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この記事でわかること

  • 令和7年度 1級管工事 第二次検定の全5問の問題文(図つき)
  • 各設問の解答例と、なぜそうなるかの解説
  • ネットワーク工程表の計算過程(クリティカルパス・トータルフロート)
  • いま二次検定に施工経験記述が出ないという最新の出題傾向

この記事の問題はどこから?

問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 全国建設研修センターが公表しているものです。本記事はそれを引用したうえで、解説・図解・覚え方を独自に加えています。
出典:令和7年度 1級管工事施工管理技術検定(第二次検定)

令和7年度 1級管工事 第二次検定の全体像

第二次検定は記述式です。一次検定のようなマークシートではありません。

令和7年度の構成は次のとおりでした。

  • 問題1・問題2・問題3… 全問解答(必須)
  • 問題4・問題5… どちらか1問を選択

ここで大事な点をひとつ。施工経験記述は出題されていません。

「二次検定といえば自分が関わった工事の経験を書くもの」と覚えている方もいますが、令和7年度の問題を見るかぎり、知識と技能を問う記述が中心になっています。古い対策本やまとめ記事は経験記述を前提にしていることがあるので、注意してください。

例「施工経験記述」は出ませんでした

令和7年度の第二次検定では、自分の工事経験を書かせる「施工経験記述」は出題されませんでした(試験実施元が公表している令和7年度の試験問題で確認しています)。問題4・問題5も、自分の経験ではなく問題文で与えられた建物の条件にもとづいて答える形式です。

市販の対策本やネットの情報には、経験記述がある前提のものがまだ残っています。ただし今後も出題されないと決まったわけではありません。受検の年度の「受検の手引」と試験問題は、必ずご自身でご確認ください。

【問題1】必須問題

設問1 適当なものに○、適当でないものに×

次の(1)〜(5)の記述について、適当な場合には○を、適当でない場合には×を記入しなさい。

(1) 呼び径25以下のステンレス鋼管をベンダー加工する場合の曲げ半径は、直径の2倍以上とする。

(2) 配管、ダクト、機器等の天井吊下げ用アンカーボルトには、接着系のあと施工アンカーは使用しない。

(3) 局部震度法による設備機器に対する地震力は、下階に比べ上階ほど大きくなり、機器据付け用のアンカーボルトの引抜き力も大きくなる。

(4) 複式伸縮管継手を使用する場合は、当該伸縮管継手の直近で伸縮する配管を固定し、伸縮管継手本体は固定しない。

(5) 横走り配管に取り付ける筒状保温材の合せ目は、配管の横側を避け、垂直上下面に位置するようにする。

解答例・解説を見る
解答例
(1) × (2) ○ (3) ○ (4) × (5) ×

(1) ×です。ステンレス鋼管をベンダー加工(曲げ機で管を曲げる加工)するときの曲げ半径は、管径の4倍以上とします。2倍では小さすぎて、管が潰れたり肉厚が薄くなったりするおそれがあります。

(2) ○です。接着系のあと施工アンカーは、上向き(天井面)で長期間荷重がかかると、接着剤がじわじわ変形して抜けてしまうおそれがあります。天井から吊る用途には使いません。

用語あと施工アンカーとは?

コンクリートを打った(流し込んで固めた)あとから穴をあけて取り付けるアンカーです。打ち込んで機械的に固定する「金属拡張アンカー」と、樹脂で接着する「接着系アンカー」があります。

(3) ○です。局部震度法では、上の階ほど設計用の震度が大きくなります。地震で建物が揺れるとき、上階ほど揺れが増幅されるからです。機器にかかる地震力が大きくなれば、それを押さえているアンカーボルトの引抜き力も当然大きくなります。

用語局部震度法とは?

