第2章 ボイラーの取扱い | 第12回 | 学習カリキュラムの目次を見る

ボイラーの事故や故障の多くは、水の汚れから始まります。水に溶けた成分がスケールになって伝熱面を過熱させ、溶けた酸素が鉄を腐らせるからです。取扱いの科目では、問19・問20あたりで水管理が7回すべてに出題されました。第12回では、水に何が含まれているか→何が困るか→どう処理するかの順で整理します。

水管理とは?

ボイラーに入れる水(給水)とボイラーの中の水(ボイラー水)を、スケールや腐食が起きない状態に保つための管理。

💡 なぜ? 水の中の不純物は、蒸発してもボイラーの中に残り、どんどん濃くなるからです。何もしなければ、汚れはたまる一方になります。

ボイラーに入れる水の種類

原水から軟化装置と脱気器を通って処理された水がボイラーに入り、ボイラー水に清缶剤を加え、吹出しで濃くなった水を出す流れを表したイメージ図
ボイラーの外で水を処理し(軟化・脱気)、中では清缶剤と吹出しで水質を保ちます。

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ボイラーの外で水を処理し(軟化・脱気)、中では清缶剤と吹出しで水質を保ちます。

ボイラーの給水に使われる水は、一般に天然水(自然水)・水道水(飲料用・工業用)・復水・ボイラー用処理水です。

ボイラー用処理水とは、もとの水(原水)をボイラーの外でボイラー給水用に処理した水のことです。復水は、使い終わった蒸気が冷えて水に戻ったもので、不純物が少なく温かいので大切に回収されます。

水に含まれる不純物:3つのグループ

グループ 中身 困ること
溶存気体 水に溶けたO2(酸素)・CO2(二酸化炭素) 鋼材の腐食の原因
溶解性蒸発残留物 水に溶けている塩類など。水が蒸発すると残る 濃縮してスケールになる
懸濁物 りん酸カルシウムなどの溶けない物質、エマルジョン化した鉱物油など 沈殿・泡立ち(キャリオーバ)

スケールとスラッジは、くっつくか沈むか

呼び方 どんなものか
スケール(湯あか) 溶解性蒸発残留物が濃縮して析出し、管壁などの伝熱面に固着したもの
スラッジ(かま泥) ドラムの底などに沈んでたまった、やわらかい沈殿物

⚠ 注意

この2つの説明を入れ替えた選択肢が、7回の中で何度も出ています。「スケールは、ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物」(令和5年10月・令和7年10月公表)は誤り。「スラッジは、伝熱面に固着したもの」(令和6年10月・令和7年4月公表)も誤りです。

💡 覚え方

スケール=やかんの内側にこびりつく白い湯あか(壁にくっつく)。スラッジ=底にたまる泥(沈むだけ)。台所のやかんを思い浮かべると、入れ替えにだまされません。

スケールの熱伝導率は、炭素鋼(ボイラーの鉄)よりずっと低いのが問題です。伝熱面にスケールが付くと熱が水へ逃げられず、鉄が過熱して膨出や焼損を起こしてしまうのです。

腐食:酸素と二酸化炭素、そして強すぎるアルカリ

ボイラーの内面腐食の原因(試験に出たもの)

①給水に溶けているO2やCO2

②溶接加工で残った応力(残留応力)

③濃度の高い水酸化ナトリウム(強すぎるアルカリ)

腐食は、一般に電気化学的作用などによって起こります(令和2年4月公表で正しい記述)。電気化学的作用とは、化学の変化に、電気の流れがともなう働きのことです。

腐食のうち、一部分だけが深く傷むものが局部腐食です。点のように深く掘れるピッチングや、溝のように掘れるグルービングが代表例といえます。

腐食を抑えるポイントは、ボイラー水のpH(酸性・アルカリ性の度合い)を、適度なアルカリ性に保つことです。

⚠ 注意

「pHを中性に調整して腐食を抑える」は誤り(令和6年4月公表)。「pHを弱酸性に調整して腐食を抑える」も誤りです(令和2年4月公表)。鉄は酸性や中性の水ではさびやすく、適度なアルカリ性で守られます。ただしアルカリが強すぎても腐食(③)するので、適度がポイントです。

pH(ペーハー)とは?

