労働災害の指標として試験に出るのは、主に3つです。度数率・強度率・年千人率です。違いは「何で割るか」と「何倍するか」なので、そこを表にして押さえれば、計算問題でも取りこぼしにくくなります。

3つの式を並べて見る

度数率・強度率・年千人率の3つの労働災害指標の違いを式と単位で並べて示した図
割るものと掛ける数だけが違います。
指標 式 何をみる指標か
度数率 死傷者数 ÷ 延実労働時間数(全員が実際に働いた時間の合計) × 1,000,000 災害の起きる頻度
強度率 延労働損失日数 ÷ 延実労働時間数 × 1,000 災害の重さ
年千人率 1年間の死傷者数 ÷ 平均労働者数 × 1,000 人数あたりの発生率

覚える覚え方

度数率は「回数」、強度率は「重さ」、年千人率は「人数」。名前がそのまま中身を表しています。度数率だけが100万倍で、残りの2つは1,000倍——ここが一番のひっかけどころです。

なぜ100万倍や1,000倍にするのか

なぜ?そのままの割り算ではいけないのですか。

割った結果が0.000003のような小さすぎる数になってしまうからです。これでは比べにくいので、扱いやすい大きさに直しています。度数率は100万時間あたり、強度率は1,000時間あたりに換算した値、という意味です。

100万時間というのは、1人が1年に働く時間のおよそ500年ぶんにあたります。会社全体・業界全体の数字を扱うときの単位だと考えると、けた数の大きさに違和感がなくなります。

実際に計算してみる

例例:延実労働時間 500,000時間、死傷者4人、損失日数150日

①度数率 = 4 ÷ 500,000 × 1,000,000 = 8.0

②強度率 = 150 ÷ 500,000 × 1,000 = 0.3

→ 度数率8.0は100万時間あたり8人の死傷者が出た、という意味

→ 強度率0.3は1,000時間あたり0.3日ぶん失った、という意味

注意注意

度数率で数えるのは人数であって、災害の件数ではありません。1回の事故で3人がけがをしたら、3人として数えます。また、休業1日以上または身体の一部を失った場合が対象です。

労働損失日数の数え方

強度率で使う労働損失日数は、実際に休んだ日数をそのまま使うわけではありません。死亡や重い障害には決められた日数が割り当てられています。

区分 労働損失日数
死亡 7,500日
永久全労働不能(障害等級1〜3級) 7,500日
一時的な休業 休業日数 × 300 ÷ 365

休業日数に300/365を掛けるのは、年間の労働日数に直すためです。カレンダー上の30日でも、そのうち働く予定だったのは約25日、という換算になります。

試験ではこう出る

よくある選択肢 判断
度数率は延実労働時間100万時間あたりの死傷者数である 正しい
強度率は延実労働時間100万時間あたりの損失日数である 誤り。1,000時間あたり
年千人率は労働者1,000人あたりの年間死傷者数である 正しい
度数率は災害の重さを表す指標である 誤り。重さは強度率
死亡による労働損失日数は7,500日とする 正しい

例現場の使いどころ

元請(発注者から直接工事を請け負う会社)の安全書類では、この3つがそのまま実績として書かれます。度数率が低くても強度率が高いという会社は、件数は少ないが一度の事故が重いということです。2つをセットで見ることで、安全の状態が立体的に見えてきます。

よくある質問

Q. 度数率と年千人率は、どう使い分けるのですか。

A. 度数率は時間あたり、年千人率は人数あたりです。残業や短時間勤務が多い職場では働いた時間に差が出るため、時間で割る度数率のほうが実態に近いとされています。

Q. 休業1日未満のけがは数えないのですか。

A. 度数率・強度率では数えません。ただし不休災害(仕事を休まずに済んだけが)として記録は残します。小さなけがの積み重なりが、大きな事故の前ぶれになるためです。

Q. 式を覚えるコツはありますか。

A. 分母はどちらも延実労働時間だと先に押さえてください。あとは分子が人数なら度数率、日数なら強度率。掛ける数は、人数のほうが100万倍だと覚えます。

まとめまとめ

・度数率=死傷者数÷延実労働時間×1,000,000。頻度をみる

・強度率=損失日数÷延実労働時間×1,000。重さをみる

・年千人率=死傷者数÷平均労働者数×1,000。人数あたりをみる

・死亡の労働損失日数は7,500日。休業は日数×300/365