設備機器にかかる地震力を、機器の重さに「設計用標準震度」を掛けて求める、簡易な計算方法です。

(4) ×です。「伸縮管継手本体は固定しない」が誤りです。複式伸縮管継手は、継手本体を固定して、その両側の配管を伸縮させます。本体が動いてしまうと、伸縮を吸収する役目を果たせません。

用語複式伸縮管継手とは?

伸縮を吸収する部分(ベローズ=蛇腹状の筒 等)を2つ持つ継手です。本体を固定し、左右それぞれの配管の伸び縮みを吸収します。1つだけの「単式」は、片側の配管を固定して使います。

(5) ×です。「垂直上下面に位置するようにする」が誤りです。筒状の保温材の合せ目は、垂直上下面を避けて取り付けます。真上や真下に合せ目がくると、そこから水が入り込んだり、自重で口が開いたりしやすいためです。

設問2 空調用冷温水配管システム図

下図の空調用冷温水配管システム図について、適切でない部分のうち2箇所の改善策を記述しなさい。また、この図における二次側冷温水管の配管方式の特徴を記述しなさい。

空調用冷温水配管システム図(令和7年度 1級管工事 第二次検定 問題1 設問2)
空調用冷温水配管システム図(令和7年度 1級管工事 第二次検定 問題1 設問2)
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解答例
(1)(2) 改善策 / (3) 二次側は「変流量(VWV)方式」

(1) 膨張管(逃がし管)に弁が設けられている点です。開放式膨張タンク(水が温まって膨らんだ分を受け止める、大気に開いたタンク)につながる膨張管には、弁を設けてはいけません。もし誤って閉められると、水が温度で膨らんだときに逃げ場がなくなり、配管や機器が壊れてしまいます。改善策はこの弁を撤去することです。

(2) ヘッダーバイパス弁が電動二方弁になっている点です。各階のコイル(空調機の中で空気を冷やしたり温めたりする管の束)は電動二方弁で流量を絞る方式なので、二次側の水量は刻々と変わります。一方でポンプは定流量です。その差をバイパス管で逃がすため、バイパス弁は往還ヘッダー間の差圧に応じて開度を調整できるものにします。改善策は差圧に応じて開度が変わる弁(差圧制御弁)に変更することです。

(3) 二次側冷温水管は「変流量(VWV)方式」です。各空調機の冷温水コイルに電動二方弁が付いていて、室内の負荷に合わせて流す水の量そのものを増減させます。負荷が小さいときは水を減らせるので、ポンプの搬送動力(水を送るための動力)を減らせるのが特徴です。

用語VWVとは?

VWVは「Variable Water Volume(変水量)」の略です。水の量を変えて熱量を調整します。反対に、水量を一定にして往きと還りの温度差で調整するのがCWV(Constant Water Volume=定水量)方式です。

覚えるこの設問の「正解」は公表されていません

第二次検定は、試験実施元が正答を公表していません(第一次検定には正答肢の公表がありますが、第二次にはありません)。ここに挙げたのは、図面上で明確に不適切と判断できる箇所です。これ以外の指摘(流量計の設置位置など)も正解になり得ます。

設問3 排水管接合要領図

下図の排水管接合要領図について、継手の名称と、この継手の特徴または接合方法を記述しなさい。

排水管接合要領図(令和7年度 1級管工事 第二次検定 問題1 設問3)
排水管接合要領図(令和7年度 1級管工事 第二次検定 問題1 設問3)
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解答例
(1) MDジョイント(排水鋼管用可とう継手) (2) ねじ切りをせずに接合できる

(1) 名称はMDジョイントです。「排水鋼管用可とう継手(多少曲がったりずれたりしても追従できる継手)」とも呼ばれます。図のT字ボルト・専用フランジ・ロックパッキンという組み合わせが、この継手の特徴です。

(2) 特徴は、管にねじを切らずに接合できる点です。排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、内側に塩ビの層があります。ねじを切るとこの層を傷つけてしまい、そこから錆びてしまいます。

MDジョイントは、管端を加工せずに専用フランジで挟み込み、T字ボルトで締め付けて接合します。ライニングを傷めず、多少の変位を吸収できる可とう性もあります。

用語排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管とは?

