第2章 燃えるしくみ(物理・化学) | 第8回 | 学習カリキュラムの目次を見る

この記事でわかること

  • 固体・液体・気体の行き来と、その呼び名が分かります
  • 沸点と、圧力で沸点が変わる理由が分かります
  • 蒸気比重がなぜ大事なのかが分かります
  • ボイル・シャルルの法則の使い方が分かります

この回の内容は、物理・化学のうち1〜2問ほどで問われることが多い範囲です。特に蒸気比重は、性質・消火の分野でも「蒸気は低いところにたまる」という形で繰り返し出てきます。ここを押さえると、2科目で役立ちます。

物質の3つのすがたと、その行き来

固体・液体・気体の行き来(融ける・固まる・蒸発する・液に戻る)
固体・液体・気体の行き来
物質の状態と気体の性質

物質は固体・液体・気体の3つのすがたをとります。温度や圧力が変わると、そのすがたが移り変わります。

変化呼び名例
固体 → 液体融解氷がとける
液体 → 固体凝固水が凍る
液体 → 気体蒸発(気化)水が水蒸気になる
気体 → 液体凝縮(液化)冷たいコップに水滴がつく
固体 → 気体昇華ドライアイスが白い煙になる
気体 → 固体凝華(昇華)霜がつく

覚える覚え方

「融」は液になる、「凝」は固まる・集まると考えると漢字から意味が読めます。昇華だけは液体を飛ばして直接行ったり来たりする特別な変化です。

用語潜熱とは?

潜熱とは、すがたを変えるときにだけ使われる熱のことです。氷が0℃でとけている間、いくら熱を加えても温度は0℃のままで上がりません。加えた熱が全部「とかす」ことに使われているからです。この熱が潜熱です。

沸点は「まわりの圧力」で変わる

用語沸点とは?

沸点とは、液体が内部からもさかんに蒸発しはじめる温度です。水なら1気圧で100℃。液体の蒸気の圧力(蒸気圧)が、周りの大気の圧力と等しくなった温度です。

大事なのは、沸点は決まった数字ではないということです。まわりの圧力が下がれば、沸点も下がります。

例簡単なたとえ

富士山の山頂でご飯を炊くと、芯が残るという話を聞いたことがありませんか。山の上は空気が薄い=圧力が低いので、水は88℃くらいで沸いてしまいます。100℃まで上がらないので、お米に火が通りきらないのです。逆に圧力鍋は、ふたを閉めて圧力を上げることで沸点を120℃くらいまで上げ、短時間で煮えるようにしています。

覚える沸点で問われるポイント

  • 圧力が高い → 沸点は高い/圧力が低い → 沸点は低い
  • 沸騰している間、温度は上がらない(加えた熱は潜熱に使われる)
  • 混合物の沸点は一定にならない … ガソリンのようにいろいろな成分が混ざったものは、「沸点40〜220℃」のように幅で書かれます。

比重と蒸気比重──2つの「重さくらべ」

乙4で特に出番が多いのがここです。比重と蒸気比重は、比べる相手が違うので区別してください。

用語比重(液比重)とは?

比重とは、その液体が、水の何倍の重さかを表した数字です。水が1。1より小さければ水に浮き、1より大きければ沈みます。

用語蒸気比重とは?

蒸気比重とは、その蒸気が、空気の何倍の重さかを表した数字です。空気が1。1より大きければ低いところにたまります。

  • 第4類のほとんどは、比重が1より小さい … 水に浮く。だから水で消そうとすると油が浮いて燃え広がる。
  • 第4類の蒸気比重は、ほぼすべて1より大きい … 床や地面をはうように低いところへ流れてたまる。
  • 例外として二硫化炭素は比重1.26で水より重い(水に沈む)。ここだけ別扱いなので覚えます。

