
熱応力とは?
温度の差によって、場所ごとの伸び縮みが食い違うことで生まれる力。
💡 なぜ? 熱い所はよく伸び、冷たい所はあまり伸びないので、その境目で引っ張り合い・押し合いが起きるからです。
ボイラーの各部は圧力に耐えるようにつくられていますが、急な温度変化には弱い面があります。そこで取扱いの場面でも、大きな温度差をつくらないことが求められるのです。
たき始めに燃焼量を急に増やしてはいけない理由(令和8年4月公表より)
①ボイラーとれんが積みの境目にすき間ができる原因になる
②れんが積みの目地(継ぎ目)が割れる原因になる
③クラック(ひび)や漏れが出る原因になる
④煙管の取付け部や継手から、ボイラー水が漏れる原因になる
この問題で誤りだったのは「ウォータハンマの主な原因になるため」でした。ウォータハンマは配管の中の水や蒸気の流れで起きる現象で、燃焼量の急増とは別の話です。点火後は時間をかけて徐々に圧力を上げるのが基本で、くわしくは第9回(点火と運転開始)で扱いましょう。
ボイラー本体の部品の名前
構造の問題では、部品の名前がそのまま選択肢に出てきます。ここで一覧にして整理しておきましょう。
| 名前 | どこの何か |
|---|---|
| 胴(ドラム) | 水や蒸気をためる円筒形の容器 |
| 鏡板 | 胴の両端をふさぐ板 |
| 管板 | 煙管や水管の端を取り付ける板。たくさんの穴があいている |
| 炉筒 | 丸ボイラーの胴の中にある燃焼室の筒 |
| 煙管 | 燃焼ガスが中を通る管。まわりは水 |
| 水管 | 水が中を通る管。まわりは燃焼ガス |
| マンホール | 人が入って点検・清掃するための穴 |
💡 覚え方
煙管は「煙(ガス)が管の中」、水管は「水が管の中」。管の中に何が通っているかで名前が決まっています。
練習問題:力の向きで判断する
答えと考え方
①「胴板の軸方向の引張応力は、周方向の2倍である」 → 誤り(逆。周方向が2倍)
②「だ円形のマンホールは、長径を胴の軸方向に配置する」 → 誤り(短径を軸方向)
③「平鏡板は、皿形鏡板より圧力に対して強い」 → 誤り(平らなほど弱い)
④「波形炉筒は、平形炉筒より外圧に対する強度が高い」 → 正しい
どれも「どちら向きの力が大きいか」「丸いか平らか」の2つで判断できます。
試験ではこう出る
| よくある記述 | 判断 |
|---|---|
| 胴板には、内部の圧力によって引張応力が生じる | 正しい |
| 薄肉円筒では、周方向の引張応力は軸方向の2倍である | 正しい |
| だ円形のマンホールは、短径部を胴の軸方向に配置する | 正しい |
| 波形炉筒は、平形炉筒より伸縮を吸収でき、外圧にも強い | 正しい |
| 炉筒は加熱されると、炉筒板内部に引張応力が生じる | 誤り。圧縮応力 |
| 平鏡板は強度が弱いので、大径・高圧のものはステーで補強する | 正しい |
| 胴の周継手の強さは、長手継手の強さの2倍以上必要である | 誤り。2倍以上必要なのは長手継手 |
| 胴と鏡板の厚さが同じなら、胴の周継手は長手継手より2倍強い | 正しい |
| 皿形鏡板は、球面殻・環状殻・円筒殻から成っている | 正しい |
| 皿形鏡板の応力は、すみの丸みの半径が大きいほど大きくなる | 誤り。半径が大きいほど小さくなる |
| 管板には、ころ広げに要する厚さを確保するため、一般に平管板を用いる | 正しい |
| 管ステーは、煙管より肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みで取り付ける | 正しい |
| 火炎に触れる管ステーは、ねじ込み後にころ広げをして完了とする | 誤り。端部を縁曲げ |
| ガセットステーは、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける | 正しい |
| 両鏡板の間の棒ステーを長手ステー、鏡板と胴板の間を斜めステーという | 正しい |
| ガセット板を胴に直接溶接するときは、T継手の片側すみ肉溶接とする | 誤り。片側すみ肉は使えない |
| ガセット板を鏡板に直接溶接するときは、T継手の両側すみ肉溶接とする | 誤り。鏡板はK形・レ形溶接 |
| マンホールは、だ円なら長径375mm以上・短径275mm以上、円なら375mm以上 | 正しい |
| 掃除穴は、だ円形または円形とする | 正しい |
| 検査穴は、一般にだ円形とする | 誤り。直径30mm以上の円形 |
| 穴を設けた場所は、強め材やフランジの打ち出しで補強する | 正しい |
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(平成31年4月〜令和8年10月公表)。ボイラー構造規格とJIS B 8201も参照し、ゼロパスが要点を整理しました。
よくある質問
Q. 引張応力と圧縮応力は、何が違うのですか。
A. 引張応力は「引き伸ばされる力」、圧縮応力は「押し縮められる力」です。ゴムを両側から引っ張るのが引張、両側から押すのが圧縮。胴は内側から押し広げられるので引張、炉筒は伸びようとして押し返されるので圧縮です。
Q. ころ広げとは何ですか。
A. 管の端を内側から押し広げて、管板の穴にぴったり密着させる取り付け方です。水管や煙管を管板に固定するときの方法です。火炎に触れる管ステーでは、それだけでなく端部の縁曲げが必要になります。
Q. なぜ平らな板は、丸い板より弱いのですか。
A. 丸い板は、内側から押されても板全体が引っ張られる形で力を受け止められます。平らな板は、押されると真ん中がたわんで曲がるので、同じ厚さでも変形しやすいのです。下敷きを指で押すと簡単に曲がるのに、丸めた筒は押しても形を保つのと同じ理屈です。
Q. マンホールのふたは、運転中にゆるまないのですか。
A. 整備した直後は、パッキンがなじむまでゆるんで漏れることがあるので注意が必要です。そのため整備直後の使い始めでは、マンホールなどのふたの取付け部を増し締めします。漏れの有無にかかわらず、昇圧中や昇圧後に行うのがポイントです(令和8年10月公表の正しい記述)。
Q. ステーはどんなボイラーにもあるのですか。
A. 平らな板があるボイラーで使われます。丸ボイラーの平鏡板や管板が代表です。鏡板を丸い形(半だ円体形など)にすれば、ステーなしでも圧力に耐えやすくなります。
まとめ
・胴板は引張応力。周方向=軸方向の2倍(ソーセージは縦に裂ける)
・だ円マンホールは短径を軸方向に。検査穴は直径30mm以上の円形
・長手継手は周継手の2倍以上の強さが必要(周継手は長手継手より2倍強い)
・鏡板は丸いほど強く、平鏡板は弱い→ステーで補強
・皿形鏡板=球面殻・環状殻・円筒殻。応力はすみの丸みで最大、半径が大きいほど小さい
・管板は、ころ広げの厚さを確保するため一般に平管板
・炉筒は加熱で圧縮応力。波形炉筒は伸縮吸収・外圧に強い
・ステー=棒(長手・斜め)・管・ガセット。火炎に触れる管ステーは縁曲げ。ガセット板は鏡板=K形・レ形溶接
・たき始めの燃焼量の急増はれんがの割れ・クラック・漏れの原因(ウォータハンマではない)