鋼管の内側に硬質塩化ビニルをライニング(内張り)した管です。鋼管の強さと、塩ビの錆びにくさを両立させています。内面を傷つけないため、専用の継手(MDジョイント等)を使います。

【問題2】必須問題 ネットワーク工程表

下図のネットワーク工程表について、設問1〜設問5に答えなさい。ただし、図中のイベント間のA〜Jは作業内容、日数は作業日数を表します。

ネットワーク工程表(令和7年度 1級管工事 第二次検定 問題2)
ネットワーク工程表(令和7年度 1級管工事 第二次検定 問題2)

設問1 イベント番号を→(ダミーは破線矢印)でつなぐ形式で、クリティカルパスの経路を答えなさい。

設問2 クリティカルパスの所要日数を答えなさい。

設問3 工事着工から5日目の作業終了時に進行状況をチェックしたところ、作業Aは3日遅れていた。作業Bはまだ着手されておらず、翌日から開始予定となっていた。また、作業C及び作業Dで更に2日ずつ作業日数が必要なことが判明した。その他の作業日数に変更はないものとして、当初の全体工期より何日延長になるか答えなさい。

設問4 設問3の場合において、作業Gのトータルフロートは何日か答えなさい。

設問5 設問3の場合から全体工期を3日短縮するため、作業Iを3日短縮することとした。この場合、クリティカルパスではないパスも短縮する必要が生じるが、そのパスのことを何と呼ぶか答えなさい。

解答例・解説を見る
解答例
1) 1→2⇢3⇢4→5⇢6→7→8→9 2) 28日 3) 4日延長 4) 3日 5) サブクリティカルパス

設問1・2 まず最早開始時刻を順に求めます。各イベントに入ってくる経路のうち、いちばん遅いものがそのイベントの最早開始時刻です。

イベント最早開始時刻決め手になった経路
①0—
②7①+A(7)
③7②のダミー
④7③のダミー
⑤14④+E(7)
⑥14⑤のダミー
⑦20⑥+F(6)
⑧23⑦+H(3)
⑨28⑧+I(5)

最後のイベント⑨が28日。これが所要日数です。

そこから逆にたどって、余裕がまったくない経路を拾うとクリティカルパスになります。1→2⇢3⇢4→5⇢6→7→8→9です(⇢はダミー作業=日数を持たず、順序だけを示す矢印)。

用語クリティカルパスとは?

クリティカルパスとは、いちばん時間のかかる経路のことです。ここが1日でも遅れると、工事全体が1日遅れます。逆にいえば、工期を縮めたいならここを縮めるしかありません。

設問3 遅れを反映して計算し直します。

作業Aは3日遅れなので、完了は7日目→10日目。作業Bは5日目まで未着手で6日目から始めるので、5日かかって完了は10日目。作業Cは12日→14日、作業Dは6日→8日になります。

これで計算し直すと、全体工期は32日。当初の28日と比べて4日の延長です。

設問4 作業Gのトータルフロートを求めます。

遅れたあとの状態で、イベント⑤の最早開始時刻は17日、イベント⑦の最遅完了時刻(工期を守るために、遅くともその時点までに終えるべき時刻)は24日です。作業Gは4日かかるので、24 − 17 − 4 = 3日の余裕があります。

用語トータルフロートとは?

