第2章 燃えるしくみ(物理・化学) | 第9回 | 学習カリキュラムの目次を見る

この記事でわかること

  • 酸化と還元が何なのか、ひと言で言えるようになります
  • 燃焼は酸化の一種だとわかります
  • 酸化されやすいもの=燃えやすいものという関係がわかります
  • 酸・アルカリ・pHの見方がわかります

「化学」と聞くと身構えてしまいますが、乙4で問われるのは限られた範囲です。中心は酸化・還元。ここは燃焼と直結しているので、第4回(燃焼の3要素)と一緒に学ぶと理解が早まります。

酸化とは「酸素とくっつくこと」

酸化と還元の対比(酸素と結びつく/酸素を失う)
酸化は酸素と結びつく、還元は酸素を失う
酸化と還元・化学反応のきほん

用語酸化とは?

酸化とは、物質が酸素と結びつくことです。(もう少し広く言うと「電子(物質をつくる粒の中にある、マイナスの電気を帯びたとても小さな粒)を失うこと」ですが、乙4では酸素とくっつくと考えて差し支えありません。)

用語還元とは?

還元とは、酸化の反対で、酸素を奪われることです。(同じく「電子を受け取ること」。)

  • 鉄がさびる … 鉄 + 酸素 → 酸化鉄。これも酸化
  • リンゴの切り口が茶色くなる … これも酸化
  • 物が燃える … これも酸化(ただし急激で、熱と光を出す)

例簡単なたとえ

酸化と還元はいつもセットで起きます。例えば「酸化銅+炭素」を熱すると、酸化銅は酸素を奪われて銅に戻り(還元)、炭素は酸素をもらって二酸化炭素になります(酸化)。誰かが酸素を渡せば、誰かがもらう——キャッチボールのようなものです。そのため「酸化だけ起きた」ということはありません。

覚える覚え方

酸化=酸素をもらう/還元=酸素を渡す。「還」という字は「かえる(戻る)」。もとの姿に戻る=還元と覚えると迷いにくくなります。

燃焼は「急激な酸化」

第4回で燃焼の3要素を見ました。あの「燃える」という現象は、化学の言葉でいえば酸化のうち、特に急激で、熱と光をともなうものです。

速さ熱と光
さびるとてもゆっくりほとんど出ない
自然発火ゆっくりだが熱がたまる熱がたまってやがて発火
燃焼急激熱と光を出す
爆発きわめて急激熱・光・圧力の波

この表は「同じ酸化でも、速さが違うだけ」ということを表しています。第13回で出てくる動植物油類(動物や植物からとった油)の自然発火も、この「ゆっくりした酸化で熱がたまる」現象です。

用語酸化熱とは?

酸化熱とは、酸化するときに出る熱のことです。通常は逃げていきますが、ぼろ布に油がしみ込んで積み重なっているような状態だと熱が逃げられず、たまり続けてついには発火することがあります。これが自然発火です。

酸化されやすい=燃えやすい

ここは試験で問われやすい考え方です。

覚える燃えやすい(酸化されやすい)条件

  • 酸素と触れる面積が広い … 同じ木でも、丸太よりおがくずのほうがよく燃えます。
  • まわりの温度が高い … 温まっているほど反応が進みます。
  • 熱が逃げにくい … 熱がこもると温度が上がり、さらに反応が進みます。
  • 湿気(水分)がある … 意外ですが、適度な水分は酸化を助けます(鉄がさびるのと同じ)。
  • 発熱量が大きい … 出た熱が次の反応を後押しします。

覚える覚え方

自然発火しやすい条件は、「広い面積・高い温度・こもる熱・適度な湿気・大きい発熱量」の5つ。逆に言えば、薄く広げて風通しよく、涼しく置けば起きにくい。油のしみた布を丸めて積まないのがまさにこれです。

用語酸化剤・還元剤とは?

酸化剤=相手を酸化させるもの(自分は還元される)。酸素を渡す側です。還元剤=相手を還元させるもの(自分は酸化される)。第4類の危険物は、燃える側なので還元剤にあたります。

覚える危険物どうしの混ぜるな危険

  • 第4類(引火性液体=燃える側)と第1類・第6類(酸化性=燃やす側)は、一緒に置いてはいけません。
  • 燃えるものと、酸素を供給するものが同じ場所にあると、火がなくても反応が始まるおそれがあるためです。
  • 法令の「類を異にする危険物の同時貯蔵は原則禁止」は、この化学の理由からきています。

酸とアルカリ、pH

物理・化学では酸・アルカリも出ます。乙4では深い知識は不要で、見分け方と数字の向きを押さえるのが中心です。

用語pHとは?

pHとは、酸性かアルカリ性かを0〜14の数字で表したものです。7が中性。7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強い。

pH身近な例リトマス紙
酸性7より小さい酢・レモン・塩酸青→赤
中性7純水・食塩水変わらない
アルカリ性7より大きい石けん水・重曹・水酸化ナトリウム赤→青

覚える覚え方

リトマス紙は「酸性は青が赤に」とだけ覚えて、もう一方はその逆、とすれば十分です。「せき(赤)は酸」と語呂で覚える人もいます。

用語中和とは?

中和とは、酸とアルカリが反応して、互いの性質を打ち消し合うことです。酸 + アルカリ → 塩(えん:酸とアルカリが結びついてできる物質)+ 水 となります。

よくある質問

Q.「燃焼も酸化」なら、鉄がさびるのも火事なのですか?

A.違います。同じ酸化でも、熱と光を出すほど急激かどうかで区別します。さびは非常にゆっくりなので、出た熱はそのつど逃げていき、熱くなることはほとんどありません。熱が逃げられない状況になると、そのゆっくりした酸化でも自然発火につながる——というのが第13回の話です。

Q.第4類が「還元剤」というのがピンときません。

A.「燃える側」=「酸素をもらう側」=「相手を還元する側」という順で考えてください。ガソリンは酸素と結びついて燃えます。つまりガソリンは酸素をもらう側なので、自分は酸化され、相手を還元する=還元剤という呼び方になります。試験では「第4類は還元剤なので、酸化剤である第1類・第6類と一緒に貯蔵しない」という形で問われることがあります。

Q.pHの計算は出ますか?

A.ほとんど出ません。乙4で問われるのは「7より大きいか小さいか」「リトマス紙の色」「中和とは何か」の3点がほとんどです。対数の計算などは不要です。

試験ではこう出る

例出題のされ方

  • ①酸化の定義 … 「酸化とは酸素と化合すること」→正しい。
  • ②燃焼と酸化の関係 … 「燃焼は酸化反応の一種である」→正しい。
  • ③自然発火しやすい条件 … 表面積が広い・熱がこもる・発熱量が大きい。
  • ④pHとリトマス紙 … 「酸性の水溶液は青色リトマス紙を赤に変える」→正しい。
問題で確かめる▶ 物理・化学の予想問題10問①(燃焼・引火点)

まとめこのページのまとめ

  • 酸化=酸素と結びつく/還元=酸素を奪われる。必ずセットで起きる
  • 燃焼は急激な酸化。さび→自然発火→燃焼→爆発は「速さ」の違い
  • 燃えやすい条件は面積が広い・温度が高い・熱がこもる・適度な湿気・発熱量大
  • 第4類は還元剤。酸化剤(第1類・第6類)と一緒に置かない
  • pH7が中性、小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性。リトマスは酸性で青→赤
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