第8章 施工管理 | 第51回 | 目次を見る:1級 / 2級

この記事でわかること

  • 品質管理(QC)が何をすることかがわかります
  • PDCAサイクルの回し方がわかります
  • QC7つ道具の名前と使いどころがわかります
  • 全数検査と抜取検査の使い分けがわかります

施工管理法のなかで2〜3問を占めます。用語と図の名前を結びつけるだけの問題が多いので、覚えれば確実に取れる分野です。

品質管理とは何をすることか

検査だけにたよる流れと、工程で作り込む流れを上下にならべた図。前者は最後に不良品が出てやり直しになり、後者は工程ごとに確かめるので不良が出ないことを示している。
できたものを調べるだけでは不良は減りません。工程ごとに決めて、そのつど確かめます。

品質管理(QC)とは?

決められた品質のものを、ばらつきなく、経済的につくるための活動です。「できたものを検査する」だけではありません。つくる過程を管理して、不良を出さないようにするのが本質です。

🔰 簡単なたとえ

料理にたとえると、できあがった料理を味見して捨てるのが検査だけの世界。品質管理は「レシピを決め、火加減を計り、毎回同じ味になるようにする」ことです。捨てるものが減るので、結果的に安上がりになります。

💡 覚え方

「検査で品質は作れない。工程で作り込む」。この一文が品質管理の思想です。選択肢に「品質は最終検査で確保する」とあれば、それは誤りだと判断できます。

PDCAサイクル

意味 管工事でいうと
P(Plan) 計画する 施工計画・品質計画をつくる
D(Do) 実施する 計画どおりに施工する
C(Check) 確認する 検査・測定して、計画とのズレを見る
A(Action) 処置する 原因を取り除き、次の計画に反映する

Aで終わりではなく、またPに戻ります。ぐるぐる回すから「サイクル」です。回すたびに品質が上がっていくのがねらいです。

QC7つ道具

よく出るQC7つ道具4つの形を描いた図。パレート図の棒と累積の線、特性要因図の魚の骨、ヒストグラムのばらつき、管理図の管理限界線を示し、7つの名前も並べている。
まずは「形」で覚えます。名前は7つとも問われるので、全部そろえて覚えてください。
名前 どんな図か 何が分かるか
パレート図 棒グラフを大きい順に並べ、累積の折れ線を重ねた図 どの不良が多いか=どこから手を付けるべきか
特性要因図 魚の骨のような形の図 結果(特性)に対する原因(要因)の整理
ヒストグラム データの分布を柱状にした図 ばらつきの形と、規格から外れていないか
散布図 2つの数値を点で打った図 2つの間に関係があるか
管理図 時間の流れに沿って値を打ち、上下に管理限界線を引いた図 工程が安定しているか
チェックシート 記録用の表 データを取りやすくする・数える
層別 データを条件ごとに分けること 原因のちがいを見つける

💡 覚え方

よく出るのはパレート図・特性要因図・ヒストグラム・管理図の4つ。「魚の骨=特性要因図」「大きい順=パレート図」だけでも覚えておくと、1問は確実になります。

なぜパレート図から始めるのか?

不良の大部分は、少数の原因から生まれるからです。(パレートの法則=上位2割の原因が8割の問題をつくる。)すべての不良に等しく手を付けるより、いちばん多いものから潰したほうが効果が大きい——だから「どれが多いか」を最初に見える化するのです。

特性要因図の書き方

  • 右端に「特性(結果)」を書く。例=「漏水が多い」
  • 背骨から大きな骨を出して「大要因」を書く。4M(人・機械・材料・方法)で分けるのが定番
  • 大骨からさらに小骨で細かい原因を出していく
  • → みんなで意見を出し合う(ブレーンストーミング)ときに使う

全数検査と抜取検査

全数検査 抜取検査
やり方 ぜんぶ調べる 一部を抜き出して調べる
費用と手間 大きい 小さい
向いている場面 不良が1つでもあると重大な結果になるもの/数が少ないもの 数が多いもの/壊さないと検査できないもの

抜取検査でなければならない場合

  • 破壊検査 … 調べると製品が壊れてしまうもの(引張試験・コンクリートの圧縮強度試験など)。全数やったら製品が残りません。
  • 連続体・大量生産品 … 砂・砂利・ボルトなど、1個ずつ見ていられないもの。

全数検査でなければならない場合

  • 不良が人命や重大な事故につながるもの
  • 数が少なく、1つの単価が高いもの
  • 例=ボイラーの安全弁、消火設備の主要部品など

💡 覚え方

「壊さないと分からないものは抜取、壊れると困るものは全数」。ひっくり返して覚えると混乱するので、この語感のまま入れてください。

ISO 9000とTQM

  • ISO 9000シリーズ … 品質マネジメントシステムの国際規格。「良い製品」ではなく「良い仕組み」を認証する
  • TQM(総合的品質管理) … 全部門・全員参加で品質を高める活動
  • QCサークル … 現場の小グループで自主的に改善する活動

ISO 9000は「品質が良い」という認証ではない

認証しているのは、品質を保つための「仕組み(マネジメントシステム)」があるかどうかです。製品そのものの良し悪しを保証するものではありません。ここは試験でも実務でも誤解されやすいポイントです。

試験ではこう出る

  • ①図の名前 … 「不良項目を多い順に並べ、累積比率を折れ線で示した図はどれか」→パレート図。
  • ②特性要因図 … 「原因と結果の関係を魚の骨状に整理した図」→特性要因図。
  • ③抜取検査 … 「破壊検査を行う場合は、全数検査とする」→誤り。抜取検査です。
  • ④品質管理の考え方 … 「品質は検査で確保するものである」→誤り。工程で作り込むものです。
  • ⑤ISO 9000 … 「製品の品質そのものを認証する規格である」→誤り。

よくある質問

Q.管理図の「管理限界線」と「規格値」は同じものですか?

A.ちがいます。規格値は「これを外れたら不良」という、お客さまとの約束。管理限界線は「工程が安定しているかどうか」を見るための線で、実際のばらつきから統計的に計算します。管理限界の中に入っていても、規格を外れていることはあり得ます。

Q.QC7つ道具を全部覚える必要がありますか?

A.名前は7つとも覚えたほうがよいです。「次のうちQC7つ道具でないものはどれか」という聞き方があるためです。ただし中身まで問われるのは、パレート図・特性要因図・ヒストグラム・管理図にほぼ限られます。まず4つを確実に、残り3つは名前だけという順で進めてください。

Q.4Mとは何ですか?

A.Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)の頭文字です。特性要因図の大骨を立てるときの定番の分け方で、これにMeasurement(測定)を足して5Mとすることもあります。「原因を思いつくままに出すと偏るので、枠を用意する」ための道具だと考えてください。

このページのまとめ

  • 品質管理は検査ではなく、工程で作り込むもの
  • PDCAを回して、回すたびに良くする
  • QC7つ道具=パレート図・特性要因図・ヒストグラム・散布図・管理図・チェックシート・層別
  • パレート図=大きい順+累積線/特性要因図=魚の骨
  • 破壊検査・大量のものは抜取検査/重大な不良は全数検査
  • ISO 9000は「仕組み」の認証であって、製品の品質保証ではない