覚える覚え方

「液は浮く、蒸気は沈む」。この一言で、第4類の性質の多くを説明できます。液が浮くから水で消せない。蒸気が沈むからピット(床を掘り下げたくぼみ)や地下室、側溝にたまって遠くまで流れていく——多くの事故も、これで筋道立てて説明できます。

覚えるだから、こういう決まりがあります

  • たまった蒸気は屋外の高いところへ排出する … 屋内貯蔵所などの排出設備は屋根の上へ導きますが、たまり場(ピット・くぼみ)を作らないことが基本です。
  • 地下タンクやマンホールの中は特に危険 … 低いところに蒸気がたまっている前提で作業します。

気体の法則──ボイル・シャルル

気体は、温度と圧力で体積が変わります。その関係をまとめたのが次の法則です。

覚えるボイルの法則

温度が一定なら、気体の体積は圧力に反比例する。圧力を2倍にすれば、体積は半分になります。

覚えるシャルルの法則

圧力が一定なら、気体の体積は絶対温度(考えられる最も低い温度をゼロとした温度。単位はK)に比例する。絶対温度が2倍になれば、体積も2倍になります。

覚えるボイル・シャルルの法則

ボイル・シャルルの法則とは、2つをまとめたものです。圧力×体積 ÷ 絶対温度 は、いつも同じ値になる。式では P₁V₁ / T₁ = P₂V₂ / T₂ と書きます。Tは必ず絶対温度(K)を使います。

  • 例題 27℃・1気圧で3Lの気体を、圧力そのままで127℃にすると体積は?
  • ① 温度をKに直す 27℃ → 300K、127℃ → 400K
  • ② 圧力が同じなので、体積は絶対温度に比例(シャルル)
  • ③ 3L × (400 ÷ 300) = 3 × 4/3 = 4L

注意計算でのつまずきポイント

  • 温度は必ずKに直す … ℃のまま比を取ると答えが合いません。K = ℃ + 273。
  • 圧力と体積は「逆」、温度と体積は「同じ向き」 … 圧力を上げると縮み、温度を上げるとふくらみます。

よくある質問

Q.「蒸発」と「沸騰」は違うのですか?

A.違います。蒸発は液体の表面だけから起きる現象で、どんな温度でも起きています。洗濯物が乾くのは常温での蒸発です。一方、沸騰は液体の内部からも泡になって出てくる状態で、沸点にならないと起きません。

Q.蒸気比重が1より大きいと、なぜ危険なのですか?

A.逃げていかず、その場にたまるからです。空気より軽ければ天井へ上がって拡散していきますが、重い蒸気は床や地面をはって低いところにたまり続けます。そこへ火花が飛ぶと引火します。離れた場所の火が、蒸気を伝って戻ってくるケースもあるのです。

Q.「1気圧」とはどれくらいの圧力ですか?

A.地上で普段受けている空気の圧力のことです。約101.3kPa(キロパスカル)、または約0.1MPaと表されます。試験では数字より「高い・低い」の向きが問われることが多いでしょう。

試験ではこう出る

例出題のされ方

  • ①状態変化の名前 … 「固体から直接気体になる変化を何というか」→昇華。
  • ②沸点と圧力 … 「圧力が低くなると沸点は」→下がる。
  • ③蒸気比重 … 「第4類の蒸気は空気より重い」→正しい。
  • ④ボイル・シャルル … 温度・圧力を変えたときの体積を計算させる。温度はKに直すのを忘れずに。
問題で確かめる▶ 物理・化学の予想問題10問②(熱・気体・酸とアルカリ)

まとめこのページのまとめ

  • 状態変化は融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華。その間は温度が上がらない(潜熱)
  • 圧力が低いと沸点は下がる。混合物の沸点は幅で示される
  • 比重=水と比べる/蒸気比重=空気と比べる
  • 第4類は「液は浮く(比重1未満)、蒸気は沈む(蒸気比重1超)」。例外は二硫化炭素(水より重い)
  • P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂。温度はKに直す
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