水が酸性かアルカリ性かを表す数字。常温(25℃)で7が中性、7未満が酸性、7を超えるとアルカリ性です。

酸性かアルカリ性かは、2種類のイオンの量で決まる

イオンとは、電気を帯びた、とても小さな粒のことです。水の中には、必ず水素イオンと水酸化物イオンが含まれています(ほかのイオンが溶けていることもあります)。酸性かアルカリ性かを決めるのは、この2つです。

水溶液が酸性かアルカリ性かは、この水素イオンと水酸化物イオンの量で決まります。平成31年4月・令和3年10月・令和4年10月公表で、正しい記述として出ました。水素イオンが多いと酸性、水酸化物イオンが多いとアルカリ性、同じなら中性です。

⚠ 注意

「常温(25℃)でpHが7未満はアルカリ性、7は中性」は誤り(平成31年4月公表)。7未満は酸性です。数字が小さいほど酸性、と覚えましょう。

水の性質を表す数字:酸消費量と硬度

用語 意味
酸消費量 水に含まれる水酸化物・炭酸塩・炭酸水素塩などのアルカリ分の量。酸消費量(pH4.8)と酸消費量(pH8.3)がある
全硬度 水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量を、炭酸カルシウムの量に換算し、1Lあたりのmg数で表したもの
カルシウム硬度・マグネシウム硬度 全硬度のうち、カルシウムだけ・マグネシウムだけを数えたもの。換算に使うのは、どちらも炭酸カルシウム

硬度とは、水に溶けているカルシウムやマグネシウムの多さを表す数字です。多い水を硬水、少ない水を軟水と呼びます。量をそろえて比べるため、どれも水1リットルあたり、炭酸カルシウムに置きかえたら何mgになるかで表すのです。

⚠ 注意

「全硬度は、水中のマグネシウムイオンの量を…」は誤り(令和8年10月公表)。全硬度はカルシウムとマグネシウムの両方です。「全」は両方の合計と考えてください。

⚠ 注意

「マグネシウム硬度は、水中のカルシウムイオンの量を、炭酸マグネシウムの量に換算」は誤り(令和3年10月公表)。マグネシウム硬度はマグネシウムイオンの量で、換算に使うのは炭酸カルシウムです。一級ボイラー技士の公表問題でも、カルシウム硬度を炭酸カルシウムに換算する記述が正しいとされました。

酸消費量の測り方と指示薬

酸消費量は、水に酸を少しずつ加えて、決めたpHになるまでにどれだけ酸を使ったかで測ります。この測り方が滴定(てきてい)です。

決めたpHに達したことは、指示薬で知ります。指示薬とは、pHが変わると色が変わる薬で、色の変化を「ここで終わり」の合図にするのです。

酸消費量 使う指示薬
酸消費量(pH4.8) メチルレッド溶液
酸消費量(pH8.3) フェノールフタレイン溶液

JISの試験方法では、pH4.8にはメチルレッドに別の指示薬を混ぜた液を使います。試験では「メチルレッド」で覚えれば十分です。

⚠ 注意

「酸消費量(pH4.8)を滴定する場合は、フェノールフタレイン溶液を指示薬として用いる」は誤り(令和4年10月公表)。pH4.8のほうはメチルレッドで、一級ボイラー技士の公表問題でこちらが正しい記述でした。

硬度の成分(カルシウム・マグネシウム)は、スケールのもとになります。だから給水の段階で硬度を下げる(軟化する)ことが大切なのです。

🤔 なぜ硬度の成分がスケールになるのですか。

カルシウムやマグネシウムは、水に溶けているうちは目に見えません。ところがボイラーの中で水が蒸発して濃くなり、さらに高温になると、溶けきれなくなって固まり、伝熱面に張り付くのです。やかんの湯あかが白いのは、主にこの成分です。

ボイラーの外で行う処理①:単純軟化法

単純軟化法は、水を強酸性陽イオン交換樹脂を詰めた塔(Na塔)に通して、カルシウムやマグネシウムを取り除く方法です。樹脂がカルシウムなどを吸い取り、代わりにナトリウムを出して、スケールになりにくい水にします。