その作業が最大でどれだけ遅れても、工期全体に影響しないかを表す余裕日数です。クリティカルパス上の作業は、このトータルフロートがゼロになります。

設問5 答えはサブクリティカルパスです。

ここが面白いところです。工期を3日縮めたくて作業Iを3日短縮しても、実際には2日しか縮まりません(32日→30日)。

作業Iを縮めた瞬間に、いままで余裕のあった別の経路(7→9の作業Jを通る経路)が新しいボトルネック(全体の日数を決めてしまう部分)になってしまうからです。このように、クリティカルパスに次いで余裕の少ない経路をサブクリティカルパス(準クリティカルパス)と呼びます。

工期短縮では、クリティカルパスだけを見ていても足りません。縮めた結果、次にどの経路が効いてくるかまで見る必要があります。

【問題3】必須問題 労働安全衛生法

設問1 墜落等による危険の防止

文中の A 〜 C にあてはまる語句または数値を、選択欄から選んで記入しなさい。

(1) 事業者は、高さが[ A ]メートル以上の箇所で作業を行うときは、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。

(2) 事業者は、高さが[ A ]メートル以上の作業床の端、開口部等で、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、[ B ]を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

(3) 事業者は、労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させるときは、要求性能墜落制止用器具等及びその取付け設備等の異常の有無について、[ C ]点検しなければならない。

選択欄:1、2、3、ロープ、テープ、防網、日常、簡易、随時

解答例・解説を見る
解答例
A = 2  B = 防網  C = 随時

A は「2」です。労働安全衛生規則では、高さ2メートル以上が「高所作業」の境目になります。照度の保持(第523条)も、作業床の端の措置(第519条)も、どちらも2メートルが基準です。

B は「防網」です。囲いや手すりを設けられないとき、落ちてしまったときに受け止めるのが防網(ネット)。ロープやテープは、人が落ちるのを止められません。

C は「随時」です。器具や取付け設備に異常がないかは、使うたびに、そのつど確かめます(第521条第2項)。「日常」だと1日1回のようにも読めてしまうため、条文どおり「随時」が正解です。

用語要求性能墜落制止用器具とは?

以前は「安全帯」と呼ばれていたものです。2019年から名称と規格が変わり、原則としてフルハーネス型(肩・腰・太ももを包んで体を支えるタイプ)を使うことになりました。

設問2 クレーンの運転業務

事業者は、つり上げ荷重が5t以上のクレーン(跨線テルハを除く。)の運転の業務については、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る[ D ]を修了した者、クレーン・デリック運転士免許を受けた者等でなければ、当該業務に就かせてはならない。

また、当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を[ E ]していなければならない。

解答例・解説を見る
解答例
D = 技能講習  E = 携帯

D は「技能講習」です。免許のほかに、登録教習機関が行う技能講習を修了していれば就ける業務があります。クレーンの場合は「床上操作式クレーン運転技能講習」などがこれにあたります。

E は「携帯」です。労働安全衛生法第61条第3項で、資格を証する書面を携帯していなければならないと定められています。事務所に保管しているだけでは足りません。身につけて現場に入る必要があります。

【問題4】選択問題 空気調和設備工事

鉄筋コンクリート造5階建ての新築事務所ビルの空気調和設備工事です。問題4と問題5のうち1問を選んで解答します。

例【設備概要】

空調方式:変風量単一ダクト方式/熱源機器:吸収冷温水機 2台/冷却塔:開放式 2台(屋上)/空気調和機:ユニット形(各階機械室に1台)/ポンプ:遠心ポンプ(冷温水用2台、冷却水用2台)/換気方式:第一種(機械室・倉庫)、第三種(便所)/送風機:遠心送風機/配管:冷温水管・冷却水管・ドレン管 配管用炭素鋼鋼管(白)/ダクト:亜鉛鉄板製/空調吹出口:シーリングディフューザー/自動制御設備:デジタル式、中央監視制御装置

設問1 次の(1)〜(4)に関する留意事項を、具体的かつ簡潔に記述しなさい。(1)冷却塔の配置に関し、運転の観点からの留意事項 (2)冷温水管の保温施工に関する留意事項 (3)ユニット形空気調和機のコンクリート基礎への据付けに関する留意事項 (4)遠心送風機(Vベルト駆動)の個別試運転調整に関する留意事項

設問2 シーリングディフューザーの構造、性能又は使用用途に関する特徴を記述しなさい。

設問3 総合試運転調整において特に重要と考え実施することを記述しなさい。

解答例・解説を見る
解答例
記述式のため、以下は解答例のひとつです

設問1(1)冷却塔の配置

吹き出した高温多湿の空気を、自分の吸込口が吸い込んでしまうショートサーキットを防ぐことがいちばんの要点です。周囲の壁や他の冷却塔から十分な離隔(距離)をとり、建物の排気口や厨房排気など、熱や汚れた空気の出口から離して配置します。

用語ショートサーキットとは?

冷却塔から出た熱い空気が、そのまま自分の吸込口に戻ってしまう現象です。冷却塔に入ってくる空気の温度が上がるので、冷却能力が落ちます。

設問1(2)冷温水管の保温施工

冷水が流れると管の表面が冷えるため、結露(空気中の水蒸気が冷たい面で水滴になる現象)が起きます。結露を防ぐには保温材の外側の防湿層(湿気を通さない覆い)を切れ目なく連続させ、継目や端部をきちんとシールします。天井内で結露すると漏水と間違われ、大きなクレームにつながりかねません。

設問1(3)ユニット形空調機の据付け

コンクリート基礎は機器の外形より大きくとり、あらかじめ水平(レベル)を出してから据え付けます。基礎とのあいだに防振材を入れる場合は、ドレンパン(空調機内の結露水を受ける皿)の排水勾配が確保できているかを必ず確認します。勾配が逆になると、ドレン水が溢れてしまうからです。

設問1(4)遠心送風機(Vベルト駆動)の個別試運転調整

まず回転方向を確認します(逆回転でも風は出るので気づきにくい)。次はVベルトの張り具合と、プーリ(ベルトを掛ける車輪)の芯出し(軸の中心を合わせること)の確認です。張りすぎれば軸受を傷め、緩ければ滑ります。運転後は電流値・軸受温度・振動を測定し、規定内に収まっているか確かめます。

設問2 シーリングディフューザーの特徴

天井に取り付ける、円形または角形の吹出口です。多層のコーン(羽根)で吹き出すため、周りの室内空気を巻き込む力(誘引作用)が大きく、温度のむらが少ない気流をつくれます。コーンの位置を上下させることで拡散半径を調整でき、冷房・暖房のどちらにも使えます。

設問3 総合試運転調整で特に重要なこと

個々の機器の試運転がすべて終わっていることを確認したうえで、系統全体としての風量・水量のバランス調整を行うことです。あわせて、自動制御が設計どおりに動くか、インターロック(連動停止)や中央監視への信号が正しいかを確認します。

覚えるここも「正解」は公表されていません

記述式の問題で、試験実施元は正答を公表していません。ここに載せたのは解答例のひとつで、これと違う書き方でも得点になります。書く内容よりも設問が何を聞いているかに正面から答えているかを意識してください。

【問題5】選択問題 給排水衛生設備工事

鉄筋コンクリート造地上5階・地下1階建ての新築事務所ビルの給排水衛生設備工事です。問題4と問題5のうち1問を選んで解答します。

例【設備概要】

給水方式:高置タンク方式/タンク:受水タンク1基、高置タンク1基/ポンプ:遠心ポンプ(揚水用2台)、排水用水中モーターポンプ(汚物用2台、雑排水用2台)/配管:屋内給水管 一般配管用ステンレス鋼鋼管、汚水管 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管、雑排水管・通気管 配管用炭素鋼鋼管(白)/衛生器具:洗面器、便器類

設問1 (1)排水槽に設置する排水用水中モーターポンプの据付位置 (2)給水管(屋内)の保温施工 (3)配管用炭素鋼鋼管(白)をねじ接合する場合 (4)遠心ポンプの個別試運転調整 に関する留意事項を記述しなさい。