単純軟化法で出題されること

①樹脂の交換能力が落ちたら、一般に食塩水で再生する

②樹脂は1年に1回程度、鉄分による汚染などを調べ、洗浄・補充する

③処理した水の量が増えていくと、ある点を境に残留硬度が急に増える。この点を貫流点という

④貫流点に達したら、通水をやめて、再生を行う

⑤軟化装置は、硬度成分を取り除く最も簡単な装置で、低圧ボイラーに広く普及している

残留硬度は、軟化装置を通した後の水にまだ残っている硬度のことです。通水とは、装置に水を通すこと。再生は、食塩水を流して樹脂の交換の力を取り戻す作業です。

⚠ 注意

「貫流点に達したら、通水を始め再生操作を行う」は誤り(令和2年10月公表)。貫流点は硬度が素通りし始めた合図なので、水を通すのをやめて再生します。

⚠ 注意

「軟化装置は、水中のシリカや塩素イオンを除去することができる」は誤り(令和4年4月公表)。単純軟化法で取り除けるのは、カルシウム・マグネシウムなどの硬度成分です。⑤の「最も簡単な装置で、低圧ボイラーに広く普及」は、同じ問題で正しい記述でした。

⚠ 注意

③の点の名前は入れ替えが出ます。「臨界点を超えると著しく増加」(令和6年10月公表)は誤り。令和7年10月公表では、グラフの横軸=処理水量、縦軸=残留硬度、P点=貫流点を選ぶ問題でした。このときP点の名前として出た「臨界点」「飽和点」は、どちらも誤りです。

💡 覚え方

貫流点=硬度が「突き抜けて(貫いて)流れ出す」点。樹脂がいっぱいになると、カルシウムなどが素通りし始める、と考えましょう。

軟化装置は、給水がボイラーに入る前に硬度を下げておくための装置です。ボイラーの中に入ってから清缶剤で処理するより、入口で減らしておくほうがスケールをつくりにくいのが利点です。

ボイラーの外で行う処理②:脱気

腐食の原因になる溶存気体(O2・CO2)を取り除くのが脱気で、化学的脱気法と物理的脱気法の2つに分けられるでしょう。

方法 しくみ
加熱脱気法 水を加熱して、気体の溶ける量(溶解度)を下げ、追い出す
真空脱気法 水を真空の雰囲気にさらして、溶けている気体を取り除く
膜脱気法 高分子の気体透過膜の片側に水を流し、反対側を真空にして、水中から気体を取り除く
化学的脱気 脱酸素剤を加えて、酸素と反応させて取り除く

気体が水に溶ける量は、温度が上がると減り、圧力が上がると増える性質があります。炭酸飲料が、ぬるくなったり、ふたを開けて圧力が下がったりすると気が抜けるのと同じです。

脱気とは、水に溶けている気体を抜くことです。真空は、空気を抜いて圧力をとても低くした状態をいいます。気体透過膜は、気体は通すが水は通さない膜のことです。

真空脱気法も膜脱気法も、圧力を下げると気体が溶けにくくなる性質を使っています。膜脱気法では、膜の反対側を真空にして、水の中の気体を膜の向こうへ引き出すのです。

⚠ 注意

「膜脱気法は、高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を加圧して…」は誤り(令和4年10月公表)。正しくは反対側を真空にします。一級ボイラー技士の公表問題で、こちらが正しい記述でした。

⚠ 注意

令和8年4月公表では、「溶存気体の溶解度は、圧力が高くなると減少」と「加熱脱気法は溶解度を上げて除去」が誤りでした。圧力が高いほど溶ける、温めると溶けにくくなるが正解です。

脱気で酸素を減らしておくと、ボイラーの中だけでなく、給水管やエコノマイザの腐食も防げます。酸素は水が通るところならどこでも鉄をさびさせるので、できるだけ早い段階で取り除くのが効果的です。

ボイラーの中で行う処理:清缶剤

清缶剤とは?