設問2 遠心ポンプの構造、性能又は使用用途に関する特徴を記述しなさい。

設問3 総合試運転調整において特に重要と考え実施することを記述しなさい。

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解答例
記述式のため、以下は解答例のひとつです

設問1(1)水中モーターポンプの据付位置

排水槽の底に設けた吸込みピットの中に据え付けます。ポンプは槽の壁から離して置き、点検や引き上げが容易な位置にすることが大切です。壁に近すぎると、汚物が滞留したり、点検時に引き上げられなくなります。

設問1(2)給水管(屋内)の保温施工

給水管は結露防止が目的です。防湿層を連続させ、継目をシールします。壁や床の貫通部では保温材が途切れやすいので、貫通部も連続して保温し、貫通スリーブとのすき間を埋めます。

設問1(3)配管用炭素鋼鋼管(白)のねじ接合

ねじを切ったあとの切削油と切粉(削りくず)を確実に除去します。テーパねじ(先に行くほど細くなるねじ)を規定の長さまでねじ込み、ねじ込んだあとに管の外に出る余ねじ部(露出したねじ山)は防錆処理をします。ここは亜鉛めっきが削られていて、特に錆びやすい場所です。

設問1(4)遠心ポンプの個別試運転調整

運転前に呼び水をして、ポンプ内を水で満たします。空運転は、軸封部(回転軸のすき間から水が漏れないよう封じる部分)の焼付きにつながるため厳禁です。回転方向を確認し、吐出弁を全閉にしたままの締切運転を長く続けないようにします。運転後は電流値・軸受温度・振動・軸封部からの漏れを確認します。

用語呼び水とは?

呼び水とは、ポンプを回す前に、ポンプ本体と吸込管の中を水で満たしておくことです。遠心ポンプは空気を吸っても水を吸い上げられません。

設問2 遠心ポンプの特徴

羽根車を回して、その遠心力で水に圧力を与えるポンプです。水の流れが連続していて脈動(流れの強弱の波)が少なく、構造が単純で保守しやすいのが特徴です。高い揚程(ポンプが水を押し上げられる高さ)から大きな流量まで幅広く使え、建築設備の給水・冷温水・冷却水で広く使われています。

設問3 総合試運転調整で特に重要なこと

系統全体で水漏れがないことを確かめることです。受水タンク・高置タンクの満水試験、配管の水圧試験、排水系統の通水試験を行います。あわせて、器具の吐水量、排水の流れ方、ポンプの自動発停と満水・減水警報が正しく動くかを確認します。

覚えるここも「正解」は公表されていません

記述式の問題で、試験実施元は正答を公表していません。ここに載せたのは解答例のひとつで、これと違う書き方でも得点になります。書く内容よりも設問が何を聞いているかに正面から答えているかを意識してください。

用語令和8年度の第二次検定は12月6日(日)です

第一次検定は9月6日(日)、その合格発表が10月8日(木)。第二次検定は12月6日(日)です。合格発表を待ってから対策を始めると2か月しかありません。第一次の手ごたえがあった時点で、この記事で二次の形式をつかんでおくと余裕が出ます。

▶ 令和8年度の日程・受験料・受験資格をまとめて見る

この年の要点(直前チェック用)

  • 令和7年度は施工経験記述が出題されなかった。知識と技能の記述に変わっている
  • ステンレス鋼管のベンダー曲げ半径は管径の4倍以上
  • 複式伸縮管継手は本体を固定する(単式は片側の配管を固定)
  • 膨張管には弁を設けない
  • MDジョイントはねじを切らないのでライニングを傷めない
  • 工期短縮ではサブクリティカルパスにも目を配る
  • 高所作業の境目は2メートル。器具の点検は随時
  • 資格を証する書面は携帯する

二次検定は「書いて覚える」が近道です

記述式は、読むだけでは書けるようになりません。添削してもらえる環境があると、合格までの距離がぐっと縮まります。

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