水が原因で起きるスケールの付着・腐食・キャリオーバなどを防ぐため、給水やボイラー水に直接加える薬品。

働き 主な薬品・内容
pH・酸消費量の調節 低圧ボイラーの酸消費量付与剤として水酸化ナトリウム・炭酸ナトリウム。酸消費量を適度に保って腐食を抑える
軟化剤 炭酸ナトリウム・りん酸ナトリウムなど。硬度成分を溶けない化合物(スラッジ)に変える
スラッジ分散剤 ボイラー内でできた泥状の沈殿物の結晶が大きくなるのを防ぐ
脱酸素剤 タンニン・亜硫酸ナトリウム・ヒドラジンなど。給水中の溶存酸素を取り除く

令和2年4月公表では、スラッジ分散剤と同じ説明が「スラッジ調整剤」という名前で出て、正しい記述とされました。名前が違っても、結晶が大きくなるのを防ぐ薬という中身で判断しましょう。

脱酸素剤のヒドラジンは、令和2年4月・令和3年10月公表で正しい記述として出ました。「脱酸素剤だけの組合せ」を選ぶ問題では、令和4年4月・令和5年4月公表とも正解は「タンニンとヒドラジン」です。

🤔 なぜ「酸消費量を付与する」必要があるのですか。

酸消費量はアルカリ分の量でした。アルカリ分を加えて酸消費量を適度に保つと、ボイラー水が適度なアルカリ性になり、鉄の腐食を抑えられます。だから低圧ボイラーでは、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを「付与剤」として加えるのです。「抑制剤」と書かれていたら向きが逆、と気づけるはずです。

このほか、低圧ボイラーでは、ボイラー水中のシリカを溶けやすい化合物に変える働きも清缶剤の目的に挙げられています。

⚠ 注意

清缶剤の問題はひっかけが多いところです。「軟化剤は硬度成分を可溶性の化合物に変える」(令和7年4月公表)は誤りで、正しくは不溶性(スラッジ)。「低圧ボイラーの酸消費量抑制剤として水酸化ナトリウムなど」(令和8年10月公表)も誤りで、正しくは付与剤です。酸消費量付与剤として「亜硫酸ナトリウム」(令和2年4月公表)、「塩化ナトリウム」(令和3年10月公表)も誤り。

付与剤は水酸化ナトリウム・炭酸ナトリウムです。「伝熱面の低温腐食を防ぐ」(令和6年4月公表)も清缶剤の目的ではありません。低温腐食は燃焼ガス側の話です(第17回)。

💡 覚え方

脱酸素剤の代表は「タンニン・亜硫酸ナトリウム・ヒドラジン」の3つ、軟化剤は「炭酸ナトリウム・りん酸ナトリウム」。組み合わせ問題では、2つとも、この3つに入っている組を探しましょう。過去2回の正解は、どちらもタンニンとヒドラジンでした。

ボイラーの中で濃くなった水は、吹出しで入れ替える

外で処理した水を入れても、ボイラーの中では蒸気だけが出ていき、溶けていた成分は残るのが困ったところです。そのため、ボイラー水は運転するほど濃くなっていきます。

濃くなりすぎた水は、吹出し(ブロー)で一部を外へ出し、そのぶん新しい水を入れて薄めます(第7回・第11回)。キャリオーバの処置で「吹出し量を増やし、その分を給水する」とあったのも、この考え方です。

水管理の全体の流れ

①ボイラーの外:軟化装置で硬度を下げ、脱気で酸素などを取り除く

②ボイラーへ:処理した水と回収した復水を給水する

③ボイラーの中:清缶剤でスケール・腐食を防ぐ

④濃くなったら:吹出しで出して、新しい水と入れ替える

練習問題:水管理の正誤

答えと考え方

①「スラッジは、溶解性蒸発残留物が析出して伝熱面に固着したもの」 → 誤り(それはスケール)

②「懸濁物には、りん酸カルシウムやエマルジョン化した鉱物油がある」 → 正しい

③「軟化剤には、炭酸ナトリウムやりん酸ナトリウムがある」 → 正しい

④「加熱脱気法は、水を加熱して溶存気体の溶解度を上げる」 → 誤り(溶解度を下げて追い出す)

⑤「単純軟化法で残留硬度が急増する点を、臨界点という」 → 誤り(貫流点)

試験ではこう出る

よくある記述 判断
溶存しているO2やCO2は、鋼材の腐食の原因となる 正しい
スケールは、ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物である 誤り。それはスラッジ
スケールの熱伝導率は、炭素鋼より低い 正しい
ボイラー水のpHを中性に調整して腐食を抑える 誤り。適度なアルカリ性
全硬度は、マグネシウムイオンの量を炭酸カルシウムに換算したもの 誤り。カルシウム+マグネシウム
軟化装置の樹脂の交換能力が下がったら、食塩水で再生する 正しい
脱酸素剤には、タンニンや亜硫酸ナトリウムがある 正しい
軟化剤は、硬度成分を可溶性の化合物に変える 誤り。不溶性(スラッジ)
酸性かアルカリ性かは、水素イオンと水酸化物イオンの量で定まる 正しい
常温でpHが7未満はアルカリ性である 誤り。酸性
マグネシウム硬度は、カルシウムイオンの量を炭酸マグネシウムに換算したもの 誤り
酸消費量(pH4.8)の滴定には、フェノールフタレインを指示薬に用いる 誤り。メチルレッド
腐食は、一般に電気化学的作用などにより生じる 正しい
軟化装置は、水中のシリカや塩素イオンを除去できる 誤り。除けるのは硬度成分
軟化装置は、硬度成分を除く最も簡単なもので、低圧ボイラーに広く普及している 正しい
残留硬度が貫流点に達したら、通水を始め再生を行う 誤り。通水をやめて再生
真空脱気法は、水を真空雰囲気にさらして溶存気体を除去する 正しい
膜脱気法は、透過膜の反対側を加圧して溶存気体を除去する 誤り。真空
脱酸素剤には、タンニン、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジンなどがある 正しい

出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(平成31年4月〜令和8年10月公表)。一部は一級ボイラー技士の公表問題と環境省の水質資料も参照し、ゼロパスが要点を整理しました。

よくある質問

Q. 水道水をそのままボイラーに入れてはいけないのですか。

A. 水道水にも、カルシウムやマグネシウム(硬度成分)や溶けた酸素が含まれているからです。ボイラーの中で濃縮されるとスケールや腐食の原因になるので、多くの場合は軟化などの処理をしてから使います。

Q. 復水を回収すると、なぜよいのですか。

A. 復水は一度蒸気になった水なので、不純物がほとんどなく、しかもまだ温かいからです。回収して給水に使えば、水処理の手間も燃料も節約できます(第3回の鋳鉄製ボイラーでも、復水の循環使用が原則でした)。

Q. 酸消費量(pH4.8)と(pH8.3)は、何が違うのですか。

A. どちらもアルカリ分の量を表す数字ですが、何pHまで酸を加えて測ったかが違います。試験では、2種類あることとアルカリ分の量を表すことのほか、指示薬の組み合わせも出題されました。pH4.8はメチルレッド、pH8.3はフェノールフタレインです。令和4年10月公表では、「pH4.8にフェノールフタレインを使う」が誤りでした。

まとめ

・不純物は3つ=溶存気体(O2・CO2→腐食)・溶解性蒸発残留物(→スケール)・懸濁物

・スケール=伝熱面に固着(熱伝導率が低く過熱の原因)、スラッジ=底に沈む軟質沈殿物。やかんの湯あかと底の泥で区別

・ボイラーの中で濃くなった水は吹出しで出して入れ替える。清缶剤は低温腐食の防止には使わない

・腐食を抑えるのは適度なアルカリ性(中性・弱酸性ではない)。腐食は一般に電気化学的作用などで起こる

・酸性・アルカリ性は水素イオンと水酸化物イオンの量で決まる。pHは7未満が酸性

・全硬度はCa+Mgの合計。マグネシウム硬度も炭酸カルシウムに換算。酸消費量はpH4.8=メチルレッド、pH8.3=フェノールフタレイン

・単純軟化=Na塔・食塩水で再生・貫流点で通水をやめて再生・低圧ボイラーに普及(シリカや塩素イオンは除けない)

・脱気=加熱で溶解度を下げる・真空脱気・膜脱気(反対側を真空)

・清缶剤=軟化剤(炭酸Na・りん酸Na→不溶性)・脱酸素剤(タンニン・亜硫酸Na・ヒドラジン)・スラッジ分散剤・酸消費量付与剤